キリ番2,500投稿目は大人のコの字酒場、江戸一さんです。 かの太田和彦翁をして東京三大居酒屋の一角と言わしめたお店。凛とした佇まいに自ずと背筋も伸びます。立派な木戸を開ければ永年使い込まれたカウンターがお出迎え。ひとりに一つ、お通しにお箸、お猪口が設られたお盆が供されます。まずはキリンラガーの大瓶でひと息つきましょう。 お料理はカウンター向かって中央の短冊メニューからチョイス。枝豆にきぬかつぎ、生しらすなど、いぶし銀な酒のアテが並びます。初手ってすこぶる大事なんですが、ここはお刺身、アジでいきましょう。 お通しのマグロの煮付けをチビチビやっていると、「これどうぞ」と糠漬けをいただきました。きゅうりと大根。シュンっと舌を刺激する心地よい乳酸感がいいんだよねぇ。ありがとうございます。 少し寝かせた感じのアジの身はしっとり旨味がのったもの。生姜とわけぎをのっけて醤油をチョンチョンしてパクり!うん、ビールがすこぶる進みます。 早々に空いたビールの次はやっぱり日本酒。滅多にお目にかかれない『褒紋正宗』をぬる燗でお願いします。お供はちょっと気になったいちぢく、そして焼き鮭を。 鮭が焼きあがるまでのお供に出たいちぢく。これがまた斬新!なんと酢味噌を和えた、ぬたスタイルですよ!いちじくのフレッシュで軽やかな甘みと酢味噌のこっくり濃厚な甘み、タイプの違う甘みが合わさって至極の味わい。デザート感もありつつ、ぬる燗との相性がこれまた抜群なんですよねぇ。 香ばしく焼き上げられた鮭。身はふっくらかつジューシー。そして皮がとんでもなくいい感じ。普段は鮭の皮は残す派ですが、この鮭の皮は別格!香ばしさと脂感が濃厚で熱燗にベストマッチ。美味いねぇ。 もうひとつのレア銘柄『惣花』を楽しんだ後、〆は『菊正宗』の熱燗に鶏つくね。鶏の旨味とジューシーさをドシンっとくる一杯で受け止めます。 使い込まれた店内はしっぽりと歴史の重みが伝わる雰囲気ながらも、お店を切り盛りする大女将と若女将はエプロン姿でいたって気さく。勇気を出して入ってみればそんなに敷居も高くありません。一見にも優しい目配せ気配せが全開。なによりお会計の際の大女将のそろばん捌きがまたいいつまみになるんですよねぇ。 頑張って通いたくなる良古典酒場。 ごちそうさまでした! #酒場