半年ぶりぐらいのASAHINA。この半年の間に、ASAHINAはミシュランの一つ星を獲得した。当たり前といえば当たり前だが、オープン1年での星獲得はやっぱりすごい。 前回はディナーだったが、今回はランチタイムに。12時15分の予約に5分ほどフライングで入ったが、快く迎えてもらえた。場所は東京証券取引所の隣。リバーサイドながら静かな界隈だ。店内に入る前に少しだけ休息の場所があるのが嬉しい。コートを預けて少しほっこりしてすぐに店内に。店内は非常に明るく、壁際に沿ってテーブル席がいくつか。真ん中にもテーブル席があって、その奥は個室になっている。今回の席も前回と同じ場所だった。このあたりの思いやりも嬉しい。 ということで最初はシャンパンで乾杯。グラスは2〜3種類あったけど選んだのはルイナールのブラン・ド・ブラン。力強い泡と繊細な口当たり、そしてスキッとした後味。美味しいよね。 アミューズはおしゃれな入れ物に乗って3種類が登場。「ベトラーヴとグリュイエールチーズのカナッペ」「ラングスティーヌのカネロニ」「ゴーフルで挟んだリエット」。どれも絶品だが一番気に入ったのは「ゴーフルで挟んだリエット」。コーヒー味のゴーフルと豚のリエットの相性が絶妙。これだけでももう1つ食べたい。 続いて前菜1皿目は「活帆立貝とトリュフのクルート そのタルタルをポム・ゴーフルで挟んで」。ホタテを三層にし、その間にトリュフを挟む。周りはパイ生地で仕上げるという繊細ながらしっかりと味わえる一品。実はタルタルをポムゴーフルで挟んだ方もシンプルで美味しい。 前菜2皿目はタルトフランベ。「デリケートなズッキーニのタルトフランベ」と名付けられた一品は薄い薄いタルトフランベを5層に仕上げた上に刻んだ具材を乗せ、2色のズッキーニで蓋をしてサーブされる。タルトフランベというとピッツァのようなイメージがあったが、これは薄い薄いパイ生地という表現が近いかもしれない。合わせるのはアルザスの白。 魚料理は甘鯛だ。「甘鯛の松笠焼き 蕪のロティとレザンシートのヴェール ソースベルジュ」。カリッカリに仕上がった甘鯛だが、白身側はフワッフワだ。このコントラストが美しい。付け合せの蕪、そしてラタトゥイユのようなソース。すべてが合わさると非常に良い奥行きと繊細な味になる。 最後のメインは肉料理。「ランド産ホロホロ鳥 詰め物にしてまるごとロティし、茸のピティビエを添えて」。メニュー名通りだが、ホロホロ鳥に様々な詰め物をしてロティ、それを切り分けて出してくれる。部位として出てくるのは手前が胸肉、左がもも肉。奥が茸のピティビエだ。驚くのは胸肉の圧倒的なジューシーさ。脂の少ない胸肉はパサパサしがちだが、この胸肉はとてもジューシーで食べやすい。もちろんもも肉も最高に美味しいし、茸のピティビエもキノコ多すぎでびっくりする。 ここからはフィナーレに向かってデセールたちを。ちょっとしたお祝い事があったことを見ていてくれた村林さんから「Felicitations」のメッセージ。アヴァンデセールはフランボワーズにシャンパンのソルベをかけて。きれいに二つの味が混じり合う。メインのデセールはオペラ。「オペラプラリネ そのグラスを添えて」と名付けられた一品はプラリネで仕上げた独特のオペラ。三層の中にナッツがたっぷり入っている。そこそこ大きいのだが、食べ終わってしまうと寂しい余韻が残る、そんなデセール。 最後にコーヒーとミニャルディーズを頂いてごちそうさま。このミニャルディーズのカヌレが絶品だった。カリッとしながらトロッとしてふわっとしている。食感のマジック。 今回も最高に楽しいコースでした。サーブの仕方、一皿一皿の盛り付けなどは可愛いけど、味は繊細でいてしっかりしている。驚きと楽しさが共存するフレンチでした。また次の機会まで。 #兜町 #日本橋フレンチ #驚きと楽しさの共存するフレンチ