2021年7月、麻布十番の閑静な住宅街にオープンした焼鳥店。「肉匠堀越」オーナーにして「鈴田式」を手掛けた末富信さんが仕掛ける新業態は、なんと薪を使う斬新なスタイルの焼鳥。 一斉スタート、おまかせコースのみ。炭火では無く薪火で焼く焼鳥。炭と違って水分を蓄えている薪で焼く。遠赤外線の力を使えない火入れ。そのための串打ち。これまでの焼鳥の概念が変わる。 鶏は高原比内地鶏を中心に、部位によって名古屋コーチンや長州鶏などを使い分ける。水分を含んだ薪火で焼くからこそ辿り着けるみずみずしさのある焼鳥は、無限で食べられてしまう。 串焼きと一品料理を良いテンポで出してくる、おまかせコースの構成も素晴らしい。薪焼の鳥串のほかに、鶏のリエットをたっぷりつけた地元麻布十番Mont-Thaborのトーストや、葛で作った鶏出汁の素麺なども。締めの炊きたて土鍋ご飯とデザートまで、すべてが素晴らしい。