その蕎麦は、想像を超えて香り立ち、 口に含めば自然な甘みが豊かに膨らむ 何もつけずに…岩塩を削り…薄口醤油で… 店主おすすめの食べ方でじっくりと向き合う “蕎麦の神”と称される店主の秘境の蕎麦処 唐津市ランチ 九州に旅行することがあったら 食べてみたいと熱望した“蕎麦の神”の蕎麦 福岡旅行の機会にレンタカーを借りて 唐津市の山中にあるこちらに足を伸ばした お店は、まさに山の中の集落にある一軒家 周囲の家の迷惑にならぬ様、駐車して訪問 靴を脱いで座敷に上がり、女房とふたり 長テーブルの座布団に並んで腰をおろした 店主が注文を訊きに来たので 入口に置かれたメニューにあった中から 奮発して“鴨せいろ”を所望してみたのだが… 「鴨汁で食べる様な蕎麦じゃない」との事で 勧められた<ざるそば・1,500円>になった 後々、他の客との会話を聞いていると どうやら一見の客は、基本の“ざるそば”から という意向の様だ…そう言って欲しい 何度か来ている客は別メニューを注文してた 先にほうじ茶と大根のなますが供された 店主ひとりで営業しているとの情報だったが お弟子さんだろうか、今回の訪問時には、 若手の男性スタッフが配膳や会計をしている 蕎麦は、注文を受けてから打たれるから 当然ながら打ちたて、切りたて、茹でたて 木の皿にたっぷりと盛られた中太の麺に 鼻を寄せる必要もなく蕎麦の香が豊かに立つ 十割で打たれた蕎麦の香りにまず魅了された テーブルに置かれた“お薦め食べ方”に倣って そのまま三たての蕎麦を口に含むと その香りが口腔で膨らみ鼻腔へぬける 舌あたりも心地よい麺を軽く咀嚼すれば 自然で豊かな穀物の甘みが滲み出る 次は、テーブルに置かれた白と黒の岩塩を おろし金で自身で削って蕎麦に振りかける 黒い方を削ると硫黄の香りを纏うのが面白い とはいえそれほど塩の主張は強い訳でなく、 蕎麦の甘みを軽い塩味が上手に引き立てる この後は、薄口醤油のスプレーを振りかけ わさびを添えていただいたり 辛汁に蕎麦の端を浸けて啜ったりして たっぷりの麺量の蕎麦をじっくりと味わった 貼り出されていたこの日の蕎麦の素材は、 個人的に大好きな福井県産大野在来種 ざるそばと考えると1,500円は、一見高いが 度肝を抜かれる風味、量に十分納得できる 福岡旅行で足を伸ばした“神さま”の蕎麦処 通える範囲にあったなら常連になりたい そんな蕎麦の風味を堪能できる店だったが、 今、暮らす街からはさすがに遠い #蕎麦 #sova_sova #リーマンランチ #唐津市 #福吉 #里見庵 #“蕎麦の神”と称される店主の秘境の蕎麦処