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バンコク投稿57件。ビルバオ(バスク)/広州/ムンバイ/フランクフルト/フィレンツェで投稿/行きたい、共にトップを長くキープ中です、日本手食協会(NHK)関西支部長。居酒屋をこよなく愛しています。主戦場は大阪北浜です!

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2022

お食事処 山の里

店舗情報

【 うちの旦那が可愛い、可愛いっていうの 】 その牛肉は口に入れた瞬間にはっ、とするほど鮮烈である、それは牛のテロワと言っていい。 阿蘇の火口から九重までの美しく、広々とした草原地帯に放牧される穏やかな顔をした赤牛。いかにも健康的に草を食む愛らしい姿。ああ、牛肉ってこんなにも鮮やかで豊かな味だったんだ、と思う。とにかくそれは、美しい九重の景色が目の前に広がる味であることに間違いはない。 赤牛の対黒毛和牛のデータがある。水分量やタンパク質は1.2倍、しかし脂肪は0.4倍と圧倒的に健康的だ。レチノール、βカロチン、ビタミンEも圧倒的に多く含む牛で、それらは放牧期間が長ければ長いほど顕著になるらしい。それは決して黒毛和牛との優劣ではなく、赤牛は穀物を与えると脂肪過多になり不味くなるそうで、この牛自体が放牧にもともと向いているのだそうだ。 健康な肉の、瑞々しさ。おっさんが若くて健康な女を連れて歩きたいのは、すでに生き物として劣勢である自分を肯定したいからである。赤牛の、その肉本来の旨味というのは、ある種の人生の肯定なのかもしれない。”健康である肉”という事実が目の前に突きつけられる味。それが赤牛だ。 阿蘇のあか牛は毎日、放牧地で30~40kgの野草・牧草を食べ、3~6km歩くそうだ。大自然の中でよく歩き、牧草を食べて育つため、おいしい赤身の肉と適度な霜降りとなるそうである。 「本当に、あまりに清涼なお肉の味にびっくりしました、グラスフェッドビーフなんですね。」 「うちの旦那がね、この近くで毎日、かわいい、かわいい。って言って育てている牛なんです」 そのお店は産山、という山間にあって、かなり大きな古民家を美しく仕立てたお店である。これはまさに完全なるファームトゥテーブルであり、その肉とともに、現代における食文化の最先端の部類に入ってくるレストランである。意図してそうなったわけではなく、ただ正しいことを正しく行った結果なのであろう。そして都会では絶対に得ることができない空気と水がここにはあり、それらが全てを育んでいるのだ。 健康であること。生産者の顔が見えること。生産者の実直さが表れていること。そこに、嘘が一つもないこと。 ”自家牧場で育てたあか牛のステーキと焼肉、里山の山菜料理、自家製のお漬物が楽しめるお食事処です。お食事に出すお米、野菜、お肉、水に至るまで、自家製または産山村内で採れた食材を使用し、季節に応じてこしらえるお漬物は20種類を超えます。昔ながらのおはぎも食後にお楽しみいただけます。近くの湧水、池山水源の名水を使ったコーヒーセットもございます。” あの、美しい湧き水のような。溢れ出る清涼な味わいの肉の余韻がこれを書いている間もまだ、私の中に残っている。あのような肉が存在する。私は”世界一のステーキ”を出すスペインの、ホセゴードン氏が大切に牛を育てているボデガ・エル・カプリッチョに想いを馳せる。ホセゴードン氏はすべての牛に名前をつけて飼う。食肉用の牛に、である。それらの最も長い飼育期間は12年などと、驚くほど長期だ。だから、あのレストランのステーキは世界一、なのだ。 九重にもそんな、美味い肉が出てくる凄いレストランがあった。

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西鉄久留米駅

和食

【 本物の馬肉をあなたへ 】 世の中には様々な肉がある。例えば松阪牛の牛脂を注入した肉の味は誠に美味い。要するに人間の脳がうまいと判断する脂の味である。ただし、それはうまいがどこか不健康な風体で、突き抜けるような爽快感とは無縁である。 ここは馬肉料理専門店。焼き鳥が有名な久留米にあって、ふらりと訪れたお店である。 「うちは契約している解体所から、朝解体してまだ暖かいぐらいの肉がお店に入る。それを店で綺麗に処理して真空パックしている」のだそうだ。 あまりのうまいその馬肉の、からくりである。雑味がなく清潔で、清涼感が凄い。こういう肉を食べると”美味い味にするためにテクノロジーで加工する”という事が非常にネガティブに感じられる。たまたまこの日、あまりに美味い健康的な赤牛を食べた後だったので、余計にそれと同じような、清涼感のある肉に感動する。 これ以上ない良い状態の馬の肉料理が出てくる。とびきり高いのは馬の生レバーが1300円ぐらいで、ほとんどのメニューが600〜900円程度と良心的である。尚、これらの馬肉は驚くほど美味い。今まで食べてきた馬肉はなんだったのか、と心をよぎる程度には明確に状態が良い。これに肉薄するのは熊本のふるさと納税で送られてきた馬肉セット、であるが、これは冷凍モノであるのでやはり、一歩及ばない。長野なんかは大抵が冷凍であって、こともすれば解凍が下手くそだったりして、それらは目も当てられない。 要するに、だ。馬肉料理専門店なのでそれだけ回転させられる、というところがこのお店の肝であるのだ。それらは圧倒的に美味さへの寄与であろう。とにかく美味い。驚くほど美味い。とても健康的で、その味に虚、がない。馬肉は熊本だと思っていたが、久留米もよく食べるんですよ、みんな以外と知らないでしょう!と大将は言った。 本当に、どれを頼んでも驚くほど美味。生も過熱も、最高に美味い。お店はもう30年になろうか、というところだそうである。ふらりと訪れたお店が素晴らしい味わいで、私はとても満足である。 そうだ、付け加えておかねばならないことが一つ。このお店は土日に子ども食堂をやっている。子供の食事は、無料だ。そういうことをやるというのは、この大将の人柄だとか、思想だとか、生き方の象徴だと思う。そういう様々なことが、お料理の一つ一つにも表れている、と私は思っている。

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谷町四丁目駅

イタリア料理

【 チームハラショー、スピンオフ 】 谷町四丁目にある瀟洒な入り口が印象的なマカウダ。私の生活圏であるのでよくうろうろしているエリアになり、そのファサードを見て気になっていたらイタリアーンのお店であった。しかもなんだか、最近みんながうまうまうまい、とよく挙げているお店でもあった。 聞けばマカウダ、ハラショーの頭領(ドンと読みます)が足繁く通うトラットリアバッパから独立した方のお店だそうである。しかもミシュランビブグルマン。すでにお客さんがつきまくりである。 我々がスピンなオフをしたのは7月の事。その後たくさんの人がレビューをしているので私は違う角度からこのお店のことをご紹介差し上げたい。それは予約と設定を厭わずオハタラキになってくださるドン(頭領)への敬意も含めてお届けしたいのだ。尚、どうでもいい情報ではあるがチームハラショーの頭領は、チャーハン妖怪である。ずっとチャーハンを言い続けているが、このお店には残念ながらチャーハンはない。 尚、ワインはボトルペアリング。 ーーー スタートはシャルドネの泡。料理が来る前に終了。 スタートはシチリアワイン、葡萄はカタラット。お料理1-7番まで ドンナフガータ社は、元々150年もの歴史をもつ高級ワイン会社を基盤に発足。オーナーのジャコモ・ラロー氏は何世代にも渡ってマルサラワインの生産に携わってきた由緒ある家系の当主。 「ドンナフガータ(逃げた女)」という名は、19世紀初頭にブルボン朝の王フェルナンデス4世の妃マリア・カロリーナ王女が、ナポリで起きた革命を逃れてドンナフガータ社の自社葡萄畑や醸造所のあるコンテッサ・エンテリーナの地へ逃げてきたという歴史に因んで名付けられました お料理8ー12はエトナ火山の麓のワイン。 ヴィーノ・ディ・アンナ ワインメーカーであるアンナ・マルテンスはオーストラリア出身。90年代にアデレード大学で醸造学を学んだ後、オーストラリアのトップワイナリーであるペタルマで研鑽を積みます。その後、イタリアやブルゴーニュを始め、ニュージーランド、アルゼンチン、南アフリカなど世界各国で醸造コンサルタントとして活躍し、オルネライアでは、レオナルド・ラスピーニGMの右腕として働き、パッソピッシャーロではアンドレア・フランケッティと共にワイン造りを経験しました。そして、2008年、エトナで畑を購入し、自身のワインを造ることを決意します。 ◆栽培・醸造特記事項  ヴィーノ・ディ・アンナの畑は、標高760m-900m。2haの畑で、樹齢70-100年のネレッロ・マスカレーゼが主に栽培されています。栽培には、除草剤や農薬は一切不使用で有機栽培を行います。また、醸造でも野生酵母のみでの発酵、醸造中の人的介入は最低限、瓶詰め時はSO2不使用、無濾過・無清澄と、自然なままでのワイン造りをポリシーとしています。 お料理13から、プーリアのマルヴィジア。 100年の情熱と威信を放つ名門ワイナリー「COPPI社」。2010年には、ここ10年間に3度「ルカマローニ」のアニュアルガイドで最高品質を証明するベストイタリアワインとして評価されています。ラズベリーを想わすフルーティーさとバランスの整った深い味わい。プーリアの太陽を想わせる情熱的でアロマティックなマルヴァジアです。 お料理14ー16 シチリアフルボディ、72 フィラーラ・ネロ・ダヴォラ/フラッパートI.G.P.750ml カンティーネ・パオリーニ社。シチリアの西端、マルサラで醸されるネオダヴォラ60にフラッパート40という酒。海沿いのワインはどこか潮風感がある。 お腹いっぱい!大変美味しゅうございました。 シェフはイタリア各地で修行を渡り歩いていたらしいのですが、特にシチリアのカターニアの南側、ラクーザ辺りに長かったようで、シチリア料理のエッセンスがふんだんに見受けられる。現地の味を知っているシェフという船の堅牢さと実直さでブレがない。だから安心してイオニア海をたゆたう船に乗ろうぞ。

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鮨 原正

店舗情報

大阪上本町駅

寿司

【 夏の原正 】 長い間、間違えて記憶していたことがある。コスタデルソルとコスダブラバやコスタドラダがごっちゃになっていて思わぬ恥をかく。ドムンアンなのかドアンムンなのかとか、何か脳に記憶難いサウンドみたいなのもある。 原正で、僕らのお酒の面倒やらを見てくれるお姉さんは、スペインにも住んでいたことがあるインテリである。どこかサバけた感じは海外在留経験があるからだろうか。私の記憶のごちゃごちゃも整理してもらう事になっている。 なぜ寿司屋で南スペインの話しになったかは置いといて、夏の原正。定期訪問の記録としてこうして書いている。 もはやどこにも驚きも無い、ただ真っ直ぐに、ひたすらにうまさの純度が高い寿司。 気を衒わない。余計なことはしない。大きな流れの中に揺蕩うようなこのような寿司は、未来のビジョンであり人間の進化であり、文化の深度である。根が太い。かといって円熟とかそういうものでも無い。もっと張りがあって、ぱつんぱつんとしている。 ただひたすらに美味いって、それは凄いことである。そこに、ちょっと余力というか、抜け感が僅かにあって、やり過ぎ感がないのもいい。定期で通うお店にとっての大事なところでもあるだろうか。 相変わらず、2時間で人を幸せにすることができるという稀有な空間に、間違いはない。それはある種の正義である。のかも、しれない。

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2022

トム・クリオーザ

店舗情報

北新地駅

イタリア料理

【 多田さんのペルシュウ 】 ペルシュウは日本に多田さんが作るものしかない。いわゆる生ハムというカテゴリーに属するが、生ハムと一括りにするにはあまりに広義である。多田さんは、日本で唯一、本物のパルマハムを作れる人であり、パルマではその認定されたハムのことをペルシュウ、と呼ぶ。 その、絶品なる味は、大阪ではここトムクリオーザと、スガラボでしか食べることができない。逆に言うなればトムクリオーザではそのペルシュウを、”スライサーのフェラーリ”と呼ばれる凄いスライサー(ベルケルという唯一無二の会社のマシン)で、ごくごく薄くスライスして出してくれる。 ペルシュウは、ただの生ハムではない。スライスや提供するすべにおいて、多田さんからのイエスがでなければそれは提供することができない。それほどまでに大切に作られた生ハムである。その、味。 まるで雲をつかむような、、、夢から覚める直前のような。淡くて甘く、フワフワで消えゆく官能、とでもいえばいいか、、、、いや、言葉で表すことができない。 これはもはや”体験”である。551の蓬莱である。あるとき〜ないとき。ではない、食べたことがあるかないか。そういう話だ。驚くべきほど薄くスライスされ、しかもそれはほころびもせず存在し、油の溶解温度が低いためほんとうに、とろけるように消え去ってしまうその、瞬間の濃密。時間の軸すら歪みそう。そんなペルシュウが、お皿いっぱいに、一人前で出てくるのはある種の恐怖でもある。 しかも、お代わりまでした。後先見ないお代わりなど滅多にしない私は従順にこうべを垂れ、まるであたかもメディチ家の長男のごとく、私は2皿目に手をつけたのだ、それは、拒絶だとか思考だとかとは無縁の、直接的な、全ての要素が介在しない規定されたストーリーであり、世の中にはそのような抗いがたい魅力や魅惑や桃源郷があることを示唆した。 スガラボは量が少ないのよねえ。 そう、隣りに座る友達はこぼした。もはや私にはどういった量が適切なのかは理解しがたいが、この圧倒的な味の前ではおよそ、全ての思考は無駄である。とにかくこれは、体験したか、体験していないか。そういう類の話なので、興味がある人は一度、試してみるべきであろう。わたしもペルシュウのはなしは色々聞いてはいたが、実際聞くと食べるとでは全く人生が異なる、ということに気がついたところだ。 もちろん、トムクリオーザがすごいのはこのペルシュウに負けないすごい料理があるからだ。スターターのコーンはイタリアの夏を思わせてくれる。オランダ人とイタリア人と席を共にしたカステルフランコの愉快な夜だ。シャンパーニュの左端にはドンペリニヨン氏のご尊顔が見える。そしてシャンペルシュウ、、、、世界はここで終わるのかという夕焼けのような味がするが、そんなことを言っているとキャビアがたっぷりと乗った甘鯛との冷製カッペリーニが出てきて、脳の血管が弾けそうになる。 そして、この日の驚くべき鮎。ああ、、、、、なんと清涼なことか。6時間コンフィにしたというそれに添えられた、青トマトと蓼のソース。蓼の独特の味わいが清涼な川の流れを想起させる、鹿児島の限界集落の向こう側の香り。瑞々しく美しく、極彩色の原色な、夏。 サマートリュフ。南半球の。そこには濃厚な味わいを放つオマールエビがたっぷりと隠れている。凄まじい味わい。スロベニアのソーヴィニヨンヴラン。フリウリあたりの濃厚な、独特の香りを持つ濃い味。羊の炭火ローストに根セロリ。ことごとく楽しい素材感で、飽きさせるところはない。 最後に、空輸されてきたフレッシュポルチーニ、、、、、肉厚のそれ、、、、タリアッテレ、、、、!!! 誘惑と恐怖とはないまぜで隣り合わせである。何も知らないできたらもう、覚悟しかない。稜線すれすれを走るようなヒリヒリ感を感じていたら、最後にペルシュウアゲインで完全に打ちのめされる。パインとパッションフルーツのソルベ、、、、 ミシュラン星一つといってもその差は凄まじい。さすがというか、すごい満足感だ。トムクリオーザはペルシュウが有名だが、そのほかも全てがそれとがっぷり四つである。