2,500回目のレビューは蕎麦としては 自身一番好きと言えるこちらのお店。 蕎麦前は静岡で揃えた銘酒を味わいながら リーズナブルで気の利いたつまみをアテる。 そして〆に絶品のひね蕎麦を二種盛りで 産地の違う熟成された豊かな風味を愉しんだ。 他では味わえない蕎麦を堪能できる名店。 神田で蕎麦を食らう。 蕎麦好き息子の誕生日ディナーに選んだのは 自分が大好きなこちら。 わかりにくいアプローチを抜けた古民家の ドアを開けるとセピアな空気の店内になる。 <ハートランド(中瓶)・590円>と 静岡の日本酒で揃えたリストから <正雪 純米吟醸 山形純悦(秋)・810円>を 選んで誕生日おめでとうの乾杯。 スムースな飲み口のハートランドもいいし、 この“正雪”もフルーティでキレイにキレる。 お通しには“おから煮”が供された。 いくつか料理メニューからつまみを選ぶ。 酸味のある独特な味付けがおもしろい <牛肉と大根のバーボン煮・650円>。 やさしい大豆の風味がいい自家製の <煮豆腐・430円>。 舌に絡む濃厚な味が日本酒に合う <チーズの味噌漬け・430円>。 これも蕎麦前のアテの定番。 “混雑時はお時間がかかります”とある <出汁巻き玉子・540円>。 日替りの“本日のおつまみ”は、 トマトとアオサがサッパリとよく合ってる <トマトとアオサのトリュフオイル・480円>。 店主お一人で注文を受け作るので 提供に時間がかかるのをのんびり待つ。 行き届いた接客を望む方には向かないので そういう人は訪問しない方がいいと思う。 日本酒のおかわりは、 静岡県産米 を使ったという興味深い酒 <志太泉 特別純米 静系(酒)94号・700円>。 先にもらった正雪と似たタイプの飲み口だが さらにフルーティな香りがある。 蕎麦前もちょうどよく愉しんだところで 家族もお待ちかねの蕎麦へ。 蕎麦の実を熟成させることで味が濃くなり 甘みが増す“ひね蕎麦”が味わえる。 ここでは<2種盛り・1,190円>を選びたい。 最初の産地は長崎。長崎産の蕎麦って初めて。 少し太めの蕎麦を口に含めばフワッと 豊かな香りが鼻に抜ける。軽く歯を入れると 熟成蕎麦ならではの甘みが滲む。 もう少し細うちの方が良さそうな気はする。 そしてもりの2つめは北海道。 こちらの方がコシがあり喉越しもいい。 キタワセというと素朴な風味のイメージだが 熟成されて別物のように華やかな味わいに。 以前こちらで食べた福井産の蕎麦にも 魅了されたが、やっぱりこの味わいは別物。 今はランチがなくなり夜営業だけだから また蕎麦前も併せて蕎麦好きと訪問したい。 〆て家族3人で8,420円と安く済んだ。 倹約家の女房も蕎麦好きの息子も大満足。 #蕎麦