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Shingo InoueさんのMy best 2020

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東京都

フランス料理

Shingo Inoue

半年ぶりぐらいのASAHINA。この半年の間に、ASAHINAはミシュランの一つ星を獲得した。当たり前といえば当たり前だが、オープン1年での星獲得はやっぱりすごい。 前回はディナーだったが、今回はランチタイムに。12時15分の予約に5分ほどフライングで入ったが、快く迎えてもらえた。場所は東京証券取引所の隣。リバーサイドながら静かな界隈だ。店内に入る前に少しだけ休息の場所があるのが嬉しい。コートを預けて少しほっこりしてすぐに店内に。店内は非常に明るく、壁際に沿ってテーブル席がいくつか。真ん中にもテーブル席があって、その奥は個室になっている。今回の席も前回と同じ場所だった。このあたりの思いやりも嬉しい。 ということで最初はシャンパンで乾杯。グラスは2〜3種類あったけど選んだのはルイナールのブラン・ド・ブラン。力強い泡と繊細な口当たり、そしてスキッとした後味。美味しいよね。 アミューズはおしゃれな入れ物に乗って3種類が登場。「ベトラーヴとグリュイエールチーズのカナッペ」「ラングスティーヌのカネロニ」「ゴーフルで挟んだリエット」。どれも絶品だが一番気に入ったのは「ゴーフルで挟んだリエット」。コーヒー味のゴーフルと豚のリエットの相性が絶妙。これだけでももう1つ食べたい。 続いて前菜1皿目は「活帆立貝とトリュフのクルート そのタルタルをポム・ゴーフルで挟んで」。ホタテを三層にし、その間にトリュフを挟む。周りはパイ生地で仕上げるという繊細ながらしっかりと味わえる一品。実はタルタルをポムゴーフルで挟んだ方もシンプルで美味しい。 前菜2皿目はタルトフランベ。「デリケートなズッキーニのタルトフランベ」と名付けられた一品は薄い薄いタルトフランベを5層に仕上げた上に刻んだ具材を乗せ、2色のズッキーニで蓋をしてサーブされる。タルトフランベというとピッツァのようなイメージがあったが、これは薄い薄いパイ生地という表現が近いかもしれない。合わせるのはアルザスの白。 魚料理は甘鯛だ。「甘鯛の松笠焼き 蕪のロティとレザンシートのヴェール ソースベルジュ」。カリッカリに仕上がった甘鯛だが、白身側はフワッフワだ。このコントラストが美しい。付け合せの蕪、そしてラタトゥイユのようなソース。すべてが合わさると非常に良い奥行きと繊細な味になる。 最後のメインは肉料理。「ランド産ホロホロ鳥 詰め物にしてまるごとロティし、茸のピティビエを添えて」。メニュー名通りだが、ホロホロ鳥に様々な詰め物をしてロティ、それを切り分けて出してくれる。部位として出てくるのは手前が胸肉、左がもも肉。奥が茸のピティビエだ。驚くのは胸肉の圧倒的なジューシーさ。脂の少ない胸肉はパサパサしがちだが、この胸肉はとてもジューシーで食べやすい。もちろんもも肉も最高に美味しいし、茸のピティビエもキノコ多すぎでびっくりする。 ここからはフィナーレに向かってデセールたちを。ちょっとしたお祝い事があったことを見ていてくれた村林さんから「Felicitations」のメッセージ。アヴァンデセールはフランボワーズにシャンパンのソルベをかけて。きれいに二つの味が混じり合う。メインのデセールはオペラ。「オペラプラリネ そのグラスを添えて」と名付けられた一品はプラリネで仕上げた独特のオペラ。三層の中にナッツがたっぷり入っている。そこそこ大きいのだが、食べ終わってしまうと寂しい余韻が残る、そんなデセール。 最後にコーヒーとミニャルディーズを頂いてごちそうさま。このミニャルディーズのカヌレが絶品だった。カリッとしながらトロッとしてふわっとしている。食感のマジック。 今回も最高に楽しいコースでした。サーブの仕方、一皿一皿の盛り付けなどは可愛いけど、味は繊細でいてしっかりしている。驚きと楽しさが共存するフレンチでした。また次の機会まで。 #兜町 #日本橋フレンチ #驚きと楽しさの共存するフレンチ

Shingo Inoue

今年(2020年)2月の料理王国の表紙を飾ったアンファス。まだオープンして半年だがすっかり人気店に。この日もちょっと前に予約をしていったのだが、19時頃には満席になっていた。 最初はCOEDOのRuriで乾杯。メニューはその日のおすすめが書かれている黒板から選んでいく。この半年で何度か訪れているが、値段もポーションも少しずつ試行錯誤を重ね、だんだんと落ち着いてきた感じがある。 最初にオーダーするのは切りたて生ハム(980円)がおすすめ。目の前で薄くスライスされていく生ハムは見ているだけで美味しそうだし、食べてみたらフワッフワで感動する。下に隠れた梨と一緒に食べると美味しさがますので是非試してみてほしい。 この日はそれ以外に前菜から「ブラータチーズとトマトのサラダ(1,800円)」、「鱈白子のムニエル(1,900円)」を。本当はシャルキュトリーの盛り合わせをオーダーしたいのだが、食べたいものが多すぎて、泣く泣く諦める羽目に。 出てきたブッラータとトマトのサラダはボリュームたっぷり!これでもかという量のトマトの上にブッラータチーズがドカンと乗り、たっぷりのパセリ、そしてオリーブオイルとバルサミコソースがかけられている。シンプルだけど、美味しい。ビストロ料理の基本。 鱈白子のムニエル。丁寧だけどちょっと強い目に表面を火入れした白子はポーションがでかい!中がフワフワトロトロで食べごたえも十分。少しスモーキーなバターの香りが絶妙にマッチしている。 最後のメインは「骨付仔羊のロースト(3,900円)」を。骨付きで火入れをして、その骨を切り分けて出してくれるという心遣い。この柔らかい仔羊は口の中で旨味が爆発する感じ。食べ終わったら落ち着いて骨周りの肉をしゃぶろう。最後まで仔羊の旨さを堪能できるはずだ。 シェフがワンオペということもあり、満席時はゆっくり待つことになるが、一つ一つの料理のポーションが大きいので、じっくり食べるのが吉。最後にカルバドスを頂いてごちそうさま。お客さんとシェフが一体感を感じられるいいお店です。 #人形町 #ビストロ #生ハム

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東京都

中華料理

Shingo Inoue

なかなか予約が取れない南三だったが、運良く4人で席をゲットできたので早速行ってきた。場所は荒木町。四谷三丁目と曙橋のちょうど中間あたり。四谷三丁目川から行くと、車力門通りをまっすぐ行って突き当たりぐらいにあるビルの2階。少し分かりづらいが、ちゃんと看板は出ているので、注意深く進めば見つけられるはず。店内はそんなに広いわけではなく、カウンター3席に、テーブル席が4席×2と6席、といった感じ。この日は満席だった。 南三で提供しているのはオリジナルの中華料理だが、特に中国の南方、雲南・湖南・台南の料理を意識している。普段イメージしている中華料理とは少し違って、変わった食材が出てきたり、ユニークなスパイスの使い方だったり、色々楽しめるのが魅力だ。南三の魅力に取りつかれたらリピートは間違いない。料理は6,000円のコースのみ。わかりやすくて助かる。 まずはドリンクから。生ビールはハートランド、瓶ビールは青島だ。この日はビールを引っ掛けてから来たので、ちょっと変わり種で「深漬レモンサワー(700円)」を。乾杯をしていると、最初の冷菜が登場。いきなり6種類だからびっくりする。どれもこれもビジュアルが魅力的なので順番を迷ってしまう。「酔っぱらいエビと枝豆」「よだれナマコ」「貝とウルイ」「サバ プーアル茶スモークと台湾ハイビスカスのピクルス」「菜の花からすみ」「芽キャベツ皮蛋」。全部美味しかったけど、やっぱりサバかな。プーアル茶スモークって初めて食べたけど美味い。思い返してみれば、菜の花も最高だった。初っ端からレベルが高くて困る。 続いて珍味盛り。南三のスペシャリテの一つとも言える南方中華シャルキトリー。「くんせい鴨舌」、「パリパリ大腸」、「ウイグルソーセージ」の3種類。普段なかなか接することのない食材を、スパイスや調理法でうまく仕上げ、変化球ながらも日本人のストライクゾーンに収めてくる仕上がりはさすがだ。どれも気に入る味だったが、鴨舌は特別面白かった。はじめはしがんでいたけど、全部食べられることがわかって、二度楽しい。これは紹興酒が進んでしまう。そうそう、いつの間にかドリンクは紹興酒へとシフトしていた。 季節の野菜料理は「焼き白菜と切り干し大根のあんかけ」。そして、春巻きの登場だ。「雲南ポルチーニ春巻き」。春巻きにポルチーニが入っていて、香りが半端ない。でも色合いほど味は濃くなくて食べやすい。絶妙なスパイスが後味を良くしている。しつこいようだが、紹興酒がよく合う料理。 続いて魚料理。「ハタとはまぐり 咸(塩)レモン」と名付けられており、丁寧に蒸したハタとはまぐりの上からオリジナルのソースがたっぷり。ハタはフワッフワでに仕上げられている。この料理には白ワインがベストマッチ。南三はワインの品揃えもいい。自分で冷蔵庫から選ぶスタイルだ。瓶に値段が書いてあるので、わかりやすいし、リーズナブルな価格帯が揃っている。 さて、料理は肉料理に。「牛ステーキにニラミント」。肉の火入れは当たり前のように素晴らしいのだが、なんと言ってもこのニラミントソースがやばい。このソースは本当に持って帰りたかった。初めて食べるソースなんだけど、いつまでも食べていたい。これ食べるためだけでも来たい。 そろそろ料理も終盤戦。ホタルイカビーフンが登場。ちょっと太い目の麺で、食感が面白い。お腹はいっぱいなんだけど、スルスル入ってしまう不思議なビーフン。最後にデザートが出てきてごちそうさま。デザートは「イチゴ、桃樹液アンニン」あったが、杏仁豆腐の上にイチゴのソルベと桃の木の樹液が乗っかっている。爽やかな甘味が食後の口に優しい。 いや、美味かったな南三。新鮮な味に出会えて、また会いたいと思える。ボリュームを考えたら本当に安い。また予約が取れたら来たいお店。 #中華料理 #南方料理 #荒木町

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東京都

フランス料理

Shingo Inoue

2020年3月、まだ都の休業要請が出る前に、駆け込みで東大前のマプールへ。いつもどおりオリジナルのコースはアミューズから前菜、スペシャリテ、肉料理、デザートという構成だ。 最初の乾杯はやはりクレマン・ド・ジュラで。フィリップ・ヴァンデルはジュラ地方を代表するドメーヌ。シャルドネ100%のスパークリングは繊細な飲み口が優しく、さすがブラン・ド・ブラン。ということで、アミューズはエスカルゴの温かいフラン。ちょっと茶碗蒸しのようなそんな感じだが、ふわっと広がるエスカルゴ独特の香り。舌触りも心地よい。 続いての前菜は魚料理。渓流の女王、姫あまごのミ・コンフィ。かなり大きい姫あまごだが、身はしっかりとしている。サヴァニャンバターを使った仕上げは濃厚な味わいを加えていて、食べごたえも十分。合わせるワインはコート・ド・ジュラ。マプールに来たら、やっぱりジュラのワインだよね。 ということで、次はおまたせのスペシャリテ。「伊達鶏とモリーユ茸のヴァンジョーヌソース」。何度食べてもこの料理は飽きないし、また食べたいと思わせる。丁寧に仕上げた鶏肉は柔らかく旨味がにじみ出る。モリーユ茸は香りだけじゃなく、舌触りにアクセントを加える。そしてヴァンジョーヌソース。すべてのバランスが素晴らしい。これをパンに付けた食べるとまた美味いんだ。合わせるワインはもちろんジュラの白ワイン。ぶどうは当然サヴァニャンだ。ソースに使われている品種と同じワインを飲む。合わないはずがない。 さて、メインは「アイルランド産ヘアフォード牛ランプ肉炭火焼」。ヘアフォード牛の良さは肉の柔らかさと旨味の濃さ。丁寧な火入れの技術があるからこそ、その良さが引き出せるというもの。炭火焼きに加えて、国産牛スネ肉の赤ワイン煮込みと、フォアグラのヴィエノワーズが添えてあり、お皿全体にアクセントを加えている。合わせるワインはオート・コート・ド・ニュイ。最高の組み合わせだね。 最後にマプール特製のパフェ。この日はいちごだった。こう見えて、意外と量があるから満足感も高い。 コーヒーを飲む前に食後酒をいただく。ヴァンジョーヌも飲みたいが、この日はレ・ラルム・デュ・パラディを。サヴァニャン100%の甘口ワインだ。甘いと言っても、甘すぎず独特の酸味があるのがサヴァニャンの特徴。こういうワインが飲めるのも嬉しいし、それにしっかり合わせる料理をいただけるのはもっと幸せだ。 #東大前 #フレンチ #伊達鶏とモリーユ茸のヴァンジョーヌソース

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東京都

ハンバーガー

Shingo Inoue

2000年、人形町という東京の下町で誕生したハンバーガー専門店、BROZERS'。歴史を重ね、今年(2020年)20周年を迎えた。あまり周年企画をしないBROZERS’。10周年の2010年はテイクアウト専門店をオープンしたり、商標取得などがあったが、特段大きな発表もなかった。しかし、20周年はちょっと違う。20年前を振り返る、原点というべきハンバーガーの復活。その名も「CLASSIC BBQ LOT BURGER(クラシックバーベキューロットバーガー」。 奇しくも、ブラザーズの入っていマンションが大規模修繕中。ということで、大きな横断幕「おかげさまで20周年」が目立つ位置に掲げられていた。迷わずに入店してオーダーするのは20周年特別企画の「CLASSIC BBQ LOT BURGER」だ。Back to the Basic、まさに原点に帰ろう、というコンセプトのハンバーガーはBROZERS'が創業した当時に作られていたハンバーガーだ。 出てきたクラシックバーベキューロットバーガーは、かなりのボリューム。通常のロットバーガーとの大きな違いはスモーキーさが加わったBBQソース、そしてピーナッツバターだ。かなりのインパクト。このハンバーガー、ヒトコトで言ってかなり濃い。ロットバーガーは大きさこそすごいものの、バランスが良く食べやすい仕上がり。それに比較するとこのロットバーガーはちょっとバランスが悪い。でも、良い方向のバランスの悪さだ。 ハンバーガー食べるときはガツンと味わいたいね!という感じが前面に出ている。ピーナッツバターの甘み、パティとチーズの塩味、BBQソースの燻製臭が一体化している。毎日は食べられないけど、時々食べたくなる味。 まさに期間限定なのでぜひ! #20周年 #人形町グルメ #ロットバーガー

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東京都

日本料理

Shingo Inoue

赤坂の裏道にある割烹「さ行(さこう)」。以前は六本木にあったが、気づいたら赤坂に移転しており、しかも紹介制になってしまったので簡単に行けないお店になってしまった。六本木にあったころも人気店だったが、早い時間に駆けつければランチにありつくこともできたので、少し隔世の感がある。 この日は常連さんにお誘いいただき、カウンターに滑り込むことができた。個室(4人)が2つにカウンターが5席で合計13席。これがさ行のキャパシティ。最大13人に全力を注ぎ込む。それにまっすぐ対峙することで、レベルの高い食事をいただくことができるのだ。 ドリンクは生ビールからハイボール、焼酎、ワインまで幅広い。品ぞろえが良いのは、日本酒だが、ワインもシャンパーニュから白、赤まできっちり揃えている。結局最初に頼むのはビールになってしまうのが、日本人のサガ。 最初の八寸から度肝を抜かれる。大きな氷の上に蓮の葉っぱ。そこに乗ってくる手の混んだ料理たち。ほおづきが4つあるが、そのうちの3つは身以外の料理が入っている。トマトのワイン漬け、シャインマスカット、おいも。コーンの揚げ物に、タコ、鱧の子とエビ。そして稚鮎の南蛮漬け、生ハムときゅうりなどなど。祇園祭の季節ということで、チマキ(笹巻鮨)も。なんと言ってもレベルが高かったのは稚鮎の南蛮漬け。苦味と旨味のバランスが最高。 お椀。メインはホタテのしんじょう。しんじょうというと、エビが普通だと思うが、ホタテの旨味が染み出していた。あとはアワビと冬瓜、卵豆腐に結び人参など。 お魚のお造りは3種類。鯛に鮪に平目。それぞれベストな物を付けて食べるが、鯛には海老塩、鮪はニョクマムとナンプラー、平目は黄身醤油。お作りは2切れずつあるので、2つ目はお好みで、とあるが、そのまま食べてしまった。特に黄身醤油は最高だ。ちなみに、この海老塩を残しておいて、最後のご飯と一緒に食べるというツワモノもいた。 焼き魚は木製のうちわに乗って3種類。トキシラズをナスに巻いたもの、鮎の焼き物に青物の天ぷら、そして甘鯛とワカメ。トキシラズも食べごたえがあったが、やっぱり鮎が最高だった。カウンターは目の前が調理場なのでよく分かるが、丁寧な火入れの完成度が高い。 肉料理はこれまた変わっている。周りに山形牛、そして味付けはバルサミコ酢と醤油。真ん中にすっぽんまんじゅう(初めて聞いた)、そして上にサマートリュフ。こんな料理食べたこと無いけど、バランスがいい。たぶん、ここでしか食べられないんだろうな。 ご飯ものの前に大きな賀茂なす登場。下にはすり流したナスの餡と、べっこう餡が敷かれている。賀茂なすの中にはシグニチャーの胡麻豆腐。胡麻豆腐の香ばしさと肉厚なナス、そして餡の旨味が口の中で合わさる。この一品は最高でござる。 最後のご飯物は鱧のすき焼き。これだけでちょっとしたランチセットじゃないか、と見紛うぐらいのボリューム。すき焼き出汁の下は本物の炭だ。ご飯はお櫃に入ってくる。最後はご飯をよそって、出汁を足して、たまごを加えて、最後に海苔を振りかければ、贅沢なTKG(卵かけご飯)の完成。最高じゃないか。 お腹がいっぱいになったところで正真正銘の最後のデザートが。これまたボリュームたっぷり。水菓子としてメロンにスイカ、グレープフルーツ。そしてごま団子にクッキーシューと水ようかん。デザートでこのボリュームはすごい。 最後にお土産でおにぎりまで頂いてごちそうさま。お腹もいっぱい胸もいっぱい。食べきるのは難しいと思うが、最後のデザートやご飯物も持ち帰り可能。きめ細やかな料理を作るお兄さん、フレンドリーで楽しい説明をしてくれる弟さん。この兄弟が生み出す料理のマジックにすっかりハマった夜だった。 これで1万円程度というのが信じられない。コストパフォマンス高すぎ。またいつか行ける日まで。 #隠れ家 #紹介制

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東京都

フランス料理

Shingo Inoue

行きたいなぁ、と漫然と思っていてもなかなか行けないお店がある。カンテサンスもそういうお店の一つだったが、意を決して予約を取り、この日初訪問。場所は品川・大崎・高輪台のちょうど中間となかなか不便な場所にある。ガーデンシティ品川 御殿山の1階、カンテサンス専用の入口を開けると笑顔で出迎え。入口付近にちょっとしたウェイティングスペースがあるが、ほとんど待つことなく席へ。 コースはおまかせが一つだけ。2020年10月から少し値上がりして26,500円となった。席に通されると、「マスクを外してゆっくりおくつろぎください」のヒトコトから始まり、少し緊張していた心を安らげる説明が続く。メニューが各人に配られ開けてみると、噂通り真っ白。話に聞いているのと、実際に体験するのはちょっと違う。安っぽい言葉だけど、「高級感のある真っ白」だった。 最初の乾杯はシャンパーニュから。グラスは2種類あったけど、アンリ・ジローを。最初の小さなアミューズはヤリイカを使ったサブレ生地。小さいけれど、旨味が凝縮されている。この日はたまたま左利きの方が2名いたのだが、このアミューズを取る手などもサラッと確認しつつ、利き手を判断し、カトラリーを配置していくようだ。 2品目は小さなスープ。生ハムとクリを使った温かいスープだった。一瞬え?と思う組み合わせ、このタイミングで温かいスープという驚きが食事を楽しくする。ここでパンが登場。このパンがめちゃくちゃ美味い。いつもパンを食べすぎて後悔してしまうのだが、この日も3つ食べてしまった。美味しいものは仕方ない。 3品目は山羊のミルクのババロア。カンテサンスのスペシャリテの一つ。上に乗っているのはマカダミアナッツと百合根。あっさりとしていて濃厚という矛盾したような味わい。今まで食べてきた百合根の中で一番うまい百合根だったかもしれない(主役じゃないけど)。合わせるのはオーストリアの白。この日のワインはすべてペアリング。 4品目は伊勢海老。ソースは濃厚だが、身はプリプリであっさり。丁寧な火入れで、旨味がきっちり閉じ込められている。合わせるのはコート・デュ・ローヌの白。 5品目は馬肉のタルタル。このタルタルが序盤最大のヒットだった。トランペット茸とクルトンが入っているという説明だったが、結構クルトンが聞いている。だから食感がサクサクなんだけど、馬肉のタルタル具合とよく絡み合う。ほんとに無限に食べられるんじゃないかと過信してしまう美味さだった。合わせるのはボルドーの赤。この組み合わせ、完璧だ。 6品目はスペアリブ。鳩レバー入りのソースで、上に乗っているのはヤブガラシ。かなり濃厚でしっかりした味付けだ。上手く香草をきかせて後味のさわやかさを出している。合わせるのはコート・デュ・ローヌの赤。 7品目は魚料理。なんとゴマアラだ。水面をイメージしたかのようなソースの流れ。ソースはグレープフルーツと煮山椒。上にちょこんとあるのがれんこんと落花生のクロケットだ。このゴマアラの火入れが完璧。表面はサクッとしていながら、身がフワッフワ。 8品目はメインの肉。仔羊ローストだった。低温調理でじっくり焼き上げた仔羊は赤身に見えてしっかり火が通っている。うまさが凝縮された一品だ。 アルマニャックソースと絡めて食べると、うまさも倍増する。仔羊はやっぱり骨までしゃぶるのが美味い、ということでフィンガーボールも登場。実はフィンガーボールの中身は水じゃなくてお茶だったりするのも小さなポイントだよね。こちらに合わせたのはボルドーの赤。 9品目は小さなお口直し。ピスタチオのシャーベット。 10品目以降はデセール。最初は無花果のキャラメリゼ。チーズクリームを使ったサブレ仕立て。サクッとしていながら中がトロトロで贅沢感がたっぷり。11品目は見た目が完全にモンブラン、かと思いきや「かぼちゃのチュロス」。上に乗っかるはメープルクリーム。これも完成度が高かった! 最後にメレンゲのアイスを頂いてごちそうさま。小菓子とコーヒーを頂きながらこの日のコースを振り返る。強烈な個性というよりもベースのしっかりしたフレンチという印象。その中でも火入れのレベルが圧倒的に高かった。一緒に行ったみなさんも満足だったみたいで良かった。また1年後ぐらいに行きたい。 #カンテサンス #フレンチ

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東京都

ハンバーガー

Shingo Inoue

気づいたら15年ぶりぐらいになってしまった三軒茶屋のBaker Bounce。三軒茶屋の駅を降りて、茶沢通り(三軒茶屋と下北沢をつなぐ通り)を北へ。5分少々歩くと右手に大きなゴリラが見えるので、その手前の交差点を左折。2〜3分歩いた先にある赤と白のお店がBaker Bounce(ベーカーバウンス)だ。2002年オープンとすっかり老舗になってしまったが、ハンバーガーに対する姿勢はいつも真っ直ぐで常に進化をし続けている。 11時15分ぐらい、ランチタイムと言うにはかなり早い時間に訪れたが店内はちょうど満席。表のベンチで少し待っていると、席が空いたようで店内に。最初にオーダーする仕組み。ハンバーガーのメニューはシンプルなものばかり。ベースのダイナーバーガーは1,200円、アボカドチーズバーガー1480円などなど。やはりBaker Bounceといえばベーコンチーズバーガー(1,600円)ということで、それと、グレートチーズバーガー(1,400円)をオーダー。あとはクラムチャウダースープ。ドリンクメニューが破格すぎてびっくりするが、ハンバーガーを楽しむための脇役という立ち位置なんだと思う。ちなみに、コーラが150円、ホットコーヒーは120円(お代わりは30円)、ビールは280円だ。 店内は入って左にテーブル席が続き、左奥が厨房、右奥もテーブル席となっている。感染症対策のため、ある程度人数制限をしているが、11時過ぎで満席というのはさすがの人気店だ。ちょっとまっていると、クラムチャウダースープとビールが登場。このクラムチャウダースープがうまい!具だくさんだし、ウマミがたっぷり出ている。 おまたせしましたチーズバーガーとベーコンチーズバーガーが登場。昔はオープンスタイルだったが、丁寧にビルドされ袋に入って提供。見れば見るほど綺麗すぎる組み立て。2種類のチーズのコントラストも眩しく、芸術品の領域だ。食べてみるとその荒々しさにびっくりする。そもそもでかいんだけど、肉のインパクトがすごい。それをしっかり受け止めるバンズのパワーも負けていない。ベーコンチーズバーガーはそれに輪をかけて荒々しい。これを食べた後に、チーズバーガーを食べると、ちょっとあっさり感じてしまうから不思議だ。 忘れちゃいけないのがポテト。ベーカーバウンスのポテトはカリカリでサクサク。それでいて食べごたえもある。付け合せのケチャップは変わらず自家製。ちょっと酸味が強くてポテトピッタリ合う。あー幸せ。 ベーカーバウンスのハンバーガーはインパクトと満足感が半端ないので、ハンバーガーをハシゴするとかそういうレベルじゃないな。なんでもっと来なかったんだろう。三茶に住んでいる人は幸せだね! #ベーコンチーズバーガー #三茶グルメ #レジェンド