Katsuhira  Takano

Katsuhira TakanoさんのMy best 2019

シェアする

  • facebook
1

岐阜県

炉端焼き

Katsuhira  Takano

【大人の遠足・春編】 キリ番1,700投稿目は至高の猟師料理、柳家さんです。ずっと思い焦がれていたお店に縁あって伺うことができました。 瑞浪駅から送迎バスで夜の山道を進みます。次第に民家が少なくなり、どんどん暗闇が濃くなっていきます。辺りが暗くなるにつれて高まる高揚感。看板などもないまさに民家のような構えのお店の前に着くと期待感はピークを迎えます。 我々のために用意された囲炉裏には真っ赤に燃える炭。なぜ炎を見るとこんなにも気持ちが高まるのでしょうか。 さあ、めくるめく宴の始まりです。 『蜂の子』 お通しがわりの一品。生姜がガツンと効いた濃いめの味わいです。蜂の子のタンパク感にピリリと爽やかな山椒の刺激。日本酒はもちろん、キリッと酸が立った白ワインにも合います。 『ねぎま』 今宵は鴨で組み立てられたコース。口開けはねぎまです。皮を長めに切り出して身に巻き、太さをねぎと合わせているそう。炭の山に寄り添わせるように串を縦に刺して焼き上げていきます。こうすることで、滴り落ちる脂をねぎが吸っていきます。味付けはシンプルに塩胡椒。とんでもなく旨味を湛える鴨の皮に身。それ以上に素晴らしいのが脂を吸ったねぎ。これはねぎが主役の串だ。鴨を脇役にする贅沢な串。のっけからガツンとやられました。 『皮』 次は鴨の皮。クルンと巻かれた皮から脂が溢れ出てきます。味付けは継ぎ足しの自家製タレで。七味と一味でいただきます。ふわっと立ち上る良い香り。脂はまったくしつこくなくスっと切れます。ここでサプライズ!コリっと歯にあたる感じを確かめてみると、なんと散弾銃の弾が出てきました。珍しいものらしく縁起物として持ち歩くとよいそう。 『鴨のロースとささみ』 こちらもタレで。薬味は柚子胡椒です。しっかり筋を取る丁寧な下ごしらえ。ギュギュっと旨味が詰まったロース肉は脂がただただ軽やか。赤ワインと合わせれば至福のときが訪れます。極少量のささみはあっさりした味わい。鴨のお肉の美味しさを存分に味わえます。 『うりぼう』 ここで四つ脚食材。臭みはまったくなくとんでもなく柔らか。脂がとってもフレッシュです。猪年としてはちょっと複雑な心境ですが、感謝しながら美味しくいただきます。 『ヨシガモの半身の焼き物』 本日のメイン。鴨のすべてを味わえる一品です。海苔を食べているので身が美味しいそう。皮と身を一緒に。極上の肉の旨味と脂の甘みを堪能します。 『鴨鍋』 たっぷりの鴨肉と野菜、きのこの鍋。鴨の旨味と脂がたっぷり溶け出した素晴らしい味わいの出汁。シャキシャキのねぎが美味い!出汁が染みた豆腐がまた最高です。 『とろろご飯』 〆は自然薯のとろろご飯です。出汁で溶いた自然薯をたっぷりかけてザァザァとかき込みます。串と鍋でお腹はいっぱいのはずなのに、不思議とスルスル入っていくんですよね。美味しいです。 串の合間にいただく大根がまたいいんだ。辛味はまったくなくとってもみずみずしいもの。シンプルに切って出しただけかと思ったら、軽く出汁に漬けているそう。お代わり自由なサービスの品ですが、まるで隠し包丁のようにさりげなくひと手間をかけています。もうひとつ、サービスで出していただいた『ふきのとうのおひたし』がまた絶品。野性味のある苦味が春の訪れを感じさせます。 あっという間の3時間。お店に行くまでの道のりまでも楽しい至極の炭火エンターテイメント。お店の方の楽しい会話、ホスピタリティ溢れる接客も素晴らしいもの。是非とも季節を変えて再訪したい。 評判以上の幸せなひとときを過ごせるお店。 ごちそうさまでした! #旅グルメ

2

東京都

居酒屋

Katsuhira  Takano

ビール党は中野を目指せ!同じビールなのに一杯ごとに変わる味わい。超絶技巧な“注ぎ方”を存分に堪能です。 中野駅南口を出てすぐ、レンガ坂の途中にあるビル2Fのお店。タペストリーに謳われる“人生観を変えるキリンラガー”というコピーに心躍ります。階段を登り木製のドアを開けるとすぐにビアサーバー。平成の最新サーバーと現存するのは国内に30台ほどという昭和の復刻サーバーの二刀流です。 席に案内され初めてであることを告げると、店員さんからどんなお店なのか詳しく説明されます。ここはキリンラガービールを注ぎ方で10種類以上の味わいに変化させるお店。まずは“基本の4種”から順に攻めていきます。 『麦酒大学注ぎ』 最新サーバーで供される一杯。泡が極めて滑らか。その美しさに撮影も忘れて口をつけます。泡のスムースな口あたりの後にしっかりした炭酸感。もっともベーシックな一杯ですが、そのレベルの高さにのっけから圧倒されます。 『1度注ぎ』 昭和のサーバーで供されます。昭和のサーバーは最新式と比べて管が太く、勢いよく注げるのが特徴だそう。1杯目の麦酒大学注ぎと比べると、泡の気泡が大きくて荒いもの。口をつけた瞬間に唇に炭酸感。これは楽しいねぇ。 『2度注ぎ』 一度注ぎこぼした後、もう一度注ぐ2度注ぎ。極限まできめ細かく、滑らかで軽い極々スムースな泡に仕上がります。ビールの泡と液体部分との境を感じることなく心地よく喉を通っていきます。 『3度注ぎ』 ほわっほわでしっかり硬い泡が出来上がります。グラスの飲み口から盛り上がる厚みがすごいね。小麦の甘みが際立つ味わい。炭酸感が抑えられた穏やかな飲み口です。 さあ、次はアレンジメニューを。 『メルティ』 なんと完成まで10分かかるそう。泡だけを楽しむ『ミルコ』を繰り返し注ぎ足して作り上げます。ホップの苦味が吸着した泡を取り除き、小麦の甘みを極限まで引き出したもの。ピュアなビールの味わいを楽しめる、まるでしっかり米を磨いた吟醸酒のような逸品です。 『ミルコ』 〆の一杯。まるでミルクのようです。ビールの新しい顔を垣間見れるユニークな一杯。おもしろいね。 立て続けに6杯いただきすっかりいい気分。注文のたびに学長から詳しい説明があり、頭でも楽しむことができます。ビール、グラス、サーバーの管理もしっかり行き届き、店内の壁にはビールの薀蓄。ビールに関する書籍も多数並び、学長のビール愛をひしひしと感じます。 店員さんたちの丁寧な気配りもうれしい、ビール好きなら間違いなく幸せな時間を過ごせるお店。 ごちそうさまでした! #酒場

3

静岡県

うなぎ

Katsuhira  Takano

【大人の遠足・秋編】 静岡駅から北へ車で20分ほど。安倍川近くの住宅街にひっそりと佇むお店です。趣きのある木戸にかかる藍色の暖簾が凛とした空気を醸す鰻の銘店。予約時間の11:30少し前に到着し、まずは敷地内のお庭の様子を楽しみます。 時間となり女将さんに案内されて店内へ。靴を脱いで上がった先は、カウンターとテーブルそれぞれ6席のスペース。まるで知人宅のダイニングにお呼ばれしたような感覚です。窓越しに臨むお庭の様子がまたいいんだ。 お昼はうな丼と各種一品料理。せっかくなので『特上』と『白焼き』に『えり巻き』をシェアしていただきます。さすがは静岡。お茶が美味しいですね。店内の装飾や焼き場から煙が立ち上る様子を眺めている間に『白焼き』が仕上がりました。 『白焼き』 粗塩と山葵でいただきます。皮の香ばしさにねっとりした脂。鼻に抜ける鰻の香り。粗塩が旨味を引き立て、山葵が爽やかな風味を添えてくれます。関西風の地焼きとは思えないソフトな身。鰻自体の味わいがストレートに楽しめます。キリっとした冷酒と合わせると最高だろうなぁ。 『えり巻き』 鰻の頭の部分を使った鰻巻きです。強い味わいの身をまろやかな玉子が包み込みます。熱々ホクホクのところをかぶりつけば、出汁とタレが口の中でに溢れます。 『特上』 地元静岡の工芸品、“井川メンパ”で供されます。まあるい蓋を取ると、艶やかに焼きあがった鰻が一枚半現れます。立ち上る炭の香りがすごい!バリっとした皮がいかにも地焼きらしいですが、身は反対にしっとり柔らかいもの。サラっとした辛めのタレでほのかに炭の苦みを纏います。地焼きとは思えないほど繊細で上品な味わい。一方きちんと脂のコクと味わいも楽しめる見事な仕上がりです。お供の肝吸いとお新香も抜かりはありません。美味しいです。 鰻はお好みで別皿でも出してもらえます。ご飯の上で蒸らされないことで、地焼きらしさをより楽しめるようです。 お料理はもちろん、お店の雰囲気も素晴らしいですね。ちょっとした非日常な中で絶品の鰻を堪能できます。 のどかな住宅街に潜む銘店。 ごちそうさまでした! #旅グルメ

4

東京都

ラーメン

Katsuhira  Takano

神保町に独創的な一杯が誕生です。屋号は“人と羊”(ひととよう)。なんと羊を使ったラーメンが楽しめます。 美味しいラーメンとかき氷を楽しめた、ねいろ屋神保町店が大胆にリニューアル。まだ真新しい純白の暖簾をくぐれば、羊独特の甘い香りに包まれます。メニューはラーメンとご飯ものがそれぞれ2種。ここはやはりフラッグシップの『ひつじそば』で決まりでしょう。そしてお供に『ひつじめし』も。 ねいろ屋時代のテーブルがなくなり、カウンター席のみに。お水と紙ナプキンはセルフです。店内のいたるところに可愛らしい羊グッズが溢れ、どこかほっこりした空気が流れます。 見事な自家製テリーヌが圧巻のひつじそば。清湯スープを口に含めば、ほわっと羊の香りが立ち上ります。それから徐々に鶏が顔を見せ始め、豊かな羊の風味と鶏の出汁感が重なりあった奥深い味わいが楽しめます。 麺はふすまが見える全粒粉入り。滑らかな口あたりでスープとの絡みもよくスルスルといただけます。具はパクチーに紫玉ねぎ、モロッコインゲンにドライトマト、そしてラム肩ロースに自家製テリーヌと具沢山かつ彩りもよいもの。なかでもテリーヌが抜群の美味しさです。嫌みのないほどよい羊感にクミンをはじめ様々なスパイスが味わいに拡がりを持たせます。このテリーヌ、赤ワインを合わせてみたい。 モロッコインゲンはサラっとしたスープにぴったり。サックリした歯ざわりが心地いいです。まさに紅一点のドライトマトの甘味がおもしろいアクセントになっています。 ひつじめしは、九州の鳥めしをイメージしたものだそう。羊そぼろはもちろん、しっかり煮込まれたごぼうがまた格別。これは外せないサイドメニューです。 羊出汁やユニークな具材はもとより、豚と化学調味料を使わず、さらに薬味の定番ねぎも封印するというラーメンの新境地を切り開く意欲的な一杯。活動範囲にこんな独創的でおもしろいお店ができてうれしい限りです。 ごちそうさまでした! #ラーメン #神田〜神保町ランチ

5

愛知県

うなぎ

Katsuhira  Takano

【大人の遠足・春編】 一緒に燻されながらいただく野趣あふれる鰻。捌いて焼いて盛り付けて。休むことなくフル回転で営業する市井の鰻屋さんです。 遠くからでもはっきり分かる鰻が焼かれる匂い。開店2時間半前の9時に出向きその日のランチを予約するとすでに2巡目とのこと。さすがの人気店。7名の席を確保し開店まで時間を潰します。 11:30に再来店。道路に面して開け放たれた焼場からはもうもうと煙が立ち上ります。待っている間に焼場のご主人に注文を伝えます。『鰻丼』は鰻一匹の並と一匹半分の上の二つ。せっかくなのでここは上を! ほどなくして登場した丼は、蓋から鰻がはみ出るほどの大きさ。蓋を開けると肉厚な身の鰻が現れます。タレを纏った身は艶やかに輝いています。こちらのお店は蒸さないで仕上げる関西風。この時期の鰻は身が締まっているそうで、関西風の仕上げと相まってギュギュっとしっかりした食感を楽しめます。タレの味わいも濃厚で、力強い鰻の身をどっしり受け止めます。美味い! 一匹半の鰻はとんでもなくボリューミー。この量を考えれば、とっても値頃感があります。煙は店内にも充満しているので、匂いが付いてもいい服装がベスト。飛び込みで来たお客さんは3時間待ちと案内されていました。行かれる際は9時受付開始の店頭予約をぜひ。 ごちそうさまでした! #旅グルメ

6

愛知県

居酒屋

Katsuhira  Takano

創業明治40年の古典酒場。眺めているだけで一杯やれてしまいそうな、いぶし銀な店構えがとっても痺れます。地元名古屋はもちろん、全国の飲兵衛たちがこぞって訪れる人気店。数年来の宿題をようやく片付けることができました。 並ぶとは聞いていましたが、開店1時間前に着いて4番目。さらに開店時間には30人ほどの行列ができるほど。さすが噂に違わぬ人気です。5分ほど早く扉が開きお客さんが続々と店内へ。1F奥のテレビ下の一角に案内され、さあ、まずは飲み物!黒ラベルをお願いします。うれしい大瓶ですよ。 口開け早々のため、数々の料理が所狭しと並びます。この眺めが壮観なんですよ。いろいろと目移りしつつご主人と相談しながら選んだのはイカのぬた、煮穴子、小じゃがいもの三品です。 イカのぬたは酢味噌に赤味噌が使われた珍しいもの。こっくりコクのある赤味噌の風味とまろやかな酢の酸味が淡白なイカの身とこの上なく好相性です。 たっぷり盛られた煮穴子は、甘めのしっとりした身がたまらない美味しさ。静岡産の小じゃがいもは、ピリっと粗挽き胡椒のアクセントが効いたほんのりバター風味の一品。弾けるような皮の食感が小気味よく、ビールのお供にぴったりです。 ビールの後は賀茂鶴をお燗で。屋号が入った見事な大徳利とお猪口でいただきます。日本酒と合わせて豆腐でもつまもうかと思ったら、白和えを見つけましたよ。胡麻がしっかり効いた濃いめの味付け。ねっとりした豆腐を舐めながら賀茂鶴をチビチビやる至福の時間。この時間が永遠に続けばいいのになぁ。 おそらく二合は入る大徳利を飲み干してすっかりいい気分。ずっと腰をおろしていたい気持ちを抑え、ここらでお会計をお願いします。計算はそろばんなのがなんともまた味わい深い。 一人で酒場浴を楽しむのもよし、大勢でいろんな料理を楽しむのもよしの名古屋を代表する銘大衆酒場です。100年のときを刻む飲兵衛たちのワンダーランド。絶対にまた行きたいお店です。 ごちそうさまでした! #酒場 #酒場放浪紀 #旅グルメ

7

千葉県

つけ麺

Katsuhira  Takano

キリ番1,900投稿目は泣く子も黙る超絶人気店、とみ田さんです。ラーメン三昧だったこの一週間を締め括るに相応しいお店。平日の予約開始時刻の8:00を目指して6:30に到着するとすでに行列が!5番目に接続した後、8:00を回る頃には待ちは30人近くに。人気のほどをまざまざと見せつけられます。 無事2回転目の11:20の席を確保し駅前のガストで時間潰し。amazonプライムビデオで店主の富田さんが出演するドキュメンタリー、「ラーメンヘッズ」を鑑賞です。“ラーメンバカを魅了するには、それ以上にラーメンバカになる必要がある”、“800円でどこまで夢を見せられるか”などの言葉にシビれているとあっという間に集合時間に。お店に戻ります。 10分ほど待って暖簾をくぐると、明るく威勢のいい挨拶で出迎えられます。席には温かいおしぼり。そして水が入るグラスには透明なまあるい氷が。いたるところに細やかなホスピタリティが滲み出ています。 あらかじめ食券を購入しているので、席に着くとすぐに調理がスタート。富田店主が一杯一杯対峙して仕上げていく様子に目を奪われているとほどなく着丼です。 美しく折り畳まれた薄い褐色の極太麺。まずは塩をパラりとやってそのままいただきます。口に入った途端に拡がる濃い小麦の風味と味わい。塩が麺の柔らかな甘味をより一層引き立てます。滑らかさとザラつきが絶妙に相まった口あたり、そしてググっと歯を押し返す力強い弾力。麺好きはすべからく悩殺されることでしょう。 続いてつけ汁と共に。動物系と魚介系の出汁の旨味が凝縮したぽってり濃厚なもの。ブワっと拡がるパワフルな味わいは、このどっしりした存在感のある麺でないと受け止めきれません。とみ田でしか堪能できない珠玉の組み合わせです。 途中、薬味の辛味や酢橘なんかで変化を楽しみながら食べ進めます。食券を買うときに心配された450gの麺もなんなく胃に収まりました。というか正直もうひとつ上の特大560gにしなかったことを激しく後悔。〆はサラっと香り高いスープ割で幕引きです。 高い評価を不動のものにした後も厨房の最前線に立ち続ける富田店主に脱帽です。このために早朝から半日潰してもまったく苦にならないほどの圧倒的なバリューを感じられる銘店。 ひととき、最高の夢を見せていただきました。 ごちそうさまでした! #ラーメン

8

福島県

居酒屋

Katsuhira  Takano

【ふらっと会津若松】 築100年を越える蔵をリノベーション。細やかな気遣いがうれしい美人女将が切り盛りする酒場です。屋号に“ぼろ”とつける奥ゆかしさがグっときますね。 会津の街を歩き回って喉はカラカラ。まずは生ビールをいただきます。お通しは茹でたじゃがいもに会津の甘味噌を添えたもの。ただ茹でただけのじゃがいもが味噌と合わさることでごちそうに生まれ変わります。添えられた紫蘇の若葉のフレッシュな香りが鼻腔を心地よく刺激します。 メニューは会津の食材を使ったいわゆる家庭料理がラインナップ。定番のほかに季節のオススメも。ふと目にとまった『小女子と玉ネギのかきあげ』を注文です。 天井が高く落ち着いた雰囲気の店内にはジャズが流れ、しっとりとした空気が漂います。古い蔵の造作を眺めているだけでお酒が進みますね。 さあ、かきあげがやって来ました。サックリ軽い薄衣。小女子の旨味と玉ねぎの甘みを存分に楽しめます。使うお塩は会津の山塩。なんと温泉水を煮詰めて作ったものだそうです。女将によると元の温泉も舐めるとしょっぱいそう。優しい口あたりのお塩です。 ここで会津のお酒を。ずらっと並ぶ充実のラインナップ。とても一つには絞りきれませんが、うれしいことに気になる三種を選んでいただく『おためし飲み』が用意されています。終わりゆく夏を惜しみ、『辰泉夏のウマカラ純米吟醸』、『末広夏の純米吟醸』、『天明夏のさらさら純米』と夏シリーズで攻めてみることに。 しっかり辛い辰泉、すっきりした飲み口の末広、軽く酸味が効いた軽やかな味わいの天明と、楽しく飲み比べができます。お供は『疲労回復焼』。なんとも仰々しい響きですが、その由来は会津で採れる朝鮮人参の一種、オタネ人参を使っているからかな。いわゆるチヂミ風な一品です。もっちりした生地にザク切り山芋のシャキシャキがとっても心地いい。オタネ人参の奥深い苦味がクセになる味わい。美味しいです。 ご一緒させていただいたご常連は、毎日のように開店時間に来られ30分ほどで帰るそう。自らが呼び水となり、後からお客が来たら女将をそのお客に譲って自分は店を出る。本当の常連とは我が物顔で横柄に振る舞う輩ではなく、愛するお店が末永く続くよう他のお客さんが心地よく過ごせるように気遣うものと太田和彦さんも書かれています。 こんなご常連がいらっしゃるお店は間違いありません。 今回は日帰りのためここらでおいとま。次回は一泊して女将の手料理と会津のお酒をじっくり楽しみたい。 会津に来たらぜひ立ち寄りたい癒しの銘女将酒場。酔いひとときを過ごせました。 ごちそうさまでした! #酒場 #旅グルメ

Katsuhira  Takano

お店のスペシャリテ、クロレラを練りこんだ鮮やかなグリーンの麺がとっても綺麗な『里麺』は必食!京王新線幡ヶ谷駅直結の絶品中華を楽しめるお店。厳選された食材がオーナーシェフのセンスと技術で珠玉の一品に昇華していきます。 ディナーはメニューがなく、シェフおまかせの品が次々と出されるスタイル。ほどよいところでストップし炒飯か里麺で〆ます。何が出てくるか分からないワクワク感がいいんだよねぇ。 『前菜盛り合わせ』 ちょっとしたおつまみの盛り合わせです。大山どりに霧島豚、野菜の甘酢漬けにクラゲ。しっとりした骨付きの大山どり。ほんのり甘めなタレが肉の旨味を引き立てます。骨の周りの肉ってホント美味いんだよねぇ。甘酢で漬けたきゅうりとプチトマトがまたいい箸休め。トマトの甘みが際立ちます。霧島豚はお肉の繊維のしっかりした歯ごたえを残すもの。太めのクラゲはゴリゴリした存在感のある食感がたまりません。 『黄ニラと自家製ベーコンの炒めもの』 高級食材の黄ニラをたっぷり使った炒めもの。立ち上るニラの香りが食欲をそそります。緑のニラと比べてしんなりして穏やか味わい。食感は長ねぎに近いかな。クニっと絶妙な噛みごたえの自家製ベーコンは、塩気とジュワっと溢れ出る旨味のバランスがとってもよいです。 『鱧の香味炒め』 香ばしい衣を纏った旬の鱧。細かく刻んだパクチーの香りと、鼻に抜ける爽やかな花椒がクセになりそうです。ほわっとした鱧の身の柔らかさがいいんですよ。 『八宝湯』 サービスの薬膳スープです。軽やかな旨味に酸味を楽しめる一杯。様々な食材の味や風味、香りが一体となった複雑で不思議なスプーンが止まらない味わいです。 『鹿のアキレス腱の煮込み』 プルシコな躍動感を感じるアキレス腱。ハムや干し椎茸などでとったスープで煮込まれています。口に含めばどこまでもコラーゲン。キリっとした生姜の風味がアクセントです。 『アスパラとバイ貝の炒め』 アスパラがとにかく見事!大振りで食感はサクサク。エグミなどはもちろん無く、強めの甘みの向こうに感じるほのかな苦味がとっても美味しいです。バイ貝の旨味と歯ごたえがまたいいですね。 『大海老のチリソース』 プリップリで大きな海老がゴロゴロ入る一品。色合いは控えめですが、海老の旨味にしっかりしたピリ辛を楽しめます。下に敷かれるのはニンニクの風味を纏った煎り胡麻。プチプチと弾けるような食感が楽しいです。 『フカヒレの煮込み』 コリコリと小気味いい口あたりのフカヒレ。海老の卵を使った餡が風味豊かで美味しいです。 この辺りでお腹もいい感じになってきたので、〆をお願いします。 『里麺』 お店の名物メニュー。以前、神保町に支店があったときはランチでよくいただいていました。緑色のクロレラ麺を使った極々シンプルな油そばですが、自家製チャーシューの旨味や胡麻油、ニンニクなどの風味が一体になって奥深い味わいを楽しめます。プリシコな麺がとにかく美味い! 〆まで入れて計9品。すっかりお腹も満足です。全体的に味付けは穏やかですが、その分素材自体の味わいを存分に堪能できます。高級なものや珍しい食材をカジュアルに楽しめるお店。 ごちそうさまでした!

10

埼玉県

焼き鳥

Katsuhira  Takano

味噌ダレの絶品焼きとんが楽しめるお店。その佇まいだけで飲めてしまう銘古典酒場です。 蕨駅東口を出て数分。闇夜に浮かぶ屋号が入った赤提灯が目印です。引き戸を開けると目の前には煙がモウモウと立ち上る焼き場。その焼き場を中心に奥へと延びるコの字カウンター。創業から半世紀の店内はそこかしこに呑兵衛たちの歴史が刻まれています。 まずはひと通りの焼きとんが楽しめる6本盛り合わせ。焼き上がるまでのつなぎにマカロニサラダと煮込みをいただきます。お供はうれしい赤星ですよ。コリっと硬めに仕上げられたショートパスタ。ペッパーが効いた味わいはまさにアテ仕様。煮込みも脂の甘味とコクがたっぷり滲み出た鉄板の味わい。煮汁もたっぷりで汁飲みも楽しめます。 今夜はまだ品切れがなかったようで、盛り合わせはフルラインナップで登場です。かしら、たん、はつ、ナンコツ、レバー、シロ。小ぶりなサイズでつまみ感あります。にんにくがほわっと香るぺっとりした濃厚味噌。お酒に合わないわけないよねぇ。 白ホッピーに切り替え食べ進み、もう一つの定番の品、21世紀ダレで仕上げたかしらをいただきます。にんにくが効いた味噌とは違い、こちらはおろし生姜がたっぷり使われます。醤油ベースのキリっとした味わい。こちらもとっても美味しいですね。 まるでみたらし団子のようなタレを纏った上シロ。ぷっくりした食感と上品な脂感がたまりません。続くつくねは、ほわしっとりと絶妙なまとめ具合で時折さっくり感じる歯ざわりは蓮根?しかと手をかけている感じが伝わるひと串です。 ホッピーから“あれば頼む”バイスにバトンタッチし存分に焼きとんを楽しんだ後は〆の『とり豆富』を。じんわり染み入るお出汁にこってりまろやかな鶏油の味わい。プルっプルの豆腐にシャキシャキのねぎ。そして春菊の苦味がほどよいアクセント。ずっと飲んでいたい絶品スープです。 お店の味わい深い佇まいに味噌焼きの美味しさ、そして大将ご夫婦の柔らかで気さくな雰囲気がまた呑兵衛心をくすぐります。 できればさらに半世紀、ずっと在り続けてほしいお店。とっても酔いひとときを過ごせました。 ごちそうさまでした! #酒場