【金沢ふらり旅】 キリ番1,300投稿目は金沢の至宝、小松弥助さんです。 旧店舗時代に一度伺い、美味しい鮨とはどういうものかを知ったお店。一度お店を閉められ、その後復活されたと聞き、夏頃にふと思い立って電話するとテーブル席ならと予約が取れました。ホントはカウンターがいいんだけどなぁなんて思っていたら、予約日の1ヶ月ほど前に電話があり、カウンターで案内できるとのこと。ツイてる!喜び勇んで当日を迎えます。 現在のお店は料理旅館、金沢茶屋別館にあります。金沢茶屋のエントランスから中庭を抜けた先、控えめな屋号が目印です。真新しく明るい店内。上品で凛とした雰囲気ながら、どこか柔らかく優しげな空気も流れます。これはご主人の人柄からかしら。 『香箱蟹』 シーズンですね。ちょこんと載った爪が可愛らしいです。ほんのり塩味でそのままいただけば、フレッシュな蟹自体の味を存分に味わえます。そこに酢橘をギュっと搾れば、爽やかな苦味が拡がって際立つ蟹の旨味。酢橘はたっぷり絞るのがおすすめです。 『づけ』 鮪をさっと漬けたもの。しっかりした旨味が美味しい。大葉のベビーリーフ、ペリーラの風味がいいアクセントです。 『雲丹といか』 雲丹と切り方を変えたいかの刺身。身を薄くおろして短冊に切ったいかはねっとりした食感。もう一つの平らな切り身はジャクジャクしたもの。包丁捌きひとつで同じいかでもこんなに印象が違うものができるとはホント驚きです。 『あぶトロ』 金網をひと撫でするくらいに極々軽く炙ったトロ。脂がほんのり溶ける程度で表面が少し温まるくらい。表面が温まる分、レアな身の冷たさが引き立ちます。脂の甘みがいいね。 『甘海老』 ご主人自ら手渡し。これがカウンターの楽しみなんですよね。“溶ろける”というのはまさにこのこと!シュンっと鼻に抜ける山葵がまたたまりません、 『いか』 短冊切りのいかをごま塩でいただきます。口に入れるとほろっと解けて口いっぱいにいかの味わいが広がります。 『海老のすりおろし』 ほんのり優しい海老風味。トロっとした口当たりにクリスピーなあられが楽しいアクセント。 『煮はま』 美しく輝く艶やかなツメを纏った煮蛤。ツメの味わいはほんのり甘く芳醇。蛤の身のレア感が見事。 『ひらめ』 これも手渡し。「左手で取って右手でそのままね」。切り身を重ねて握ったもの。肉厚で旨味たっぷりです。 『穴子』 ゆず塩で。身はしっとりしてとんでもなくソフト。口に入れた途端にほわっと溶けてなくなります。 『白山』 お店のスペシャリテ。鮪と雲丹の山かけ丼です。とろろを白山連峰に積もる雪に見立てているのかな。鮪と雲丹の味わいがとろろを介して見事に融合しています。 『うなきゅう巻き』 炙りたてを巻いて出してくれます。酸っぱくない鰻ざくですね。炙りたてでいい香りの鰻とさっぱりシャクシャクのきゅうりがベストマッチ。 『鯛のお吸い物』 鯛のアラで出汁を取ったもの。優しい味付けでホっとひと息つけますね。 ひと通りのコースはここまで。後はお好みで追加です。やっぱり定番の『ねぎとろ巻き』でしょう! 鮪を粗くたたき、白葱を合わせます。山葵をちょんと添えてパリッパリの海苔に巻いたところを手渡し。鮪、ねぎ、シャリ、山葵、海苔、それぞれがしっかり主張しつつ、ちゃんとまとまりのある味わい。これぞ日本一のねぎとろ巻きだ! あっという間の90分。繰り出される品をいただく度に幸せな気分に浸れる名店。食べていて感謝の気持ちが湧いてきます。次回はいつになるか分かりませんが、ぜひまた再訪したいお店です。 以前と変わらぬ充実した時間をありがとうございます。 ごちそうさまでした! #鮨 #金沢