T.Suzuki
神谷町駅
フランス料理
神谷町にあるフレンチ。 休日のディナーで訪問。 店の入口は外からわからないように隠されている。 隠し扉を開けてもらい中に入ると、そこにはパイプが張り巡らされた異空間が広がる。 BGMには軽快なJAZZが流れる。 スタッフは人数が多くひしめき合っている。 シェフ・須賀氏の元で修行するために来ている料理人が多いのだろう。 須賀氏は日本中を旅して食材を探し求めており、様々な和の素材をフレンチに仕立て上げる。 店内全体の流れを読み取り、細部までチェックして、的確に指示を出している。 席はカウンター8席をメインとして、入口付近に個室を設けている。 今回は須賀氏に最も近いカウンターの特等席でいただくことができた。 【おまかせコース】(26,000円) ■カラスミの最中 京都「京菓子司末富」の最中を使用したフィンガーフード。 スガラボのロゴの焼印が押されている。 軽くて薄い最中の中には、長崎「松庫(まつくら)商店」の生カラスミ、卵黄を裏ごししてマヨネーズにしたクリームが入る。 ■新玉ねぎとブルーチーズのパイ 新玉ねぎの餡とブルーチーズが入ったフィンガーフード。 軽いパイのように見えて、中身がぎっしりと詰まっており、手に持つとずっしりと重く、見た目とのギャップがある。 餡はとろんとして濃厚、超熱々のため、火傷に注意(私は唇と舌が火傷した)。 ■富山 ホタルイカ バジルが香るピュレ。 ■パン ■グリーンアスパラのキッシュ サクサクのパイ生地の器にアスパラの野菜感を盛り込んでいる。 ■北海道 雄武沖 毛蟹 冷製。 器を開けた瞬間、オホーツクの毛蟹の豊かな香りが広がる。 下には汲み上げ湯葉がある。 土佐酢のさっぱりしたジュレ。 上にはキャビア、カボス、穂紫蘇を乗せる。 ■和歌山 うすいえんどう豆 多田さんのペルシュウ 24ヶ月熟成をしたペルシュウの下には、うすいえんどう豆、じゃがいものニョッキ、土佐ジローの温玉が隠されている。 温玉を崩して絡めながら食べる。 ■北海道 縞海老 タモギ茸 ヒロメ ブイヨン仕立て。 縞海老のすり身をムース状にして、海老真薯のようにしている。 トビウオの玉子を混ぜて、食感にインパクトを与える。 和歌山のヒロメは初めて食べた食材。昆布のような厚みとぬめりがある。 熊本のタモギ茸。 生姜とふわっとかけた唐辛子がアクセント。 ■千葉 太刀魚 噴火湾 雲丹 愛知 春ふき 珠玉の逸品! 雲丹、春ふき、山葵菜のそれぞれが持つ爽やかな苦味が協調し合って絶妙なバランスを保っている。 全ての苦味が計算し尽くされているように思えた。 今しか食べられない旬の料理。 ■秋田 黒毛和牛 アスパラガス モリーユ茸 一皿の中に様々な表現がされている。 牛の部位はハラミ。 特に焼き加減の希望がなければ、レアで提供される。 超巨大なアスパラガスのビジュアルが圧巻だ。 モリーユ茸と、粒黒胡椒の塩漬けをトッピング。 ■ビーフカレー ハラミを叩いた後に刻んで、カレーに投入。 らっきょう添え。 粒黒胡椒乗せ。 普通のカレーなのに美味い。 ■愛媛 柑橘 ココナッツ タロッコオレンジ、せとか、ブラッドオレンジ、島八朔(青海島)、金柑(宮崎)、小夏などを使った柑橘尽くしのデザート。 小夏のチップの上に金粉を乗せて華やかな演出。 柑橘系だけでは単調になりすぎるため、リンゴをアクセントにし、バジルの酸味を利かせたソルベ。 ヒタヒタのシロップ。 ■ココナッツのソルベ バジルのソルベとともにダブルでいただいた(要リクエスト)。 ■奈良 阪野農園いちご「古都華」 吉野杉の箱に入って綺麗に並べられ、高級感に溢れる。 杏仁豆腐乗せ。 ■コーヒー ■マドレーヌ 小粒のマドレーヌが1人5個食べられる。 コーヒーと合わせながら、食後の余韻に浸る。 ■土佐ジローのコーヒープリン 広島・木本氏の無農薬レモンで香り付けをしている。 ■ハーブティー ミントティー。 【ドリンク】 ■Billecart-Salmon Blanc de Blancs Brut シャンパーニュ。 ■Y de Chateau d'Yquem 2014 ボルドー。 ■Chateau Ducru-Beaucaillou, Saint-Julien 1989 ボルドー・サンジュリアン。 面白かったのはトイレからの光景。 部屋とトイレを隔てる窓がマジックミラーになっていて、トイレの中からフロアが見えるようになっている。 フロアからトイレは見えないので安心。 側で燃えている炎はオブジェ。 この辺の演出にエンターテインメントを感じる。 会計後、お土産にフィナンシェとマドレーヌをいただいた。 私にとって、「ヒロメ」との出逢いは初めてだった。 須賀氏には、日本全国の食材を探す旅