“もり”と“かまあげ”で食べ比べる“土用寒”は、蕎麦の食感と風味を贅沢に愉しめる 事前予約の手挽き蕎麦では、豊かな香り、 ザラっとした舌ざわり、穀物の甘みを堪能 店主の蕎麦への拘りと打ちの腕が光る名店 中井で蕎麦呑み 蕎麦好き仲間とふたり、美味い蕎麦を求めて お気に入りのこちらを予約 要予約の“手挽き”もしっかり2人前お願いした キッチン前のカウンターに腰をおろし、 <サッポロラガー(中瓶)・580円>を 注ぎ合って喉を潤す やっぱり赤星の丸みのある苦味好きだな ツマミには、<お浸し・430円>をもらう 鮮やかな緑のお浸しの素材は、“アブラナ” いわゆる“菜の花”だよね シャキッとした歯ごたえのアブラナが 上品な出汁に浸ってやさしい風味を奏でてる カリッと焼かれた<焼き蕎麦・700円>は、 焦げの香ばしさと蕎麦の風味、塩の味付けが マッチする、訪問の度に注文してる一品 ビールの後は、日本酒にする この店のラインナップは、すべて静岡の酒 自分の故郷であることもあって馴染み深い 最初に選んだ銘柄は、 <開運 無濾過純米 山田穂・800円> おめでたい名前のこの酒は、静岡の人気銘柄 フルーティな風味があり、後味もキレイだ ある意味蕎麦屋らしい酒肴である <鴨ロース 小・1,250円>は、 モモとムネが分けて供された 鴨の肉と脂の上品な甘み、旨みが舌に膨らむ ふたりで酒を注ぎ合えば、旨い肴に酒も進む <若竹 かなや日和 生原酒・780円>は、 開運よりもスッキリとした飲み口が印象的 <H.森本 特別純米無濾過生原酒 誉富士・830円>には、 スイーツを思わせる芳醇な甘みを感じた もうひとつの看板メニューは、“静岡おでん” <おまかせ盛合せ・1,250円>でもらうと よぉく魚の出汁が沁みた黒はんぺん、大根、 すじ…等、とても滋味深く酒にも合う <初亀 急冷美酒・480円>を追加して 蕎麦前を思いっきり堪能した 蕎麦は、<土用寒・1,250円>でもらう もり1産地、かまあげ1産地の食べ比べだ この日の素材は、どちらも“佐賀在来種” 先に供された“もり”に鼻を近づければ フワッと蕎麦の香りが立ち上がる 手繰って口に運べば極上の蕎麦の風味が 舌と鼻腔を喜ばせる “かまあげ”の味わいには、一層の凄みがある 旨みが溶け出したそば湯に浸かった蕎麦は、 最も香り高い状態で、蕎麦好きであれば その風味にウットリとすること間違いがない そして、しんがりの1枚の“もり”は、 事前に予約しておいた<手挽き・1,120円> この日の素材は、新潟産の関山在来種で 2年熟成させているとのこと ザラッとした舌ざわりに熟成蕎麦らしい 期待を超えていくふくよかな穀物の風味 出汁が効いた辛汁も素晴らしいのだが、 蕎麦をそのまま味わうか、塩で甘みを 引き立てて食すのが正しく思える 因みにこの店では、蕎麦に薬味は付かない 欲しければ有料で提供はされるが、 その理由も蕎麦を食べれば自然とわかる 蕎麦湯は、サラサラしたタイプと トロッとしたタイプの両方が用意されている 蕎麦から滲み出た自然な風味を楽しめる サラサラタイプを最初は所望したが、 おかわりでは辛汁とマッチングがいい トロッとタイプをもらって両方を愉しめた 〆て1人あたり6,000円くらい ビールの他に4種の酒、センスのいい酒肴、 3種の蕎麦を楽しんでこの値段はコスパ◎ 今回も名店での積み上げを経て店を開いた 店主の拘りと腕の良さを体感できた 関根さん、ごちそうさまでした また予約させていただきます #センスに溢れた蕎麦を堪能できる隠れ家