Naoi Hajime

東京都心から転居し、なかなか美味しく、正しい物に出会えず四苦八苦していたが、やっと出会えた名店。散々銀座や都心で食べ歩いたが引けを取らないと自信を持ってお薦めできる。 まずはその家屋、庭、佇まいが最高。戦火を免れた江戸の下町も良いが地方都市には歴史がちゃんと残っている。行きすぎない、手入れの行き届いた家屋には思わず感動。これは東京に劣らないどころか、京都や石川など歴史を売りにする街にすら勝るほど。それだけでも訪れる価値あり。 料理はランチだったのでお弁当のみ。前日予約で懐石も可能と聞いた。派手さや煌びやかさは無いものの、一つ一つの料理が丁寧で、品質も味付けもとても良かった。これぞ本当の和食。暑い日だったが心もお腹も癒された。 東京に追いつけ追い越せ。思えば平成の地方都市の衰退の始まりはそこだったのかも知れない。こんなに素晴らしい食を蔑ろにしてしまうのは勿体無い。一時間弱で東京に行けるが往復の時間が勿体無い。その時間を過ごす価値のあるお店。是非夜も利用したいと思う。

人形町に名店多し。なかなか伺う機会の無かった名店に来訪。 文句なしの名店。店構えからメニュー、何より江戸の仕事に脱帽。 刺身盛りは控えめに。一方で物の良さが輝く。 感動したのは穴子。白焼きとタレ。特に白焼きは穴子の甘さと柔らかさが何とも言えない素晴らしさ。毎日でも味わいたい。 白子は温かい調理。安物のような粉っぽさと言うかくどさは一切なく、その甘みと芳香さに脱帽。 握りはおまかせで握ってもらいつつ、印籠詰めや干瓢、玉子と江戸前の丁寧な仕事に感動。 お値段は相応。男２人でお酒を飲みつつ、色々とお願いをしても5万。 銀座なら間違いなく6桁になる内容。鮨の本質を失わないその姿勢と内容に心から感動。 良くも悪くも江戸前の大将は気難しい愚鈍が多くイライラするもので。 でもこちらのお店の皆さんは気さくで面白く、話しやすいしお願いしやすい。江戸前素人でも安心して通えるお店でもある。 本当の江戸前。人形町にあり。是非ご賞味あれ！

今年出会った最高の蕎麦屋。置いているお酒、あて、それから温冷。どれをとっても東京を代表する名店と言って間違いなし。 蕎麦屋のあての王道もありつつ創作的な和食への挑戦。特に圧巻は「柿と生ハムの白和え」。数年フランスに住んでいたが世界の名店に引けを取らない繊細な出来。 勿論その他メニューにも工夫が散見され、美味しい以上の感動を受けた。 名店は冷たい蕎麦は美味くて当然。温蕎麦こそ真のお店の力量。そんな自分のこだわりをも期待値以上に満足させてくれた。出汁も蕎麦も最高である。 ガツンと香る江戸蕎麦も東京の魅力だが、出汁へのこだわりなどの本来有るべく食へのアプローチの完成っぷりに脱帽。自信を持っておすすめする東京の名店。食べ過ぎて飲み過ぎた。

自分の中で日本で一番美味しい弁当が弁松さん。 東京駅には駅弁のお店が多い訳だが比較にならない。 お値段も2,000円前後と比較的リーズナブルにも関わらずこの味。 この味を知らない江戸っ子はモグリと言って良い江戸の誉れ。 ひとつとて手抜きの無い最高の弁当。特に蛸の桜煮は銘品だと思う。