『2016年 タベアルキスト和久井の印象に残ったこの10軒』 10軒目 四谷荒木町の路地裏にのれんを掲げる鮨屋。 店内はいまや貴重な木曽檜を使ったカウンターに、細かい仕様が見て取れる格子戸など拘りが伝わってくる。 特に、直接現地の仲買の方と交渉し、直送してもらっている雲丹に関しては絶対的な自信をもっている。 この日は、旬の雲丹の協演。 幻の雲丹を含め、淡路島由良、北海道利尻、熊本天草、鹿児島阿久根、山口萩の全国各地の雲丹が6種類。 どの雲丹もその土地の個性が現れ、味わいの変化が面白い。 なかでも、今まで味わったことのないインパクトだったのが、北陸の某エリアで僅か2週間の漁期で漁獲される「秘密の雲丹」 見た目は、薄い山吹色で粒子は細かく身にハリがあるのが特徴。 口に含む前から独自の香りが鼻に抜ける。 ミョウバン不使用で色合い同様に味わいも上品で甘みも淡く、口に入れた途端にとろけるが、潮の香りを含んだ味わいは満足度が高く余韻が心地良い。 次回はいつ食せるかは運次第。 一期一会の秘密の雲丹に、ただただ感謝した。