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Akira Sugiharaさんの My best 2015

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東京都

バー

Akira Sugihara

ルパン@銀座! 突然のゲリラ豪雨に遭遇し、短い距離だがタクシーを利用した事がある。 そのタクシーの老運転手に行先を告げると、上野動物園通りから都立上野高校のある急な坂を上って上野桜木方面に出た。 この裏道を知っているタクシーの運転手は相当なベテランか、上野界隈に精通しているはずである。 「いつもこの界隈でお仕事されているんですか?」と訊く。 「いやー、普段は“ナカ”ばっかりですよ。」とその老運転手は応えた。 “ナカ”と言う人に久しぶりに会った。 “ナカ”とは銀座の事である。 太陽族やみゆき族と言われた古い遊び人の銀座の呼び方である。 “ナカ”に特別な意味はなく、銀座以外はすべて“ソト”なのである。 バー ルパンはそんなみゆき族達がたむろしていたみゆき通りの路地にある。 17歳の時、無頼派と呼ばれる作家の本を読み漁った。 坂口安吾、織田作之助、そして、太宰治。 バー ルパンは無頼派作家の巣窟だった。 40歳になったら、ルパンに行こう!しかも、11月25日に行くと17歳のボクは心に決めた。 40歳に決めた理由はボクの中での一つの「大人」のイメージがあったからである。 バーであるからお酒が飲めるようになる20歳でも構わないかも知れないが、それは自分の中でなんとなく許せなかった。 銀座のバーに行けるだけのお金があればいつでも構わないという意見もあるだろうが、それも違う。 品格の問題だ。 いつも下ネタばっかりのお前に品格を語る資格などないという意見は受け入れるが、エロスを批判的に言う人をボクはバカにする。 動物は種の保存を目的とした性行為はするが、快楽や耽美のための性行為はしない。 だから、人間のニンゲンたる所以は食と芸術と哲学とエロなのである。 11月25日はあの有名な太宰治の写真が撮られた日である。1946年11月25日、織田作之助を撮影していた林忠彦にオレも撮れよと酔ってからみ、偶然に生まれた写真である。 この2年後、太宰は愛人山崎富栄と玉川上水で入水自殺をする。 当初、山崎富栄による無理心中との噂があった。 すでに人気作家の地位にいた太宰の遺体はすぐに棺に移され運ばれて行ったが、山崎富栄の遺体は玉川上水の堤に長い間放置されたままだったという。 最近になって太宰の遺書が見つかり、太宰の了承のもとでの入水自殺であることが分かり、山崎富栄の名誉は回復した。 だが… 山崎富江は妻子ある太宰の事を本当に愛していたが、太宰は山崎富江を愛してはいなかった。 ただ単純に、一人で死ぬのが怖かっただけだったのである。 69年前の11月25日に思いを馳せ、太宰を睨みつけながら、アードベッグを飲み干した。

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東京都

居酒屋

Akira Sugihara

酒坊主@代々木八幡! 自国の文化の優位性を執拗なまでに説くフランス人だが、キャビアにはワインではなくロシアのウォッカをフランス人は合わせる。 これはキャビアに合うワインが少ない事をフランス人は知っているからである。 正月に数の子やイクラを食べた時にビールを飲むと、ビールの苦みが際立ったり、魚卵の魚臭さが増した経験はないだろうか? そして、日本酒に変えてみると不思議な事に、魚臭さも消えて、むしろ魚卵の甘みさえ増すと感じた事はないだろうか? 現在、パリやニューヨークのレストランでは、キャビアに日本酒を合わせる店が増えている。 それほど、日本酒が食中酒として評価されて来ているという事だ。 必ずしも和食や和の食材に限らず、マリアージュが楽しめる食中酒として認知されて来た証しだ。 酒坊主もそんなマリアージュを楽しめるお店だ。 仔羊のハンバーグ、秋刀魚のテリーヌ、そして、スパイシーなカレー。 一般的にシャンパーニュや赤ワインとのマリアージュを想像する食材で、日本酒を、しかも燗酒で楽しめる。 そして、スパイスやパクチーなどの香草類もふんだんに料理に使われる。 日本酒と料理の無限の可能性を秘めた出会い。 ここ10年で日本酒そのもの自体に個性が生まれた。 であれば、合わせる料理にもそれに見合う個性が必要となる。 今後5年で、日本酒酒場はこのような個性的な店の出現で、よい意味で淘汰されるだろうと予想できる。

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東京都

バー

Akira Sugihara

福33@神田! Retty Nightの帰りに呑み足りなくなって遅い時間に寄ってしまった。 あさり女将…すんまそん正義。 お酒との出会いも一期一会。 兵庫の銘酒竹泉のラベルにこんな文字… 「淋しがりやが 一升さげて さびしがりやに 逢いにくる」 にやられる。 都々逸。 粋な中に艶がある。 恋に焦がれて 鳴く蝉よりも 鳴かぬ蛍が 身を焦がす あきらめましたよ どう諦めた あきらめられぬと あきらめた 枕出せとは つれない言葉 そばにある膝 知りながら 言えばよかった ただ好きですと 飲んで悔しさ 升(ます)の酒

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東京都

ワインバー

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ガリバルディ@根津! 2015年も年の瀬になって素敵なお店に出逢えた。 美人で知的なソムリエールが出迎える国産ワイン専門のワインバー! 「国産ワインなんて…」と思っていた自分を恥じている。 一升瓶でガブガブ呑める日常的なワインから、特別な日に開けるスパークリングまで、今や日本のワインは多様化している。 十数年前に85年のヴィンテージのシャトー・ラトゥールに出逢いワインの本当の美味しさを知った。 と同時に、ラトゥール以外のワインに感動を覚えなくなってしまった。 だが、自然派などの生産者の想いや、若くフレッシュなワインの魅力、一緒に楽しむ料理とのマリアージュなど、ワインの魅力はその多様性だと、最近また改めて気づくようになった。 このお店の面白いのは、テーブルワインとして一升瓶ワインが用意されており、山形流と称して湯呑み茶碗で提供される。 山形のぶどう農家では、コタツに入ってワインを湯呑み茶碗で晩酌するらしい。 ワインの起源は紀元前4000年頃のメソポタミア文明とされているが、ワインの起源から6000年が経過し、時代も地域も文明をも通り越して、山形のお爺ちゃんが湯呑みで自身が栽培したぶどうで出来たワインを湯呑みで呑んでいるのだ。 日本酒がワインに比べ、まだまだ世界的に見て排他的で日本以外の地域で日本酒が造られないのは、心白の多い日本米が安定的に必要な事と、閉ざされた杜氏制度でもある。 また、日本酒文化は神道に根ざした部分も多々あり、そういった宗教的・歴史的背景が日本以外の国々には受け入れ難いのだと思われる。 ボクはその点で、むしろ恥るべき事ではなく、そこを日本酒の個性として認識すべきだとワインから学ぶべきだと思う。 とかく女性店主の店には、その女性の魅力に魅かれて男性客が来る構造がよく見られる。 ガリバルディも美人ソムリエール逢いたさに男性客が来るのだと思われる。 だが、彼女自信の国産ワインに対する愛情と豊富な知識、ソムリエールとしてのスマートな接客で、その美貌だけが魅力ではない事が分かる。 この店に出逢うまで全く知らなかったが、千葉県でも素晴らしいワインが造られていた。 齋藤ぶどう園の「さだおスペシャル」! 完全自然派のワインである。 すでに市場では完売との事。 国産ワインで価値観をくつがえされたい方は急いで訪れて欲しい。

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東京都

居酒屋

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29Rotie@大塚! ずっーーーーーーーっと、行きたかったお店にイケた! まず、日置桜純米生酛玉栄で乾杯。 アボカドやパクチーサラダをつまむ。 続いて予約していた仔羊の脳味噌のカルパッチョ! これ最高! 慌てて、どぶ生酛の燗酒をお願いする。 脳味噌のカルパッチョにパクチーサラダを少し巻いて、どぶの燗酒とのマリアージュ…素晴らしい…泣 マジで我ながら感動したのは、グラン カッレ アッラランチャと小笹屋竹鶴純米生酛とのマリアージュである。 グラン カッレ アッラランチャとは、イタリア ウンブリア州のオレンジピールやオレンジジュースに漬けて熟成させるオレンジ風味の生ハムである。 このオレンジ風味の生ハムと竹鶴純米生酛との相性が素晴らしい! これが男女だったら、毎年のように年子を50人出産しちゃうレベルである。 そのぐらい相性がいい! もともと、活性にごり酒などにはグレープフルーツ等の柑橘類との相性は知られている。 が、生酛の燗がここまでオレンジの香りと合うとは思わなかった。しかも、大好きな小笹屋竹鶴! 特に竹鶴生酛は、酸がワインのように豊富に感じるため、鴨肉のオレンジソースとワインのマリアージュと同様の効果をもたらすだろうとは期待はしていた。 いやー、なんか拡がっちゃったなー。 って、感じ。 久しぶりに感動した。 ここでは書かないが、30種類ぐらいの試したい料理がアタマの中で蠢いた。 噛むほどに味が出るパンもよろし。 最高!

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東京都

割烹・小料理屋

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紺青@清澄白河! 最近何かと話題の清澄白河界隈。 深川資料館裏に粋な日本酒バーが出来てた! 昔は「のらくろ」しかアピールポイントがない町であったが、なかなかお洒落になったもんである。 まず日本酒のメニュー。 すっきり系から燗向けへと種類が五段階に別れている。 あえて純米酒や吟醸酒一辺倒にせず、本醸造が置いてあるあたりが憎い。 これはある意味で店主の強いメッセージと取る。 純米至上主義や高精米度至上主義、獺祭に代表されるレア酒至上主義、冷酒至上主義…などなどに対するアンチテーゼ。 もっとそれぞれの日本酒の個性を知って愉しもうという提案と取れる。 聞けば店主の父上は、灘の銘酒「剣菱」の関係者であると言う。 なるほど、剣菱は大手蔵ではあるが、その造りは伝統を重視し、麹蓋や暖気樽を使用した丁寧できめ細かい酒造りで知られている。 純米じゃないからダメとか、普通酒だから不味いとか、そういった表向きの情報だけでは分からない日本酒の奥深さを知っているに違いない。 それは、酒粕を使ったガトーショコラと言うメニューがあることからも伺い知る事ができる。 でも、純米燗酒が好き❤︎

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東京都

ビストロ

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パパン@湯島! シェリー…やっと逢えたね。 風の噂でご近所同士とは聞いていたけど、なかなか逢えず。そんなシェリーとの出会いは突然訪れた! 上野ジゴロでならしたオレも 湯島の宝石には たじろいじまったぜ! 2軒目に泡と共にゆったりしたかったので選んだ店は湯島のパパン。 名物のアリゴは必須! 外資系生命保険会社のような名前だが、マッシュポテトとグリュイエールチーズの素晴らしい食感のフォンデュだ。 ブーダン・ブラン! ぶっといソーセージをブランブランしたいヒトにオススメ! 帆立貝のウニソース焼き! コレ嫌いなヤツ居たら連れて来いよっ!バカ!って味! 美男美女のデートの予定だったが、会話の9割は山岸凉子の「日出ずる処の天子」のオタク話! 厩戸皇子の格好良さを熱く語るっ! 残りの1割はボクの下ネタ! ココでブーダン・ブランを使用!!

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東京都

居酒屋

Akira Sugihara

香流呑み3軒目! どん底@新宿3丁目! 三島由紀夫、黒澤明、寺山修司等の文化人が贔屓にしていた新宿を代表する1951年創業の老舗酒場である。 店名の「どん底」は、ゴーリキーの戯曲から取ったものだ。 剛力彩芽ではない! ロシアのマクシム・ゴーリキーの方である。 剛力彩芽が何故歌って踊るのかは、ボクに聞かないでもらいたい! 「どん底」はゴーリキー初期のルンペンプロレタリアートを代表する作品で、1900年代初頭のロシアの最貧困層の社会を描いた戯曲だ。 どん底の名物はいろいろあるが、通称「どんかく」と呼ばれるカクテルが旨い。 「どんかく」とは「どん底カクテル」の略で、下町酎ハイのアレンジ版のような飲み物だ。 そして、何と言ってもミックスピザ! チーズたっぷりのピザはアツアツのうちに頬張ってもらいたい逸品! どん底で生まれて初めてピザを食べたという団塊世代は多い。 ところで、最貧困層を目の当りにしたゴーリキーは、理想の社会を求めてスターリンの共産主義に傾倒してゆく。 しかし、その後、共産主義に対するゴーリキーの考えは一変し、十月革命の2週間後の手紙にはこう記している。 「レーニンもトロツキーも自由と人権についていかなる考えも持ち合わせていない。彼らは既に権力の毒に冒されている。」 と。 反スターリン主義をとったゴーリキーは、1935年、息子マクシム・ペシコフを亡くした翌年、モスクワで没する。 両者とも毒殺されたという疑いが非常濃いが、正確な事はいまだ分かっていない。

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千葉県

割烹・小料理屋

Akira Sugihara

ノブレス・オブリージュ(仏: noblesse oblige)という言葉をご存じだろうか? 直訳すると「高貴さは(義務を)強制する」を意味する。 一般的に財や権力、社会的地位を持つ者にはそれ相応の責任が伴うことを指す。 日本では古くから「武士は食わねど高楊枝」という言葉が存在する。 名誉を重んじる武士は、貧しくて空腹でも満腹を装って気位を高く持って生きるべきだという考え方だ。 阪神淡路や先の3.11の未曾有の大震災の時にも、日本人は沈着冷静に秩序を守り、大きな混乱を招くことなく復興に向け耐えた。 有事の際、私利私欲に走り、商店での盗難などが横行する事が当たり前の海外から、度々称賛されていることはすでに周知の通りだ。 このような日本人の私利私欲に走らず、気位を高く持つ精神性(=ノブレス・オブリージュ)はすでに100年以上前に新渡戸稲造の著書「武士道」により説明づけられている。 奈種彩では、美味しい純米酒が呑める。 逆に日本酒に限って言えば純米酒しか置いていない。 現在、わざわざ「純米酒」と断るように記せねばならないが、本来の日本酒は全て「純米酒」であった。 「純米酒」とは、米、水、米麹だけで造られる純粋な本来あるべき姿の日本酒を言う。 第二次世界大戦中、深刻な米不足に陥った。 だが、軍人の士気高揚と酒税による税収入は戦時下の日本に取って、とても重要な役割を担っていた。 そこで開発されたのが「三倍増醸酒」である。 米と米麹で作ったもろみに清酒と同濃度に水で希釈した醸造アルコールを入れ、糖類、酸味料、グルタミン酸ソーダなどを添加して味を調える。 こうしてできた増醸酒は純米酒に比べ、3分の一の量の米で日本酒が造れた。だから、これが重宝された時代だった。 だが、戦後、日本は高度成長期を迎え、豊食の米余りの時代にまで突入するが、この「三倍増醸酒」がそのコスト的な効率の良さから廃れるどころか主流になってしまったのである。 千年以上続いた本来の日本酒の姿がコストや効率の観点を優先され、消えていく時代に突入した。 そのことに異を発したのが、埼玉県蓮田市にある神亀酒造の小川原専務である。 神亀酒造は昭和62年に仕込む酒のすべてを純米酒に転換し、戦後初の全量純米蔵となった。 さらに、手造りの純米酒は「時間による熟成が加わることで、酒の味はさらに豊穣なものへと開花する」と、蔵内で長期熟成させる事も実施した。 現在の酒蔵に対する酒税は、酒が市場に流れる際に税金を課す「蔵出し税」のため、春日部税務署はなかなか出荷しない神亀酒造に睨みをきかせ廃業に追い込まれる危機もあった。 もし、小川原専務が私利私欲と目先の利益にだけに邁進していたら、今もなお添加物にまみれた日本酒が横行していたかもしれない。 現在、多くの酒蔵が小川原専務の思想に共感し、本来の日本酒の姿へ回帰しようとしている。 まさに、神亀酒造の小川原専務は日本酒界の「ノブレス・オブリージュ」の鏡と言える。 やっと本題に入る。 ボクは十数年前に神亀に出会い、ことあるごとに純米酒の魅力と普及を酒席を共にする呑兵衛達に問いて来たが、一番に共感してくれたのが奈種彩の女将であった。 奈種彩は開店からまだ1年半強であるが、女将のつける燗酒は急激に美味しくなった。 彼女の中にある「ノブレス・オブリージュ」が開眼した事ともう一つ、酒そのもの及び酒造りに存在する、ある種の神秘性に気づいたからではないかと感じている。 良い酒を醸すには、良い米、良い水、良い造り手(杜氏)が必要だが、それだけでは説明に尽くしがたい「神」が宿っている事に気づいたのではないか? ヒトは自然の前に常に謙虚であるべきなのだ。 「酒は純米 燗なら尚良し」 小川原専務は言う、 酒蔵の仕事とは、今だけ、一代だけ、自分たちだけという刹那ではなく、酒蔵を取り巻く自然も歴史も伝統も、後世に引き継がせるべきだと。 奈種彩の女将も、小川原専務同様にその大事な事に早くから気づいた一人である。 彼女は今、酒に恋をしている。 恋というより、もはや相思相愛だ。 相思相愛であれば、永遠に続く愛に大切に育てれば良いだけだ。 記念すべき2500投稿を、愛すべき蓮田と蓮池のノブレス・オブリージュに捧ぐ

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東京都

炭火焼き

Akira Sugihara

醸造科 oryzae@錦糸町! 祝!5月15日オープン! オープン前のプレオープン営業日にお邪魔しました! oryzaeと言う店名でピンと来た人は「もやしもん」読者か、農大出身者である。 こちらのイケメン店長は我らが神田新八にいらした方で、念願の独立を果たされたとの事。 直接的な面識はなかったのだが、しっかり面が割れておりました。イケメン同志お互いに気になってたのかもネ❤︎ まずは鯉川酒造の別嬪うすにごりで乾杯! 千葉県三里塚産の蕪が甘〜い! 調子に乗って穴子の塩麹漬けを頼んだので、黄金澤の燗に代える。我ながらグッドチョイス。 特筆すべきは鶏もつ煮込み! 下町風の醤油や味噌の煮込みではなく、あっさりとした魚系の出汁で炊かれた逸品! 米山@赤羽のもつ煮込みを思い出した。 大好きな睡龍などを振る舞い酒でいただき大満足! また、ゆっくり伺います!