Masayuki Wakui

Masayuki WakuiさんのMy best 2020

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東京都

寿司

Masayuki Wakui

『2020年 タベアルキスト和久井の印象に残ったこの10軒』 10軒目 2017年創業の築地本願寺の裏手に店を構える鮨店。 ご主人の青木桂太氏は、札幌の『鮨菜 和喜智』を皮切りに、『鮨 水谷』で2年半、『鮨 太一』で3年半と名店を渡り歩きながら研鑽を積み30歳で独立し、数々の名店で学んだ江戸前鮨の技を融合させた鮨を提供している。 店内は、華美な装飾を排した温もり溢れる空間で、席は檜のカウンターを囲む8席のみ。 佐渡島産のコシヒカリを使用したシャリは、コクのある赤酢をしっかり効かせた奥深い味わい。 口に含めばグッと酸が立った強い香りを放ちながらパラリとほどける。 鮨ダネは、シャリとの一体感のある味わいを意識し、熟成や酢〆などを過度ではなく、素材の持ち味を引き出すことに専念した仕事を施している印象。 ⚫︎本鮪赤身漬け 赤身は数分の現代風即席漬けで。 潤いのある身質は滑らかで、赤身特有の酸味は抑え目ながら旨さが映える。 ⚫︎本鮪中トロ 濃厚な脂の切れが良く文字通り舌の上で溶けていく。 満足度が非常に高く、各味覚に語り掛ける直球な味わい。 ⚫︎小鰭 肉厚な小鰭は2日寝かし旨みを引き出す仕事が施されている。 口に入れた瞬間に塩と酢が程良く溶け合い、咀嚼する度に旨味が溢れる。 後から、清々しい風味が口中を吹き抜ける。 ⚫︎真鯛 明石 野〆の真鯛2枚漬け 香りが高い真鯛は、じわりと舌に旨みが感じられる。 ⚫︎煮蛤 煮ツメ無しで供される煮蛤は、柔らかさの中にもプリッと弾力のある歯応えがある。 噛み締めれば旨味たっぷりの汁が迸り、豊潤なコクがじんわりと染み渡る。 ⚫︎イクラ軍艦 名残のイクラ皮が柔らかく、プチッと噛めば至福のひと時が訪れる。 ⚫︎鰆 とろけるような柔らかな身が口の中で甘さと強い旨みと共にとろけていく。 食べた後の余韻の長さに驚きを覚えるのも魅力。 ⚫︎鰤 口に含めば濃厚な脂と酸味が立ち、食べ進めるほどに旨味が増してくる。 その脂は煮切りをパッとはじくほど。 ⚫︎車海老 ピタリと火入れが決まった車海老は肉厚の超大車海老。 豊かな甘味のほかに車海老の香りを深く味わえる。 ⚫︎鱵 プリッとした食感と歯応えを楽しんでいるうちにやがて深いコクに頷いてしまう。 鱵にこんな底力もあるのかと新発見。 ⚫︎スミイカ 横須賀  3日寝かせたスミイカはパツンとした噛んだ時のキレの良さの後に旨味が続く。 ⚫︎蝦蛄 ふんわりした食感に続き甘味がにじみでてくる。 シャリとの穏やかな調和は極上。 ⚫︎春子 軽やかな酸味とふくよかな旨味が合わさり口福に満たされる。1 ⚫︎鯖 鯖の重層的な味を演出する仕事が施されている。 とろけるような舌ざわりとシャリとの抜群の相性は思わず微笑んでしまうほど。 ⚫︎ホッキ貝 表面を軽く炙ったホッキ貝は香ばしく、艶やかな甘味を含む汁が迸る。 ⚫︎帆立貝 淡白な味ながら、とびきりサックリした歯ざわりは心地良い。 ⚫︎海胆軍艦 坂井の海胆 口溶け良く甘みもしっかり香りも良い。 ⚫︎穴子 塩とツメで供される。 身はしっかりと見えますが、口の中で程よい時間存在した後にゆっくり溶ける。 ⚫︎玉子 きめの細やかな食感でまんべんなく空気を含んだ凛とした仕上がり。

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沖縄県

沖縄料理

Masayuki Wakui

『2020年 タベアルキスト和久井の印象に残ったこの10軒』 9軒目 那覇市久茂地オフィス街の路地裏に建つ歴史と伝統を受け継いだ琉球料理店。 1957年に沖縄の食文化に詳しいエッセイストで評論家の古波蔵保好氏が那覇市美栄橋に創業し、その後60年に久茂地に移転し現在に至る。 なお店名の「美榮」は開業時の地である美栄橋町に由来する。 店内は、まるで時間が止まったかのような空気感で、琉球漆器の器や壺屋焼の酒器などが部屋を飾る。 部屋数は、1階のテーブル席1部屋と2階の和室4部屋の個室5部屋となっている。 目でも楽しめる料理は、昼、夜ともにコース料理のみ。 美しい朱塗りの盆や味のある琉球漆器盛り付けられた料理は、出汁や素材本来の味や香りを十分に堪能できる逸品ばかり。 ●モーイの豆腐 いばらのりという海藻を使ったやんばるの行事食として古くから伝えられてきた伝統料理。 寒天寄せのような食感で口当たりは滑らか。磯の香りが食欲を誘いさわやかな味わいが楽しめる。 ●金美人参の煮付け 雑味のない味付けが、人参独特の香りが薄い金美人参の甘さをより際立てている。 ●ぽうぽう メリケン粉を水でといたシンプルな生地に甘めの肉味噌を包み、棒状にクルクル巻いたもの。 モチモチの薄生地に肉味噌のコクが見事にマッチしている。 ●なかみの吸いもの 丁寧に下処理を施した豚の胃袋と腸を鰹出汁と肉出汁の合わせ汁に添えた椀もの。 臭みは皆無で味わいはあくまでも淡白。あっさりと澄んだ上品な味わいは意表を突かれるほど。 ●芋くずあんだぎい さつま芋の澱粉を水でとき、蒸した紅芋と一緒に潰してからこね合わせて塩を加えてさっと揚げたもの。 表面はサクサク、中はモチっとした食感で甘さは控えめなおやつ感覚でいただける逸品。 ●みぬだる、昆布巻き、地漬の三点盛り みぬだるは、黒胡麻で覆われた真っ黒な豚肉の姿が蓑のように名付けられた逸品。 豚肉の断面は白く、濃厚な黒胡麻と対照的なしっとりした上品な旨味が印象的。 昆布巻きは、甘さ控えめで昆布の旨みがカジキの旨さを引き立てる。 ちなみにカジキは石垣島で水揚げされた物を使用。 地漬は、大根と瓜を塩で下漬けした後、黒砂糖で漬け込んだ保存食。 口に含むと広がる黒砂糖が変化した独特の味わいが特徴。 ●らふてえ 三枚肉をゆでこぼし、醬油、泡盛、砂糖で2日がかりで甘辛く煮込んだ琉球料理を代表する逸品。 脂身が唇に吸い付くほどとろける食感が印象的で、脂っこさやしつこさをまったく感じさせない。 澄んだ旨味と鼻に抜ける泡盛の香りで余韻も愉しむことができる。 ●ミミガーの和物胡瓜ピーナッツ和え 下処理し塩漬けしたミミガー塩抜きし、南京豆と胡瓜ともやしと和えたもの。 甘みと酸味のバランスが良く、コリコリとした食感が楽しい。 ●昆布いりち 美しい包丁さばきにうっとりする昆布いりち。 柔らかい昆布は口の中で溶けるようで、旨味の深さに思わずうなるほど。 ●豚飯(とんふぁん) 小さく切った肉、ニンジン、かまぼこなどを豚汁で炊いたご飯に、鰹出汁のきいた汁をかけて食べる料理。 円やかで優しい味わいは締めに相応しい。 ●ぬか漬け 青パパイヤのぬか漬け。 酸味の爽やかさ素晴らしくシャキシャキの食感が心地良い。 ●冬瓜漬 琉球王朝時代から王府や冊封使へ提供した琉球伝統菓子。 冬瓜のみずみずしい糖蜜の甘さが溢れだす良い味わい。

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東京都

寿司

Masayuki Wakui

『2020年 タベアルキスト和久井の印象に残ったこの10軒』 8軒目 1970年創業の住宅街にひっそり店を構える鮨店。 以前は「すし初」という店名で街に根付いた街場寿司屋だったが、2代目店主の鹿野亮氏が街場進化系鮨屋を目指し従来のスタイルを一新し、2017年に「鮨かの」と店名を改名し、街場進化系鮨屋を目指し再スタートさせた店である。 手入れが行き届いた店内は、気負わず飾らず鮨を楽しむことができる空気感が流れる空間で、席はカウンターの7席のみ。 シャリは、群馬県川場村の雪ほたかを羽釜で圧力をかけて炊き、しっかりした味の赤酢を合わせるのがこだわり。 鮨ダネは、豊洲市場経由が中心だが、週1ペースで小田原産直鮮魚やケースによっては浦安の網元から仕入れている。 ・イクラ 青森 やや火入れをし仕込んだイクラは、仕込み立てらしく皮が柔らかい。 噛めばプチッと弾け、ホロリととろける舌ざわりの後に、スダチの香りが追いかけてくる。 ・香箱蟹 禁漁間近の香箱蟹を使用。 香箱蟹の身は、繊細な舌ざわりとほのかな甘味がありシャリと接妙に調和。 香箱蟹と卵黄醤油とシャリの組み合わせは問答無用の旨みを生み出してくれる。 ・鮃 小田原 2日寝かして旨味を引き出している。 香り高く、身のねっとりとした舌ざわりと上品な旨味が溢れる。 ・鱵 軽く昆布〆した鱵はプリッツとした食感で、繊細な香りと次第に高まる旨味がある。 ・春子 芝海老のオボロをかませて優しい甘味を添えた春子。 ほどよい歯触りの皮がしっとりとした身を引き立てている。 ・金目鯛 勝浦 1週間寝かした金目鯛は、厚みを持って切りけた身がとろりととろける。 脂の甘みが程よく、長い旨味の余韻が印象的。 ・帆立 掌で潰し柚子をかませて握られる帆立。 しっかりした味の煮ツメが柔らかく口溶けの良い帆立の魅力を活かしている。 ・車海老 酒蒸しすることでより甘みが際立つ車海老。 プリプリと身は柔らかくジューシーで、優しい甘みが瞬時に広がる。 ・本鮪赤身 この時期では珍しい銚子産  美しい紅鮮色を放つ赤身は、酸味・旨味のバランスが良い。 鉄分の持つ微かな酸味が、濃厚で鼻に抜ける爽やかさを演出している。 ・本鮪中トロ 大間  1週間寝かした中トロは、舌に吸い付くようなしっとりとした食感と旨味が特徴。 余韻が長い旨味はこの季節の本鮪の醍醐味。 ・雲丹 ほどよい磯高と透き通った甘味と溶ける食感。 軍艦にしないことで、雲丹本来の味わいが愉しめる。 ・穴子 こちらの顔の一貫でもある穴子は知り合いの穴子卸から選りぬきを仕入れられたもの。 食感はあくまでもふんわり柔らかで、ビターなツメと絶妙な相性を示してくれる。 ・小鰭 ややレアな仕事の小鰭は、しっとりシューシューな食感と味わいが魅力。 キリッと〆られたことで、脂の甘味の輪郭がはっきりしている印象。 ・巻物 かんぴょう巻き ・玉子 芝海老のすり身と瑞江のはちみつを使用した玉子。 芝海老旨味と香りを足した奥深い味わい。

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愛媛県

寿司

Masayuki Wakui

『2020年 タベアルキスト和久井の印象に残ったこの10軒』 7軒目 創業44年になる松山市一番町に店を構える鮨店。 地元愛媛の素晴らしい食材を見事に活かしながらもひとひねりした鮨を提供してくれるお店である。 ご主人の高平康司氏は、高校入学と同時にくるますしで修業を始め、その後銀座の名店『鮨よしたけ』にて8年間研鑽を積み2017年に父親に代わり「くるますし」のカウンターを引き継ぎ鮨好きを魅了している。 店内は、白木の一枚板を使ったカウンターとが印象的な和とモダンが共存する空間で、席はカウンター8席と座敷の個室がある。 シャリは、特注した羽釜で山形県産のつや姫を使い、米酢、赤酢を4種ブレンドしたもの。酸味は強くやや硬めの仕上げで、温度は理想に近い温度帯。 鮨ダネは、鮪と穴子以外は旬の地魚でまとめ、熟成に向く魚か香りを大事にする魚かを見極めた個性的な仕事を施している。 ⚫︎カワハギ 地物  神経〆し直ぐに肝をとり出している。 甘味と旨味が強く、ほどよく口の中でとろける肝に食感が楽しめる身が好対照。 ⚫︎イサキ 地物 10日寝かしたイサキは、脂の甘味を活性化させつつもしっかりと食感を残す。 ⚫︎カンパチ スダチと塩で供される。 1週間寝かしたカンパチはねっとりした舌ざわりだが、舌にべたつくことはなく、 心憎いほど旨味の余韻を残す。 ⚫︎本鮪赤身漬け 大間 137キロ 底深い風味が口の中をかけめぐる。 ⚫︎本鮪中トロ 大間 137キロ 2週間寝かした中トロは、しっとりした舌ざわりで程よい脂ののりが心地良い。 ⚫︎スミイカ 今治  神経〆したスミイカ肉厚で、ねっとり感と甘味が飛び抜ける。 ⚫︎渡り蟹手巻き 新居浜 鮮度抜群な渡り蟹を蒸しと半熟内子の合わせ技の手巻き。 熱々の渡り蟹は香り高く内子の旨味が後から追いかけてくる。 ⚫︎鰤  17キロ  さっと醤油を塗り供させる。 12日ほど寝かしてあるので、脂のとろけ方素晴らしくきめ細やか。 軽く炙っているので香りがより際立ち、旨味じんわりと押してくる。 ⚫︎赤貝 新居浜  2日から3日寝かし水分をはき出している。 シャクシャクした食感の後に旨味と酸味が押し寄せ、清冽な香りが鼻腔をくすぐり続ける。 尚、旬は12月から3月まで。 ⚫︎バフン海胆軍艦 2日寝かし旨味が増したバフン海胆。 濃厚な香りとこってりした味わいで絶妙な温度帯。 尚、地物の赤海胆は8月から9月がベストシーズン。 ⚫︎シラサ海老  地物  朝一購入したシラサ海老は氷〆。 茹で時間は頭はゆっくり、本体は1分ほど時間が異なる。 身全体に塩味のタレをうすく塗り、頭の味噌の部分に別のタレが塗る。 プリプリの身とシャリが口の中で混じりあいながら、しっかりとした甘みを発してくれる。 ⚫︎穴子 対馬 煮上げた穴子を笹の葉にのせ炭火で炙り煮ツメを塗り供される。 香ばしさとふっくらした口当たり。 ⚫︎玉子 芝えびと大和芋をたっぷり使用し約2時間かけて作られた玉子は上品なスイーツのよう。

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福岡県

寿司

Masayuki Wakui

『2020年 タベアルキスト和久井の印象に残ったこの10軒』 6軒目 1980年創業の閑静な住宅街に店を構える一軒家鮨店。 ご主人の瀬口祐介氏は、博多にある老舗鮨店『高玉』で10年間修業後にモナコ公国の五つ星ホテル「メトロポールモンテカルロ」に招かれ、和食やすしの技術指導としても活躍後、2012年に父が営むすし店を引き継ぎ名をあげている。 店内は、数寄屋造りを基調にした樹齢100年のイチョウの一枚板を用いたカウンターが映える空間で、席は10席のカウンターのみ。 シャリに用いるのは、佐賀の契約農家に依頼し約1年かけて天日干しをし水分量を整えてもらった専用の米。 ツマミ1品が提供された後にシャリ切りされたおり、酢を立たせたほどよい硬さで温度はやや高め。 鮨ダネは、上質な九州産を中心に全国から空輸したものを使用。 締め、熟成など、江戸前の丁寧な仕事が施されている。 ⚫︎クエ 五島 11キロ 透明感のある身は痛快な弾力性があり、噛みしめる程に複雑艶麗な旨味と旨味 が絡まりあい、心がほどけてしまう。 ⚫︎歯鰹タタキ 対馬  ねっとりと舌にからみつくような食感。 どっしりした脂の旨さ脂の旨さが強く感じられ、薫香が一体となって口の中に広がる。 ⚫︎魳 軽く塩をして酢洗い後に昆布〆を施したカマス。 表面を軽く炙る事で皮の旨味と香ばしさがグッと引き立ち、より脂の旨味が感じられる。 ⚫︎鯵 地物 先に軽く漬けを施した鯵。 嫌なクセは微塵もなく、肉厚な身は噛むほどに甘い。 ⚫︎本鮪赤身 大間 延縄146キロ やま幸 味醂と煮切り醤油に、切りつけた本鮪赤身を10分ほどつけて握られる。 酸味と熟れた旨味がコクのあるシャリと調和し余韻が後を引く。 ⚫︎本鮪大トロ 大間 延縄146キロ やま幸 脂が強すぎず、濃厚ながらもあっさりとキレのある後味が印相的。 酢を立たせたシャリとの一体感を舌の上で実感することができる。 ⚫︎小鰭 天草 平均的な〆具合の小鰭。 咀嚼していくと身はしっとり感を保っていて、上品な脂を感じさせてくれる。 ⚫︎煮帆立  煮た大ぶりのホタテを手で潰してから握られる。 貝柱のような帆立特有の食感と柚子の香りがほんのり感じられる。 ⚫︎鯖棒寿司 厳選された鯖を用いた鯖の棒寿司は、海苔の風味高く身厚な鯖の旨みが際立つ逸品。 ⚫︎車海老 握る直前に最終仕上げの火入れをし、香りと甘味を引き立てている。 プリッと弾けた後、スーッときれいに口の中でほどけてゆく。 ⚫︎イクラ・うに小丼 新物のイクラと大分県姫島の赤海胆に岩海苔の佃煮を添えて。 快楽的なイクラと磯香に気品が感じられる赤海胆の出会いは至福のひとときが訪れる。 ⚫︎穴子 対馬 ふんわり煮上がった穴子の身側だけを炙り、甘さ控えめのツメを塗り供される。 食感はあくまでもふんわり柔らか。 ⚫︎かんぴょう巻き かんぴょうを細かく刻んで白ごまと共に。 ⚫︎玉子 カステラのように甘くてフワフワ。

6

愛媛県

焼き鳥

Masayuki Wakui

『2020年 タベアルキスト和久井の印象に残ったこの10軒』 5軒目 創業25年を超える地鶏料理専門店。 国道197号線沿いとはいえ決してアクセスが良いとは言えない辺郷な場所にある囲炉裏を囲んで目の前で地鶏を焼くシステムの隠れ家的な地鶏料理専門店である。 古民家風の店内は、お香を纏った静かにジャズの流れる落ち着いた空間で、席は丸太風の椅子のテーブル席と座敷に囲炉裏が4組ほど。 メニューは、やきとり定食(地鶏焼き・みそ汁・あわめし・漬物・デザート)に、やきとり、すなずり、鳥皮の単品、ふかせどんぶり(親子丼)あげ餅、だんご汁などが揃う。 セリと共に提供されるやきとりは、脂肪分のかなり少ないもも肉。食べる前からプリプリの食感とわかる美しい色合いの地鶏の肉。 皮はついているが炭火で焼いても脂が少し出るだけでかなり引き締まった地鶏の肉の印象。 口に含み噛んでみると、地鶏らしい弾力もありながらもすっと切れる歯ざわり。 噛み締めるほどに濃厚な地鶏の旨味がジワジワ~と溢れ出し、程よく効いた塩と相まって旨みがアップしていく。また、セリの香りがさらに豊かさを向上してくれる。 鮮度抜群の地鶏を心ゆくまで堪能できる逸品でした。

7

福岡県

うどん

Masayuki Wakui

『2020年 タベアルキスト和久井の印象に残ったこの10軒』 4軒目 住宅街の一角に店を構える、長年地元で愛されている1985年創業のうどん店。 博多うどんの名店「うどん平」で修行を積んだ唯一の人物がオープンさせたお店でもある。 店内は、和やかな時間が流れる落ち着いた雰囲気で、席は厨房沿いのL字型カウンター13席に小上がり8席ほど。 メニューは、海老かき揚げうどんや肉ごぼううどんが定番として人気だが、温かいかけうどんに様々な具材と合わさったうどんメニューが豊富に用意されている。 肉ごぼううどんは、美しく透き通ったつゆが印象的なこれぞ博多うどんといったビジュアル。 大きな茹で釜で泳がせて湯がく平麺がポイントの自家製麺は、冬は2日・夏は1日ほど低温で発酵熟成させモチモチとした独特の食感を引き出している。 毎日茹でる直前に成形しているので、適度なばらつきがありふっくらふくよかで手作り感が存分に伝わってくる。 つゆは、カツオ節をメインに、昆布、ウルメで丁寧に出汁をとったコクを失わない薄味。 塩味が抑えられいるので、飲むほどに旨味が沁みて飲み干してしまうほど。 具は、ゴボウ天、牛肉、蒲鉾、ねぎ。 薄切りのゴボウ天は、薄くスライスされ歯ごたえがよく出汁との相性も抜群。 また、甘辛く煮こまれた薄切りにした牛肉は、味がよく染みて旨味がぎゅっと凝縮されている。 麺、出汁、具の三位一体のバランス感が絶妙な、まさに一度食べたら忘れられないうどんでした。

8

香川県

うどん

Masayuki Wakui

『2020年 タベアルキスト和久井の印象に残ったこの10軒』 3軒目 1962年創業のうどん界の仙人が作るうどんと呼ばれている、まんのう町のおすすめ観光スポットにもなっている言わずと知れたうどん店。 ちなみに本業は家族で経営されている米穀店である。 店内は、温かみある家庭的な雰囲気で、席は相席が基本となるテーブル席が20席ほど。 メニューは、大小サイズのうどんとトッピングの卵のみ。カウンターで温・冷とうどんと玉数を注文して丼を受け取るスタイルになる。 あたたかいうどんに生卵を絡めて食べる釜玉うどんは、瑞々しく光沢のある艶やかな麺が印象的な他では味わえない逸品。 うどんの味付けの基本は生醤油。そこに酢と自家製の青唐辛子の醤油漬けをお好みの味に調節して混ぜていただく。 釜あげの麺はやや細め。強めのコシに滑らかな舌触りで卵にも負けない小麦の香りがある。 シンプルな味だが噛み締める程に心地良い跳ね返りがあり、卵が絡むことにより麺の旨さがより一層引き立つ。 麺の旨さが際立つ毎日食べても飽きない珠玉の一杯でした。

9

香川県

うどん

Masayuki Wakui

『2020年 タベアルキスト和久井の印象に残ったこの10軒』 2軒目 1984年創業のうどん屋。 宮武ファミリー3店舗の中で唯一現在も営業している知る人ぞ知るうどん屋である。 店内は、無駄な装飾がない歴史が感じられるような内装で、席はデーブル席と座敷を合わせて50席ほど。 メニューは、かけうどん、湯だめうどん、しょうゆうどんの3種類。かけうどんは宮武ファミリーの代名詞の「あつあつ、ひやあつ、ひやひや」から選ぶことができる。 ひやひやは、茹でたての麺をおいしい水で締め冷たい出汁を合わせたうどん。 出汁は、いりこや鰹節、昆布をベースにした黄金色の出汁。冷やしていることでイリコの風味と旨みが際立ちながらも昆布の旨みが絶妙にサポートしている。 手打ち独特のねじれとくぼみが特徴の麺は、四角くコシがつよいもちもちとした弾力の太い豪麺。薪釜ならではの強い火力で湯がくことで麺の芯から茹で上がり、独特の強いコシが生まれている印象。 口の中で麺の一本一本が存在を主張するかのような抜群の噛み応えで出汁とよく絡む。 エッジが効いた麺と出汁の豊かな香りを存分に楽しむことができる一杯でした。

10

徳島県

魚介・海鮮料理

Masayuki Wakui

『2020年 タベアルキスト和久井の印象に残ったこの10軒』 1軒目 創業25年になる割烹料理店。 天然鯛の最高峰「鳴門鯛」の中から、さらに選び抜かれた「うず華鯛」が味わえる数少ないお店である。 店内は、木の温もりと趣のある落ち着いた和の空間が広がり、席はカウンターと座敷を合わせ60席ほど。 メニューは、鯛めし付きのコース料理を筆頭に、季節を先取りした野菜や近海で水揚げされた新鮮な魚などの素材の持ち味を生かした料理が揃う。 看板メニューである名物の鯛めしは、鳴門鯛をまるごと一匹を米の上にのせ塩と醤油で炊き上げる鯛本来の旨みを存分に堪能できる漁師料理。 鯛めしに使う鳴門鯛は、激しい鳴門海峡の潮流にもまれて育ち、引き締まった身と、鮮やかな桜色の体を持つ、最高の天然鯛と言われている。 目の前で土鍋のふたをあければ湯気が立ち込め、こんがりと焼き目の入った立派な鯛が、澄まし顔で姿を見せる。 鯛めしは、一度厨房で丁寧に骨をとり混ぜて茶碗で供される。鯛の身がほぐされ、ほどよくお焦げもついたご飯を頬張ると、鯛の旨みと甘みがじんわりと押し寄せ、後から出汁がほんのり香る。 鯛の旨味が感じられご飯とふわっふわの鯛の身が渾然一体となった鯛めしでした。