【大人の遠足・春編】 キリ番1,700投稿目は至高の猟師料理、柳家さんです。ずっと思い焦がれていたお店に縁あって伺うことができました。 瑞浪駅から送迎バスで夜の山道を進みます。次第に民家が少なくなり、どんどん暗闇が濃くなっていきます。辺りが暗くなるにつれて高まる高揚感。看板などもないまさに民家のような構えのお店の前に着くと期待感はピークを迎えます。 我々のために用意された囲炉裏には真っ赤に燃える炭。なぜ炎を見るとこんなにも気持ちが高まるのでしょうか。 さあ、めくるめく宴の始まりです。 『蜂の子』 お通しがわりの一品。生姜がガツンと効いた濃いめの味わいです。蜂の子のタンパク感にピリリと爽やかな山椒の刺激。日本酒はもちろん、キリッと酸が立った白ワインにも合います。 『ねぎま』 今宵は鴨で組み立てられたコース。口開けはねぎまです。皮を長めに切り出して身に巻き、太さをねぎと合わせているそう。炭の山に寄り添わせるように串を縦に刺して焼き上げていきます。こうすることで、滴り落ちる脂をねぎが吸っていきます。味付けはシンプルに塩胡椒。とんでもなく旨味を湛える鴨の皮に身。それ以上に素晴らしいのが脂を吸ったねぎ。これはねぎが主役の串だ。鴨を脇役にする贅沢な串。のっけからガツンとやられました。 『皮』 次は鴨の皮。クルンと巻かれた皮から脂が溢れ出てきます。味付けは継ぎ足しの自家製タレで。七味と一味でいただきます。ふわっと立ち上る良い香り。脂はまったくしつこくなくスっと切れます。ここでサプライズ!コリっと歯にあたる感じを確かめてみると、なんと散弾銃の弾が出てきました。珍しいものらしく縁起物として持ち歩くとよいそう。 『鴨のロースとささみ』 こちらもタレで。薬味は柚子胡椒です。しっかり筋を取る丁寧な下ごしらえ。ギュギュっと旨味が詰まったロース肉は脂がただただ軽やか。赤ワインと合わせれば至福のときが訪れます。極少量のささみはあっさりした味わい。鴨のお肉の美味しさを存分に味わえます。 『うりぼう』 ここで四つ脚食材。臭みはまったくなくとんでもなく柔らか。脂がとってもフレッシュです。猪年としてはちょっと複雑な心境ですが、感謝しながら美味しくいただきます。 『ヨシガモの半身の焼き物』 本日のメイン。鴨のすべてを味わえる一品です。海苔を食べているので身が美味しいそう。皮と身を一緒に。極上の肉の旨味と脂の甘みを堪能します。 『鴨鍋』 たっぷりの鴨肉と野菜、きのこの鍋。鴨の旨味と脂がたっぷり溶け出した素晴らしい味わいの出汁。シャキシャキのねぎが美味い!出汁が染みた豆腐がまた最高です。 『とろろご飯』 〆は自然薯のとろろご飯です。出汁で溶いた自然薯をたっぷりかけてザァザァとかき込みます。串と鍋でお腹はいっぱいのはずなのに、不思議とスルスル入っていくんですよね。美味しいです。 串の合間にいただく大根がまたいいんだ。辛味はまったくなくとってもみずみずしいもの。シンプルに切って出しただけかと思ったら、軽く出汁に漬けているそう。お代わり自由なサービスの品ですが、まるで隠し包丁のようにさりげなくひと手間をかけています。もうひとつ、サービスで出していただいた『ふきのとうのおひたし』がまた絶品。野性味のある苦味が春の訪れを感じさせます。 あっという間の3時間。お店に行くまでの道のりまでも楽しい至極の炭火エンターテイメント。お店の方の楽しい会話、ホスピタリティ溢れる接客も素晴らしいもの。是非とも季節を変えて再訪したい。 評判以上の幸せなひとときを過ごせるお店。 ごちそうさまでした! #旅グルメ