【Azurmendi *** 3 バスクシリーズ ビルバオ】 注意)このシリーズは長くかつネタバレを含むのでご注意ください。レストランの記録はここからご覧ください。 ードアオープン ピクニックを始めましょう。ー 荷物を預けて抜けの気持ちいいレセプションエリアでチャコリを受け取ります。このチャコリはここのワイナリーで作られているエネコの叔父もので、オンダラビ・スリとオンダラビセラティアという初めて聞くぶどうでした。チャコリ用のブドウを使ったものながら、市中の軽めの微発泡なドライワインと違い、しっかりとした白ワインになっています。 リラックスしてこの環境を楽しんでいると運ばれてくるのがピクニックバスケット。ワインと合わせて楽しんで。 ウナギの小さなブリオッシュ。キャビアとイカのコンソメは一緒に少しずつテイストするように。オリーブのアイスは、土はブラックオリーブです。 そのどれもがとても印象的。特にコンソメキャビアのスープはちょっと意味不明なほどの美味さです。もう心はここで鷲掴みにされているような。 しばらくすると、さあキッチンへ参りましょう、とエスコートしてくれます。扉を開けるとオラ!の大合唱。目の前にはスペシャリテのエッグトリュフの準備ができています。 卵黄をインジェクションで吸い出し、そこに濃厚なトリュフとシェリーのフォン・ド・ヴォライユ(鳥の出汁)を注入します。この料理、フォンの温度が75度に設定されていて、そのフォンの熱で卵黄を内側から加熱するのです。 一口で。 口の中いっぱいに広がる官能的なトリュフと明らかに良質なフォンの濃厚な味わい、、、卵黄が固まるのが65から70度以上。温度差をうまく生かし、卵黄に粘度が生まれるのでしょう。とろりとした卵黄の旨味を引き出す、まるで魔法のようなひとさじ。 キッチンは広大で二つのパートに分かれています。朝8時から稼働しこの時期、土日以外は昼間のみの1回転。既に下準備も最終段階、綺麗に整ってはいますが、25人の料理人が忙しく動き回っています。 ザ、三つ星のキッチン。それを最初に見せるプレゼンテーション。 さあ、次の部屋に行きましょう! そうして案内されるのはグリーンハウス。冬の最中に目にも美しい緑に溢れる部屋、真ん中は冬のガーデンをイメージして作られています。 その周りのコンテナ、先ずはシードラ、林檎酒を作る段階の前の発酵りんごジュース。濃厚かつ爽やかで、しゃきっとします。 次のコンテナはスパイス。色とりどりのスパイスの中に、五種類のスパイスを使ったトマトのコルネット。さまざまなスパイスが香ります。 次のコンテナにはコップが転がっていて、そこにハーブを落とし、クワハーダというチーズの液体状のものを注ぎます。10秒数えてね、ハーブの香りがうつるから。クワハーダはフレッシュチーズの種類で、山羊のミルクで作ります、まるで美味しいヨーグルトドリンク。 最後のコンテナは、ほらもうお解りね?赤い実がなっているやつね。一口で食べてね、中はカイピリーニャって言うブラジルの有名なカクテルなんだけど、普通はカシャーサというサトウキビの蒸留酒をつかうのを、これはチャコリを蒸留して置き換えてるの。だから、カイピリーチャ。 パリンと赤玉が割れて、口の中に爽やかなライムとハイアルコールになったチャコリがわっと広がります。何という、口福。 小さな花を剪定しているスタッフがいます。綺麗に整えられた美しいグリーンハウスを後にして、いよいよメインダイニングへと移動します。 とにかくここまでの斬新な見せ方の楽しさに驚きました、こういったレストランは見たことがない。もう帰りたいくらいに満足ですが、ここからが本番です。 #エネコ #アスルメンデイ #バスク #バレンタインキャンペーン