Kiyoshi Fujioka

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事業会社で資金調達や事業計画策定といった固い仕事をしています。東京都目黒区在住。ロンドンに住んでいたことがあり、かつてはヨーロッパのあちこちに旅行しました。自分は批評家ではないので、余り気に入らなかった店についても厳しい書き方はしません。

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Kiyoshi Fujioka

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2025

曙橋駅

日本料理

4回目の訪問。 津の守坂 小柴(つのかみざか こしば)は、曙橋の小さな和食店だ。最近の東京の飲食店でしばしば見られる現象だが、外国人観光客が多かった。英語で接客できる人が店員として入り、外国人観光客に対応していた。 鯛などの蕪蒸し。丁寧に漉した蕪のフワリとした食感と、出汁のトロミの対比が素晴らしい。 河豚の白子は、ネットリとした食感。微かな焦げ目の付け方も絶妙。 大阪の秋鹿という酒は想像以上に辛口だった。 めじ鮪の刺身は、脂が乗っている。 椀は、澄んだ薄口の出汁に、バチコの塩気がアクセントを付けている。 新鮮な河豚の切り身を熱い石に数秒間乗せると、身に締まりが出る。鮟肝と共にポン酢に付けて食すと、酒が進む。 山形政宗は芳醇で、好みに合っていた。 八寸はかなり手が込んでいる。 魚の焼き物は数種類から選べる。僕が選んだスッポンは、かなり脂が強いが、滑らかな喉越し。 海老しんじょうの練り加減は、周りのトロミの有る出しとの食感の対比が良い。辛子も味にアクセントを付けている。 締めの親子丼は、卵の半生の加減が絶妙。 デザートは果物のゼリー。和食店にしては甘味が強めで、個人的にはこういう味が好みだ。 料理は工夫が凝らされており、食感が良く考えられている。大将は控え目な性格だが、調理の合間に時々話しかけてくれる。満足した。

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excellent

3回目の訪問。 日本橋のマンダリン オリエンタル ホテルの37階。一フロアを、バーとフランス料理店と中華料理店に緩く区切った空間構成が卓抜だ。天井が高く、暗めの照明のシックな空間。夜景が素晴らしい。 即烤京都片鴨卷面 Duck Roll 京鴨と芽葱をクレープ状の生地に巻いた品。柔らかで上品な食感。 大閘蟹黄野菌春卷 Shanghai Crab and Mushroom Spring Roll 上海蟹と茸の春巻。揚げ方が的確。 朝天辣椒公爆加吉魚 Kung Pao Style Sautéed Red Snapper Fish and Cashew Nuts, Vegetable with Dried Chili 真鯛の朝天唐辛子甘辛炒め。 素材は真鯛ながら、甘辛く炒めているので、和食の真鯛とはかなり異なる方向性。周りに大量の唐辛子が置かれているが、これらは極めて辛いので、食べられない飾りだ。 竹絲鷄何首鳥瑤柱燉湯潋面 Double-boiled Black Bone Chicken and Chinese Herb Soup with Aged Scallop 「一夜にして髪が黒くなった逸話をもつスープ」だそうだ。鶏や貝柱や柔らかく煮た野菜のスープ。滋味あふれる味わいで、本日の皿の中で最も気に入った。 濃汁大和肉鶏湯蠔皇扣蝦夷鮑魚 Chicken and Oyster Broth Braised Ezo Awabi Abalone 蝦夷鮑をオイスターソースで煮込んでいる。鮑は弾力感があり、ソースは深みのある味。 羅定豆豉排骨拼椰香芋頭茸 Braised Pork Rib with Black Bean and Coconut Flavour Taro Yam 骨付きスペアリブをブラックビーンで煮込んでいる。肉は柔らかく、微かにスパイシーな味付けも効果的。 雪蟹星豊黄金炒飯面 Kurofuji Egg and Saga Hoshiyutaka Fried Rice with Snow Crab 北海道産ずわい蟹と卵で作った炒飯。良質な具がご飯に混ぜ込まれている。 デザートで頼んだマンゴープリンは、マンゴーの甘味が凝縮されていて、滑らかな食感。 強い個性が有る訳では無いが、料理は正当的で外さない美味しさ。満席に近かったが、接客は行き届ている。

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excellent

恵比寿駅

焼き鳥

鳥焼き 小花(おはな)は、店のWebサイトの表現を借りれば「 鳥の可能性を突き詰めた鳥づくしのコース」の店だ。店名が「焼き鳥」でなく「鳥焼き」なのがポイントで、普通の焼き鳥店とは一味違う料理を供する。 恵比寿に在る店内には、10人以上座れる長いカウンターが有る。気楽かつシックな内装。大将だけでなく二番手や三番手も分担して料理を作っている。20皿と極めて皿数が多いので、全般的な感想のみ。 鳥は様々な部位を工夫して調理している。焼くだけでなく、生に近い状態で野菜と和え物にしたり、唐揚げも提供するなど、調理方法も多様。最中の皮に載せたつくねはジューシーで絶品だった。 鳥以外の料理も何皿か有り、焼いたブロッコリーは、焦げ目の付け方が絶妙だった。 かなり分量が多く、途中で少し苦しくなったが、何とか完食した。鳥を食べまくったという満足感が有る。我々が座った位置は大将からは離れていたが、二番手らしき人が積極的に話しかけてくれた。独創的な鳥料理店だ。

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good

六本木一丁目駅

フランス料理

Gaucher(ゴーシェ)は六本木のフランス料理店だ。 六本木一丁目駅からだと歩道橋を渡る必要があるので、六本木駅からの方が行きやすい。 店内は壁が緑色で、ポップな雰囲気。 アミューズ ブーシュはフォアグラのフランにイチヂクのムース。フォアグラのコクとイチヂクの濃密な甘味が良く合っている。 定番の野菜のテリーヌ。異なる野菜毎に層をなす見た目が美しい。 馬肉のタルタル。牛肉のそれに比べてやや硬めだが、野菜やオリーブ油との組み合わせが良い。 鯛のポワレは、焼き加減も良いし、少し酸味のあるソースがよく合っている。 口直しのグラニテ。氷菓の中に所々果肉が感じられる。 主菜の牛肉は堅実な味で、付け合わせの野菜やソースも中々のもの。 濃厚な味のモンブランで締めくくり。 料理に派手さは無いが、実力のあるシェフが堅実にまとめ上げている。色彩も美しい。

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2024

虎ノ門ヒルズ駅

フランス料理

apothéose(アポテオーズ)は、虎ノ門ヒルズ ステーション タワーに在るフランス料理店だ。 エレベーターを何回か乗り換えて最上階まで登ると、観賞用のプール越しに、息を飲むような夜景が広がる。この時点で気分が上がる。 内装は白を基調としたシックなもの。天井が高く、開放感がある。テーブル10卓と個室。メニューの各皿には詩的な名前が付けられている。 旅のはじまり 秋の詩 フランスが誇る...ジャガイモなのに 3種類のアミューズ ブーシュ。グジュールのしっとりとした食感。クレープ状の生地にほうれん草で味付けするなど、芸が細かい。プレゼンテーションも斬新。 森の恵み 蝦夷鹿 葉山椒 木の子とコンソメ スープ。コンソメには鹿の旨みが凝縮されている。葉山椒の微かな辛さが、味にアクセントを与えている。 主役が逆に 佐々木ファームのキャベツとキャベツ キャベツなどのパイ包みと甲殻類のソース。普通なら主役となる甲殻類をソースとして使っているから「主役が逆に」と題されている。パイ生地のさっくりとした感触に技量の高さが伺われる。ソースの香りに陶然とする。 根セロリの可能性 函館帆立 青柚子 シプレットオイル 根セロリや帆立貝を細かく組み合わせている。ソースの酸味が心地良い。 大地と海の共鳴 牛蒡 菊芋 函館白子 コヤリイカ 多様な食材をまとめ上げて、複雑な味を生み出している。 十勝 食肉料理人集団の魂 野菜マスター達からの贈り物 上質な鹿肉を適切な火入れで。添えた野菜も美味しい。 米ミネラル ここで意外な一皿が。シェフが前週に焼き鳥屋を訪れた際に締めの麺が気に入って、急遽メニューに付け加えたそうだ。素麺みたいな食感の麺を元に、オリーブ油で味に捻りを加えている。 山のこくわ こくわ ピンクグレープフルーツ ローゼル 新生姜 「こくわ(猿梨)」という食材を食べるのは初めてだが、キウイに似た果物だそうだ。「こくわ」やグレープ フルーツなどを、凍らせて細かく砕いたり、アイスクリームにしている。デセールながら、生姜の辛味がアクセントとなっている。 ほろ苦い余韻 キャラメルワールド かなり濃厚なキャラメル。複数のデセールの中で、淡白な味から濃厚な味へ繋がる流れを生んでいる。 お茶に添えられたチョコレートも良かった。 シェフは青山の高名なイノベーティブ系フランス料理店でキャリアを開始し、その後10数年間フランスで働いていたそうだ。パリのある店でシェフに就任して、2019年にミシュランの一つ星を獲り、2023年に当店のシェフとなるべく、スーシェフとパティシエとソムリエを伴って日本に戻って来た。 給仕達の制服はベージュ色で足元はスニーカー。シックな店ながら、接客は適度に親しげ。 料理は多様な食材の組み合わせが良く練られている。立地、料理、接客とも高い水準にある。開店して1年でミシュランの一つ星を獲ったのも納得。