Masayuki Wakui

Masayuki Wakuiさんの My best 2022

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1

埼玉県

和食

Masayuki Wakui

『2022年 フーディスト和久井の印象に残ったこの10軒』 10軒目 2020年創業の知る人ぞ知る鮨屋。 店名の由来は、大宮にある地酒酒屋の石丸酒店さんの横で角打ちをされていたことからきている。 ご主人の沼里裕幸氏は立ち飲み居酒屋を営みながら独学で鮨を学び、2011年10月から営業している高級立ち飲み屋「たちのみいしまる」を2020年8月に鮨屋「いしまる」としてリニューアルオープンさせた。 店内は一直線の白木のカウンターが印象的な凛とした空間が広がる。席はカウンター8席のみ。 鮨は独学とは思えない握りの完成度と一体感、そして鮨通を魅了する握りの進化と変化に他ならない。 シャリは赤酢に加糖をし甘みをプラスした、酸味・塩味・甘味ともにどちらも際立ち過ぎない、硬さや温度も好みなもの。 白身の種、味の濃い種、脂がのっている種の持ち味を万能に昇華している印象。 ●白甘鯛 神経〆 2.6キロ 福岡から直仕入れ 脂乗りも軽やかで切りつけも薄めで握りの導入としての穏やかな一貫。 仄かに昆布の旨味と後から昆布の香りが追いかける。 ●白星笛鯛 福岡から直仕入れ シコッとした強い食感に強い甘味があり、旨味の余韻が舌を喜ばせてくれる。 ●鱚 身はしっとりとそしてふわりと溶けスーッと柔らかなみがシャリに溶け込む。 昆布の香りほぼなく微かに旨味を添加している。 ●鮪赤身 酸味は主張せず鉄分のようなざらつきある風味。 切りつけに妙によりねっとりと崩れる柔らかなとした食感が存分に味わえる。 ●鮪小トロ この時期とは思えないねっとりとして余韻の残るまったりとした脂が舌上に留まる。 酸味がある事で脂の甘味が引き出され強調される。 ●鮪中トロ巻物 ねっとりとした口触り。叩かれたことで表面積が増し舌に旨味が強く伝わってくる。 パリパリ感が心地良い海苔がコクを与えてくれる。 ●小鰭 比較的キリッと効かせた酢の良い香りが抜け、少しエッジの残ったしめ加減だが酢による身の荒れなくしっとり。 脂乗りは穏やかなため乳化は少なく、シャリとタネの複合的ま酸味のコントラストが楽しい。 ●鯵 竹岡 飾り包丁による効果でサクッとした歯切れとプリッとした食感を強調。 旬の鯵らしい香りの高さとしっかりとした脂の旨味が感じられる。 ●新イカ 塩とスダチで。 面は仄かに粘着質が引き出されつつもサクッとした歯応えと甘味が舌に残る。 ●石垣貝 プックリと肉厚の身で甘みが強く瑞々しい。貝らしい甘味に満ちている。 ●平貝 温度は低め。サクッとした歯切れの後にほんのりとした甘味が広がる。 ●海胆・いくら小丼 初物のいくらは水に付けず赤酒とうすくち醤油で味付け。薄めの味付けの奥からグッと旨味が押し寄せてくる。 海胆はまったりとしながらもクリーミー。 まさに説明不要な小丼。 ●車海老 愛知蒲郡 茹で上げの車海老を芝海老のオボロ挟みで。 火は完全に入り切りブリブリと。天然らしい綺麗な色味と上品な甘みと香りが素晴らしい。 ●穴子 江戸前 此方は身の厚みや脂乗りは穏やかで脂もしっかりとのりトロトロ、皮目のゼラチン質も軽くトロリと存在。 繊維質を感じさせない仕事が見事。 ●玉子 しっとり感があるカステラスタイル。甘みは控えめ。

2

秋田県

寿司

Masayuki Wakui

『2022年 フーディスト和久井の印象に残ったこの10軒』 9軒目 2011年創業の東北の鮮魚の魅力が堪能できる鮨屋。 全国から食通が足を運ぶ秋田県を代表する鮨屋の一つと言っても過言でないお店である。 ご主人の生駒憲正氏は東京の某寿司屋等で修行されていたが、東日本大震災の年2011年に東北復興と発展のため地元に戻りこちらのお店を立ち上げた。 特筆すべきが鮨種の仕入れ。基本は市場を通さず地元や繋がりのある東北の漁師から直接仕入れている。 尚、地物に関しては地元漁師に専用の生簀を用意してもらいその日使用する分のみを仕入れる、漁港近くの立地だからこそできる唯一無二な仕入れの仕組みを確立している。 店内は清潔感のある和の赴きのある空間で、席はカウンター8席のみ。 鮨は江戸前鮨の概念を進化させた、この場所だからこそ成立する地方鮨の理想型。 ●ムラサキ雲丹 南三陸町 漁師から直接仕入れ 志津川湾でのウニ漁は年に5〜6日しか漁が解禁しない市場でも出回る機会が少ない貴重な天然雲丹。 プリッとした食感で身が黄色く上品な味わいが特徴。 ●炙り黒穴子 地物 塩とスダチで。直火の火加減絶妙で他では味わえないプリッとする食感と弾力が凄い。 黒穴子のポテンシャルをまざまざと感じることができる。 ●鮃・縁側 地物 透き通るかのような身は前日〆のためブリブリ。縁側はクリクリっとした歯触りがたまらない。 温度は少し低めながらも旨味がある白身ながらも強め。 ●ゴマフグ・白子 地物 こちらも身も鮃と同様にブリブリ。しっかりとした繊維質を感じる クリーミーさが際立ち香ばしく濃厚な白子との相性は言わずもがな。 ●カジキ 気仙沼 漁師から直接仕入れ 塩水で塩抜きしてから5日間寝かせたカジキは身はねっとりとしていて濃厚。 シャリとの相性が良く旨味の余韻が長い。 ●甘鯛・揚げ鱗 地物 内側に小ネギをはさんで。 柔らかな歯当たりの後に肉感のあるモチっとした食感で噛み締めると甘みを感じる。鱗のパリパリ感がアクセントに。 ●鰯 地物 走り 脂は皮下よりも身に感じる。しっとりとしていてパサつきなくシャリ酸味が旨味をより引き立てる。 脂ののりはこれから更に良くなるとのこと。 ●鰹 気仙沼 初ガツオ 漁師から直接仕入れ ふわっとした柔らかな身がとろっと漬けによる滑りを得て滑らかに滑り込み薫香が鼻腔を擽る。 ●赤貝 閖上 名残 漁師から直接仕入れ 大ぶりで厚みがあり磯の香りもあるが爽やかな香りにうっとり。ゴリッとした食感がよく旨味軽めなあっさりとした味わい。 ●ツブ貝 地物 コリコリという心地良い食感で程良い甘みがあり、シャリと馴染むことで浮き立ってくる印象。 旬になるとより甘さが増すとのこと。 ●岩牡蠣 庄内 走り 軽く火入し特製ごま油を提供前にひと塗り。 芳醇な香りが際立ち海の滋味が潮のように押し寄せてくる。 ●南蛮海老 地物 半日ほど塩で脱水。 ねっとりとした歯触りと濃い甘みは他に類がなくシャリとの馴染みも良い。 ●毛蟹 地物 初物 口の中でほろりと崩れるシャリと毛蟹本来の甘みが抜群のコンビネーションをみせる。 ●本鮪赤身 塩竈 巻き網 血抜きをしていないためフルボディな味わいで身質はごく細かく香りがあり肉としての旨味がある。 脂でなくコクでまったりとするほどの上質な赤身。 ●本鮪大トロ漬け 塩竈 巻き網 ほんのりした香りの後脂が甘く繊維が蕩け最後に旨味が残る。 シャリとの味のバランスは抜群で後を引く余韻が長い。 ●あん肝・奈良漬 地物 あん肝の濃厚なまろやかさと奈良漬けのシャープな味わいは出合うべくして出合ったかのよう。 赤酢のシャリはやや脇役な印象。 ●煮黒穴子 地物 煮て笹の葉炙りにしたもの。炙りとはとは異なる食感が舌を初めに喜ばしてくれる。 程よい粘度と甘みがありつつも個性を覆わないツメが印象的。 ●いなり寿司 郷土色豊かないなり寿司、米の持つ甘みが引き出されるため優しい味わい。

3

大阪府

ホルモン

Masayuki Wakui

『2022年 フーディスト和久井の印象に残ったこの10軒』 8軒目 道頓堀の名店『ふじ井(現在休業中)』の流れをくむもつ料理好きを虜にする和風もつ料理店。 関西圏においてモツ好きの人々の間で“西の聖地”と称されるお店である。 ちなみに予約不可のため毎日行列ができる。その人気は土曜日は開店1時間前に並ばないと1巡目に入れないほど。 こじんまりした店内は和やかな雰囲気で居心地が良く、席はL字のカウンター12席のみ。 メニューは和風煮込み、チレ刺身、タンシチュー、ミノゆびきなどの単品メニューが中心だが、それらを一通り味わうことができるおまかせがある。 ●和風煮込み さっぱりとした出汁で煮込まれた様々な部位の黒毛和牛のモツを使用した煮込み。 臓物特有の雑味や食感の荒々しさも臭みも全く無く、洗練されたホルモンの旨味だけが染み渡る。 ●チレ刺身 チレ(脾臓)の刺身をごま油で風味付けし、ウズラの卵黄を加えたユッケのような逸品。 刺身といっても一応湯引きしてあるそうだが、さっと湯引きした程度と感じるほぼ生の食感。 生レバーのようなねっとり滑らかな舌触りで甘みがあり、丁寧に下処理されているので臭みはゼロ。うずら卵と混ぜれば、まったりさが増す。 ●タンシチュー・テールシチュー しっかりと煮込まれたタンとテールのハーフ&ハーフ。 タンはホロホロ、テールはトロトロで箸で容易にほぐれる。あっさりした和風なソースは実に品良くまろやかな味わい。 ●ミノゆびき 綺麗なピンク色のミノは湯引きのようだが、ほぼ刺身と思えるくらいの火の通し加減。 貝類の刺身のようなコリコリ食感で、みずみずしく身が甘い。 全く酸味の角が立っていない酢醤油のようなタレが、新鮮なミノの味わいを引き立てる。 ●ネックスモーク・コールタン 首肉を桜のチップで軽く香り付けしたネックスモークと一度ゆっくりボイルした牛舌を冷製にしたコールタンのハーフ&ハーフ。 コールタンは噛むほど、タン本来の甘みがじんわり溢れ出てくる。 ●生せんまい 品質の高さや鮮度の良さだけでなく、丁寧な下処理が素晴らしい綺麗な生せんまい。 こんなにピンク色した生せんまいにはめったにお目にかかれません。 コリコリ食感とスパッとした歯切れが心地良い。 酢味噌胡麻ダレのオリジナリティの高さも見事。 ●たん焼 サクサクとした食感を残した仕上がり。 ●ハート焼き 焼いても臭みなし。旨みだけが凝縮。 ●心のたたき たたきと称してますが、ほぼ刺身といっていいレベル。 今まで感じたことのないサクッと歯が入る食感は鮮度の高さを感じることができる。 赤身肉の刺身を思わせるほど旨味が強い。 ●フク照焼 フクとは関東では“フワ”といい肺のことを指す。 ふわふわもっちりとした他にない食感を持っており、噛むほど牛の独特な旨味が溢れる。 ●テール雑炊 テールスープの出汁を使用した雑炊。シメにふさわしい優しい味わい。

4

高知県

日本料理

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『2022年 フーディスト和久井の印象に残ったこの10軒』 7軒目 2011年創業の高知食材を使った料理が存分に味わえる割烹小料理屋。 地元高知の食材を使ったシンプルながらも繊細で滋味深い料理が味わえるお店です。 店内は必要以上に飾らない洗練された空間で、程よい活気と大人な空気感が漂う落ち着いた雰囲気。 料理はグランドメニュー他に、四季折々の食材の魅力を際立てたその日のオススメ料理が揃う。 ●わら焼カツオタタキ 看板料理の「わら焼カツオタタキ」は、注文が入ってからひとつひとつ高温で一気に焼き上げる正真正銘の鰹の藁焼きタタキ。 カウンター席ではその焼き上げる様子を目の前で楽しめるので、臨場感あふれる鰹の藁焼きタタキを目でも味わうことできる。 使用している藁は梼原の無農薬の藁。轟々と藁が燃えますが、店内が全く煙たくならないのも魅力。 焼き上げられた鰹を氷で〆ずに、脂がしたたっている時に素早く切って提供される。 皮目はパリッと身質はきめ細やか!全く臭みはなく驚くほどの弾力と濃厚な旨味が強いのが特徴。 味付けは藁の香ばしい香りをダイレクトに感じることができる塩がオススメ!この食べ方も高知ならではの醍醐味。 ●うつぼ唐揚げ ウツボと聞くと少し抵抗があるかもしれませんが、ウツボは鰹に並ぶ高知の代表的な食材! 「うつぼ唐揚げ」は、プルプルの食感が特徴。 皮の下にたっぷり含まれているゼラチン質が加熱されることで旨みを増し、芳醇な味わいが感じられる。 ●四方竹の酢味噌和え 高知の郷土料理の「四方竹の酢味噌和え」は旬が10月中旬から1ヶ月と短い四方竹の魅力が詰まった箸休めに食べたい逸品。 ●あじすし 脂ののった鯵を使用した握り。〆に味わうのがベスト。

5

東京都

魚介・海鮮料理

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『2022年 フーディスト和久井の印象に残ったこの10軒』 6軒目 2017年創業の日本酒と魚料理の隠れ家的な店。 店内は10席ほどのカウンター席のみで、こぢんまりしたアットホームな雰囲気。 メニューは豊洲市場仲卸の特権を生かした鮮度抜群の魚介類を使用し、丁寧な仕事が施された季節を感じる料理が並びます。 ●かつおにんにくたたき 鰹のたたきをにんにくタレで和え、細切りにした白髪ねぎがのった逸品。 モチっとした食感の後、鰹特有のわずかに酸味を含む旨味が口いっぱいに広がっていくのが特徴です。 ●鰯の薬味海苔巻き 脂ののった鰯を塩で締め、ガリや胡麻、大葉などの薬味をのせ、海苔で巻いたもの。 鰯のとろける食感とコクのある光り物独特の脂の旨味、酢と薬味のさわやかな組み合わせがよく、スターターとしてベストな料理。 ●とこぶし煮 とこぶしを手間暇をかけじっくり柔らかくなるまで煮上げている印象。 口に入れた瞬間に幸せが訪れ、そして噛めば噛むほどしっかりと浸み込んだ旨みのエキスが溢れてきます。 ●あじフライ 刺身用の鯵を目の前で捌きさっと揚げて半生に仕上げており、微妙なクセすら微塵もない味わい。 サクサクの衣から現れる身はふっくら。鯵にとって鮮度と仕事がいかに重要であるかということを痛感されられるワンランク上のあじフライです。

6

東京都

ピザ

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『2022年 フーディスト和久井の印象に残ったこの10軒』 5軒目 イタリア北東部カトリカで修業したピザ職人の店主が手掛けるイタリア家庭料理店。 2人掛けのテーブル席が3卓のみのこじんまりとした店内の厨房には、巨大な石窯が鎮座している。 メニューはピッツァとパスタに、黒板に書かれた日替わりの一品メニューが揃う。 個性派ピッツァは旬の食材を使ったものからデザートピッツァまで多彩。 石窯で焼きあげるピッツァの特徴は、ナポリピッツァ専門店の生地とは異なる生地。 膨らみが抑え目で粉が詰まったシットリかつフンワリの非常に優しい食感。 ちなみに一般的な生地は数時間寝かすところ、こちらのお店では48時間も生地を寝かせてるそう。 今週のピッツァは「シラスのピッツァ」!真っ黒な生地にはイカ墨が練りこまれている。 具はシラス、枝豆、紫玉ネギ、青ネギ、モッツァレラ、半熟玉子といった構成。 仄かに残る風味と味付けのイカ墨生地に、シラス塩味とシャキシャキの青ネギや枝豆の甘さが和風感を演出しており、半熟玉子の卵黄のコクがとてもいいアクセントになっている。 モッツァレラのクリーミーさが突出しない、計算されたバランス感にピッツァ職人のセンスを感じることができる。 具の少ないシンプルな「辛いパスタ」は、ケッパーの酸味と爽やかな辛さのチリオイルが絡まったソースが重なり、香り豊かなローズマリーが醸し出す風味が心地良い。 麺はソースがよく絡む細めのリングイネを使用!滑らかな口当たりを引き出す茹で具合が素晴らしい。 旨味と同時に辛すぎないが確実にじんわりと浸透してくる辛さ。それでいて奥深い和風的な要素もある、麺類好きの琴線にふれる魅惑のパスタである。 自家製の「レモネード」もひと味違う味わい。 妙技が冴える店主の表現力に痺れるピッツァとパスタでした。

7

新潟県

寿司

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『2022年 フーディスト和久井の印象に残ったこの10軒』 4軒目 2021年創業の地魚と地酒が揃う鮨屋。 新潟市内の老舗鮨屋で活躍していた店主が独立しオープンさせた新潟沖の地魚と地酒が揃うお店である。 杉の一枚板を使ったカウンターが印象的な店内は、明るく清潔感がある落ち着いた雰囲気が漂う。 ランチメニューは南蛮えび丼、のどぐろ炙り丼、越後すし丼、スペシャル丼などの丼ものに、3種類(華・極み・芽)のお決まり鮨が並ぶ。 看板メニューの「南蛮えび丼」は、ピンクの光沢が美しい佐渡・赤泊港の南蛮エビをこれでもかとたっぷりのせた贅沢な丼!ランチでは茶碗蒸し、小鉢、味噌汁、デザートが付いてくる。 ちなみに南蛮エビは正式和名を「ホッコクアカエビ」といい、一般には「甘エビ」という名で知られている。新潟ではこの色鮮やかなエビを地元で「なんばん」と呼ぶ赤唐辛子に似ていることから、「南蛮エビ」と呼んでいる。 丼にのせられた大ぶりな南蛮エビは15尾以上。身の張りが抜群で、口に運ぶごとにプリッとした歯応えと口いっぱいにコクのある優しい甘みが広がり、南蛮エビならではの上品な余韻が続く。 丼の酢飯に使うのは鮨に合うと言われる厳選した岩船産コシヒカリ。こちらの酢飯に笹川流れの塩を軽くちりばめ、味にメリハリをつけているそう。濃厚な甘みをまとった南蛮エビとの相性はいわずもがな。 まずは何もつけずにそのまま!次に南蛮エビを原料にした、特製の魚醤をつけていただくのがおすすめの食べ方。 この魚醤をかければエビの濃縮されたコクと風味が倍増し、南蛮エビのはじける食感と奥深い甘みに深く酔いしれることができる。 鮨屋の顔ともいえる「玉子焼き」や出汁の旨味が溢れる「茶碗蒸し」などの脇役の料理も抜かりなし。 新鮮な南蛮エビが一面を埋め尽くすエビ好きもノックアウトされる贅沢丼でした。

8

沖縄県

中華料理

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『2022年 フーディスト和久井の印象に残ったこの10軒』 3軒目 2022年3月オープンの蒸し中華と豚足の店。 香港やタイで修業した店主が腕をふるう、2022年3月オープンの本格的な中国料理が味わえる知る人ぞ知るお店である。 こじんまりした店内は、まるで香港にある小さな食堂のような雰囲気。 ランチメニューは豚足ぶっかけ飯、豚足煮込み汁そば、香港名物の土鍋ごはんなどを日替わりで提供。ディナーは予約必須で料理はおまかせのよう。 見た目のインパクト大な「豚足ぶっかけ飯」は、5時間以上煮込んだ豚足に秘伝の漢方醤油ダレをかけた逸品。お米は香港から仕入れたジンジャーパウダーなどを配合した出汁で炊き上げられている。 漢方醤油ダレは店主が長年研究に重ねて作り出した門外不出のタレのようで、ほんのり八角が効いた甘辛テイスト。 漢方醤油ダレがかかった豚足をレンゲですくってみると、プルプルと揺れる!豚足は箸でいとも簡単に切れてしまうほど柔らかい。 豚足自体は油分は多いが、こってりという感じは一切なく純粋に旨味を楽しむことができる印象。コラーゲンの塊でもある豚足を口に含むと噛む間もなく舌の上で溶けるようになくなってしまう。 トロトロの豚足にタレがしみた白米、そして卵といかにも台湾っぽさが好印象。卵は半熟! 十分に咀嚼した豚足とご飯を口に含めば思わずにやけてしまうほどの旨味が押し寄せてくる。 塩分濃度が絶妙な優しい味わいの「コラーゲンスープ」は、ぜひセットで注文したい。 ここでしか味わうことができないコラーゲンたっぷりの豚足ぶっかけ飯でした。

9

高知県

お好み焼き

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『2022年 フーディスト和久井の印象に残ったこの10軒』 2軒目 1982年創業のお好み焼き屋。 香南市のご当地グルメ「ニラ塩焼きそば」と言えば真っ先に名前があがる有名店である。 ちなみに廣末屋のある高知県香南市はニラの生産量が全国1位!春から初夏にかけては露地、それ以外の季節はハウス栽培をし、年間を通してニラを出荷している。 店内は掘りごたつ式のテーブルが2卓と、鉄板を囲むカウンター席が数席とこじんまりした雰囲気。 メニューはお好み焼きや焼きそばなどの鉄板メニューが豊富に揃う。 全国1位の生産量を誇るニラを使った名物の「ニラ塩焼きそば」は、たっぷりのニラに豚肉などの具と麺を塩ダレで味付けした逸品。 焼きそばの麺よりはるかに多い大量のニラが入っているのが特徴。 まずはじめに、鉄板に豚肉とイカを敷き詰め炒め、さらにニラの茎部分や人参などの入れて一緒に炒め、そして各具材に軽く火が入り次第その上に麺をのせ塩ダレを投入して、炒め合わせる。 味の決め手となる塩ダレは、ニンニクなどをベースにしたお店のオリジナル。 麺と各具材を炒め合わせた後に、どーーん!と大量のニラ投入!こちらのお店では約3束分のニラが入っている。 使用しているニラは地元の夜須町産。毎日当日朝に採れたニラを近所の生産者さんから直接仕入れているそう。 鉄板で豪快に焼き、塩ダレで味付け。仕上げに天かすと刻み海苔、糸唐辛子をのせて完成。 麺はモチモチとした中太麺。 ニラと豚肉と塩ダレの3重の旨味が麺に絶妙に絡み、ニラ独特の香りとシャキシャキの食感が食欲をそそり箸が止まらなくなる。 大量のニラが入っていますが、ニラが新鮮だからこそ独特のにおいが少なく、むしろニラの甘みが存分に味わえる。 ニラは熱を加えると縮みますが、縮んだ後でも存在感は抜群。 半分ほど食べたところで小皿で提供されるにカットしたレモンを絞って食べれば、レモンの酸味が一層ニラの甘みを引き出す一味違う味わいに。 現地に訪れたこそ味わえる朝採れニラの魅力が存分につまった焼きそばでした。

10

岩手県

ラーメン

Masayuki Wakui

『2022年 フーディスト和久井の印象に残ったこの10軒』 1軒目 2015年創業の行列必至のラーメン店。 遠方からも多くの人が訪れる開店前から行列の出来る人気ラーメン店です。 店内はカウンター席と1人用のテーブル席が3卓とシンプルな内装で、らーめんに集中できる空気感が漂います。 メニューは、鶏そばを筆頭に煮干しそば、塩らあめん、比内地鶏とシャモロックの塩ラーメン、中華そば、 期間限定の昆布水つけ麺の麺類に、炙りチャーシュー丼などのご飯類のラインナップ。 美しいビジュアルの「鶏そば」は、麺とスープの一体感が群を抜いている一杯。 ラーメンは「よりおいしいラーメンをお出しする為に、一度に調理するラーメンは3杯までとしております」と店主のポリシーに基づき丁寧かつ繊細に作られています。 スープは秋田県比内地鶏、青森シャモロックのガラ、住田町清流の丸鶏を使用。鶏の旨味が強くカエシも豊潤な淡麗鶏清湯。 醤油は濃口、薄口の生醤油やたまり醤油など7種類をブレンドしているそう。 ひと口啜れば鶏油の香りに包まれ、醤油そのもののキレ、鶏の下支えの影響受けた醤油の旨味、醤油のコクの深みがじんわりと口の中に広がっていきます。 こだわりの麺は、北海道産はるゆたか、北海道産春よ恋、岩手県産ねばりごし等の国産小麦粉に内モンゴル産天然由来かん水を使用し毎日製麺している自家製。麺線が美しい細ストレート麺で、長めに裁断されやや柔らかめに茹でられています。 麺のしなやかさと小麦の爽やかな香りが心地よく、スープとの絡みが素晴らしい麺です。 隙のないレベルの具はチャーシュー、メンマ、三つ葉。 チャーシューは低温調理の燻製薫香が施されており、豚の旨みをしっかり感じることができます。メンマは材木状で柔らかく上品な味付け。 味わってみればわざわざ足を運びたくなる理由がわかる一杯でした。