尾張名古屋の歓楽街、栄は三丁目の雑居ビル1Fにひっそりと佇みます。軒先に控えめに灯る行燈には“柳家”の文字。そう、岐阜瑞浪の山間で珠玉の猟師料理を楽しめるあのお店の支店です。貸し切りの店内でいただくのは岐阜産の天然すっぽん。まずは真っ赤な一杯をクイっと飲み干します。 前菜はお馴染みの蜂の子にサクラマス、そしてそら豆に里芋の煮物、山菜のみずが並びます。いたって素朴でなんとも滋味深い味わい。続いて走りの鮎。いまにも泳ぎだしそうな躍動感のある盛り付けが見事です。小ぶりなので頭から豪快に丸かじり。 さあ、すっぽん!まずは焼きからです。力強い肉質はまるで地鶏の肉のよう。ググっと歯を押し返す弾力に生命力を感じます。続いてレバーに内子、お刺身です。ごま油で和えたレバーは臭みはありません。ごま油のまろやかさを纏ったこっくりしたレバーの風味がいい感じ。お刺身は肩甲骨周りのお肉。このコリコリ食感はやっぱり鶏感あります。さっぱりとした軽やかな旨味でいくらでも食べられそう。口の中でねっとりした黄身が弾ける黄金色に輝く内子。独特の甘みが拡がります。 衣はカリっ身はしっとりと絶妙な揚げ具合のから揚げを挟んでからの王道の鍋。ズシンっとパワフルな出汁に圧倒されます。濃厚な旨味が詰まった身とプルプルなコラーゲン。焼き目が付いた香ばしいねぎがまたいい仕事しています。 極々フレッシュな口直しのサラダの後に蝦夷鹿のロース。キリっとした辛みの立った柚子胡椒が甘くてジューシーな脂の味わいを引き立てます。そして食事は長良川の天然うなぎ、すっぽん鍋の雑炊と続きます。たっぷり出汁を吸ったお米をすっぽんの身ごとザアザアとかき込んですっぽんの旨味を丸ごと堪能。ああ幸せ。 〆のデザートは抹茶プリン。舌にザラっとまとわりつく濃厚な抹茶感がたまらない一品です。 繁華街のど真ん中という本店とはガラっと変わるシチュエーション。器や盛り付けも凝っていてまた違った角度から絶品の猟師料理を楽しめました。 ごちそうさまでした! #旅グルメ