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山路 力也さんのMy best 2018

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東京都

ビストロ

山路 力也

 2018年8月、浅草の路地裏にオープンした洒脱な作りのビストロ。こちらは人気フレンチ「HOMMAGE」が手掛ける新業態。オマージュの裏にあるから「noura」。  木の質感を生かした優しい空間はオマージュと同じ空気感があり、オープンキッチンのライブ感も加わって実に居心地が良い。  普通のフレンチをどこまで極められるか、という荒井シェフのチャレンジを感じさせる料理たち。オーセンティックでしっかりとボリュームのあるフレンチは、懐かしさをまとった正しい古き良きフレンチ。  素朴で優しい味わいのスフレパンケーキから始まり、ハーブクリームを包んだ自家製スモークサーモンや、シャルキュトリー、懐かしいのに新しい。こんな存在感のあるステックフリットを食べたのはいつ以来だろう。ヴィシソワーズもボウルでお代わりしたくなる。締めにお願いした魯肉飯もヤバかった。  前菜、スープ、メイン、デザートのプリフィックスコース。これでまさかの3,800円(税サ別)という破格の価格。これは定期的に来てしまうなぁ、間違いなく。

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東京都

焼肉

山路 力也

 2018年2月にオープンした焼肉店。浅草の名店「本とさや」の息子さんが開業。但馬太田牛を部位に応じてテーブルでの焼肉とキッチンでの炭火焼の二刀流で提供する。  メニューはアラカルトが中心だが、おまかせのコースも可能。この日はアラカルトで好きなものを選んで。黒板メニューもあるので、その日のオススメも楽しめる。価格もリーズナブルで普段使いが出来そう。  焼肉店なので基本は焼肉なのだが、やはりキッチンで火入れしてくれる炭火焼を織り交ぜられるのがアドバンテージ。肉厚のタンやハラミなどは焼肉とは違った魅力を引き出してくれる。ホルモンも部位によっては太田牛のものも出してくれる。  頭数の少ない但馬太田牛をこれだけ揃えているのは都内でもほとんど無いと思うが、太田牧場の方と繋がりを持てたことによりルートが確保出来たそう。若いご夫婦の接客もアットホームで心地良い。

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東京都

牛料理

山路 力也

 「ボニュ」オーナーの来栖けいさんが手掛ける焼肉店が5月グランドオープン。純国産黒毛和牛「竹の谷蔓牛」と黒毛和牛を掛け合わせた稀少な「いぶさな牛」専門の焼肉店。プレ期間中なのでおまかせコース一種類のみ。十数種類の部位をおまかせで出して貰い、追加で他の部位もお願いした。  基本的にはフルアテンド。この日は来栖さん自ら着いて頂けた。部位ごとに異なるカット、焼き方によっていぶさな牛の様々な魅力を表現している新たな世界観。コンロの炭は近火から遠火まで作り、網ではなく鉄板で焼くスタイル。肉を焼くとはどういうことか、理にかなった焼き方。網で焼く焼肉のデメリットといわゆる鉄板焼のデメリットを打ち消した焼き方に哲学が感じられる。  そして何より肉の美味しさは赤身の美味しさが重要なファクターであるという事と、しっかりと「焼く」肉の美味しさを改めて確認する事が出来た。焼肉好きというよりも肉好きの人に強く強くお勧めしたい新店の登場だ。

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東京都

焼肉

山路 力也

 2018年4月にオープンこちらは「炭火焼肉燈花」の新業態。1Fがステーキ、B1が焼肉と2フロアで提供スタイルが異なる。今回は地下の焼肉業態へ。  NYの地下をイメージしたという店内は、1Fの料理も作るオープンキッチンが置かれる。生肉許可を取っているので、肉の刺身や肉寿司、口の中でとろける「ビフトロ丼」など、生肉料理も多数楽しむことが出来る。  究極の肉を目指したという「スーパーミート」はいくつもの赤身肉を網脂で巻いたオリジナル。「鉄鍋焼きすき」は鉄鍋の上で肉だけではなくご飯も軽く焼いて肉に包んで食べる。  作り手自身が肉が好きだという想いが伝わってくる、美味しくて楽しい焼肉店。デート使いでも気の置けない仲間達との会食にも使えそう。

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東京都

鉄板焼き

山路 力也

 2018年8月、白金から恵比寿に移転リニューアルした和食店。こちらは人気フレンチ「AU GAMIN DE TOKIO」の和食業態。これで地下が和食、一階がイタリアン、二階がフレンチと全て系列店になった。  白金時代はHANAREという名前で、フレンチのエッセンスを効かせた料理だったが、恵比寿では平仮名のはなれとなり、メニューもガッチリと和食に。キッチンとカウンターの間には囲炉裏が設えてあり、そこで魚などを焼く。  そんな囲炉裏で焼き上げる鰻串や、お代わりしたくなるような肉豆腐、そしてギャマンのスペシャリテであるトウモロコシのムースなど、洗練されつつも遊び心溢れる料理の数々。おまかせのコースで一通りの名物を楽しむ事が出来る。  白金時代も好きでちょくちょく行っていたが、今回もまた寄ってしまうのは確定。夜中までガッツリ和食が食べられるのも、夜行性の僕には大変ありがたい。

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東京都

フランス料理

山路 力也

 恵比寿の路地裏に6月オープンした一軒家レストラン。閑静な住宅街の一角に忽然と現れる可愛らしいお店。話には聞いていたけれど、とにかく超隠れ家。  ロオジエなど数々のレストランを経て、パリのRestaurant Solaのスーシェフを務めた女性シェフによる料理は、どれも繊細かつ質実剛健で素材を大切にしたものばかり。  「何を食べたのか」をしっかりと訴求する料理設計がいい。バックストーリーがしっかりしていて、作り手の顔が見える料理から伝わるのはシェフの人生。  サービスなどまだ拙いところはあるものの、これからが楽しみな佳店。きっと私はまた足を運ぶ。

山路 力也

 2018年3月にオープンした肉と野菜とナチュラルワインの店。オーナーシェフの佐藤さんは、新宿御苑の人気店「勘之丞」で長年店長を務めて独立を果たした。  カフェのような開放感ある店内は佐藤さんが一人で切り盛り。勘之丞時代の人気メニューはこちらでも健在。香ばしさと柔らかさを楽しめる「半生ハンバーグ」はもちろん、炭火を使ってじっくり時間をかけて休ませながら焼き上げる「塊肉炭火焼」は必食の逸品だ。

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東京都

創作料理

山路 力也

 nomaがKADOKAWAとコラボレーションし、東京で新たなチャレンジ。グランドオープンの6月29日に足を運ぶ。  KADOKAWAの自社ビルの裏手から専用の通路を抜けてエレベーターで9階へ。60席というキャパシティのレストランは、大きなオープンキッチンに面する形で開放的なダイニングエリアが広がる。他にもプライベートルームや、ウェイティングやアフターに使えるラウンジスペースも用意されている。  無垢のオーク材などの天然素材を中心に、様々な素材の持つ存在感を生かしたカスタムメイドのアイテムでデザインされた空間は、コンセプトに「日本と北欧の文化の融合」「Feel almost like home」が掲げられており、どことなく友人の家に招かれたかのような温かさと、日本人の心に訴求する懐かしさも併せ持っている。効果的に配されたダウンライトが料理を美しく見せるのはもちろんのこと、それぞれのテーブルのプライベート感も演出している。  ダイニングエリアから全貌が眺められるオープンキッチンの中には、ヘッドシェフのトーマス・フレベル氏をはじめ多くのスタッフが入れ替わり立ち替わり常に動き続けている。総勢約40人はいるというINUAチームのうち、キッチンには20人ものスタッフが配置される。ホールで接客するスタッフも皆フレンドリーで、時折フレベル氏自らも客席に料理を運び説明をする。声を出しながらオーダーを共有するキッチンとホールの淀みなきスムーズな連動、一体感が実に心地よく、よりライヴ感が高まってくる。  コースは一種類だけ。動物系の素材はほとんど使用せず、魚介系素材は数種類のみで、野菜や果物、豆類やナッツ、茸類、そして「花」を多く使うアプローチの料理が並ぶ。豆腐や湯葉、味噌、麹など日本の発酵食材も効果的に使い、料理を彩る器やカトラリーにも日本のクラフトを積極的に使うことで、日本と北欧の融合を見事に演出してみせたばかりか、私たち日本人が気付かなかった日本の食材や素材、工芸の魅力も再認識させてくれる。  日本と北欧の融合というテーマはもちろんだが、INUAの料理の根底には大地の豊かな恵みと力強い生命観が横たわっている。見た目にも華やかで美しい料理から伝わる、自然の力強さと生命の躍動感。ともすれば難解で伝わり辛いコンセプトを、INUAの料理は美味しく楽しく分かりやすく私たちに体感させてくれるのだ。

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東京都

ラーメン

山路 力也

 12月8日オープンの新店。水道橋や神田で人気のラーメン店「勝本」が満を持して「集大成」の新業態を東銀座に。店主の松村靖さんはフレンチのシェフ。京都全日空ホテルで総料理長を務めたキャリアを持つ。  銀座の一等地、8.5坪の店はまるで割烹か寿司屋のよう。そこにゆったりと6席だけが配置されている。設えも空間の使い方も実に贅沢で銀座らしい。  キラキラ輝く黄金色のスープはフランスバルバリー鴨と名古屋コーチンで取ったもの。仕上げに生ハムとローストしたキノコ、トマトを使う。タレや調味料を使わず、味を整える程度にフランスゲランド塩を使うのみ。スープの旨味だけで食べさせる。  麺は浅草開化楼の製麺師、不死鳥カラスさん渾身のオリジナル低加水細ストレート麺。デュラムセモリナ粉も使うことで軽やかな食感となっている。石川加賀の焙じ茶がスープを邪魔せずにそっと寄り添う。  オリジナリティがあって美味しさもあり、そして料理としてもしっかりとした技術が駆使されている逸品。これが850円はあまりにも安過ぎる。そして料理店としての品格を持った接客と設えも素晴らしい。

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福岡県

フランス料理

山路 力也

 良質かつ上質なレストランが集まる西中洲エリア。老舗フレンチ和田門の並びに新しく出来たビルの5階。エレベーターで上がると漆黒の扉がお出迎え。看板らしい看板はないが、良く見ると黒い扉に黒い文字で店名が記されている。  こちらは2018年10月にオープンした、イノヴェーティヴフュージョン。フレンチベースのイノヴェーティヴフュージョンというだけなら、さほど珍しくはないのだが、この店はさらに焼鳥をフュージョンさせている。  フレンチ×ブロシェットで30品目の少量多皿コース。最初に調味料として25種類の塩が示されて、その中から好みの5種類を選ぶ。前半戦はフレンチベースのイノヴェーティヴフュージョン。振り切り過ぎずにどっしりフレンチ感もあるのがいい。  そして後半は博多いちばん鶏を中心に備長炭で焼き上げた焼鳥。厳密に言えばフレンチのブロシェットとブーシェのスタイルで焼き上げて提供していく。オーナーシェフの澁谷昌孝さんは、リッツカールトン出身のフレンチシェフ。焼鳥に関しては焼鳥の職人に教えを請うて自らスキルを磨いたのだそう。  ベクトルの違うジャンルをシームレスにコースにまとめてあって楽しく、しかも価格はリーズナブル。サービスもきめ細かくて良いお店。