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akira iさんの My best 2024

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【とにかく、素晴らしい】 よもや説明など不要かとも思われるGaa。ガガンアナンドの右腕として活躍した、ムンバイ出身のアローラ女史ひきいるインドモダンキュイジーヌ。 2024年にようやく、ミシュランの星二つになっています。これは多分レストラン移転したのが大きい。かなりの大ぶりな伝統的一棟建屋ですが、中はエレガントに、ゆったりとしたいくつかの空間に分けられています。 新興のレストランにはない、重厚さみたいなものが全体にきちんと備わっていて、そこら辺が星一つと二つの違い、と言うところでしょうか。 インド料理のあまい、すっぱい、からい、にがい、うまみ、と言う要素の複合の見せ方が皿毎に、皿の中にもいろいろな見せ方があって、そのストーリー性とエンターテイメントが素晴らしい。 インドのエンジニアリングにタイの素晴らしい素材の組み合わせ、こそがこのレストランの真骨頂であり、そのエンジニアリングは、インドの古典的なものを様々に駆使され呈示されるのですがもう一つ。 発酵系のテクニックも数多く使われており、シェフの北欧でのルーツも垣間見ることができます。 バンコクにあるモダンインド料理。というカテゴリーそのものが、この場所でしか生まれ得なかったこと。それは、上海でも東京でも、シンガポールでもない。そして、パリでもロンドンでもない。この、リベラルで国際的な雰囲気が長く醸造されたバンコクだからこそ生まれた料理であると思わせてくれます。 とにかく、圧倒的に素晴らしい。そのあらゆる面の完成度の高さに於いて、バンコクではぜひ訪れるべきレストランに相応しい星二つであると思います。 シェフのアローラは二皿目に自身で料理をサーブしてきたので驚きました。びっくりしたでしょ!と、可愛くわらったシェフの素敵な笑顔もまた、忘れ難いのです。

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【 聖者達の食卓 】 聖者達の食卓。それは2012年に公開されたドキュメンタリー映画のタイトルだ。 ーー インド北西部にあるシク教総本山、ハリマンディル・サーヒブ。"黄金寺院"とも呼ばれるこの聖地では、巡礼者や旅行者に無料の食事が振る舞われる。その数なんと1日10万食。本作は、毎日300人ものボランティア・スタッフによって準備される"無料食堂"の驚くべき舞台裏を明らかにしたドキュメンタリー。 ーー 2023年の最後を締めくくるため私は、アムリトサル行きのフライトに乗り、その映画の場所、黄金寺院を目指した。それはとても霧の深い日で、靄の中に浮かび上がる美しいシク教総本山の美しい姿にただただ、魅入ってしまった。 そして、驚くべきほどの彼らの寛容性に。私はこのようなシク教の振る舞いの食事、ランガルは初めてではない。が。 ここではそれは圧倒的な人の営み、そのものの発露だった。本当に分け隔てなく、彼らと私はそこに存在していた。驚くほど私は異分子であるにもかかわらず、だ。これほどまでに、あらゆる意味での外国人を全く見ない場所、都市に出会ったことがない。 アムリトサルの冬は寒い。風はとても冷たいが、それすらも心地よく感じるほど、その場所は特別な空気に包まれている。 その、振る舞われた食事は見た目に反して、圧倒的に美味しい。それは、少し驚きでもあった。先ず完全な野菜料理であるが、しっかりと味がついている。それが、どこまでもピュアで混じり気がなく、清涼感で満ち溢れているのだ。 私は後にランチを控えているにもかかわらず、ダルをふたつともおかわりした。それほど、美味しい食事だった。特に、豆の炊き込んだご飯に塩味がしっかりあり、ダルと混ざることで素晴らしいバランスになる事への驚きだ。こういった、無料の食事なので腹を満たすだけなのかと思いきや、食事としてのクオリティが非常に高かったのである。 夜の寺院にも出かけたが、ランガルは休むことなく続き、食器を洗う音がまるで工場のように響き渡っていた。1日10万食という量、それが無料で支えられていると言うこと。 600年前に始められたそれは、インドの従来の食事を根本から変えた。それまでは、カーストや階級が異なれば、同じ場所はおろか、同じ鍋で作られたものさえ供することができなかったのだそうだ。 それは、今でもここでしか見ることができない、尊い光景である、と映画は締めくくられる。人は間違いを生み、また、その間違えを正すのだ。 人の営みは、美しい。

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【アジアベストレストラン2023 】 19位にレジストされるモダンインディアンレストラン。です。さすがインド、富裕層とそうでない人たちとの差はえげつない。この、酒がほとんどないデリーにあって潤沢に出てくるワインのベアリングは、何とお料理代よりも少し高いのです。 ま、そんなことは置いといて。インドイノベーティブは私の大好物であります。洗練された、インドの地方料理などの数々をアレンジして出してくる、最高のお店。 食べていて、本当に楽しい。我々にとっては珍しい食材やテイストがかなりあるので、未知の味の冒険、という色も濃い。メニューを見てもわからないものも多い。 とにかく、これが今とデリーの最先端。そういう事です。素晴らしい。

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【ムガール帝国の宮廷料理】 オールドデリーの有名店。ムガール帝国の宮廷料理の流れを汲む老舗のレストランである。インドというのはとにかく広い。デリーだけでも、地下鉄の駅が2-3も変わればそこはまるで違う国のようだ。 オールドデリーはムスリムの街。故に、ここではノンベジタリアンしかない。肉が囂々と焼かれている。 混沌と喧騒。 チキンビリヤニにマトンコルマ。キーマとナルギシコフタ。チャパティやナンを適当に盛って。 最高に美味い。なんだこれは。どういう文脈なのか。日本のグレイビーは北インドのものって事だったし、あれは結構ちゃんとした料理人が作ってるはずだ。なのにこの圧倒的文化の差。 遠い国へと、きたものだ。 あまりのその美味さ、忘れがたし。何度も訪れてメニューを制覇したい名店。

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大阪府

フランス料理

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【私の心のど真ん中を射る】 このようなフレンチはなかなか。福島時代からずっと行きたいと思いながらも、なんとなくペンディングしておりました。しかし、インスタの料理を見るようになってから、俄然行きたくなった。とにかく、パワフルで美しいお料理の写真は、私の心のど真ん中を抉り込んでくるのです。 今回はお試しと言うことでデジュネで。前菜のボリューム選択、メインは選択制なんですが、グラタンならコースベースの2300円のまま。肉、魚を選ぶとプラス2000円、とかになってます。振り幅すごい。 必ず、肉か魚を選びましょう。 ワインリストから2016のアリゴテを一本。パンにチーズが乗ったアミューズからの前菜です。シート位置、グリル前。調理がバッチリ見える良席。これは2人前かなーと思ってみていたものが、1人前のワンプレートで出てきた。 もはやすでに、ワイン泥棒の様相である。特にこの、手前のアンクルートが完全に前菜を超えている。”豚の血と内臓や野菜なんかをオマール海老と”と、様々な要素が織り込んである。しかも、これ一皿で完成できるほどの物量。 ああ!なんて幸せな! クスクスが乗っているのもパリっぽくて、この時点で私は既に大西亭の虜になった。まさに、私好みのフレンチ。 メインは魚と肉を同行者と分けて。魚は島根産の4キロオーバーの分厚いヒラメのペルシャード。グラニースミスのソース、ってなんだろうと思って今調べたらりんごでした。食べた時にはそれがりんご系の何某か、は、全くわからなかった。多分、相当なクリームリッチに仕上げていると思います。ワイルドライスにレタス、それらがヒラメと相まって、、、素晴らしい完成度。というか、これほどまでの一皿って、本当に1年に幾つある?という程に、、、 もう一皿はオーストラリア産の羊。先ず、その量!綺麗な緋色のラムチョップですが、この大きさは結構大きな個体のものだと思います。そいつが、2枚も乗ってる。裏に、ここにグラタン。2種類のソース。甘くとろける羊の肉。そして、グラタンがまた素晴らしく美味しい、、、、 チーズもデザートもすっ飛ばして、もうここでお会計。パンもギリギリ食べれた、ぐらいの素晴らしい量と、完璧な味。私、ちまちました20皿とか出てくるモダンフレンチも大好物ですが、こういった、フレンチビストロも大好物。しかもですよ、このクオリティ!やはり、インスタで見ていた写真の美味しそう、は、本当にその期待を超えてくるほどに美味しかった。本当に、ありそうでないレストラン。他に似たようなお店を思いつかないし、完全にフランスだけど、フランスでもこんな店は相当探さないと辿り付かない。骨格がしっかりとしていて、食事としての成立の仕方が”とても、正しい” 店内を見渡すと何故かフランス、ストラスブールのカレンダーなんかがあって、メニューにもココットがあるので結構アルザス系のお料理は得意なのかもしれないけれど、私がずっとインスタで見ていいなと思っていたのはロースト系の濃いめの赤ワインソースの照り具合。なので、メイン二つをローストに。本当にそれはそれで最高だったのだけど、そこで、常連さんが隣で、”夜のメニュー頂戴”と、鳩のローストを注文し、、、、 早く夜も行かないと。