Katsuhira  Takano

Katsuhira Takanoさんの My best 2023

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Katsuhira  Takano

江戸前ならぬ“無国籍前”?大将の独創的なセンスと技術に脱帽です。 夜の築地はほんと静かですね。そんな静寂に包まれた中にぽっと現れる煌々と明るい雰囲気の店構え。ドアを開けるとアットホームかつ凛とした空気に包まれた、こじんまりとしたカウンターが目の前に現れます。 熟成させた寿司と肴を楽しめるお店。宴は泡からスタートです。 『しじみとムール貝のロワイヤル』 毎回出されるというお店のスペシャリテ。“洋風茶碗蒸し”とのことですが、もともとはプリンを作ろうとして生まれた一品だそう。ブランマンジェの技法を使った極々滑らかな口あたりを楽しめます。最初にいただく滲み出た出汁はバターのような風味が香るもの。とっても不思議なハマる味わい。爽やかな酸味のスパークリングともぴったりです。 『巻物 まぐろユッケとザーサイ』 ヒリっと舌先を刺激する山わさびがまぐろの甘みを引き立てます。コリっとしたザーサイにバリっと香ばしい海苔が絶妙にマッチ。 『刺身 かつお』 宮城産の6日熟成だそう。炙りの香ばしい風味が柔らかな身を包みます。“津本式究極の血抜き”が施されしっかり生臭さはなし。軽いタッチのわさび醤油と旨味がのった海苔ソース、二つの味わいを楽しめます。 『刺身 よこしまさわら』 26日熟成。これだけ寝かすとポテンシャルの高い個体はまるでバターのようになるそうです。ねっとりもっちりと溶けていきます。魚というより熟したアボカドのよう。辛み大根がキリっと全体を引き締めます。 『鮨 しろごしふえだい』 26日熟成。九州ではしぶだいと呼ばれるそう。手作りの藻塩と合わせていただく身は白身とは思えないくらい濃厚な味わい。 『鮨 しまあじ』 9日熟成。宮崎産のあじ。ここまでと比べると熟成も浅く身はほどよくしっかり。とは言っても普段のあじとは比べものにないくらいに旨みが凝縮しています。梅肉ソースの甘酸っぱさが食欲をそそります。 『すり流し 生落花生』 まさに和風ビシソワーズ。ブラックペッパーがいいアクセントです。 『煮アワビと肝リゾット』 肝ソースでいただく極々柔らかな鮑。そして余った肝ソースにひと口ご飯をダイブさせ、よーく混ぜ合わせてリゾットの完成です。最後のひと仕事があると楽しいですよね。美味しさも格別です。 『光物 にしん』 32熟成。にしんの握りなんて初めてかも。3週間以上寝かせると脂が徐々に乳化していくそうです。口にした途端、ホワっと溶ける身。ほんのり酸味が効いた味わいでさっぱりといただけます。 『酒の肴 からすみの西京漬』 1年半寝かせたからすみ。ちびりちびり齧りながら日本酒をコクリコクリ。これは酒呑みをダメにするやつだ。 『鮨 海老』 えびと聞いて想像していたものとはまったく違うものが登場。昆布〆にした白えびを卵黄醤油で漬けたもの。シャリの上に丁寧に成形して仕上げます。昆布とえびのふくよかな旨味にまったりした卵黄感。ユニークな握りです。 『焼物 鰻の西京漬』 45日熟成。皮目のクリスピーさと身のしっとり感のコントラストが見事。鰻の強い味わいは西京漬にしてもしっかり存在感を発揮します。添えられるのは脱皮したてのしゃこのミソ。これも見事な酒のアテ。 『鮨 あん肝』 あん肝と小玉スイカの奈良漬の握り。四ツ谷の銘店譲りの一品。薄切りのスイカのシャリっとした歯触りにあん肝のコク。これも最高のアテ鮨。 『酒の肴 くえの肝豆腐』 つなぎを使わずに固めた肝にポン酢のゼリーが載ります。まろやかな肝と合わさるポン酢の爽やかさ。日本酒がすこぶる捗ります。 『鮨 中とろ』 北海道は噴火湾の本まぐろ。艶やかに輝くきめ細かな身。薄く入ったサシがとっても上品。厚めの切り身は多幸感溢れますね。 『箸休め シャインマスカットと梨』 旬のフルーツの白和え。フルーツの白和えって美味しいですよね。お気に入りの老舗居酒屋でもたまにお目にかかります。豆腐でコーティングすることで甘みが穏やかになります。ほっとする最高の箸休め。 『鮨 貝類』 減圧調理で仕上げたほたて。低温で沸騰させるので、身は生のまま味がしっかりしみ込みます。鰹出汁と薄口醤油。ほたての新しい一面が垣間見えます。 『鮨 スモーク』 煙が充満したガラスカップ。煙が消えると現れたのは塩麹で〆たさば。桜チップで燻します。燻製寿司なんて初めてだ。スモーキーかつフレッシュなさば。おもしろいね。新生姜で口をリフレッシュです。 『鮨 うに』 馬糞うにを佐賀の海苔で巻いて大将から直接手渡し。海苔は香り高くバリっと歯切れのいいもの。 『鮨 穴子』 身の厚みがすごい!でも口あたりは極めてソフト。ふわっとしてライトなツメの味わいを楽しめます。 『本日の浅漬け』 アボカドです。カリリとした食感で清涼感があります。

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門仲の裏通りのビル2階にひっそりと佇む隠れ家イタリアン。シェフこだわりの食材の美味しさを存分に引き出した逸品の数々をワインとともに堪能です。 まず目を引くのはナプキンのあしらい。それなりに手間がかかると思いますが、ウェルカム感がばっちり伝わります。ワクワクするね!一杯目のスパークリングワインが注がれるのを合図に珠玉のコースのスタートです。 『古都華のカプレーゼ』 奈良県産のブランド苺“古都華”を使った変わりカプレーゼ。苺の軽やかな甘みとモッツァレラチーズのクリーミーな甘み、二種の甘みが楽しめます。そこに20年物のバルサミコ酢ソースが全体をまとめます。スパークリングに合うね! 『カルパッチョ』 メヒカリやクエなど5種の魚介のカルパッチョ。油で揚げたメヒカリを甘酢で和えたカルピオーネ仕立てに10日間寝かせてグっと旨みを引き出したクエ。クエに添えられるのはクミン香るキャロットラペ。これがまた合うんだ。ホヤは気仙沼産の海藻、まつもとともに玉姫酢のジュレでいただきます。ヒラメはウニをトッピング、そして白エビにはキャビアとなんとも贅沢な宝箱のようなワクワクする盛り合わせです。 『タラバ蟹とフカヒレのフラン』 見事なフカヒレがあしらわれた洋風茶碗蒸し。これは蟹かな?溢れるような和風の出汁感。おもしろいね。 『蛍烏賊と筍のリングイネ』 ホタルイカに筍、グリーンピース。春ですねぇ。滑らかな口あたりのリングイネに寄り添う筍のほのかなビター感。大振りにカットされた筍の歯応えがまたたまりませんね。 『平目のセモリナ粉焼き』 立派なわらびが添えられたセモリナ粉を纏わせ香ばしく焼き上げられた宮城産のヒラメ。皮目サックリ身はホワっと。千葉産のはまぐりで取ったスープがいい香りです。 『穴子とジャガイモのバルサミコ』 手首よりも太い2キロ級の穴子のソテー。素揚げのごぼうがクリスピー。ソースがコク深いですね。玉ねぎのマリネが地味ながらシュンっと爽やかなアクセント。 『飛騨リーキのスープ』 リーキとはポロネギのこと。まるまると太くて存在感のあるネギはとっても甘いです。アンチョビの塩気がクセになるね。 『ひらこ地鶏の丸焼き』 メインはなんともワイルドな一品。丸々一羽のローストチキンです。胸とももの両方をいただきます。しっとりした胸と力強い味わいのもも。まろやかな脂感がまたワインと合います。付け合わせの熟成させたべにはるかにシャクシャクな白菜もいいね。 『ドルチェ』 粗挽きのヘーゼルナッツとリコッタチーズのケーキ。水分をたっぷりと含んだ生地がたまりませんね。 合間に出されるパンも自家製だそう。プレーンなバケットにトマトとオリーブを使ったパン、トリュフのパンなど凝ったものを楽しめます。合わせるワインもスパークリングから白、赤とお料理との相性も抜群。 全国のこだわり食材を使ったコースに相性抜群のワインペアリング、そしてセンス溢れる食器にホスピタリティ溢れる接客とすこぶる心地のよい時間を楽しめました。 ごちそうさまでした!

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これぞ知る人ぞ知る隠れた銘店!多摩川を渡る価値は大いにアリです。 最寄り駅は立川と川崎を結ぶ西東京ローカルなJR南武線は稲城長沼。徒歩10分ほどの道程です。まるで廃墟のような団地の一角にひっそりと佇みます。なんてったって暖簾が出てないんだもの!なんでも予約でいっぱいの日は暖簾を出さないんだそう。初めてだとちょっとドキドキしちゃいますね。 店内は左手にカウンター、右手にお座敷というレイアウト。柔和な感じの大将とお母さんかな?大女将が出迎えてくれます。アラカルトでもいけそうですが、ここは大将のおまかせで。松竹梅の真ん中のやつをお願いします。 まずはお通し。干しガレイの煮凝りです。なんだろう、固め具合がなんとも言えぬ絶妙な感じ。プルプルしているところを口に含んだ瞬間に旨みだけ残してスっと溶けてなくなります。そこにシコシコした干しガレイ。これはお酒が進むわぁ。 続いて小鉢。いろんな魚を盛り合わせてポン酢でいただく一品。どっしりと下支えするのは真フグの白子とあん肝ですよ!そこにシャコや鳥貝、なんかを合わせ海ぶどうをあしらいます。フグの白子にあん肝。二種の旨みを重ね合わせてねっとりしたところを楽しみます。これはすごい!日本酒と合わせてそのままチビチビやってもいいし、他の魚にディップしてなんてイケナイ遊びもできちゃいます。これはすごいぞ! 天然うなぎ。ちょうど偶数で来ていたので白焼と蒲焼の両方でお願いします。余分な脂のないほどよく締まった身。ホクっと軽やかな口あたりに仕上がった身はピュアな鰻の味わいを存分に楽しめます。蒲焼のタレがキリっと締まってこれも辛口の日本酒に好相性。 さあ、ここからは握りのスタートです。 塩と酢橘でいただくコリっと弾むような歯ざわりのシロイカ、心地いい脂ギレの本鮪、甘みが凝縮したカレイの昆布締め、こってりとした脂ののったエンガワをあしらったヒラメ、弾むような歯触りの赤貝、これまで見たこともない大将こだわりの包丁の入れ方をしたオホーツクの天然ホタテ、プリもちなシマエビ、言うことなしのウニとイクラ、関西由来の押し寿司、カニ、アジ、サバ、マスに箸休めの玉子焼きを挟んでの、香ばしい胡麻をあしらった江戸前穴子、フィナーレはますのすけの漬けです。 握りが始まってからは圧巻の瞬間の連続。ただただ出された握りを頬張っていきます。一瞬たりとも待つ時間がもったいない。しじみの赤出汁でようやくひと息です。 アディショナルタイムは巻きものでしっぽりと。トロたくでふっと力を抜いた後に来たよこれ。かんぴょう巻き!お店で仕上げたかんぴょうは繊維に合わせて食べやすくカット。食感を楽しめる絶妙な長さで出してくれます。 明るい笑顔の気さくな大将ですが、しれっと手の込んだ品を出してくれます。ご本人にとっては当たり前のことなのかもしれませんが、食べ手としては至極ありがたいことですね。 大将は自腹で食べにくる市井のお客さんを大事にしたいという想いが強いんだと思います。銀座で食べたら倍じゃきかないかも。多摩川以西も捨てたもんじゃないですよ。 ごちそうさまでした!

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東京都

居酒屋

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“きのことおさけ”ってそのまんまな屋号!そしてきのこ料理がこんなにバラエティに富んで個性的だなんて新発見です。 とある部活動の打ち上げ訪問。高円寺はJR高架脇、pal商店街をしばらく進むと右手に見えてきます。看板のきのこのマークが可愛らしいですね。 まずはお通し。魚沼の椎茸と白菜のすり流しです。キリっとしたペッパーの刺激。ほんのり香るニンニクが食欲を刺激してスターターにぴったりです。合わせるお酒は全国各地の地酒の数々。なかでも私の地元の酒蔵が醸すマイナーなお酒があったのが素敵です。しめじの三五八漬けにきのこの刺身をお供にしたらいくらでも杯を重ねられますよ。 ホイル蒸し。今宵はジャンボ椎茸の魚沼天恵菇に岩手産の生ワカメ、北海道産の天然ぶりです。食材それぞれの旨みがたっぷりしみ出た味わい。これなんとお願いすると〆の雑炊にしてくれるんですよ。 続いて香ばしく焼き上げられた炭火焼き盛り合わせとなんだかとっても気になった『山伏茸とチーズの出会い』を。 こんがり焼いた山伏茸の上にたっぷりチーズを削った一品です。きのこの風味とチーズのコク。これがまた日本酒が捗るんだ! 気づけばあっという間の3時間。すべてきのこ料理でしたが、刺身に焼き、蒸し、創作系と、それぞれのきのこの良さが際立つものばかりでまったく飽きません。そしてなんといってもすごいのが日本酒のラインナップの充実度。屋号に違わぬ酔いお店です。 まだまだ気になるメニューが盛りだくさん。これはリピートせねば。 ごちそうさまでした! #酒場

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【駿河台・明大通りラーメンストリートWeek】3日目 嘉六田を出て右手、ビルを回り込むように小径を覗き込むと台湾まぜそばのこころと二郎インスパイアの盛太郎が仲良く並んで営業しています。そしてそのまま振り返ると明大通りを挟んだ対面の同じ建物に入る2店でそれぞれラーメンをいただけます。3日目の今日は向かって左のお店、みこころ無添加チャイナさんです。 中華料理全般を楽しめ厳密にはラーメン専門店ではありませんが、ランチタイムにお得なラーメンセットがラインナップ。おそらく定番と思われる麺メニュートップに鎮座する『担々麺』をオーダーです。 12:40入店で店内に5人待ち。ほとんどが女の人です。女性のお客さんが多いお店は間違いないですね。早々に勝利を確信です。 15分ほどで席に案内。並んでいる間にどのくらい待ちそうか、また、あらかじめ注文を聞いてくれるなど、限られたランチタイムを有効に使えるように気配りをしてくれます。これすごく好印象! 席に座ってほどなく配膳。メインの麺にご飯、ザーサイにデザートの杏仁豆腐、そして前菜三品という陣容です。前菜は、杏酒に漬けたトマトを使った麻辣ソースを添えたひと口よだれ鶏、サーモンの塩レモンソース和え、そして黒酢と黒糖を絡めたさつまいもです。 まずは前菜から。可愛らしいよだれ鶏をパクり!ソースのトマト感が鮮烈です。麻辣テイストよりもトマトの旨みをが強く伝わる味わい。続いてサーモンはレモンが爽やか。そしてなにげに添えられた湯むきのミニトマトがすこぶる甘い!これはいいね。 この辺りで担々麺へ。清湯スープにざっくり粗く合わさった胡麻ペースト。コク深い胡麻の熟成がありつつもほどよくライトで飲みやすいです。白ごまのフレッシュさがたまりませんね。カンスイ不使用という麺はホリっとした独特な食感。池袋にある楊2号店の麺に印象が近いです。肉味噌は刺激的なスープとは対照的に甘みが強調されたもの。ざっくり食感の青梗菜とも相まって複雑な美味しさを楽しめます。 一気呵成に啜りご飯、ザーサイとともにスルっと完食です。ひと息ついてデザート。杏仁豆腐ですが、これがまたフルとろ食感でただただ優しくものすごく上品でクリーミー。これはびっくり!最後はほんのり黒酢香るさつまいもで締めくくります。 ホール担当の方のもてなしが見事。料理の説明、お客さんへの目配り、ご常連への対応など、千円台のランチでは考えられないクオリティです。いままで来なかったことが悔やまれるほど。 陶器の食器が飾られた明るい店内はまるで個人宅のよう。そんな気取らない空間の中、舌にも心にもリッチなランチタイムが楽しめます。 これは通ってしまうな。 ごちそうさまでした! #ラーメン #神田〜神保町ランチ

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東京都

ラーメン

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麺や七彩の坂田店主が手がけるお店。『きらく焼き』とカレーがメニューの二本柱のところ、満を持してラーメンが登場です。これは行かねば! 『稲庭中華そば』。稲庭うどんの製法で仕上げられた自家製麺にオスの親鶏でとったスープを合わせます。鶏油のまろやかな香りが拡がる滋味深い味わい。麺の喉ごしは極々滑らかで心地よく啜れる麺です。大盛にして正解ですね。具は細メンマにねぎ、チャーシューとシンプルなもの。チャーシューは厚めで食べ応えあります。 デザートはもちろん、きらく焼き。つぶあんをチョイスです。細長い今川焼きといった趣の品。つぶあんを包む上の皮は薄めでさっくり、下の皮は厚めでもっちりと、食感の違いがおもしろいです。スイーツ系のほか、カレーやチーズ、高菜炒めなど、食事系もラインナップ。高菜炒めはお焼きっぽくて美味しそうです。 でもさすが中華そばは素晴らしいですね。選りすぐった素材でシンプルに仕上げた、まさに引き算の美味しさです。 次回は黄色いルゥのカツカレーかな。 ごちそうさまでした! #ラーメン #神田〜神保町ランチ

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東京都

懐石料理

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第29回京王線グルメの会定例会での訪問です。鄙びた門をくぐると緑豊かな敷地に佇む見事に改装された江戸時代から続く豪農の蔵が出迎えてくれます。全国の作家さん達が手がける陶器の作品の数々が並ぶギャラリーの奥に設えられたカウンターで楽しむ懐石コース。さあ、さっそく。 『先付』 下仁田ねぎのすりながし。圧倒的な出汁感のなかにワイルドなねぎの風味。クルトン代わりの蓮根フライのクリスピーさがまたニクイね。 『前菜』 野菜にお肉とバラエティに富んだ八寸。出汁がしゅんだシャキシャキのほうれん草や鴨、青唐辛子の煮浸しなど。なかでも秀逸なのがお店オリジナルの勾玉豆腐。カシューナッツの形が勾玉に似ているからのネーミング。ナッツの香ばしさが心地いいのよ。カシューナッツ、牛乳を吉野葛と合わせて仕上げたもの。ザラっとした口あたりがまたおもしろい。 『お椀』 思わず目を奪われる美しさ。澄んだお出汁に浸かるのはユニークな形に面取りされた丸大根と椎茸です。極々上等なおでん大根。たっぷりと出汁が染みていますが煮崩れることもなくその身にしっかり旨みを湛えます。京人参と軸蕪のシャキシャキ感と柚子の香りがすばらしいアクセント。 『造り』 旬の魚の盛り合わせ。鯛、ぶり、アオリイカの三品です。しっとりと軽やかな旨みがのった鯛に力強いコクのあるぶり、そしてねっとりしたアオリイカ。日本酒飲み比べセットがすこぶる捗ります。 『揚げ物』 岩魚の唐揚げなんて珍しいですね。ぽってりしたコシが強めな餡がかかります。なんと追い餡付き。まろやかな酸味の甘酢餡はこれだけでアテになりそうです。岩魚も二度揚げだそうで頭から丸ごといただけるもの。お店の銘を冠した地元石川酒造が醸す『燈々庵』の熱燗と合わせます。力強い味わいがどっしりした旨口の酒にぴったりです。 『焚合』 丸々とした海老芋。芯まで出汁の旨みが入ったもの。ホックリねっとりした口あたりがたまりません。 『止肴』 変わり温州和え。みかんの代わりにグレープフルーツを使った爽やかな柑橘感を楽しめる絶品酢の物です。具材は水菜、大根、セロリ、蟹身、とんぶり、そしてグレープフルーツと盛りだくさん。いろいろな食感、味わい、旨み、風味が折り重なった楽しい一品です。 『飯、止椀、香の物』 〆のお食事は山芋のおこわ。山芋は仕上げに合わせているのかシャキシャキとしたフレッシュな歯触りが残ります。むかごの素朴な味わいになんとも癒されます。 『水物』 食後のデザートは蜜柑と苺を添えたオレンジヨーグルトプリン。そしてお供に栗のお汁粉と和洋どちらも楽しめるなんとも欲張りなもの。これはうれしいね。ナチュラルな甘みと酸味が相まったプリンにクリーミーなお汁粉。求肥がいい味出してます。 最後はお抹茶と可愛らしい信玄餅でクールダウン。素晴らしい空間の中で丁寧なサービスと共に素敵で美味しい料理を楽しめました。 ちょっとした旅行気分と非日常感が手軽に楽しめる良店。いいですよ。 ごちそうさまでした!

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【ふらっと神戸】 海があって山もあって、神戸っていい街だなぁ。元町の商店街を抜け海風に吹かれながら歩いた後の小休止。“オークラ伝統のフレンチトースト”をいただきます。 美しく焼き上げられたシナモン香るフレンチトースト。添えられるのはマンゴーソースとバターです。ナイフを入れてまずはそのままひと口。途端に拡がる圧倒的卵感!焼き目のさっくりした歯ざわりに生地のふわっとエアリーな口あたり。これは初めての味わい。美味しいです。 爽やかな甘さのマンゴーソース、まろやかなコクのバター、そして添えられるフルーツと合わせてもばっちり。おっと、素の味わいが素晴らしすぎてメープルシロップを使うのを忘れてしまった! 名門ホテルレベルのサービスでいただける絶品フレンチトースト。 ごちそうさまでした! #旅グルメ

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【ふらっと台湾】 台湾の夜はまだまだ続きます。リアル二軒目どうする?in台北。向かったのは阿さんのお店です。 台北駐在の日本人にも人気らしく、他のテーブルからは日本語が聞こえてきます。お願いしたのは『豚モツ揚げ』と『牡蠣の台湾式揚げパンの炒め物』。合わせるのは台湾ビールクラシックです。 モツの中にネギを入れて揚げたもの。こんなモツの食べ方は初めてだ。さっくりクリスピーな口あたりにジュワっとジューシーな脂とネギのシャキシャキ感。モツの風味がほどよく残ったところにパクチーを添えていただけば、未知の美味しさが口の中に広がります。おもしろいねえ。 大振りな牡蠣と油条のほか、玉ねぎ、パプリカ、ネギ、エノキ、しめじ、ピーマンなどの炒めもの。お酢の酸味が効いた五目旨煮のような一品です。油条がカリリと軽く、見た目ほどヘビーではないのでバクバクいけちゃいます。この絶妙な味付けがなんともたまらないですね。 お酒は台湾ビールクラシックからの黒ラベル。女将さんからはダメ押しのサービスでピーナッツをいただきます。ホントありがとうございます!迎え撃つは台湾ビール生。個人的にはこのビールが一番好みのタイプですね。 2Fのお座敷では大人数の宴会が盛り上がっていたりと、日本の居酒屋に近いイメージです。日本人に人気なのも頷けます。 台北のTHE女将酒場。 ごちそうさまでした! #酒場 #酒場放浪記 #旅グルメ

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兵庫県

お好み焼き

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【ふらっと神戸】 “THEディープ神戸”リアルニ軒目どうする?。安心してください。目と鼻の先にあるんです。このコンボはもう鉄板ですよね。海苔で巻いたお好み焼きが名物のお店。日曜の夜、カウンター6席とテーブル4席の店内はさすがに満席でしばし席が空くのを待ちます。 ほどなく用意されたカウンター席に座りまずは『チューハイ』をオーダー。そしてもちろん『海苔巻き』を玉子ありでお願いします。 焼き場を守る女将さんとサブの女性店員さんで切り盛り。熱々の鉄板の前で店内にテイクアウト、ウーバーイーツまで次々と入るオーダーに対応する様はホントすごいです。 目の前の鉄板で仕上げられる海苔巻き。大判の海苔にお好み焼きを載せ、まずは3分の1ほど海苔ごと折りたたみ、はみ出た生地に切れ込みを入れて反対側から海苔ごと巻き上げ仕上げます。女将さんのこの手捌き、見ているだけで酒が進むわ。 鼻に抜ける海苔の風味が心地いいですね。巻かれたお好み焼きは極々細かに刻まれたキャベツがシャクシャクと小気味いい食感。玉子が入って生地も滑らかです。手間はかかりますが、食べる方は至極楽しめるスタイル。特に酒飲みはアテ感あって最高でしょう。 3杯目のチューハイがまだ半分ほど残っていたので『とん平焼き』を追加注文。豚バラと玉ねぎ、椎茸を炒めて卵でくるんで出来上がり。って、なんか簡単に作れそうですが、プロの手にかかるとやっぱり違うんですよねぇ。豚バラのこってりした脂感、玉ねぎのほどよいシャクシャク感、椎茸のジューシーな旨みが玉子のまろやかさと一体になって楽しめます。ああ、チューハイが捗るわ。 終電の時間が近づいてきたのでここらで切り上げ。お腹と時間に余裕があれば、ステーキや野菜炒めなんかも食べてみたかったな。これは次回の宿題です。 忙しく立ち回りながらもお客さんへの気配りを欠かさない女将さん。何度も何度も口ぐせのように“ありがとう”という言葉を繰り返します。こちらこそ美味しい食事と楽しい時間を過ごさせていただいたことに感謝です。 地元にあったら間違いなく通ってしまうお店。“THEディープ神戸”の真髄を体感しました。 ごちそうさまでした! #旅グルメ