21年にわたりロブション・グループで腕をふるってきた渡辺シェフが待望の独立。浅草隅田川沿いという場所の一軒家レストランは、1Fのキッチンから4Fのテラスまで螺旋階段で貫かれている。やや狭小な敷地を上手く縦に使って、リバーサイドという立地を生かした作りになっている。 浅草駒形という場所らしく、料理は和と仏の華麗なる融合が成された独特な世界観。イメージカラーのオレンジを巧みに使いながら、江戸野菜や浅草伝統の素材などを上手に組み合わせていくストーリーの組立が秀逸。 日本料理の演出も施しながら、フレンチとしての軸はぶれることなく、ソースをしっかりと感じさせるキュイジーヌモデルヌ。皿数も多くポーションもあるのは、昨今の少量多皿のトレンドへのアンチテーゼか。ヌーヴェルジャパニーズフレンチとも言うべき、新しいアプローチが清々しく心地良い。 #年末年始