Masayuki Wakui

Masayuki WakuiさんのMy best 2018

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Masayuki Wakui

『2018年 タベアルキスト和久井の印象に残ったこの10軒』 10軒目 料理で表現するカンパニリズモを目指すイタリアンレストラン。 自ら畑を耕し収穫した野菜や果物で料理を作るだけでなく、生ハムやチーズ、ワインなども自家製のものも提供していることで有名なお店である。 オーナーシェフの笹森氏は20歳でイタリア料理の道に入り、仙台で調理技術を身につけ、 東京の一流店で経験を積み、イタリアでは生ハムなどを手作りする店で修業し、30歳の時に故郷の弘前へ帰りイタリア料理店「オステリア・エノテカ・ダ・サスィーノ」をオープンさせた。 当初から独立後に頭に思い描いていたお店の形は、イタリアでみてきた「自給自足のレストラン」。 自家農園で獲れる食材以外は、なるべく近隣の生産者のものを選ぶ。そしてその土地にしかない料理を作ることが笹森氏のスタイルである。 今回は夜の8,000円コースをいただいた。 ●鯵ヶ沢ジャージー種のブッラータ 自家菜園のバジルを添えて 鰺ヶ沢の牧場の牛乳を使ったブッラータは、モッツァレッラらしい弾力や表皮の張りなどのテクスチャー、そしてじゅわっと出てくるミルクの甘みをが強い。 添えられた自家菜園の野菜はフレッシュで香りが高いのが特徴。 ●自家製生ハムとハムの盛り合わせ 盛り合わせ内容は、自家製ハム、鴨肉の生ハム、ピスタチオ入りモルタデッラ、ガーリックポークのプロシュート、豚ほほ肉のペースト。 なかでも印象的だったのが鴨肉の生ハム。野性味あふれる味わいで、噛みしる程に脂の甘味がじわっと溢れ旨味の余韻が長く続く。 ●穴子の炭火焼き 自家製ハーブとエディブルフラワーを添えて 三陸産穴子を使用した炭火焼き。 穴子は表面にチャコール感のある香ばしい焼き目を付けてあり、肉厚な身はハリのある弾力を持った仕上がりになっている。 脂の乗りを感じる旨味とぷるんとした弾力のある食感が良く、柔らかい酸味と甘味のあるバルサミコソースが良く合ってとても美味。 ●フォカッチャ シャモロックのレバームースとムール貝の泡 風味はガツンとくるリッチなシャモロックのレバームースと泡に満ちたムール貝の旨味がフォカッチャに染み渡る。 ●ズワイガニと田子産黒ニンニクのスパゲティ ズワイガニの甘みと黒ニンニクの酸味が絶妙なバランスを奏でるスパゲティ。 高温多湿で熟成させた黒にんにくは、にんにく特有の匂いがしないのが特徴。 黒ニンニクのフルーティーさを見事にコントロールしており、食べ進めるほどに黒ニンニクの香りと味わいが深くなっていく。 冷製スパゲティとして提供するところが心憎い。 ●嶽きみのピュレのラヴィオリビーツピュレ イタリアのサマートリュフを添えて サマートリュフのリッチな甘さに悩殺されつつ、いざラヴィオリを口に含めばモチっと歯応えに続いて生地の持つ粉の旨味が広がり、中から溢れ出す嶽きみ優しい甘みとビーツピュレの酸味が生地の味わいをより引き立てている。 ●七戸金子ファーム産 牛肉のビステッカ 七戸金子ファーム産牛肉のサーロインを使用。 中心から外側に向けて熱が通る火入れで、牛肉の旨味をギュギュっと閉じ込めている。 表面はカリッとしているが肉の内部はナイフの刃がすーっと入るほどに軟らかく、赤ワインをベースにしたシンプルな味付けなので、素材の味がストレートに五感を刺激する。 添えられた自家農園でとれた濃厚な香りルッコラの苦みがアクセントになっているのが実にいい。 ●自家製のチーズ盛り合わせ イタリア産トリュフを用いたカチョカヴァロ、白カビタイプ、ウォッシュタイプなど幅広い種類のチーズをひとつのお皿の上に。 食べ比べが楽しく、途中でトリュフが香るアカシア蜂蜜と共にいただけばチーズの奥深さを感じることができる。 ●ティラミス 彩りも鮮やかな烏骨鶏の卵を使用したティラミス。 キウイのチップスのさっぱり感と濃密なクリームのティラミスの甘さがマッチする。 ●自家製ミントティー 自家農園のハーブを使用したミントティー。 フレッシュハーブの香りが食事の時間をより心地よい時間にしてくれる。

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愛知県

牛料理

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『2018年 タベアルキスト和久井の印象に残ったこの10軒』 9軒目 名古屋駅近くにビルの地下にある日本が世界に誇る和牛を様々な独創性の高い料理を提供する肉割烹。 使用する肉は、松阪牛・近江牛・飛騨牛のA5等級の中でも最高峰BMS11以上のもの。 肉師が産地や銘柄に甘えず一頭一頭目を凝らし、肉と会話をして最高の品質を実現している。 店内は、ビルの地下にあるとは思えないまさに大人の隠れ家といった雰囲気で、天板銀杏の一枚板が目を引く優雅な空間が広がる。 料理は、極上の和牛と季節の食材を駆使した料理が楽しめる。 訪問時に提供された牛は、年間は120頭ほどしか出荷されない特産松阪牛の46ヶ月飼育のもの。 特産松阪牛の定義は、松阪牛の中でも兵庫県産の子牛を導入し松阪牛生産区域で900日以上肥育したの名称。 こちらの牛を惜しげも無く使用したおまかせ最上牛コースでお願いしました。 ●黒鮑肝ソース 伊勢志摩の黒鮑を使用した、超高級グルタミン酸の共演といえる逸品。 松坂牛の出汁でのばした肝ソースが敷かれた上に10分間ほど低温調理し黒鮑がのり供される。 肉厚の黒鮑の身は肉厚で、適度な弾力のある歯ごたえとミルキーな旨味が食べ進めるほど増していく。 ●はだて生うにを松坂牛の出汁で 御殿場産の山葵をのせた上品な磯の香りがする生うにに松坂牛の出汁が絡み合うことで、 なめらかな舌触りの生うにの濃醇なコクが増す。 ●揚げいちじくキャビアを添えて 松坂牛脂で揚げた愛知産のいちぢくにベルギー産キャビアが添えられることで、いちぢくの甘みがより引き立つ。 ●友三角のお造り 1頭から2〜3キロしかとれない希少な牛肉の部位である友三角を前日に利尻昆布〆し2時間漬けて供される。 弾力性の歯ごたえがある友三角は噛み続けるほどに旨味が溢れ、漬け山椒がアクセントになっているので最後まで飽きさせない。 旨味の余韻が長いのも特徴。 ●白川の鮎と松坂牛の椀 輪島の漆器を使用した椀もの。 利尻昆布出汁、鮎出汁、松坂牛の出汁の3種類の上品な味わいの出汁が見事に共演している。 鮎の旨みが柔らかく炊いている近江牛を優しく包み込む。 ●タン元の炭火焼 旨いタンにはオーラがある。そして素材が「旨いぞ」と話かけてくるような勢いと風格がある。 断面はまるで桜のように美しい薄いピンク色をしている。 口にすれば軽やかで爽快感すら感じるほど柔らかくもサクサクと歯が入り、旨味をそのままにぎゅっと凝縮。 史上最強ののタン焼きと思える逸品である。 ●ハネシタの握り 芸術的霜降りが見事なハネシタの握り。 温度が絶妙な赤酢のシャリの相性もよく、口に含めば和牛香と繊細な甘みが広がる。 ●シャトーブリアンと黒鮑のしゃぶしゃぶ シャトーブリアンと黒鮑のしゃぶしゃぶはたっぷりの東京三つ葉と共に。 シャトーブリアンしゃぶしゃぶは、すぐにほどけてしまうほど柔らかい肉質がたまらない。 貝の王者の黒鮑しゃぶしゃぶは、なんともいえない妖艶な旨みを放つ。 ●冷麺 どんぐりの粉を練りこんだ麺を使った、盛り付けも涼しげな美しい冷麺は徳島県産のスダチでさっぱりと。 メインの前の箸休めとしてぴったりな逸品。 ●特産松坂牛サーロイン 46ヶ月飼育の特産松阪牛を使用したサーロイン。 絶妙な食感にするために料理人が繊密な火入れで焼き上げている。 まずじわじわと鼻腔をくすぐる甘い香りが食欲をそそる。表面は香ばしく中は美しいロゼ色に焼き上げられた肉は、噛みしめると今まで味わったことのないような凝縮された旨味が溢れ濃厚ながら上品な脂の甘みが舌の上に拡がる。 和牛香、肉の繊維、旨み、火入れの全て素晴らしい。 まさしく口福になれる逸品である。

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福井県

寿司

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『2018年 タベアルキスト和久井の印象に残ったこの10軒』 8軒目 福井市の郊外にある昭和50年創業の鮨屋。 県内外問わずお客さんが訪れるお店としても有名。 ご主人の塚田哲也氏は鮨十兵衛の2代目。 18歳で札幌の名店「すし善」で修行。平成25年に同店に戻り2代目を継承する際、それまでの町の寿司屋から大きく舵を切り、店舗を全面改装したという。 余分なものは一切無い広々とした店内は凜とした空気が流れ、奈良檜の一枚板でこしらえた長く美しい一直線のカウンターが目を引く。 鮨種は、北陸産の新鮮な魚介の良さを生かしつつ、江戸前の仕事をうまく融合している印象。 6割を福井の地物、残り4割を修行先であった北海道と築地を中心に仕入れているとのこと。 シャリは、赤酢と米酢を独自の比率でブレンドした酢の効いたもの。温度はやや高く固さは普通。 ●剣先イカ 福井産/手打ち網 パキッとした歯切れの良さを生かした包丁の入れ方で噛み心地は抜群。 塩とすだちでさっぱりと味つけしている。 ●甘海老 ねっとりとして甘く、上にのった卵のプチプチとした食感が楽しい。 ●赤身漬け 噴火湾 40キロ 短時間でヅケにしたもの。 鼻に抜ける香りがよく爽やかな酸味があり、コクがあるのに後味はさっぱり。 ●アラ 身はぎゅっと締まっていて、うまみもたっぷり感じられる。 この白身らしからぬ力強い味わいが、アラの魅力。 ●時しらず 脂がのってとろりまろやか。 鮭の甘味がストレートに舌に伝わってくる。 ●カツオ 脂のりがよくとろける口当たりとフレッシュな味わいを満喫できる。 ●ボタン海老 5日間熟成されたボタン海老。 海老の食感をしっかり楽しめるのに、とろけていくという口福になる味わい。 ●ゴマサバ 2枚重ねとして供されるゴマサバは、青魚の旨みと脂の甘みがストレートに、口いっぱいに広がる。 酢が効いたシャリが、サバの脂の甘さをさらに引き立てます。 ●真鯛昆布〆 前日に締めたものを昆布〆することで、身がしっとりとして、握りにもぴったり合う。 ●サンマ酢〆 旬のサンマは脂ののりがよく、酢〆することはでバランスの取れた味わいに仕上がっていいる。 ●鮪背トロ 身のきめが細かく、トロの脂の甘みと赤身のコクが同時に味わえる極上の部位。氷温で一週間じっくり熟成させているから旨みもたっぷり。 ●コハダ 塩と酢でしっかりと〆られた身は柔らかく、まろやかでなおかつ深みのある味わい。 ●黒ムツ昆布〆 塩をしてしっかり水分を抜いてから一昼夜かけて昆布〆にしている。 身はねっとりとして噛むほどに旨みが広がります。後に残る上品な甘さは日本海で獲れた極上の黒ムツならでは。 ●バフンウニ軍艦 利尻島産 クリーミーで濃厚な味わいとフレッシュな香りが楽しめる逸品。 ●穴子 ふわふわに仕上がったアナゴは口の中でシャリとひとつになり、さらに旨みが増します。 ●玉子

4

岐阜県

焼き鳥

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『2018年 タベアルキスト和久井の印象に残ったこの10軒』 7軒目 淡海地鶏の魅力を深く知るため、岐阜市にある「たか田八祥」ご出身の店主がオープンさせた焼鳥屋。 こちらのお店は、淡海地鶏が楽しめる焼鳥店と謳っているが、一品料理のレベルが高い鳥割烹と言えるお店である。 店内は、カウンター席、掘りごたつ席、奥には個室席もあり、焼鳥屋とは思えない上質なおしゃれ空間が広がる。 契約養鶏場から仕入れる朝挽きの地鶏のみを使い、希少部位の扱いが多いのが魅力の焼鳥のメニューは、定番ものから希少部位まで様々で、鶏肉には味わい深い肉質が特徴の滋賀県産淡海地鶏が使用されている。 使用している淡海地鶏は、フランス原産の地鶏と日本在来鶏種であるロードアイランドレッドから生まれた作られた地鶏で、飼育期間を平均120日にしているため、雌は脂が乗り、雄は肉が締まって雄らしくなる。とうもろこし主体の良質飼料に海老粉などを与えることで、見た目よりはるかにサッパリした旨い脂と肉の味の濃さが特徴。 素材の特性を知り尽くした焼加減と塩加減が絶妙で、食べ手を最後まで飽きさせない味わいの焼鳥である。 ●たたき 表面を炙ることで、淡海地鶏特有の風味や噛み応えが活きるの刺身とは違った野趣溢れる一品です。 ●さびやき レアめに仕上げるさびやき。新鮮なささみは弾力もありプリッとした食感で旨味が強い。山葵の風味が爽やかに香る。 ●ももメス もも肉は、オスとメスを選ぶことができる。メスは黄色の脂が魅力で、皮目はややパリッと焼いており身はレアに近く滑らか食感。 淡海地鶏特有の旨味の余韻が長い。 ●はつ 新鮮だからこそ出せるプリプリの歯ごたえ。はつの旨味を引き出す塩加減が絶妙。 ●つくね ふわっふわのしっとり食感と深い味わいが魅力。軟骨を練り込んだりしない王道を追求している。 ●蓮根 厚切りだとほっくりねっとりシャキシャキの部位による食感の違いが楽しめる。 ●ソリレス ほど良い硬さと弾力が絶妙のバランスを保っている良質なソリレス。旨味の濃さが強い肉質は噛むほどに、旨味が広がる。 ●首皮 首皮ももも肉と同様にオスとメスを選ぶことができる。香ばしさが素晴らしく、一口含むと首皮の旨みが溢れ後から甘みが追いかけてくる。 ●血肝 レバー特有の臭みは皆無であるのはただただ濃厚な旨みのみ。トロけるような舌触りに仕上げる店主の焼き技も流石。 ●ちょうちん 半熟のまろやかな黄身が口の中で弾ける。黄身に甘辛く絡むタレ焼きが美味。 ●親子丼 濃厚な味わいの卵と軽快な歯応えの鶏肉のバランスが見事な、鶏の旨味が存分に詰まっている親子丼。

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岐阜県

洋食

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『2018年 タベアルキスト和久井の印象に残ったこの10軒』 6軒目 肉割烹の名店「肉屋 雪月花」が手がける洋食店。 古民家を利用した建物の店内は和の情緒が漂い、趣きのある庭を眺めながら食事を楽しむことができる。 コンセプトは、ハンバーグやビーフカツといった洋食の定番メニューに、A5ランク以上のブランド和牛のみを使用する、この店ならではの斬新な洋食の提供。 オーナーの目利きにより一頭買いされる松阪牛・ 近江牛・飛騨牛などのブランド和牛を惜しげもなく使用し、料理キャリアのあるイタリアン、フレンチ、和食の各料理人が、ワンランク上の贅沢なひと皿に仕上げている。 なかでも、飛騨牛ヒレのタタキ、飛騨牛ヒレのハンバーグ、飛騨牛シャトーブリアンのビフカツの圧巻のラインナップは、これぞ和牛ヒレ肉の三段活用。 従来の洋食の固定概念ををいい意味で裏切ってくれる、まさしく肉屋にしかできない洋食の印象。 ●とうもろこしの冷製スープ 地元産のゴールドラッシュを使った冷製スープ。とにかくクリーミーで甘さの余韻が長い。 ●クレソンとトマトのサラダ 飛騨高山の野生のクレソンとアメーラトマトを組み合わせたサラダ。 一般的なクレソンより山葵の様な辛味がありとても野生的な味わい。 ●鮎のお造り 清流を守る文化が根付いている馬瀬川であがった捌きたての活鮎を使ったお造り。 食感が素晴らしく、高貴とも言える香りが鼻腔をくすぐり、旨味と甘みが幾度となく口中に届く。 ●飛騨牛ヒレのタタキ サマートリフ添え サシが入っていない飛騨牛ヒレを使ったタタキにサマートリフ添えた破壊力が凄い逸品。 噛むほどに出てくる強い旨みと何とも言えないフレッシュ感がある。 いつもの牛肉のタタキなら口中に残るはずの脂っぽさは全くない。 いまだかつて食べたことのない生の牛肉の味わい。 ●岩牡蠣グラタン 鳥羽畔蛸産の岩牡蠣を使ったグラタン。 丁寧に仕込まれたベシャメルソースが、上質な岩牡蠣の良さをより引き立てている。 ●飛騨牛ヒレのハンバーグ 飛騨牛ヒレを100%使った食べ進む程に食欲が湧いてくるハンバーグ。 口に含めば旨み十分な肉汁をまき散らし、肉粒からは濃厚なコクが発せられる。 絶妙な焼き加減はさすがの一言。 ●飛騨牛シャトーブリアンのビフカツ シャトーブリアンのうしろのヒレミリオンを使ったビフカツ。 160℃でじっくり揚げた薄衣のカツは、外はサクッと香ばしく、内側はしっとりとした仕上り。 肉の繊維が膨らんだ断面は美しいロゼ色をしており、にじみ出る脂を秘めた旨みを赤ワインがきいた 自家製のデミグラスソースがしっとりと引き締めてくれる。 ●鮎雑炊 馬瀬川をたっぷり使った雑炊。 一粒一粒に鮎の旨味をまとったお米が、食べる程に染み渡る。 味付けのみならず調理も繊細な締めもの。 ●有精卵のプリン 卵のコクとしっとりとした生地が印象的。 これが有精卵の力かと思い知らされるプリン。

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青森県

割烹・小料理屋

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『2018年 タベアルキスト和久井の印象に残ったこの10軒』 5軒目 食材の宝庫青森県の豊かな食材を堪能できる隠れた名店。 「めいど いん あおもり」をコンセプトに掲げ既製品・化学調味料・添加物など使用しないのもこの店の特徴で、店主独自のルートで青森県の食材を厳選し、繊細な包丁と調味料の数を減らした調理法で訪問客を魅了させる。 毎日吟味する厳選食材は、天然活締め魚介類、自家菜園無農薬野菜、朝取り山菜、黒毛和牛の他、調味料もできる限り身の回りで彩られる食材にこだわる。 新鮮な食材は必要以上の事はしない、青森食材とまっすぐに向き合ったごまかしのない直球勝負の料理が津軽割烹未にはある。 今回は、夜の16,000円コースをいただいた。 ●いちご煮 いちご煮は、ウニとアワビを贅沢に使用した潮汁で、八戸地方に古くから伝わる代表的な磯料理。 魚介類の豊富な八戸地方の中でも晴れの膳の一番のご馳走であり、現在も愛され続けている贅沢な料理である。 こちらのいちご煮は一般的ないちご煮とは別物。しっかりとひかれた出汁がインパクト大で、肉厚なアワビや大ぶりの雲丹も食べ応えがある。 ●八寸 久六島のサザエ、湯上がり娘の豆和え、岩木山麓しらとり農場のピーマン、鯵ヶ沢の甘鯛、イクラの構成。 特に印象に残ったのが、湯上がり娘の豆和え。莢と実が鮮やかな緑色の湯上がり娘の豆は茶豆のような香ばしさと甘みが強く枝豆の最高峰の食味と思える味わい。 ●お造り お造りは、平目、真鯛、オクラ、フルティカトマト。 平目は厚みに切りつけて、その白身ならではの旨味中心の味わいが堪能できる。 真鯛は天然ならではの風味が感じられ、噛みしめると淡い旨味と共に酸味が後から追ってくる。 オクラは青臭さやえぐみがなく瑞々しい。 トマトは甘みが強く食味がよい。 ●雲丹と温泉卵八方出汁のジュレ 大間のバフンウニと蓬田村坂本養鶏の放し飼い鶏が産む有精卵の温泉卵の組み合わせ。 冷たいバフン雲丹のねっとりした甘みと、温かくとろけるような濃厚な温泉卵が絶妙に合う。 ●三厩の本鱒の焼きもの 麹に漬けた本マスの焼きもの。 塩麹を使うことで本鱒の身が柔らかくなりパサつきが抑えられおり、鱒本来の甘みや旨味を引き出している。 ●平川市のそばもやし 普通のもやしに比べて相当な細めで長いのが特徴の蕎麦の実を発芽させた津軽の伝統野菜。 シャキシャキした食感とほのかな芳香があり瑞々しい味わい。 ●小椀仕立ての野菜の炊合せ しらとり農場のトウモロコシ、自家栽培のミョウガ、インゲンの野菜の炊合せは、強めないりこ出汁が各野菜の特徴を引き立てる。 ●カサゴの揚げ餡かけ 津軽海峡で獲れたカサゴを使用。 塩気の塩梅が絶妙な餡が揚げカサゴにかかっており、ゼラチン質に覆われた身肉はしっとりとしながらもしっかりとした味わい。 ●倉石牛の焼きもの 豊かな自然に恵まれた青森県五戸町倉石で生まれたみちのくの銘牛「倉石牛」 良質で適度な甘みを持つ上質な脂と良質な赤身は、噛みしめるほどに野趣や奥深い味わいも感じられる。 ●手打ち蕎麦 細打ちで瑞々しい蕎麦は、強い香り前面に押し出すのではなく、あくまでも優しい味わいに仕上げられている。 ツユは江戸風味のしっかりコクを効かせたやや辛め。 ●水羊羹 しらとり農場の花嫁小豆を用いた水羊羹。 すっきり軽やかさな口当たりで、優しい甘さの涼菓。 ●桃のとも和え 川中島白桃、黄金桃、ネクタリンの三種を使用したとも和え。 桃好きには堪らない贅沢すぎる桃スイーツ。

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沖縄県

沖縄そば

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『2018年 タベアルキスト和久井の印象に残ったこの10軒』 4軒目 沖縄そばを懐石料理の逸品に昇華させた新しいスタイルの沖縄料理の店。 日本料理の技術で旬の沖縄の食材の魅力を最大限引き出しす料理を目指しており、食材はもとより泡盛、古酒、調味料、器、 箸に至るまで全て要素を沖縄県産にこだわる。 店名の「トートゥガナシ」は、店主が料理人の駆け出しのころ、お世話になった奄美大島出身の料理長から教えてもらった、奄美大島に古くから伝わる、 感謝の気持ちを表す時に使われる言葉「尊尊我無 (トウトガナシ)」に由来し付けられた。 沖縄民謡が流れる築65年の古民家を改装し店内は、庭園を眺めることができるテーブル席と畳間でゆっくりと寛げる和室あり、ゆったり贅沢な沖縄時間を楽しむことができる。 夜の沖縄そば懐石は、一口そばがき、前菜、御椀、造里、焼物、主鉢、 氷果、沖縄そば、甘味の全九品がその日一番の県産食材にて、一期一会の懐石料理として供される。 ●沖縄そばがき 県産小麦は流通量が極めて少ない八重山産小麦全粒粉を使用したそばがきは、石垣島の塩と共に。 塩分バランスが絶妙で、小麦の味わいがダイレクトにやってくる。 ●前菜 海ぶどう、星栗、和胡桃、彩大根、ミミガー島らっきょう沼田和え、田芋唐墨、島牛蒡地豆和え、高砂寿司 海ぶどうの心地よいシャキシャキ感。スターフルーツの甘さ。彩大根の程よい苦味。 ミミガー島らっきょう沼田和えの酸味が絶妙なバランス。高砂寿司はぐるくんの酢〆でシャリはもっちり。 ●手摘み生あおさ御椀 御椀は優しい味付け、生あおさは風味豊かで濃厚な磯の香りと独特のシャキシャキした歯触り。 ●造里(目鉢鮪・白鞍倍良・真羽太・甲烏賊・姫シャコ貝) おすすめの鮮魚を少しずつ盛り合わせた造里。 鮮魚は辺土名港の魚を那覇の魚屋経由し仕入れている。 調味料は、宮古島の味噌造りにおける上澄みを使用した醤油とシークァーサー塩ポン酢。 この日のラインナップは、目鉢鮪、白鞍倍良、真羽太、甲烏賊、姫シャコ貝。 鮮度第一のものや熟成することで旨味を引き出すものなど、素材にあった処理しており 沖縄産鮮魚の既成概念を覆すクオリティです。 目鉢鮪は適度な歯ごたえがありみずみずしい。 白鞍倍良は綺麗な白身で味わいは甘い。 真羽太は歯ごたえしっかり旨味も強い。 甲烏賊は7キロで、肉厚で甘みが程よく味に膨らみがある。 姫シャコ貝はコリコリ食感で潮の香り押し寄せる。 ●横縞鰆炭焼 鰆はしっとりとした身で味わい深く塩加減はいい塩梅で、火入れはしっかり中はホロっと旨味強い。 炭焼きで焼くことで、炭に落ちた脂の煙によって、燻製のような香ばしさも生まれる。 添えされた冬瓜卸や苦瓜がアクセントになっている。 ●今帰仁アグーすき煮 すき煮はで使用している今帰仁アグーは、沖縄の在来種を再現した世界五大豚に数えられようという希少価値の高い豚。 割下は鰹も醤油も非常に強いしっかりした味付けなので、好みが分かれるところ。 アクセントに糸満産のピパーチを使用。 ●氷果 口直しとして出される宮古島産のをメロンを用いたグラニテ。 メロンの味わいと香り高さが魅力。 ●沖縄そば 店内の製麺機で打つ沖縄そばの麺は、沖縄産を中心に4種類の小麦粉をブレンド。 小麦の香りが立つ麺は麺は、表面がツルッとして滑らかでしっかりした食感があり、旨味がしっかり出たスーと良く絡む。 スープは、クリアな豚骨出汁をベースにカツオ節と昆布の一番出汁を組み合わせている。 さすが、沖縄そば懐石と唸ること間違いなしの沖縄そばである。 ●紅芋羊羮 県産紅芋に葛と黒糖で作られた丁寧な作りの羊羮。甘さもしっかり。

8

沖縄県

フランス料理

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『2018年 タベアルキスト和久井の印象に残ったこの10軒』 3軒目 2008年11月にオープンした隠れ家的フレンチレストラン。 シェフ自ら県内各地の農家を訪ね畑の見学をし、競りや市場に出かけて旬の食材を自分の目で確かめ選別し食材の調達し料理を提供する「亜熱帯ガストロノミー」に、とことんこだわっている。 こちらのお店では沖縄の風土や文化までをも味わえる「亜熱帯ガストロノミー」を存分に楽しめる。 店内はブラウンを基調とした内装でjazzが流れるカジュアルな雰囲気。 席は、22席ほどだがカウンター席もあるので1人での訪問も可能。 料理は、ラトリエコース、シェフスペシャルコース、旬のおまかせコースから選ぶことができる。 訪問時は、シェフスペシャルコースをいただいた。 前菜 ●カジキマグロのコンフィ カジキマグロの低温でコンフィすることで身はしっとりになり旨味が凝縮されている。 ソースは、甘みを感じる乳酸菌的な味わいのビーツソース。 みずみずしい沖縄県産地野菜の独特な食感が楽しく、カリフラワーの酸味が特徴的。 ●豚肉のトマト煮込み トロトロの豚の脂をちりめんキャベツで巻いたトマト煮込み。 ちりめん模様にトマトソース味が良く染みる。 ちりめんキャベツ トマトソースは旨味が強く酸味は弱め。 ●生姜と魚のスープ 具は、ホロホロの食感になった沖縄県産野菜ともずく。 最初、生姜の香りきた後に魚の旨味が訪れ、野菜の甘みが追いかけてくる。 重曹的で優しい味わいのスープ。 ●フォアグラ茶碗蒸し フォアグラ添えたきのこ風味の茶碗蒸し。 フォアグラの食感とトロトロの茶わん蒸しの相性も良く、ソースにもしっかりとフォアグラのエキスがしみ込んでいる。 ●県産ナンヨウブダイとオマールエビの2層ソース ブダイの一種であるナンヨウブダイは、身に甘みがあり皮と皮の際に旨味がある。 ボイルしたオマールエビは、プリッと適度の繊維が残る。 共に淡白な味わいの両食材とも2層のソースを組み合わせることでさらなる魅力がアップする。 2層のソースは、色鮮やかなので食欲をそそる品の良いグリーンピースのソースと塩分濃度が絶妙なアンチョビのソース。 ●沖縄県産もとぶ牛ロースト県産野菜を添えて もとぶ牛は口当たりまろやかな肉から溶けだす脂の甘さが官能的。 酸味と独特の風味を合わせ持つ赤ワインと粒マスタードのソースが、もとぶ牛ロースト旨み成分を引き上げ、黒にんじんや県産野菜の食感がアクセントになって最後まで飽きさせない。 ●ドルチェ 県産抹茶アイス、パッションフルーツのムース、レモンケーキ、ジャボチカバ、県産ビワ

9

福井県

居酒屋

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『2018年 タベアルキスト和久井の印象に残ったこの10軒』 2軒目 ネオンが彩る繁華街の片町にある創業35年を超える居酒屋。 店内はカウンター席と小上がりがある典型的な居酒屋で、カウンター席の奥には木板に書かれた定番料理のメニューと紙に書かれた旬の魚介料理のメニューが並ぶ。 料理は、鰤、鯖、真イカ、サザエなど近海で水揚げされた新鮮な魚介を用いた旬のお造りをはじめ、焼魚などの魚介料理を主に、焼物、揚物、小鉢など福井ならでの一品料理が豊富に揃う。 冬の時期には常時、「越前セイコガ二」があり、事前に予約をしておけば「越前ズワイガニ」も用意してもらうことができる。 ●自家製いか沖漬 こちらの名物料理が旬のスルメイカを使った見た目もまさにオリジナルスタイルな自家製イカ沖漬。 一般的に提供しているイカ沖漬けといえば、生きたままのイカを醤油ベースのタレに漬け込んで味をしっかり染みこませた料理だが、こちらのお店の自家製イカ沖漬は、細切りした活イカを味醂と醤油に一晩漬け、上品な出汁醤油に浸して完成する。 それを濃厚な腑ワタのタレをつけていただけば唯一無二の優しいイカの味わいに出合うことができる。 ムチムチした食感のイカを口に含むと、まず磯の香りと出汁醤油の味が見事に口中で交わり、後にはイカの旨味の余韻が残る。生イカの刺身のようにしっかりと歯ごたえもあるので食べ応えも十分。 ●さざえお造り さざえお造りは、濃い緑色やクリーム色の肝と共に供される。 身はコリコリした食感で口に入れた途端鼻腔に磯の香りが抜け、そして生の貝ならではの風味に甘みがたっぷり。 濃厚でクリーミー味わいと苦味が楽しめる肝先はお酒との相性も抜群。 ●がさ海老お造り 美しく盛り付けられたがさ海老お造り。 地域によっては、ガス海老とかどろえびとか言われる。 鮮度が落ちやすいため市場にはあまり出回らず、主に地元で消費されることの多い希少なエビで別名「幻のエビ」ともいわれる。 引き締まったプリプリの身は甘みが強く、程よい食感もある。 ●白海老唐揚 白海老の定番ともいえる料理。 鮮やかなピンクに透き通った美しさから「富山湾の宝石」と呼ばれる白海老は、富山湾以外ではほとんど漁獲されることがなく資源管理もされている。 さくさくっとした衣にぷりっとした身の口当たりは最高で、噛みしめるほどに白海老の旨みとほのかな甘みが口の中に広がる。 ●どじょう唐揚 カウンター席の目の前にある水槽で泳いでいるどじょうに、片栗粉を生きたまままぶし揚げたもの。 少々残酷ではあるが実に香ばしく、どじょうのほろ苦さと旨味もしっかり味わえる逸品。 ●地物・脂鯖塩焼 ジュワジュワと音を立てて焼けたばかりのサバに箸を入れると、身がパツンパツンに詰まっているのがわかる。 サバ特有のクセや生臭みが全くなく、良質な脂の風味と身の美味しさだけがギュッと凝縮されている。 丁寧な接客が印象的な福井ならでの一品料理が豊富に揃う名居酒屋でした。

10

山形県

ラーメン

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『2018年 タベアルキスト和久井の印象に残ったこの10軒』 1軒目 山形県内では屈指の人気店である「琴平荘」出身のご主人が、2015年オープンさせたラーメン店。 場所は、鶴岡市中心部から少し離れた羽黒町黒瀬というエリアにある。 メニューは、中華そばとチャーシュー麺の2種類の麺類とご飯ものという極めてシンプルな構成。 中華そばは、スープをあっさりかこってりから選ぶことができ、50円プラスすれば麺を太麺に変更することができる。 スープは、丸鶏主体の鶏ダシと飛び魚の焼き干しや煮干しなどの魚介系を合わせたダブルスープ。 鶏の旨みが厚く重層的で、すっきりとはしているものの食べ進める程に複雑な旨味が感じられ、表層にラードが浮くがしつこさとは無縁でほどよいコクが楽しめる。 熱々の状態から温度が下がり始める終盤は、出汁の旨みが伸びてきてレンゲが止まらなくなる印象。 麺は京都の老舗製麺所である麺屋棣鄂のウイング麺。 加水率は高めで柔らかい茹で上がりで、ほどよい噛み応え。 シコッとしたコシも感じられる食感のよい麺は、強い弾力のシコシコの食感が特徴で複雑な形状なのでスープが良く絡む。 具は、薄切りのチャーシュー、メンマ、ネギ。 薄味のチャーシューは大きめのバラ肉が2枚とたっぷりで、肉の旨味と脂身の甘さが堪能できる。 素朴で懐かしくシンプルでありながら、どこか新しさも感じる深い味わいの中華そばでした。