改装してコースのみになったOLD NEPALさんに伺いました。 これまではランチはダルバート(ネパールの定食です)、夜はコースで営業されていたOLD NEPALさんですが、改装を機に昼も夜もおなじコースの提供をされるようになりました。 OLD NEPALさんにはオープン当時から何度か足を運んでおり、正直すでにかっこいい店内をそんなに大規模に変える必要はあるのかなと思っていました。 でも、お店にはいってあまりのよさに大納得です。おふたりがこちらのお店で表現したいことがびしばし伝わってきて、しばらく感嘆の声しか出ませんでした。 定期的にテーマが変わるコースの、今回のテーマは「カトマンドゥ盆地の食巡り vol.2」だそうです。 右に民族の名前、左にお料理の名前が記載されたメニューをいただきましたが、いつものとおりなにがなにやらのままコースがはじまりました。 OLD NEPALさんのコースの特徴は、なんといっても知識と経験に裏打ちされた情報量の多さだと思います。 おふたりが定期的に現地でフィールドワークをされたその旅路であったり、体験のはしっこをわたしたちもコースを通じて味わうことができます。 リニューアルオープンと同時にはじまった今回のコースは、その情報量はそのままに、レストランとしての凄味がぐっと増しているように思いました。 ネパールの調理法や、各民族の特色が日本の食材で味も見た目もすばらしいひと皿として表現されていて、おいしいおいしいと食べるほかなかったです。 とくに印象に残っているのが、鯉のカチラです。現地では水牛の生肉を使った、いわゆるタルタルのような料理で、今回のコースでは鯉を使って表現されていました。 生の鯉ははじめて食べましたが、まったくくさみがなく、和えられているナッツやフルーツと調和していてとてもおいしかったです。 ディナーはペアリングドリンク込みで、わたしはアルコールペアリングをいただきました。 ドリンクもすごく凝っていて、もちろんとてもおいしいのでそれも楽しかったです。お肉料理にどぶろくを合わせられていて、どぶろくのうまみと鹿肉のうまみの相乗効果がすごくよかった思い出…。 OLD NEPALさんのコースは、ネパールの食文化にあわせてまずカジャ(定食以外の軽食)、最後にカナ(定食やごはんもの)という構成になっています。 カジャだけでもしっかりとした内容なのに、だめ押しのダルバートでおなかがはちきれるのがいつもの流れでしたが、今回のコースはふしぎとスルスル食べられました。いつもしばらく横にもなれないくらい食べすぎてしまっていたので、もし量を調整していただいていたのならありがたいです。 でも、どんなにおなかがいっぱいでもはちきれるまで食べたくなるのがOLD NEPALさんのダルバートとも思っています。 とくに滋味ぶかくておいしいダール(豆のカレー)がわたしは好きで、水筒に入れて持ち歩きたいおいしさです。ダルバートのごはんとダールはおかわりできるので、それぞれおかわりしていただきました。 ネパールでレストランを開かれることを目指しながら、東京のお店をブラッシュアップし続けるおふたりの情熱は、お店に伺っていい思いをするだけのわたしにもたいへんまぶしく、かっこいいです。 いつかネパールのお店に伺う日を夢見ながら、限られた東京での時間も大切に、また必ず食べに行きます!