大げさではなく、積年の思いがようやく叶い「菊鮨」初訪問。 時間ぴったりに席に着くと、目の前で土鍋で炊いた米飯を寿司桶に移して赤酢を注ぐところからパフォーマンスが始まる。木箱からチラ見えするネタの数々にテンションが上がる。福岡の地酒「若波」を飲みながら、渡り蟹の茶碗蒸し、煮こごりの梅醤油で心を落ち着ける。 一つのネタを人数分握ってから渡していくのではなく、一貫握ってはカウンターの端の客から順番に皿に載せている。それを何往復も繰り返す。中には皿に置かず、直に手渡しというものも。これはもう分単位どころか秒単位で握りたてを味わうしかない。 とらふぐの身の、こちらの顎を跳ね返すかのような弾力。 たいの昆布締めは、口中に残る余韻が名残惜しい。 はがつおの蕩け具合。 かすご(鯛の幼魚) の身の繊細さ。 かますの、炙ったことによる香りの高さ。 この辺りで「若波」がなくなり、次に運ばれてきたのは宮城・新澤醸造店の「伯楽星」。個人的には、日本酒に興味を持つきっかけとなった銘柄である。 まぐろ(大間産)の濃厚な味わい。 こはだの、小さいのに大きい、皮と身それぞれの主張。 ほたての、濃厚ダレに負けない身の風味。 さばの棒鮨、パリパリの海苔に巻いて食べる新鮮さ。 車海老の、身の厚さとカニ脚を思わせる味の濃さ。 うにの、シャリや海苔からあふれんばかりの重量。 アナゴの、口に運んだときも保っている熱。 干瓢巻きの、もはや食後のデザートではないかという甘さ。 玉子焼きに見える謎の赤いつぶつぶ。 忘れたくない、忘れられない感動の90分。 なんどもここを勧め、誘ってくれた馴染み客のTさんに感謝。今回は彼とはスケジュールが合わず、別のメンバーでの訪問だったけど、次回はぜひ。 #春日市 #菊鮨 #菊寿司 #寿司スタグラム #ミシュランガイド #一つ星 #ミシュラン一つ星