お誘いいただいて鐘ヶ淵の「酒亭田中」へ。駅から降りて細い道を歩くこと3分ほど。住宅街と言っていい場所にひょっこり出てくるお店が「酒亭 田中」。鳥田中はコースがメインだったが、酒亭田中になって、アラカルト中心に。今回は特別にちょっとしたコース仕立てにしていただいて、追加でアラカルトをお願いする形で。 最初の乾杯はビール。そこから、少しずつ小皿料理が出てくる。最初は、「仙台せり、しらす、ちりめんじゃこ」、そして「富田林の海老芋」。やっぱり冬はせりの季節。ちょっとした苦味がありながら、爽やかに食べられる。そしてホクホクの海老芋。続いての「熊野地鶏のたたき」が最高だった。席についた頃から焼き続けていた鶏がこれだったのか。一食の価値あり。 このあたりから日本酒に。いい日本酒が揃っていて、どれから飲んでいいのか迷うところだが、まずは糸島の誇る名手「田中六五」から。食事は汁物に。鶏白湯スープに京都の白味噌を合わせたという一品は、先程の鶏ささみを超えてくる一品。鶏白湯も白味噌も食べたことがあるが、この合わせ汁は最高だ。 続いては冷たい鶏のスープ。といっても煮こごりになっていて、中にはリコッタチーズとピューレ状の百合根。このバランスがまたいいね。リコッタチーズとかどうやって考えるんだろうか。 小さいお鍋は牡蠣豆腐。大船渡産の大きな牡蠣に豆腐がつく。それをちょっとしたポン酢に付けて食べるスタイル。鶏のハラミ(すもつ)からの赤いこんにゃく。この頃から日本酒は「みむろ杉」に。眼の前では焼鳥がドンドンと焼かれていく。 最初の焼き鳥は、ソリレスともも。続いて小さな入れ物に入った胸肉の漬け。これをのりに巻いていただく。 まだまだ焼き鳥は続く。レバー、せせり。と思ったら、突然のレバーパテ。これはパンに塗られてやってくる。戻ってきての串は「きんかんつくね」。畳み掛けるような鶏づくしの最後に可愛いエリンギが出てくる。 最後の締めの前に追加でオーダーしたのが、「あか」と「ハツ」。やっぱりハツは外せないしね。 締めは白湯スープの鶏そばを。1分間でさっと茹でた細麺に玉子、鶏肉、ネギ。濃厚な鶏白湯が最高だった。 久しぶりの焼鳥が酒亭田中で良かった。大満足で鐘ヶ淵を後にする。