店主が料理を用意する音だけの静寂の中 やわらかな味の“焼酎ハイボール”を傾ける。 煮込みが名物のようだが、それよりも なめらかに旨い“煮こごり”が絶品だ。 ホンモノの昭和が息づく大衆酒場。 一之江でひとり呑み。 呑み友からいいアジ出してる酒場があると聞き 休日にここを目的にやってきた。 酒場とらーめんの2つの暖簾がかかる外観は いかにも長い歴史を感じさせる。 コの字のカウンターにテーブル席2卓の 店内に13時前の訪問時に客はない。 カウンター席の中ほどに腰を下ろし <ビール(小)・430円>を注文。 キリンラガーをグラスに注ぎメニューを眺める。 <煮こみ・400円>を3代目店主にたのむ。 カウンター内の大鍋の赤褐色の煮込みは、 馬のモツと牛のフワ2種類のモツが素材で 2種類の合わせ味噌が使われているのだそう。 深く煮込まれてとてもやわらかい食感だが 最初ちょっとクセのある味わいで 好みは分かれそうだが、食べすすめるうちに その馬と牛のモツの味わいに慣れていく。 ドリンクは<焼酎ハイボール・350円>へ。 輪切りレモンが浮くハイボールに氷はなく まろやかでやさしい味わいに癒される。 <煮こごり・330円>を追加。 これはおいしい。サメの煮汁がかたまった 醤油色の煮こごりは品のある味わいが 舌にとろけていく。 お会いしたかった90代後半の2代目大女将は まだ店に顔を出していなかったが 3代目女将が気さくに話しかけてくれる。 そのうちやってきた常連さんたちも とてもフレンドリーでいろいろ教えてくれた。 昭和7年創業というこの店は、まさに日本の 大衆酒場文化そのものといった風情。 360度どこに目をやってもゆったりとした 昭和の時間が流れている。 この店のもう一つの顔も味わわねばと ラーメン、ワンタン、ワンタンメン どれも同じ値段のラーメン類から <ラーメン・500円>をお願いした。 楽しみにしていた今日のランチだ。 思いっきり昭和なままの懐かしい一杯は まるで工夫を凝らした現代のラーメンたちを 嘲笑っているかのようなオーソドックスさ。 たまにはこんなラーメンもいいね。 まだまだこの空間に身をおいてもいたいが おなかもいっぱいになったのでお勘定。 2,010円を女将の頼子さんにお支払いして 素敵すぎる昭和酒場を後にした。 #居酒屋 #ラーメン #大衆酒場