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松 宏彰さんの My best 2016

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松 宏彰

まだ見ぬカレーを食べたければ、新しいお店を探すよりもここに行けばよい!! 日本一、いやひょっとすると世界一、斬新なスパイス料理発明に意欲的なお店、経堂「ガラムマサラ」。 (過去記事はたくさんあるのでググってください ⇒『ガラムマサラ 経堂 カレー細胞』) プロフェッサー・ハサン氏の新作メニューを食べ尽す会に、パリコレ気分で行ってきました!! 果たして今日は、どんな驚きが待っているのか・・・・ 早速探検してみましょう!! ★梅とウズラとパクチーのケバブ的な何か そんじょそこらのお店がトライしても絶対うまく着地しなくてフュージョンみたいになっちゃうところ、 ハサンマジックにかかればピッタリ決まるのが凄い!! ★普通じゃないスパイス感のポテサラ 一見コフタ?と思ったのですが、なんとポテサラでした。 でもなんやら、レッドチリも効きまくってるし、いろいろスパイシー! もう「ガラムマサラ」でレシピ分析しても意味がないので、素直に驚きましょう。 ★ムール貝のレモン煮 これ、ここ最近のヒット作であるレモンチキンカレーのようなテイストでムール貝を仕上げた一品。 夏に向けて爽やかな料理が出来上がりました! ★サーディン缶マサラ ガラムマサラ名物さば缶マサラのサーディンバージョン。 ビジュアルが素敵!! ★マサラパパド こちらは定番。 チャットマサラもかかってお酒のつまみに最高です。 ★パクチー牡蠣 こちらももはや、ガラムマサラ食事会の名物メニューとなりました。 わりと茶色系の多いガラムマサラの料理の中で、この鮮やかな緑は良きアクセント。 味も悶絶級ですよ。 ★ココナッツたこ焼 原宿から経堂に移転してきたたこ焼き屋「koi-taco」とのコラボメニュー。 なんとたこ焼きを揚げて、ココナッツソースをかけてるんです。 これには驚いた!たこ焼きの歴史をひっくり返すイノベーションかもしれませんぞ・・・・ こりゃ両店舗で提供すれば面白いんじゃ? ★マサラ砂肝 こちらも安定の美味さです。 パクチーとかラー油とか使わせたら「ガラムマサラ」の右に出るインド料理店はありません。 ★サモサ インド料理店では定番のサモサですが、意外に「ガラムマサラ」で食べる機会はなかったかも。 小振りで味がとことん濃厚。 ベンガル地方の「シンガラ」に近い感じでしょうか。 (実はハサンさんの故郷は西ベンガル州コルカタ) サモサのもったりした芋感が苦手な方にこそ食べていただきたいサモサ! ★ブリバジャ こちらいわばベンガル式・牛モツ鉄板焼き。 これは創作ではなく、ちゃんとベンガルのムスリム料理としてあるものです。 牛肉の美味いインド料理店、といえば「ガラムマサラ」!! ★ガラムマサラ名物ラムチョップ これは鯖缶マサラと並ぶこの店の名物メニューですね! 迷ったら迷わずこれを注文しましょう。 ★納豆と牡蠣と鰹節のビリヤニ 来ました!本日の大物!! 今までも「秋刀魚のビリヤニ」「山羊のビリヤニ」「山葵のビリヤニ」など自在なビリヤニ世界を展開してきた「ガラムマサラ」、 今度はどんなの来るだろう??なんて考えてたんですが、やはり想像を超えていました。 蓋を開けた瞬間踊る鰹節、牡蠣の旨味、そして納豆の香り!! もう和食なのかインド料理なのか、凄すぎて未体験ゾーン! 今まで納豆嫌いだった参加者が、納豆美味い!とモリモリ食べていたのも印象的でした。 (翌日普通の納豆食べたら、普通にアウトだったらしいですが・・・・) ★梅納豆カレー 和印融合のハサンワールド、これもまた凄かった! タマリンドとダルを梅と納豆に置き換えた素晴らしきカレー。 これ、定番化希望です!! ★秋刀魚とオクラのカレー 季節的には早いが、先取り的な味覚。 これはベンガル的であり、和食的でもある!! ★プレーンナン ガラムのナンは、よくあるフカフカナンではありません。 ミシッと真面目でちゃんとした味。 Noギーで重くもないのが嬉しいですね。 今回もまたまた予想を遥かに超えるハサンワールド。 「ガラムマサラ」の料理が素晴らしいのは、インド料理でありながら、和食でもあるところ。 インドに行っても絶対に出会えない、日本の、経堂でしか味わえない「ハサン料理」なんです。 邪道と言われれば邪道かもしれないけれど、実験精神なしには進歩はありません。 日本の食事の素晴らしさを知るハサンさんだからこそ、 インドに住むインド人には思いもよらない斬新な料理を生み出すことができるのです。 「世界一のカレーシティ・東京」で、最も先鋭的なカレーがいただける場所。 それがこの「ガラムマサラ」と言って間違いないでしょう。 http://currycell.bl

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東京都

カレー

松 宏彰

遂に!東京カレーの新世代エース、実店舗始動!「Kalpasi(カルパシ)」 2015年秋から2016年1月まで、浅草地下街での間借り営業で旋風を巻き起こした「カルパシ」がついに実店舗始動!! KUROちゃんこと黒澤シェフはもともとbe-spicyという名義でお店を持たず、あちこちのイベントでカレーを提供、熱烈なファンを獲得してきた人気者。 インド・ネパール・スリランカ・・・インド亜大陸各地のウルトラマニアックな料理を熟知・マスターする一方で、 日本のカレー、大阪スパイスカレーや北海道スープカレーも含めとにかくカレーが好き!というスタンス故、 「マニアにしかわからない難解さ」ではなく、「純粋に美味しいカレー」として着地させるセンスがずば抜けているんです。 しかも今回、実店舗始動に先立ちめでたく結婚。 お相手のかおりさんもまた大阪のカレーフリーク女子とあって、 夫婦二人三脚、東西カレー文化融合という光をも携えつつ、 2016年10月27日「カルパシ」実店舗、満を持してのオープンです。 当面は完全予約制、夜のみの営業(1部18:30~ 2部20:30~)で、 毎週土曜日の22時から翌週分の予約をメールで受け付けるスタイル。 (1名~4名まで予約可能) 浅草時代同様メニューは週替わりで、インド亜大陸各地を巡っていく趣向が凝らされています。 カウンター、小上がり席も備えた店内。手作りの温かみと、センスの良さ。 窓外にはカレーリーフが生い茂っています。 浅草時代の「インド亜大陸食堂」から、「インド亜大陸食堂酒場」へと進化しているだけあって、面白いお酒も置いてありますよ。 山形のヨーグルト日本酒や・・・ 黄桜が作ったクラフトビールまで! この週のテーマはネパール。 お品書きには一品ごと丁寧な説明があるので、戸惑うことはありません。 ●Starter ・ポーク・チョイラ ・アル・コ・アツァール ・チウラ 豚肉と野菜のマリネと称しつつも、野菜はカタチを残さず肉感が際立つチョイラ(チョエラ)。 「ダルバート食堂」や「アーガン」のネワール式チョエラをも髣髴とさせる美味さ! 押し米チウラのザクザク感ともよく合いますね。 ●Dal bhat(ダル・バート) ・ククラ・コ・マス ・カシ・コ・マス ・タルカリ ・ダール ・ゴルベラ・コ・アツァール ・グンドゥルック・コ・アツァール ・クルサニ・コ・アツァール ・ライス 出ましたメインディッシュ! 浅草以来のクロちゃんダルバート!! ダルバートがダルバートたる所以のダール=豆スープ(ダルは豆、パートはご飯)は優しくほっこりした仕上がり。 しかしそれは、このプレート上で繰り広げられるドラマの序章にすぎません。 ククラ・コ・マスはマスタードシードを用いたチキンカリー。 カシ・コ・マスはネパールのマトンカリー。 いずれもはっきりとしたニンニクとチリの香ばしさがいかにもカルパシ的。 そしてこの、脇役に見えて全体の鮮烈な印象を決定づける3名優。 ゴルベラ・コ・アツァールはいわゆる「モモにつけるソース」なのですが、胡麻やティンブール(ネパール山椒)がビシッと効き普通じゃありません。 グンドゥルック・コ・アツァールはネパール人が大好きな干し野菜の漬け物。 ここまで細かく丁寧に刻まれたものは、ネパール人の店でも出逢ったことがありません。 絶妙な塩気と香りで「ゆかり」さながら。 そしてクルサニ・コ・アツァール。 日本であんまり聞かない名前ですが、つまりは青唐辛子のピクルス。 抜けるように爽やかな辛さと酸味で口内をノックアウトしに来ます。 そして凄いのは、この三名優が、ダルバートドラマの主役級であるカレーやダール、ライスやタルカリと競演することで、それぞれの役者のポテンシャルをぐいぐい引き出していくこと。 カレーもダールもタルカリも、序盤とはガラリ印象を変え、メリとハリを競い合うファイターとしての凛々しい顔付きになって行くのです。 とにかく混ぜれば混ぜるほど印象がシャープになっていくこのダルバートプレート、素晴らしいドラマ性です。 メリとハリ、そしてカレーとカレーを食べる人に対する愛がヒシヒシ伝わってきて至福!! そして、カルパシのドラマはここで終わるわけではありません。 そして、カルパシのドラマはここで終わるわけではありません。 いや、この最後のひとネタで完全にヤラレました・・・ ●Dessert & Drink ・ピンクソルティ・キャラメルアイス ・サウスインディアンブラックコーヒー なんとこれ、ピンクヒマラヤ岩塩を用いたキャラメルアイス!! 濃厚なキャラメルの甘さにヒマラヤ岩塩の硫黄香が乗っかるという、未体験の味。 しかしこれが悶絶の美味さ!

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カレーの街シモキタで開催される1年に1度のカレーのお祭り。 『下北沢カレーフェスティバル2016』 今年は2016年10月7日(金)~16日(日)の10日間開催。 カレーマップを見ながら、いろいろなお店の限定カレーを食べてまわる方式で、 2012年の1年目は43店舗ではじまったカレーフェス。5年目にあたる今年は143店舗へと拡大。 今や日本を代表するカレーフェスへと成長しました。 そしてなんと今年は、巨大女子がシモキタのカレーを食べるプロモーション映像も登場。(私も出演しています) https://www.youtube.com/watch?v=fTDozdDfgq0 ちなみに巨大女子(阿部朱梨さん)が食べているカレーがいただけるのはこちら。 「犬拳堂」 今や下北沢カレーフェスティバルの顔ともいうべきこのお店、酸味と辛さが織りなす、他に類を見ない「アジアンカリー」が魅力。 フェス期間中は特別メニューでの営業です。 フェス限定メニューとして「ひき肉と豆のカリー」が登場するほか、カレー梯子に便利なハーフサイズの提供も。 ★野菜のアジアンカリー ¥900 ★極辛50辛 +¥500 けれど「犬拳堂」の大きな魅力は「極辛」オーダーの存在。 カレーにガツン!とやられたい方は是非チャレンジしてみてください。 但し、カレー梯子をするならば、この店をラストに持ってきたほうが良いかも。 理由は・・・わかりますよね(笑) ●「カレー細胞」Facebookページもチェック。 https://www.facebook.com/CurryCell http://currycell.blog.fc2.com/blog-entry-3182.html

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大阪府

カレー

松 宏彰

月曜夜は阿部野のカンボジア料理店「ニャムニャム食堂」で、 水~土の昼には「Bar Horizon」にて間借り営業しているカレー屋さん「堕天使かっきー」。 入り口ドア全開で、空調設備動いてませんを全力アピールする小さな建物。 そう、ここが「Bar Horizon」、そして昼営業しているのが・・・ 「カレーと酒のアテ 堕天使かっき~」 昼営業なのに「酒」って、これは嬉しい覚悟をせねばなりませんね。 店内はカウンター5席のみ。 かっきーこと、店主垣内さんがお一人でやられています。 垣内さんは「天使と悪魔」というバンドのベーシストでもあるんですよね。 「カシミール」しかり、「アアベルカレー」しかり、大阪カレー文化と音楽は切っても切れない関係にあるようです。 ホワイトボードに書かれたその日のお品書き。 最近大阪では、和出汁を用いたカレーがひとつのトレンドなのですが、ここのカレーの出汁は一味違います。 なんと「鯛出汁」!!なんです。 ★あいがけ ミニ ¥800 ・鯛出汁×鶏キーマの二層カレー ・エビ出汁なすカレー 活きエビのマスタード和えのせ ★丹波鶏せせり +¥100 ★生とうがらし +¥50 熱砂のアフリカ大陸の如きビジュアル。 左側が「鯛出汁×鶏キーマの二層カレー」 サラッサラでありながら抜群の旨味。 これが得も言われず美味い!! 鯛は鯛でもアラを用いているため、コンスタントに使用できるのだそうです。 素晴らしすぎますね。 そして右側が「エビ出汁なすカレー 活きエビのマスタード和えのせ 」 エビの旨味が詰まったカレーに、さらにプリプリ食感のエビと、カラッとした殻。 カレー自体は少しトロミがあって、食感の違いも面白いです。 そして、トッピングした「丹波鶏せせり」が美味すぎる! 地元の指定の鶏肉屋で仕入れたものらしく、新鮮な弾力がヤバすぎます。 どのカレーも料理も旨味濃い目の塩加減呑兵衛向け。 こりゃぁ、昼間っから飲むしかありませんぜ。 生胡椒を摘まみながら純米酒。 大人の贅沢。 まさに堕天使ルシファーの仕業です。 個性豊かな大阪カレーの中にあってなお独自性を貫く姿勢は「素敵」の一言。 ちょっと他にはない美味さのカレーと出会うことが出来ました。 ここは遠方からでも来る価値ありですよ。 http://currycell.blog.fc2.com/blog-entry-3064.html

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東京都

カレー

松 宏彰

インドカレーに魯肉飯?只者じゃない個性派カレー店出現! 「SPICY CURRY 魯珈」(ろか)2016年12月1日オープン。 台湾の屋台メシ「魯肉飯」(ルーローハン)をインドカレーと組み合わせるなんて、マトモじゃない素敵さ。 けれど考えてみれば、カレーと呼ばれる料理のほとんどは、異なる食文化の融合によって生まれたもの。 邪道と呼ばれる発想こそが、カレーを進化させてきたのですから。 さて、この細長くもコンパクトな店内。 一見奇異なコンセプトのお店にもかかわらず、確固としたスパイス愛に満ち満ちた雰囲気。 それもそのはず、シェフのエリさんはあの「エリックサウス」出身。 早くもイナダ総帥はじめ、同窓の大岩さん(現「大岩食堂」)といった錚々たるメンバーも来店していました。 さらにエリさん、「エリックサウス」以前には、知る人ぞ知る魯肉飯チェーン「鬍鬚張(ひげちょう) 魯肉飯」で働いていたこともあるそうで、つまりこの「魯珈」というお店、彼女自身のバイオグラフィーを強引に合体させた、唯一無二のお店というわけなんです。 メニューには魯肉飯、そしてインドカレーが数種。 合いがけやトッピングも可能で、まるで大阪スパイスカレーのような楽しさ。 魯肉飯も食べたいけど、カレーも食べたい。 そんなニーズにもしっかり応えますよ。 ★ろかプレート ¥950 やっぱこれ食わなきゃ!ってな感じの魯肉飯とインドカレー合い盛りプレート。 やっぱ見るからに大阪スパイスカレーの如き麗しビジュアル!! 選べるカレーは「ビンダル風」と銘打ったラムカレーを選択。 「エリックサウス」といえばゴア、ゴアゴンゴンですからね!! ビネガーの酸味は抑えめで、羊肉の旨みを凝縮させた濃厚カレーとなっています。 そして、あきたこまちを用いたターメリックライスの上に乗っかった豚バラ煮込み。 まさにココが魯肉飯!!! 粗挽きの豚バラは一瞬甘口に感じつつ、次の瞬間ガツンとやってくるのが八角の香り。 すげぇワイルドな味わいに痺れます。 この魯肉飯を崩しつつ、ラムカレーに投入すれば、甘辛の異文化交流が始まるってわけ。 そして、カレーも魯肉飯も味濃くワイルドな雰囲気ながら、両者を混ぜ合わせた時のバランスが絶妙。 よほどの試行錯誤を重ねないと辿り着かない、見事な美味しさです。 さらに付け合わせの「高菜のマスタードオイル炒め」がまた秀逸なインパクト。 混ぜて混ぜて混ぜても強烈な存在感は消えることなく楽しませてくれます。 ★長芋のウールガイ この日テーブルにあったのは、エリさんの実家から送られてきた長芋を南インド式ピクルスに仕立てたもの。 長芋のシャキシャキ感に酸味が加わり至福。 こちらは本日のカレー「サンバル」。 味見でいただいたのですが、これ加わるとめっきり「エリックサウス」感が増しますね。 全部をガッツリ混ぜてみます。 ポルトガルの植民地だったインドのゴアに、ニッポン秋田の米。 そこに台湾の屋台味が加わって・・・おぉぉぉ・・・・たまらん。 と、思っていたら、お店にひょっこりやってきたのはネパール人のお客さん。 なんだこのグローバルヴィレッジ感は!!! ★ラッシー ¥200 こちらのラッシー、他店とは一味も二味も違います。 逆さにしてもこぼれないほど濃厚(言い過ぎ)なラッシーにカルダモンの爽やかさがプラス。 ちょっと、カレーも魯肉飯も付け合わせも、 そしてラッシーにいたるまでバキッとしたメリハリがあって、 まるで飲ん兵衛が飲ん兵衛のために作ったスパイスメシって印象。 ・・・と、思ったら、昼間っから「がぶ飲みワイン」なんて置いてたりして図星(笑) 単に奇をてらうだけでなく、しっかりとした美味さを備えていて、 しかも敷居は低く、しっかりとした庶民派のテイストがあり、 界隈に棲むネパール人たちにも受けが良さそう。 ココのハコ、実は今まで何度もお店が変わる場所だったのですが、今回は続きそうです。 「カレーに正解はない。ただただ、発見が続くのみ。」 きっと流行るな。 ●「カレー細胞」Facebookページもチェック。 https://www.facebook.com/CurryCell http://currycell.blog.fc2.com/blog-entry-3252.html

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東京都

インドカレー

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大阪カレーの勢いは今年ついに、東京へと押し寄せはじめました。 JR恵比寿駅から徒歩1分の好立地。 「あしたの箱」 「bar Sync」のランチ間借りカレー店として2016年4月15日オープン。 (恵比寿西口のスープカレー店「sync」とは無関係です) こちらの女性店長は、なんと大阪・関大前の名店「タンダーパニー」出身とのこと。 「タンダーパニー」といえば創業1990年、昨今の大阪スパイスカレーブームとは一線を画し、 必殺のチキンカレーに拘りつづける老舗。 2013年には大江橋に2号店を出すなど、根強い支持を集めているお店です。 こちら「あしたの箱」のカレーメニューも「タンダーパニー」同様チキンカレー一本。 サイズはレギュラー、Lサイズ、Wサイズと選べます。 オーダー後、まず登場するのは、ボウル一杯のシャキシャキ玉ねぎと酢漬け玉ねぎ。 これをカレーと合わせていただくのが「タンダーパニー」の流儀なんですよね。 ★チキンカレー ¥950 おぉ、これは美しいビジュアルですね。 「タンダーパニー」のドロッとしたグレイビー感とは異なり、サラッサラのカレー。 骨付きの手羽元がまるごと2本入っていますよ。 ちなみに丸く綺麗に型どられたターメリックライスは、満月をイメージしているのだそうです。 サラサラッとしたカレーには大量に用いられた玉ねぎが感じられ、辛さも結構いい感じ。 ホールでゴロッゴロ入ったグリーンカルダモンの香りが、薬膳感を増幅します。 喉にスルスル、胃にジワッと沁み入る感じの美味さ。 手羽元もホロッホロに煮込まれており、ナンコツ部分まで柔らかくいただけます。 さらに後半、2種類の玉ねぎをカレーと混ぜていくことで舌もリフレッシュ、最後まで飽きることはありません。 「タンダーパニー」の伝統をしっかりと受け継ぎつつ、食感もまた異なった独自のカレー。 しかしそれでいて、非常に完成された、毎日でも食べられる味へと着地している手腕は、素晴らしいの一言です。 とにかく、間違いない美味さのチキンカレーである、ということですね。 ★ミニチャイ +¥50 カレーに50円プラスで食後のミニチャイ。 これは絶対頼むべき。 そもそも「あしたの箱」という店名は、かつて大阪にあったチャイとカレーの名店「ガネーシュ」が入っていたビルと同じ名前なのですから。 豆乳を使用、こだわりと愛を感じる仕上がりのチャイですよ。 間借りと言うこともあり、火曜から金曜のランチのみ営業と、 遠方からの訪問難易度はちょっと高いお店(そこも大阪カレーらしいですね)ですが、 ここを目当てにやってきて損はない、美味しいカレーがいただけます。 かなりおススメですよ。 http://currycell.blog.fc2.com/blog-entry-3077.html

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東京都

ネパール料理

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ネパール人口とネパール料理店がどんどん増えていく「リトルカトマンズ」新大久保に、またまたとんでもないお店が誕生してしまいました。 新大久保駅から大久保通りを東へ。 「ベトナムフォー」が入ったビルの4階。 「ネパール民族料理 アーガン」 民族料理って、どの民族? 「Newari Khaja & Thakali bhancha Ghar」とのこと。 つまり、カトマンズ盆地に住むネワール族と、山岳系のタカリ族。 どちらも料理に定評がある民族です。 新大久保でネワール、といったら昨年誕生し話題の中心となった「ナングロ」が思い浮かびますが、 実はこの「アーガン」、「ナングロ」にいたシェフが移籍してオープンしたお店だそうで。 ほほほぅ。 「ナングロ」も新大久保きっての本格・高級レストラン志向でブレイクしたお店ですが、その点この「アーガン」も負けてはいません。 まず目を見張るのは、ネパールからの調度品で溢れたその内装。 仏塔 ストゥーパ!! マニ車!! か・・・竈!! (炎はフェイクです) リトルカトマンズを一望(笑)する展望座敷に・・・ カップルシートまで!! そしてさらに・・・さらにさらに! 奥にはまだまだ席があって!! 100人くらいは平気で入れそう!! どっかのホテルの「飛天の間」とか何やらにも負けない充実ぶり。 絶対お金かかってます。 さて、この日はランチ訪問。 メニューを見れば、確かにネワールとタカリが半々です。 ほほほぅ、ネワールのセットには「ナングロ」同様、葉皿(タパリ)を使っているんですね。 せっかくなので、一番イッちゃったセットを頼むとしますか!! ★Newari bhoj set ネワリボジセット ¥1400 Chiura 干し飯 Bodi 緑豆 Mix acher 漬け物 Tomato acher トマトの漬け物 Kashi ko masu マトンカレー Kukura ko masu チキンカレー Tama タケノコ Meti soup 香草スープ Paukuwa 木の実の漬け物 Dhahi ネパールヨーグルト Sisapusa シサプサ Rakshi or Chyang ネパールのお酒(ラクシーorチャン) Lalmon デザート ・・・な、なんですかこの充実ぶり。 これだけでネパール料理図鑑が出来そうな勢い。 「これが日本人にウケるから」「これは日本人にはウケないから」なんて判断基準は全くなしの現地仕様。 それでいてこの価格、お値打ち感が凄いです!! 葉皿の中心にはチウラ(干し米)、チキンカレーもマトンカレーも骨ぶった斬りのドライタイプ。 加えて豆やアチャール類。 Tamaと表記されていたのはタケノコの発酵スープ「アルタマ」でした。 これはあんまり食べたことない木の実の漬け物「パウクワ」。 酸味たっぷりの「メティスープ」・・・ 「シサプサ」はほぼ生の豆や瓜でした。 それぞれの料理は単品だと少し味付けが控えめだったり、逆に濃かったりと感じるのですが、 葉皿の上にブチまけて混ぜていくことで、青臭さと濃厚さのメリハリや食感の違いが、 トリッキーな旋律となって口内に広がっていきます。 なるほどこれは熟練シェフの職人技。 間違いなく美味いです。 「ナングロ」と比べると全体的に塩気は抑え目かもしれません。 そして・・・実にけしからんことに・・・・ ランチセットなのにチャン(ネパールどぶろく)が付いてきちゃいました!! 実に…実にけしからんです!最高です!! ここは天国でしょうか。 ちなみに酒飲みの方はロキシー(蒸留酒)も選択可。 もちろんノンアルドリンクも選べます。 この日はまだオープン2日目ということもあり、私以外のお客は皆ネパール人。 そのうちの一人と少しお話したのですが、「かなり本格的だと思う」とのこと。 今後が楽しみなお店がまた一つ増えましたね! http://currycell.blog.fc2.com/blog-entry-3045.html

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東京都

インドカレー

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小田急線喜多見。魅惑的すぎるカレーのお店「beet eat」 何が魅惑的って、ここ「女性ハンター兼シェフが、自ら狩った獲物をジビエミールスにして提供するお店」なんです。 この設定ですでに萌えます。 日本人による南インド料理店も結構増えてきた今日この頃。 日本ならではの旬の野菜や海産物を活かしたスパイス料理を提供するお店はあれど、 シェフ本人が仕留める獣肉を用いたスパイス料理というのは、聞いたことがありません。 実は以前からケータリングを中心に活動していたそうですが、インスタを介し話題になり始めたのはつい最近。 ランチを始めてからのこと。 ★ネストビール(生) ¥800 新宿「BERG」でもお馴染みのネストビール。 私が大好きなビールの一つですが、生での提供はかなり希少。 美味すぎて半分飲んだところでの激写です。 夜カレーはメインが選べるミールスで1600円。 この夜のメインは、 梅イワシカレー エビとレモンカレー 蝦夷鹿肉のキーマカレー の3種。 どれも魅惑的なのですが、やはり初回と言うことでジビエ押しでの注文です。 ★インドカレープレート(蝦夷鹿キーマ) ¥1600 おぉぉぉ、これは端正なビジュアルですね。 「猟師が作った料理」といえばオラオラでドッチャリなものをイメージしてしまいますが、実に繊細な手仕事です。 こちらが蝦夷鹿のキーマ。 シェフ自ら北海道で狩ってきた鹿肉を使用。 脂身がほとんどない鹿肉、しっかりとした食感にスパイスが良く絡みます。 肉自体の素質がうまく引き出されており、これ、かなり美味いですね。 もうひとつの主役、チキンカレーも肉の旨味バッチリ。 辛さは程よく、凄くハードなわけじゃないけれど、塩加減とか絶妙で満ち足りた味わいとなっています。 南インドの風情を担うサンバルは、しっかりテンパリングされたマスタードシード、クミン、カレーリーフの香ばしさが際立った仕上がり。 こちらも素晴らしいです。 その他ダル、ひよこ豆のサラダなど、食感のメリハリ、そのバランスが素晴らしいプレート。 肉の旨味とスパイスの香ばしさ、絶妙な塩加減。 そしてもったりしたり、重かったりする部分が一つもなく、食後感は非常に爽やか。 いやぁ、やられましたね。 女性ハンターにしてシェフ、そしてジビエで南インドミールスといったキャッチーなネタもさることながら、 そんなこと抜きにして素晴らしく美味いスパイス料理に出会えた嬉しさ!! 実はこの日、お隣に某インド料理マニアな方がいらして、梅イワシカレー、エビとレモンカレーも味見させていただいたのですが・・・ 海鮮系の旨味の出し方もヤバいレベル。 こちらのシェフ、単なる猟師じゃあなく、一流のスパイス料理人であります。 (何言ってるのかわからなくなりますね) ★グラスワイン 赤 ¥500 お酒はネストビールの他、ビオワインも取り揃え。 シェフご自身はお酒を飲まないそうですが、この空間でこの料理、飲まないわけにはいきません。 食事中、カレーの話だけでなく、狩猟の話を聞けるのも、ここだけの楽しみ。 実際に鹿を撃った、使用済みホローポイント弾も触らせていただきました。 こういうの見ると、食材仕入れのリアリティが一気に増しますね。 最近は生産者直結など、食材に対する意識が高まっていますが、そういう意味においてもこの店は究極。 そしてそれが単なるネタで終わらず、他のどこでもいただけない美味さに昇華しているのが実に素晴らしいです。 これは、リピート確実ですね。 余談:ちなみにこの日は2016年6月6日=「666」で獣の日。 昼は馬カレー、夜はここで鹿ミールスをいただくという馬鹿っぷりだったのでした。 ダミアン!! http://currycell.blog.fc2.com/blog-entry-3027.html

松 宏彰

クリスマスといえばカレー。 しかも、とびっきりファンタジックなクリスマスをお望みなら、こちらのお店を選びましょう。 「妄想インドカレー ネグラ」 [Fantasy]=[妄想]ですからね。 インドに行ったことのない店主が妄想で作る、妄想の中のインド。 そこにクリスマスはあるのでしょうか? ありました。 妄想の中のインディアンクリスマス。 これはちょっと凄いです。 ビールを飲みながら待ちましょう。 ★妄想クリスマススペシャルカレー (左)蕪と海老 ペコリーノロマーノ (右)原木椎茸とペッパーキャビア (中央)ラムとフェンネルの煮込み うぉぉ、これはヤバいですね。 センターに鎮座するボリュームたっぷりのラム肉。 迷える子羊が迷っている間に調理されてしまったかのような風情です。 ガッツリインパクトある肉汁に、フェンネルの香り。 そのインパクトを受け止める2種類のカレーは、辛さ控えめで優しげ・・・といいたいところですが、 こちらもなかなかの個性アリアリ。 原木椎茸の強烈な香り、そして胡椒界のキャビアと言われるインドネシア・マデゥラ島産の野生の黒胡椒「キュベベ」のツン!とした刺激。 優しく穏やかな狂気が、マサラサンタクロースの妄想を掻き立てます。 ★痺れるラムチャイ 食後はチャイでホッと一息・・・・というわけにはいきません。 濃厚なラム・・・こちらは羊ではなくお酒のほうですが・・・そしてビリビリくる山椒と胡椒。 椒・椒・椒ですよ。 穏やかに、優しげに、トリップしたり、麻痺したり。 だんだんと理性が失われ、脳下垂体にジングルベルが鳴り響きます。 ・・・今宵も良き妄想をいただきました。 「妄想インドカレー ネグラ」 年内営業最終日の12月25日もこのクリスマススペシャルを用意しています。 気になった方は即訪問ですよ。 ●「カレー細胞」Facebookページもチェック。 https://www.facebook.com/CurryCell http://currycell.blog.fc2.com/blog-entry-3280.html

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京都府

インドカレー

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期待して行ったにも拘わらず「期待以上に素晴らしい!」お店。 京都ならではのカレー屋でもあり、京都云々を抜きにしても、かなりハイレベルなカレー屋であります。そして何より、ツボの押さえ方が絶妙すぎる。 「森林食堂」 出張ケータリングのカレーから2012年3月に実店舗化。 お店を営む傍らでケータリングも継続されている人気のカレー屋さんです。 店先だけでなく、店内も沢山の鉢植えやドライプラントが犇めき、まるで森の中。 荒俣宏の博物学の世界・・・・ となると、ちょっと小洒落たカフェメニューが並んでるのかな~と思いきや!! 猪に牡蠣に鱈・・・完全にオトナ居酒屋!! しかもクラフトビールにラム酒に焼酎にどぶろく・・・国内外の気の利いたお酒がズラリラインナップ。 ああもうこれは・・・近くにあったら絶対入り浸ってしまうお店だ!! と、食べる前から興奮冷めやらぬ中、ふと、 「けど、肝心なのはカレーだよな!!」と我に返り、早速の注文。 関西食材にこだわった、わくわくするような合がけを選んでみましたよ。 ★2種合がけ(丹後産 猪カレー+相生産 牡蠣カレー) ¥1350 いやいやいや!実に素敵です。 大阪のスパイスカレーを彷彿とさせるような盛り付けと、京の雅を感じさせてくれる器との取り合わせ。 何種類かある皿は全てこの店のオリジナルなのだそうです!! まずビジュアルは満点!それでは早速いただいてみましょう。 ◎丹後産 猪カレー 猪の引き締まった筋肉の弾力が堪らない!快感! カットされたフレッシュレモンがゴロゴロ、カレーリーフもたっぷり。 辛くて酸っぱくてワイルドで、それでいて気品があって、これはこれは素晴らしいカレーです! はぁぁぁぁ、ここ、味も凄いやん。 ◎相生産 牡蠣カレー 冬季限定の一品。 まず驚くのは一つひとつの牡蠣の立派さ! デカくて肉厚で弾力抜群で、まるで抱き枕! 噛めばプリッと、それこそプリッと音がするほどに、凝縮された旨味が弾け拡がります。 カレーはココナッツミルクベースながら、シャープな香りが際立ったエッジィな味わい。 猪カレーとのコントラストが、完璧なスパイス世界を構築しています。 ご飯は奈良県産コシヒカリの白米&玄米と富山黒米のブレンド。 パパドに、素材を活かした赤カブのアチャール。 いやもう、素晴らしい、素晴らしすぎるカレーではありませんか!! ひょっとしてここ、カレー屋って括りで言えば京都一かも。 ★自家製チャイ ¥400 チャイだって、器が変われば京都の雅に変わります。 生姜がしっかり利いた、日寄らない味わい。 パーフェクトな締めです。 実に、実に、すんばらしい。 http://currycell.blog.fc2.com/blog-entry-2882.html