Kiyoshi Fujioka

Kiyoshi Fujioka

事業会社で資金調達や事業計画策定といった固い仕事をしています。東京都目黒区在住。ロンドンに住んでいたことがあり、かつてはヨーロッパのあちこちに旅行しました。自分は批評家ではないので、余り気に入らなかった店についても厳しい書き方はしません。

  • 292投稿
  • 6フォロー
  • 77フォロワー

好きなジャンル

  • フレンチ
  • ジビエ
  • イタリアン
  • 野菜
  • 寿司
  • エリア(すべて)
  • />
    ジャンル(すべて)
Kiyoshi Fujioka

Kiyoshi Fujioka

2024

六本木駅

寿司

「鮨 きのした」は、六本木の国立新美術館から西麻布に少し下った所に在る。大将の名前は、店名と異なり中村慎亨氏という。 集合住宅(マンション)の2階に在る店は、7人掛けのカウンターのみ。明るくも侘びを感じさせる内装。種のケースの代わりに保管棚が有り、冷蔵庫で冷えた種の温度をここで少し戻してから握るという。 魚介類の摘み数種の後に握りが続く。品数が多いので、感想は一部についてのみ。 僕はシャコを余り好まないが、この店のシャコの摘みは、タレが良いこともあって、美味しく感じた。 鮑の摘みは弾力感が有る。肝から作ったソースは、少し卵黄を混ぜており、ネットリとした背徳感のある食感。これは素晴らしかった。 鰻は蒸すのでなく焼いて、パリっとした食感にしているのが良い。 握りの舎利は、程よく酢を効かせており、舎利が強い個性を主張するのでなく、種を引き立てるような感じ。 烏賊の握りは、弾力と柔らかさのバランスが良い。 鮨屋で余り見かけないキスも、意外と鮨でも行ける。 コハダも僕は余り好まないが、この店のは酢の効かせ方が強すぎないので、楽しめた。 僕は個人的に大トロより赤身の方が好きだが、鮪の赤身の握りは鉄分を感じさせる上質なもの。 雲丹とイクラは鉄板の美味しさ。 穴子の握りは口の中で解れていく。煮切りのタレも美味しい。 玉子は工夫を凝らしている。椎茸などを細かく刻んだトロミのある出汁を添えており、これが効果的だ。 最後はトロたくの太巻きを手渡しで。 巨峰と洋梨のデザートは上品な味。 摘みも握りも水準が高い。大将と二番手は快活で、場の雰囲気が和む。満足した。

Kiyoshi Fujioka

Kiyoshi Fujioka

excellent

北参道駅

フランス料理

2回目の訪問。 Sincere(シンシア)は、美味しく楽しいフランス料理店だ。 店は原宿から少し離れた所に在り、集合住宅(マンション)の一室を店舗にしている。地下ながら中庭に面したような作りで、開放感が有る。内装は上品でありつつ、オープン キッチンが活気を生み出している。7卓のテーブルが満席だった。 雲丹と甘海老とトマトの一品は、滑らかな食感。 二皿目に6品ものアミューズ ブーシュが出てきた。軽い味わいの品と、重厚な味わいの品が混ざっている。巨峰とフォアグラのキャンディは 、フォアグラのネットリとした感触と巨峰の爽やかさの対比が良い。 栗のチュイール アオリイカと竹炭のフワフワパン 茸のタルト 巨峰とフォアグラのキャンディ 長谷川さんの未利用魚のタルタル 蝦夷鹿のパテアンクルート 定番らしいカクテル グラスの品。函館直送ズワイ蟹や螺貝が織りなす複雑な味わい。 香ばしいブリオッシュは、付け合わせというより、これ単体で楽しむような感じだ。 京都宮津から届いた鰆と、茄子のムースやヘーゼルナッツの組み合わせ。薫香が味に深みを与えている。 魚のパイ包みは、この店のスペシャルテだそうだ。鯛焼きを模したパイの中に焼いた魚が包まれている。中の魚は日々変わるそうだが、この日は鱸だった。甲殻類から取ったソースは、適度に濃厚でありつつ上品な味。 主菜は、富山から届いた仔猪を炭火で仕上げている。微かに野趣がありつつ、癖は無い。添えた茸も美味しい。 締めの「ストウブご飯」は、具が6種類から選べる。僕は茸を選んだ。 デセールは2種類。一つだけでも、二つ頼んでも良い。佐渡ヶ島のいちじくは、上品な甘み。泡のソースが儚い味わい。和栗のモンブランは、滑らかな食感。 お茶に合わせて供されたお茶菓子は、自然を模した皿から食べられる品を探すという趣向。楽しいだけでなく、味も良い。 料理は良く工夫されており、楽しい趣向も盛り込まれている。親しげな接客も好印象。流行っているのも、むべなるかな。

Kiyoshi Fujioka

Kiyoshi Fujioka

excellent

新宿三丁目駅

イタリア料理

IL Lato(イル ラート)は新宿三丁目のイタリア料理店。 店内は気軽な雰囲気で、8人掛けのカウンターと4卓のテーブルが満席だった。 2種類のコースのうち、品数の少ない方を選んだ。料理は魚が主体。 程よく脂の乗った鰆。下に敷いた豆が効いている。 野菜のカポナータ。柔らかく煮てあり、上に載せたクリームとの相性も良い。 次も野菜系だが、前の皿とは異なり、煮込まずに、小さく切った様々な野菜をソースで纏めている。味の変化を楽しめる。 鯛のソテー。火入れも的確。オリーブ油系のソースも良い。 魚が続く。鮟鱇はシンプルにソテー。程よい弾力感が心地良い。 肉のラグーのパスタ。腰の強さが的確。 ホロホロ鳥は淡白な素材だが、ソースと合わせて優しい味わい。 ドルチェはゼリーとクリームの組み合わせ。微妙に異なる二種類の食感の組み合わせ。 魚主体の料理は、強い押し出しはないものの、優しい味わいが印象に残る。料金も手頃。再訪したい。

Kiyoshi Fujioka

Kiyoshi Fujioka

excellent

中目黒駅

日本料理

炎水(えんすい)は中目黒の和食店。駅から少し離れ、飲食店が無さそうな所に店を構えている。 8人掛けの白木のカウンターと個室。大将は気さくな人で、場が和む。 この日は松茸尽くしのコースだった。大将は仕入れの際に余り注文は付けずに、届いた食材を見てから調理を考えるそうだ。松茸も、複数の生産者から仕入れたものを使い分けている。 先付は、6時間蒸した鮑に、胡麻豆腐と若芽と松茸。鮑は柔らかさと弾力感が両立している。 前菜は、全国各地より取り寄せた野菜を、様々な調理法で盛り付けている。八寸みたいな感じがする。 SP(スペシャル?)と題した皿は、気仙沼の吉切鮫ふかひれを唐揚げにして、蒸したご飯と合わせている。とても熱く舌が火傷しそうだったが、印象的だった。 ここで削った鰹節が生で、その後、出汁がそのまま供され、味の基調を知る。 鱧と松茸の椀。鱧は夏の魚だと思っていたが、この時期も意外と有るそうだ。鱧の骨切りは完璧。松茸の香りが良い。出汁は上品な薄口。 お造りは、明石の活〆真鯛と鹿児島出水の墨小イカ。真鯛は松茸で挟んでいる。お造りの素材には微かな弾力感が有る。 徳島県の白甘鯛は、衣を少し立たせた焼き方。紀州備長炭胡瓜の南蛮漬けを添えて。 箸休めと題して、薄く切ったすだちを浮かべた手打ちそば。出汁が上品。 鴨ワンタンは、フランス料理のようなインパクトを狙ったものでなく、優しい味わい。これも松茸で香りを付けている。 締めは松茸ご飯。そのまま食べても良いし、いくらや和牛しぐれ煮を掛けて楽しむこともできる。量がかなり多いが、食べきれなかった分は、お握りにお土産にしてくれる。 デザートはシャイン マスカットとババロア。和食らしい優しい味わい。 僕は普段余り松茸を食べないので、こういう松茸尽くしは新鮮な体験だった。料理は上質な素材を確かな腕で調理している。

Kiyoshi Fujioka

Kiyoshi Fujioka

excellent

白金高輪駅

フランス料理

久し振りに14回目の訪問。 L’Assiette Blanche(ラシェット ブランシュ)は白金高輪のフランス料理店だ。白い壁と木の床の内装は、簡素だが上品。小さな店をシェフ一人で回している。数年前まではアラカルトが有ったが、現在は一種類のコースのみ。これは時流を考えると仕方ない。 定番の豚のリエットは、簡素ながら旨味が凝縮されている。 ニシンの酢漬けとジャガイモのサラダは、脂が乗っており、微かな酸味が効いている。 スミイカとラタトゥイユは、適度な弾力感と柔らかさとの組み合わせ。 セップ茸のリゾット。セップ茸はとても大きい。リゾットは出汁が良く染み込んでいる。 甘鯛のポワレは、皮を微かに焦がした焼き方が見事。 ランド産小鳩のローストはレアに近い火入れ。ソースに存在感がある。 デセールのいちじくのコンポートは上品な甘さ。 この店の料理は、現代の他の店と比べると地味かもしれない。SNS映えはしないが美味しい料理だ。質を鑑みると料金は手頃。