Nobuhiro Itou

Nobuhiro Itouさんの My best 2021

シェアする

  • facebook
1

大阪府

ラーメン

Nobuhiro Itou

3年くらい前かな、このお店にRettyの名だたるラーメンマン達がこぞって訪問してたのが記憶に焼き付いてます。歴戦の彼らを夢中にさせるラーメンとはどれほどの物なのか知ろうにも平日オンリーとあっては高嶺の花。ですが今回年度末の駆け込み有休で行ってみました。 近くにも異常に行列のできてるラーメン屋もありましたがとりあえずチェックだけして今回は当然こちら。店の前には待ちはありませんがここは整理券を発行するお店なので券を受け取ったらその時間が来るまで他所で時間を潰すだけです。幸いここは梅田や天神橋筋に近いので時間は幾らでも潰せます。 13時に受け取って14時40分指定 平日のお昼時を外してるのにこの待ちは何事かと思ったらそれもそのハズ、コロナ対策も兼ねてかカウンター3席とテーブル席2基ほどでキャパは全然ありません。時間に余裕のない人はPP狙いで行くしかないみたいですね。 オーダーしたのは塩チャーシュー。予想ではただのチャーシュー増しかと思ってたらチャーシューに加えてヘタもたっぷり入っててこれで260円増しは安くない?とちょっと驚き。 スープ、これ私の好きなタイプです。塩と言っても尖った主張はなくむしろ円やかでその豊かなコクは食べ始めの舌の先から喉の奥へと流れるほどに味わいは増すという時間軸を伴う美味しさ。途中、喉から鼻腔へと立ち昇るシソのほのかな香りが次の一杯を受け入れる下準備を施す。 スープと麺のバランスは絶妙でスープの美味しさに弾力が加わる事で口の中でスープが弾けるように周囲をスープ色に染めていく。喉の奥に流し込むだけのスープではなく口内に広げる為の麺の存在、ラーメンの醍醐味ですね。 スープが美味しいからと言うのもありますが麺はあっと言う間になくなります。でもそれでガッカリさせないのがこのラーメンの良い所。チャーシューはもとより味玉も絶妙で崩しながらスープに混ぜていけばそれだけでちょっとしたご馳走。チャーシューはたっぷり入ってるしいつまでも楽しめる。クライマックスは麺を食べ終えた後も持続します。 総評です。 平日だけなんてひどい! まずそれが私の感想(笑) 一見して凄みというのは見えてこない。でも食べてみると分かるスープ、麺、具材のバランス感覚。単体で成立する美味しさでありながら一つに纏まる事で更に美味しくなってる。私がもっとラーメンに詳しければこのスープの美味しさや正体を雄弁に語れるのですが今は「美味しい」としか言えません。 素人に「美味しい」って言わせた時点で勝ちやんね。 これだけのラーメン、その人気は当然。でもお店に奢りは一切なく愛想のいい大将と腰の低い奥さんの温かい接客に私のような流れ者でもホームのような居心地の良さを感じました。 基本私がラーメンのスープを飲み干すような事はないのですがこのお店のスープは飲み干してしまいました。「全部飲んだら体に悪いだろうなぁ・・・」と思っても手が止まらない。美味しいラーメンは魔性ですね。ごちそうさまでした。 #ラーメン #平日オンリー #中津 #整理券システム #穏やかな接客 #次はヘタめしを #次っていつや

2

大阪府

カレー

Nobuhiro Itou

コロナが本格化してから足が遠のいていたお店でしたが平野に行った流れで寄って参りました。 目的は月替わりのマトンカレー。本来ならこのマトンカレーだけのオーダーでその魅力を余さず堪能する予定でしたがここに来た以上はモルネーキーマは外せないのであいがけにしました。元よりここのカレーはあいがけに合うように個性の全く違うカレーを用意するお店なのであいがけの方が楽しめます。 マトンカレーは一見シンプルなグレービーがデーンと鎮座するだけのカレーに見えます。しかし目ざとい人ならそのザラついた質感を見て分かると思いますが旨みがたっぷり溶け込んだ濃厚な味わい。プチプチとしたスパイスの確かな感触も伝わりドライな芳香が鼻腔に突き抜ける。 マトンは癖を極力抑えて幅広い層に楽しめる仕上がり。しかし噛み締めるとマトンの風味がじんわり口内に広がりその存在感を伝えます。皮や脂身に頼らないゴロゴロの大振り角切りお肉がたっぷり。マトン好きなら1個1個が宝石です。 モルネーキーマは言うまでもなくここのスペシャリテ。モルネーソースのコクはそのままでもマトンカレーと混ぜても明確なフォーカスを当てる。更にザクザク野菜の食感とキーマの確かな肉質が全体のソフトさにギャップを与えて楽しませてくれます。 このカレーにアチャール・サラダ・デザートなどが盛られたこの1プレート、どれも手抜かりなしで食べ終わりに向けて満足感はMAXに高まっていく臨場感、まさに至福の逸品ですね。ごちそうさまでした。 #curry屋此の路 #スパイスカレー #マトンカレー #モルネーキーマ #あいがけ

3

大阪府

ラーメン

Nobuhiro Itou

画像を整理してたら投稿忘れがあったので蔵出し投稿。 玉造の玉津交差点から北に向かった先 森ノ宮と玉造の中間点くらいにあるお店です。 以前からチェックしてましたがたまたま前を通ったので開店前に列がないのを確認してちょっと時間を潰して開店10分後に来たら既に外に2人ほど待ち発生。その後私の後ろに15人ほど並んでいたのでかなり名の知れてる模様。 扱ってるのは中華そば。見る限り塩一本のお店で風味付けとして海老や牡蠣のバリエーションを用意してるような?今回は ・春浅蜊そば(980円 / 1日10食限定) ・チャーシュー増し(200円) を頂いてきました。浅蜊そばは私で終了だったので開店20分で終わるあたり狙うならPPを取る覚悟が必要かもですね。料金はオーダー時に払うキャッシュオンです。 アサリとチャーシューで麺が見えへん(^^; アサリの殻入れを用意してくれるあたり素敵な気配り。アサリの殻は20個くらいあったような気がしましたが身がそれ以上に入っていたので思ってた以上にアサリまみれでお得感ありです。 お得感と言えばおにぎりが無料で1個サービスしてくれます。レギュラー系は680~780円なのでここにおにぎりサービスは儲けは大丈夫なんかなと心配になるくらい。 アサリの風味をしっかり乗せたスープは飲んでみると意外と塩気を感じさせない円やかさ。アサリのおすまし感のある香りですがそれほど尖ったいがらっぽさはなくスイスイ飲めてしまう軽やかさ。半透明なスープに漂う油が微妙にセクシーです。 麺は何打ち系?(笑)か分かりませんがコシはあるのに驚くほど滑らかで一切の淀みなく喉を通っていくフラット感。噛んでもないのに麺のコシを感じさせるのはどういう作用なのでしょうか?ラーメンって不思議です。 そしてチャーシュー。このお店を教えて頂いた某氏に敬意を表してチャーシュー増ししたのですが何でこんなにデカいのか。1枚で器の7割を覆うとか目を疑いました。しかも大きさだけでなく厚みもヤバい。5mm以上はあるんじゃないかな。これだけの大雑把っぽいチャーシュ、味も大味なのかな?と思ったらめっちゃ美味くて笑いが止まらない。この脂身の量でクドさを感じさせないとは? 総評です。場所柄もあるのかSNSでもそれほど情報が流れてくるお店ではありませんが知る人ぞ知る、ラーメンマニアなら決してスルーしない、そんなお店でしょうか。お店自体も塩一本で勝負し奇を衒わない質実剛健さ。ある種の地味さも感じ取れる。 ですがクリアでフォーカスの整ったそのスープは口内が痺れるような疲れるようなそんな塩特有の一本調子の味とは無縁。麺、スープ、具材、一見シンプルに見える構成も食べてみればスケールの大きさを食べ手に理解させる説得力はその巧みなバランス感覚ゆえか。 そして店長さんの人柄の良さ。 食べ終えて帰る際は私がビジネスバッグを持っていたのを見たからか「行ってらっしゃいませ」とご挨拶。ラーメンのオーダー方式とかもお店ごとに違ってくるので初めてとおぼしき客には一声かけてくれたり完食した人には「綺麗に食べて頂きありがとうございます」などの一声を欠かせない店主さん。ワンオペで大変そうなのに常に気を配ってました。こういう不断の努力によって今があるのでしょうね。 ごちそうさまでした。 #塩楽 #ラーメン #4月訪問です #玉津

4

京都府

パン屋

Nobuhiro Itou

木津は近畿における東西南北の要衝でありながらどうしても通過点というイメージが拭えません。しかし木津と言えば京都の中でも密かなパン激戦区です。木津駅を中心とした狭いエリアで数えるだけでも有力パン屋さんが5~6店舗はあります。そんなワケで今回は久しぶりに木津でパン活です。 木津駅から10分程の場所にあるこのお店「木色」さん。周辺は山と川、静寂で満たされた住宅地にこれまた普通の家としか思えないようないでたちのお店。ここを目標にしていなかったらまず通り過ぎてしまうようなお店ですが、お店に入ってもその空間の使い方に独特の雰囲気を感じさせます。 【クロワッサン】 ホロホロと崩れる外層を持ち、齧ればまずはザクッという強い抵抗感を伝えながらも即座にサクッと軽妙な歯応えに変化。ミチッ、パリッ、シャリッという音の変遷を経てその後に訪れるバター感を伴った内層は噛めば噛むほどバターの風味と甘みを発散。昨今のエアリーなクロワッサンに飽きつつある人にはたまらない骨太な食感。 これは買わないといけないやつです。 【バゲット】 【パン・オ・ルヴァン】 【ロデブ】 詰め物なしの正真正銘食事パン。ガシッとしたクラストの下に眠るもっちりクラム、その香りの芳醇さたるやまさに食べる芳香。それぞれ性格の異なるパンでありながら粉の美味しさと酵母の香りを余す所なく伝えてくれる。存在感は雄弁に、しかして多くは語らず、食事パンはそれでいいと思います。 【カスクート系】 ここは惣菜パンとしてカスクートからタルティーヌまでしっかり備えてますがどれもが野菜タップリで食べ応え抜群。ベースとなるバゲットやライ麦パンもこのお店謹製のパンだけに具材の個性に力負けするような事はない。カスクートに使われてるバゲットの気泡を見て思わずニヤけてしまうのは私だけでしょうか? 【ハーブソーセージ】 フランスパンにハーブソーセージを挟みチーズ掛けしたハード系。抵抗感の強い生地とパキッとしつつもソフトなソーセージのコントラストが絶妙ですが何よりソーセージが放つ香りの凄さよ。一噛みごとにハーブの香りが口内に充満しそのハーブの余韻を残したまま生地を齧る。その生地にハーブの香りが伝播する。また食べる。その反復の楽しさがこのパンの醍醐味です。 【ホワイトチョコとクランベリー】 リュスティックかチャバタのような生地に有機ホワイトチョコ、有機クランベリー、有機カシューナッツが全力で詰まったパワフルなハード系。見た目はコンパクトですがこれ以上詰め込めないと思えるほどフィリングを充填。甘みと酸味とコクの三重奏で小さいながらも豆タンクのような重厚感を醸す。 【抹茶ホワイトチョコのブリオッシュサンド】 今で言う所のマリトッツォの変り種って感じでしょうか。しっかり残した抹茶の苦味が突出しがちなチョコの濃厚な甘さを上手く押さえ込めてます。生地はブリオッシュでパサついた触感を与えつつもスッと消えていく口溶けの良さはこの手のフィリング過多のパンにこそ相応しいと言えるでしょう。ブリオッシュは冷製と相性がいいので冷やしても美味しく頂けます。 巷のマリトッツォもこれくらいのフィリングに気を使ってくれたらなー 【全粒粉の食パン】 香りがもうすんごい。リッチの要素が何もない。生でもトーストでも粉の美味しさだけをしっかり伝えてくれる素朴なのに力強いリーン系。捏ねと発酵もしっかりしてて高さも確保できておりトーストした際の耳のカリカリ感と内相のパリッと感はハードトーストをも彷彿とさせます。酸味もほんのり乗せて何も塗らなくてもそのままイケる。まさに毎日食べたい食パンです。 総評です。ハード系好きにはたまらないほどのハード系のオンパレード。どれも非常に高いクオリティでハード系からヴィエノワズリーに至るまで豊かな食感を堪能できる。また有機系のフィリングや自家製の肉類やソースなども駆使して食育へのアプローチも欠かさない。 これほどのパン屋さんでありながら場所柄それほど人が押し寄せないのでゆとりを持って購入できるのも嬉しいですね。朝の9時くらいなら多彩なパンが並んでいて壮観です。木津はなかなか目的地設定には適しにくい地域ですがたまには通り過ぎらず木津を楽しんでみるのも乙な物ですね。ごちそうさまでした。 #ハード系中心 #オススメクロワッサン #眼前に御霊神社 #木津

5

大阪府

パン屋

Nobuhiro Itou

天満橋筋と都島通が交差する角地にあるパン屋さん。天下一品の真正面。ここは天六への行き帰りによく通るのですが以前はなかったお店なので驚きました。初めて見た時は行列ができてたので日を改めて訪問してみました。 尚、かなり忙しいお店ですので店内画像は遠慮しました。 店内はあまり広くはありません。2~3人で一杯一杯な感じで現在は3人までの入店制限。焼き上がり表にもありましたが11時からのオープンでめぼしいパンは焼きあがっているので焼き立てを狙って開店前から行列です。何度か13時過ぎに前を通ったら既に売り切れで店仕舞いしていたので実質開店から2時間だけのお店と言えそうです。 インスタでチラッと見ただけでまだ裏は取れてませんがどうやら「たま木亭」さんで働いてらっしゃった方が立ち上げたお店のようです。確かに低温発酵っぽいムチッとしたクラストの色艶やトップに穴の開いたクリームパンとかたま木亭にもありましたし信憑性は高そうです。 【角食】(560円 / 1本) ここは本当にたま木亭さんの意思を継ぐお店なのか、それは食パンを食べてみるのが一番です。 耳との境界がハッキリした内相、酵母の芳しい香り、もちもちの質感に程よい加水量、そして耳の引きの良さ。これはまさに黄檗のたま木亭さん、西京極のヤマザキさんに通ずるレベルの高い食パン。噛めば噛むほど甘さを増し、そのもっちりさによる喉越しの良さはまさに快感。油脂に頼ってないのでトーストしても嫌な臭いはありません。 店頭には1斤売り(280円)が目立ちますがスタッフに告げれば普通に1本買いできますので1本買いオススメです。 【バゲット】(270円) クラストとクープの隙間にほつれが確認できるチラリズム。この部分はバゲットの色気として恋心を抱いてしまいます。 香りは申し分なく気泡はまさに圧巻。その気泡の存在がスカスカ感を引き起こしそうになりますが堅牢無比なクラストの張りがそれを感じさせない。境界はガチガチですが意外なほどに歯がスッと通り弾力あるクラムの優しさに癒される。スープと一緒に食べると最高にデリシャスな一時を堪能できます。 【クリチレーズンくるみ】(380円) クリチとレーズンとくるみ、詰め物ハード系の中では鉄板的な存在ではありますがここのパンはとにかくフィリングがたっぷりです。それほど内径が広いわけでもないのに全力出しまくってやたらとコリコリジューシーでノアレザン好きを殺しに来てます。甘ったるくなった所をクリチでしっかり〆ていくあたり流石の技量です。 あとこのパンはクラストがかなり私好み。意固地なまでにガリガリな超ハードではなくムチッと引きのある噛み応えと口溶けを併せ持ったクラストです。例えるならパリアッシュさんのセーグル系みたいな感じです。 【シナモンシュガーバター】(220円) 見た感じは塩パンみたいなフォルムですがトングで掴んだ感じではかなりフニャフニャ。大丈夫かいなコレ?と思ってしまった私をお許し下さい。 これめっちゃ美味い! 2個買って良かった! じゅわじゅわのシュガーバターでクドく感じてしまいそうですが大量に仕込まれたシナモンが強烈にインターセプト。むっちむちのセミハードっぽいクラストが咀嚼する楽しさを伝え、溢れ出すバターのコクとシナモンの香りで圧倒的な嗜好性を持つ。開店直後だと焼き立てホカホカなのでそれ目当てのお客さんも多そうです。 総評です。パンの美味しさとは生地の美味しさであるを地で行くパン屋さんでした。見る人が見れば生地の色艶だけで分かってしまうでしょう。内層のもっちりを包み込むクラストのむっちり感は口内で変化と口溶けのグラデーションを描き出す。フィニッシュは喉越しによるディレイ気味の悦。快楽のシグナルは点灯しっ放しです。 難点はかなりの好立地ゆえに行列上等という点でしょうか。開店前には常に行列ができてます。しかも11時オープンですが追加焼きをしても飛ぶように売れて13時過ぎには閉店してる事もあるので早めの訪問を推奨します。 傾向的にサイケデリックな色合いを持ったパンや華美を極めるフルーツデニッシュなども特になくお店とお客の熱量に反して地味なラインナップで「映え」を求める層にはつまらなく映るでしょうがパンが好きな人にこそ推したいお店です。 天神橋筋周辺は美味しいパン屋が目白押しですが東部はやや手薄でした。そこにこれほどお店、新たな門番の登場でしょう。この界隈が更に熱くなってきましたね。ごちそうさまでした。 #800投稿目 #パン #シェフはた○木亭出身 #行列必至 #開店2時間までが勝負

6

大阪府

洋菓子

Nobuhiro Itou

玉造で名を馳せたカヌレラボさんが堀江に移転しました。場所はカレー好きなみなさんご存知の五感屋さんの近く。心斎橋にある炎旨大鶏排さんを真っ直ぐ西に行けばすぐそこです。 玉造の頃と同じく金~日の週末オンリーの営業ですが今はまだそれほど知れ渡ってないようなので開店時間でも人はまばら。建物もかなり大きく目立つようになりましたが売り場自体は狭めで1~2人くらいしか入れません。扱う種類はそれほど多くないので回転は良い方です。 最近は持ち運びに便利な小ぶりサイズのカヌレが主流となってますがこのお店のカヌレはかなりしっかりした大きさながらも雑さは一切なく色、形、艶などカヌレ好きなら納得のテクスチャ。 このお店のカヌレは他と一線を画してます。 と言うのもここのカヌレは本物志向ですので日持ちなどは考慮しておらず故に水分をかなり内部に閉じ込めた作りとなっております。ご存知のように水分の多い食品は傷むのが早いですがそれを承知の上で水分の調整を行っており賞味期限は1日。理想は12時間以内。3~4日くらいが目安の一般的なカヌレと比べると圧倒的に短いです。 その水分の多さから得られる要素とは内層の瑞々しさ。カヌレの内層がモチモチしてるのはカヌレ好きな方からすれば常識ですがこれを食べれば「こんなカヌレもあるのか」と驚くでしょう。なんせ内層はぷるんぷるんです。外層のカチカチ感と内層のぷるぷる感、そのギャップが実に心地良い。 基本ここでの購入は差し入れ用に使いますがお土産用のカヌレを購入した後は1個自分用に買って帰り際にすぐ食べてます。カットして内部を撮るのもアリですがそのまま齧り付いた際、ハードな外殻を噛み切った瞬間の内層スプラッシュが最高にエモい。並のカヌレでは表現不可能なクリーミーな奔流、是非味わってみるべきです。 尚、ここは6個以上で箱入りにできます。無料の無地と有料の装飾ケース。有料ケースは100円くらいだったと思うので差し入れに使うなら当然装飾ケースをどうぞ。 また今回は「スカル」も用意されてます。髑髏を象ったフォルムでハロウィン限定のカヌレです。このお店は基本的にバレンタインやハロウィンなどのイベントで限定品が出るくらいで普段はレギュラー商品のみですがこのジョークアイテムであるスカルを出せる時期に移転を計画してたのならなかなか策士ですね。インパクトは絶大です。 味は他のカヌレと変わりませんが見映えは奇抜でも表面のカリカリ感は健在。1個600円ちょいしたと思いますので差し入れついでに1~2個忍ばせておくのがいいかもですね。リアルすぎてちょっと引かれそうですし(笑) 総評です。口に入れた瞬間にCPU使用率100%!これまでカヌレを好んで食べて来た人ほど自信のデータベースと照合して過去に似たようなカヌレがなかったかサーチするでしょうがなかなか適合しないのではないでしょうか。一見ただのカヌレですが日持ちの意識を廃した徹底的なまでの嗜好性の追求はカヌレをよく知る人ほど深い理解を記憶に残す。 お値段は1個300円前後。カヌレにしては高いでしょうか?いえ、この大きさでこの完成度、これはお金を出せるカヌレです。味だけでなく良い物を食べたという充足感、他では滅多にお目にかかれない非日常、差し入れとしてもハクが付くなどマルチに使っていける利便性も兼ねてます。 これを唯一無二と言う気はありません。私自身ダニエルさんやカヌレ堂さんやパン屋さんくらいでそれほど各地のカヌレを食べて来たわけでもありません。しかし私の中ではここのカヌレがハイエンド。カヌレと言えば?という問いに悩まずスッと出てくるお店が確立。今後も長く使っていけそうなお店です。ごちそうさまでした。 #カヌレ #堀江に移転 #週末オンリー #スカル(ハロウィン限定アイテム)

7

大阪府

パン屋

Nobuhiro Itou

能勢電鉄ときわ台にあるアトリエ・サコさん。 大阪の最果てに近いですが夏に一度行って買いそびれも多かったので妙見山に行く流れで再訪してきました。地理的な問題もありますがこのお店は木金土の週3営業なのでタイミングも難しく、また1時間程度であらかた売り切れてしまうのでそれ相応の準備が必要なのもハードルの高さに拍車をかけてます。 またこのお店は食パンが大人気。普通の食パンでも数週間前から予約しないといけないしレーズン食パンに至っては月単位での待ちがあるようです。店頭売りは毎日数個はあるようで争奪戦となります。今回食パンはギリギリで買えましたが持って帰るまでに形が崩れましたので画像は撮ってません(お店に失礼ですし)。でも抜群に美味しかったです。 【季節野菜のドッグ】 黒いクッペに季節の野菜を挟み、そこにぶっといソーセージをドン!なドッグ。 野菜たっぷりでチーズも乗っかりまさに具沢山ですが中でもやはり目を引くのがソーセージ。パキッと噛み切れば溢れる肉汁と脂の味わい。そしてその溢れ出すジューシーな旨みを野菜が拾って贅沢すぎるドッグに変貌しております。 【4種のジャガイモと厚切りベーコンのタルティーヌ】 カンパーニュにこれでもかとばかりにジャガイモとベーコンが乗っかり美味しさマックス食べにくさマックスのタルティーヌ。個性の違うジャガイモの味わい鋭く、そこにベーコンの旨みが忘れた頃に溢れ出す。間違いなく美味いヤツなんですがこれほんとに食べにくいから! 指で支えながら 食べる場所を考えながら 歯を入れる角度を模索しながら パンによる知育ブームきてるなー 【セミドライチェリートマトとバジルモツァレラのフランス】 カリッと硬質なクラストにバネのような弾力を持った高加水の生地。ベースはロデブなのかも知れませんがその潤いある生地がドライトマトを巧みに馴染ませバジルの強い香りをしっかり受け止めている。チーズもたっぷり使っているのに軽やかなのは高加水ならではなのかも知れません。 【有機ブルーベリーと温州みかんのカンパーニュ】 切り口から漂うライ麦の香りに混ざってブルーベリーの甘酸っぱい香りとみかんの爽やかな香り。ブルーベリーの噛めば弾けてフレッシュな刺激とみかんのじんわりとした酸味が全体を調和。これら個性の強いフィリングをしっかり受け止める生地の力強さを実感させてくれるパンです。 【栗のカンパーニュ】 秋の限定商品として少量だけ店頭に出ておりました。丸ごとの栗をカンパーニュに練り込んだ豪快なパンでもっちもちのクラムに栗の風味が乗りまくり。ここ笑う所です。 栗は本当に大きく昨今のコンパクトな栗を見慣れた人には異質に感じるほど。紫色の中心部が実に懐かしさを感じさせる栗です。 【バゲットショコラ】 生地にチョコを練り込んだバゲットに更にメルトフィリングを詰め込んだチョコチョコしいバゲットです。リベイクするとチョコがとろりとしてしっかり噛み締めるバゲット生地と相性抜群。何度も何度も噛み締めて、瞬間瞬間に溢れ出すチョコのじゅんわり感を楽しめます。 【ブリオッシュチョリソー】 見た感じはデニッシュボートにソーセージを乗せて焼き上げたソーセージワッサンに見えますが食べてみて確かにブリオッシュでした。芳醇な卵の味わいとバターのリッチ感はまさに「なるほど」です。それだけではかなりシンプルな味わいですがピリ辛のチョリソーが加わる事で見事な一体感を見る。 総評です。ハード系中心のお店と聞いて期待して行きましたが期待通りかそれ以上の内容でした。週の大半を酵母の管理に費やすくらい酵母に注力するようにどのパンも実にいい香り。クラストはパリッとしながらも硬すぎず、スッと歯が通ればクラムに優しく受け止められ鋭い香りとほのかな酸味を楽しめる。ベーグル一つ取ってもプレーンですら既に完成系です。 惣菜系は過剰なくらいに具材とフィリングを盛り込みますがそれでもパンとしての域を逸脱しない。生地に自信があるお店はこういう事も可能であると証明してくれます。 山奥の駅前商店街、人通りもなく実に静かな場所です。目の前に流れる川は大阪とは思えないほどの清流。お店の天井部にはツバメの巣も見受けられるほどの自然と融合した場所。言い方は悪いですがある種の辺鄙な場所でもありながらパン好きは各地から訪れます。焼き色を見たら分かるんでしょうね・・・ このお店は本物だと また行きたいと思います。ごちそうさまでした。 #パン活 #ハード系中心 #週3営業 #能勢電鉄ときわ台 #妙見山

8

大阪府

洋食

Nobuhiro Itou

仕事で平日に淀屋橋。 となると少し足を伸ばして肥後橋ですね。 以前から知人にプッシュされていた洋食屋「グリルピエロ」さん。平日オンリーでまさにリーマンランチ御用達のお店となっておりますが並ぶと聞いていたので5分前に着いてみたらお店に入れてくれて楽々のインです。この辺の融通の利かせ方はいいですね。 店内はカウンターのみ10~12席くらい?オープンしたらすぐに埋まります。メニューは3種ほどありますが入るとおばちゃんが「いらっしゃい、ハンバーグでいい?」と聞いてくるくらいハンバーグ定食が定番品。 ・ハンバーグ定食(1200円) 熱々に熱せられた鉄板にチーズハンバーグとポテトともやし。そこにボコボコに煮えたぎるたっぷりのデミソースといういかにも洋食屋のハンバーグって感じですが何というかまさに「かっこむ」という表現がピッタリ当てはまる定食です。 程よくジューシーなハンバーグはミンチの粗挽き感も手伝って口の中でホロホロ解れていきますが濃厚なソースとチーズのWパンチで問答無用のコクを伝える。香辛料を多用するタイプではなく鼻腔にちょっぴり残る程度のスパイス感。それがライスへと上手く誘導してくれます。 そしてこの定食はなんと言ってももやしの力が大きいのではないかと。たっぷりのもやしはニラと混ざり合いそこにソースと絡み付いて主菜にも負けない力強さに。これをたっぷりライスに乗せて頬張るだけでほらもう幸せに。 さて、ここはハンバーグだけでも満足できますが見所はそれだけではありません。厨房のおやっさんの鮮やかな調理もこのお店に来る醍醐味です。 鋭い眼光で調理するご主人は既に初老の域に入っておりエネルギッシュな若手料理人と比べると言い方は悪いですが枯れた印象があるでしょう。しかしその熟達した淀みのない手捌き、年期を感じさせる無駄のない動き、感覚だけで回せるベストなタイミング、見ていて「これ絶対美味しいヤツ」と思わせる説得力があります。 総評です。昼時は戦場となるこの地で年期の入った老夫婦の巧みな阿吽の呼吸、古ぼけ使い込まれた道具による雑な所作から導き出された最大効率、煙が充満しまくるスモーキーな店内、独特のライブ感も交えそこから生み出されたハンバーグは・・・ 絶品の一言 期待しか与えてこない厨房でオヤジオンステージ ボコボコに沸騰するプレートが目の前に出された瞬間の興奮度はMAXに達し、もやしをライスの上に乗せて食べた瞬間に確信する「とことん食えるわコレ!」感。お行儀良くとか吟味しながらを完全否定する食べずにはいられないハンバーグの美味しさ、そして小さくなっていく事に寂しさを覚えるフィナーレ感、最初から最後まで万事抜かりなし。 食後はおかーはんの気安い声かけで胃も心も豊かな気持ちで店を後にできる素晴らしいお店。惜しむらくはリーマンランチ店なので常に満席でギチギチ。余裕ある食事はしにくいですし店内は煙で満たされてるので綺麗なおべべを着ている淑女にはオススメしにくい鉄火場。でも来て良かったと思えるお店でした。ごちそうさまでした。 #グリルピエロ #ハンバーグ #洋食屋 #肥後橋ランチ #平日オンリー