平野屋さんの「むしやしない」は、全盛期を過ぎた我々世代のお昼ご飯にちょうどいい。 あたたかい火鉢の真ん中で紅くイコった炭の上、白いおもちが膨らんでくるのをじっと待つ。 私がまだ小さかった頃、こちらの平野屋のご主人の御父上が、火箸で灰を突きながらお餅の番をしておられた。焼き上がったお餅にパリッとした海苔を巻いて「ほれ、焼けたで。やけどせんときや」と、差し出してくれた思い出が焦げたお醤油の香ばしいかおりでよみがえる。 久しぶりにお目にかかった恩師と一緒に、思い立ってぶらっと訪れた。 平野屋さんは、いつ来ても変わらない安心感がある。また、つぎは母を連れて来よう。 懐かしい思い出を掘り出して、陽に当てて虫干しして、またしまっておこう。 きっと、ここに来た人は、みんなそういう不思議なタイムスリップを味わうんだろうな。。 来てよかった。♪( ´θ`) *3月15日 清凉寺のお松明のオマケ付き