Kiyoshi Fujioka

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事業会社で資金調達や事業計画策定といった固い仕事をしています。東京都目黒区在住。ロンドンに住んでいたことがあり、かつてはヨーロッパのあちこちに旅行しました。自分は批評家ではないので、余り気に入らなかった店についても厳しい書き方はしません。

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Kiyoshi Fujioka

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excellent

西小山駅

フランス料理

Caillou(カイユ)は、実力派のシェフが腕を振るう気軽なフランス料理店だ。 シェフはAsahina Gastronomeのスーシェフを務めた人で、独立するに当たって、高級店でなく気軽な店を開いた。立地は目黒区の武蔵小山という庶民的な場所。一般的には不便な立地だが、目黒区民の僕にとっては訪れやすい。 今どき珍しい完全アラカルト制だ。先ずはオープン キッチンに並べられた食材を見ながら注文を決めるのが楽しい。 注文に関わらずアミューズ ブーシュが供される。グジュールのしっとりとした感触などが、技量の高さを窺わせる。 定番だというパテアンクルートは、肉の凝縮感が有る。 ロワール産のアスパラガスは、シンプルに茹でて、オランデーズ ソースを掛ける。程よい歯応えを残しつつ柔らかい茹で方は的確。ソースが美味しく、パンで全て掬った。 サカエヤという精肉店から仕入れている牛肉は、外側が焼けているが内側は適度にレアという的確な炊き方。いたずらに柔らかさを求めるのでなく、適度な歯応え。 ソルベは滑らかな食感。 どの皿も、何気無い感じだが、確かな技量を感じる。

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恵比寿駅

イタリア料理

2回目の訪問。 Mansalva(マンサルヴァ)は恵比寿のイタリア料理店だ。 長いカウンターにテーブルが3卓、更に個室も有る。白と灰色の階調の付いた壁と、木のカウンターの対比がスタイリッシュ。ジャズがBGMとして流れている。コースのみ。 突き出しは、鶉の卵を練り込んだそら豆のペースト。適度にネットリとした食感が良い。 冷前菜は、金目鯛のマリネに新玉ねぎや南高梅を添えている。上質なマリネに酸味がアクセントを加えている。 温前菜は、スミイカとほうれん草。イカ墨が背徳感のある食感だ。 続く皿は、春野菜と生ハムとリコッタ。下に敷いたクリームの甘さがアクセントを加えている。 仔牛とサフランとレモンのタリオリーニ。レモンの酸味がかなり強く、もう少し控えめにした方が良いと思った。 熊本県産あか牛の牛肉の炙り焼きは、素材も適度にレアな焼き方も、良い。柚子胡椒でシンプルに食べる。 イタリア料理はドルチェが弱いことが多いが、この店はドルチェも良質だった。カカオとアマレットの組み合わせは適度に濃厚。 料理は典型的なイタリア料理というより、パスタも供されるフランス料理という感じがする。それと関連するかどうか判らないが、ワインもイタリア産とフランス産が半々程度。 内装も料理も現代的でスタイリッシュ。接客も好印象。

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2024

明治神宮前駅

フランス料理

2年振り2回目の訪問。 l'élan(レラン)は、高級感に溢れ、古典を踏まえながらも現代的な料理を楽しめるフランス料理店だ。2年前の初訪問の時に比べて、更に料理が進化していた。 場所は原宿の近く。照明は暗めで、内装も暗色で落ち着いた雰囲気がある。見晴らしが良く、渋谷の高層建築を眺められる。同じフロアに系列のビストロが有り、それと厨房を共用している。コースにペアリングを合わせた。 「アンチガスピヤージュ グジェール フォアグラ さより」 アミューズ ブーシュとして幾つかの品が供される。コンテ チーズのグジュールは、しっとりとした食感。鳥から出汁を取ったスープは滋味溢れる味わい。サヨリに乳製品を併せた品は、滑らかな食感で、添えた豆が味にアクセントを加えている。フォアグラと生のマッシュルームの組み合わせも良い。 「赤貝/フクユタカ」 筍と赤貝は、上品な食感。 最近の店にしては珍しく、パンも店で焼いているそうだが、このバゲットは出色だった。合わせるオリーブ油は、とても濃厚で旨味が有る。 「高農園 うえのはらハーブガーデン  藏光農園」 続く皿は、一言で言えば野菜のサラダだが、これはとても手が掛かっている。多くの素材が盛り込まれているが、それぞれに微妙に異なる調理が施されており、複雑な味わいが生まれている。 「アスペルジュブランシュ スミイカ 晩白柚」 ロワールのアスパラガス(日本産はまだ季節が早い)は、素材が良く、多少硬めに茹でている。スミイカとの意表を突く組み合わせも効果的。 「リードヴォー トルテリーニ  モリーユ ヴァンジョンヌ」 リードヴォー(胸腺)は粗野と上品さのギリギリの境を狙った品で、モリーユ茸との組み合わせが複雑な食感を生み出している。ヴァンジョンヌというワインのソースも見事。 「甘鯛 セロリラブ トマト スープドポワソン」 甘鯛の鱗焼きは、鱗が微かに焦げた出色の焼き方。乾燥したトマトには驚いた。旨みが凝縮されており、かつ甘味も有る。様々な魚から取ったスープは深い味わい。 「ベットラーブ 塩釜 デュッカスパイス」 塩釜焼きにしたビーツを、スパイスに付けて食べる。単純そうだが、手間の掛かる調理で、燻製香が効果的。 「太刀魚 加賀レンコン フヌイユ」 太刀魚の焼き方自体は和食みたいな感じだが、ソースでフランス料理に着地している。 「七谷鴨 パネ ジュ」 シンプルだが見事な焼き方。ソースや野菜の付け合わせも良い。 「フロマージュ」 最近の店にしては珍しく、フロマージュが(オプションでなく)コースに組み込まれている。種類が多く、質もとても良かった。 「せとか ヨーグルト ローズマリー」 口直し的な位置付けの品。柑橘系の酸味をヨーグルトが円やかにしている。 「コスモポリタン」 その場でソムリエがシェークしてカクテルを作るという演出が面白い。 「苺 メレンゲ バジル ソーテルヌ 柚子 ヴァニーユ」 とても凝ったデセールだ。苺を基調として、微かな酸味が味を整えている。メレンゲは儚い食感。 「マカロン ピスターシュ ガナッシュ カシス ブラリネ コロネ」 食後はハーブ ティーで締め括った。お茶菓子も水準が高い。 ソムリエ兼給仕の説明はとても丁寧。詳細な来店記録を取っているみたいで、我々が前回訪れた時のメニューに会話の中で触れることに、驚いた。 食中と最後の二回挨拶に来てくれたシェフは好青年。 各皿とも驚くほど手間が掛かっており、素材の組み合わせや調理方法が練られている。皿数と分量が極めて多いので、皿数を若干減らしても満足度は変わらないと思う。全般的に現代的でありながら、フロマージュのように老舗の名店みたいな楽しみもある。シェフの信太(しだ)竜馬氏は若干35歳。驚くべき才能だ。

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大門(東京)駅

寿司

「鮨 浩也(ひろや)」に訪れたのは2年振り2回目だが、最近店の性格が変更したようだ。 系列店として高級点の「浩也 東京前」を開き(僕は未訪問)、創業者の本橋拓也氏は現在そちらを仕切っているという。元々の「鮨 浩也(ひろや)」は、少し価格帯を下げて、摘みの創作色を少なくし、後進の方が握っていた。加えて、立ち食いで更に価格帯を下げた店も開いたとのこと。精力的な展開だ。 場所は浜松町駅から徒歩で10分程。小さな店で、個室は無く、9人掛けのカウンターのみ。石の壁と木のカウンターの組み合わせが斬新だ。ピアノがBGMとして流れている。夜の二回転で、一斉開始。2回転目に臨んだが、20:30になるまでは店の外で待つので、雨が降ったら少し辛そうだ。 握りは以下の種。 かすご鯛 鮪赤身 金目鯛 烏賊 喉黒 鯵 車海老 帆立貝 鮪中トロ それらの合間に供される摘み等は、以下のようなもの。 太刀魚とどんこ椎茸の椀 白海老と酒盗 魚の擂り身をパンに挟んで焼いたもの(握りての出身地である長崎の名物だそう) 蛍烏賊の茶碗蒸し 最後にプリン 以前と比べると、摘みが普通になったが、独創的な摘みは新たな旗艦店で供するのだろう。 握りも中々のもの。後進の握り手の腕は確か。シャリは酢を強目に効かせ、空気を間に含ませた握り方。握りを付け台に置くと、種の重みでシャリが少し縮む。 特に美味しかったのが喉黒で、シャリに海苔の佃煮を塗り、揚げた喉黒を手巻き寿司にして、手渡しする。脂を湛えた喉黒を揚げるという意外な手法が効果的。 穴子が無かったのが少し残念だが、今の東京で税込15,000円という価格を鑑みれば、お値打ちな鮨だと思う。

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2024

六本木駅

フランス料理

SéRieUX? (セリュー)は六本木のフランス料理店だ。ラルジャンの系列店なので期待して訪問したが、期待に応える素晴らしい店だった。 立地は六本木ミッドタウンと新国立美術館の中ほど。かなり大きなカウンターと、テーブルが2卓有る。カウンターは盛り付けや配膳に使われて、調理はその奥の厨房で行なうが、厨房と客席との仕切りはガラスで、調理の様子を遠くから眺めることができる。カウンターの色は灰色で、天井は黒。簡素だがモノトーンの内装はカッコいい。テクノ調のBGMが流れている。 コースが皿数に応じて2種類有り、皿数の多い方を選んだ。メニューのそれぞれの皿に素材の産地が記されているのは、ラルジャンと同様。 ペアリングは量に応じて3種類有り、480mlを選択したが、ソムリエが継ぎ足ししてくれたり、ラルジャンが好きと言ったらデザート ワインをおまけしてくれたので、全体ではかなりの量になった。 先ずは小さなフィンガー フードが五つも供される。 キャビアを載せたスミイカは、スミイカのねっとりした食感とキャビアの粒立ち、そして下に敷いた揚げたチップスとの組み合わせの食感が心地良い。 車海老は揚げており、全て食べられる。 フォアフラは少量で、アイスクリームのコーンのようなものに詰めており、しつこさを感じない。 穴子も毛蟹も堅実な味。 蛤の前菜は印象的だった。下に漉したジャガイモで作ったソースを敷き、ホワイト アスパラガスなどを添える。そこに火入れが浅いが高温の蛤とその汁を掛け、更に海草で作ったソースを掛ける。蛤と海草が香り高い。蛤の弾力感、ジャガイモの漉した滑らかさにアスパラガスがアクセントを加え、複雑な食感が生み出されている。 次は蕎麦粉のガレットという変化球。ペアリングはシードルという遊び心。 色々な魚介類のアラから引いたスープドポワソンは、上品な濃厚さ。蛍烏賊も美味しい。 アカハタは、身が半生で皮が微かに焦げているという卓抜な火入れ。ハーブなどから作ったソース ヴェルドレットは爽やかな味。 猪は出色だった。豚よりは旨みが有りながらも、臭みは全く無い。脂身は軽く揚げており、脂身が苦手な僕も食べられた。オレンジやワインから作ったソースは、軽いが存在感の有る味。 キウイとフロマージュ ブランシェで口直し。 抹茶とピスタチオとショコラの組み合わせは、適度に濃厚。抹茶とショコラの組み合わせは相性が良い。 系列店のラルジャンと同様に、食材の組み合わせや食感が良く考えられている。未だ知名度が低いせいか、料理の質を鑑みると料金は安め。再訪したい。