2024/9/22来店 新潟2軒目。 今回の旅のメインイベント、このお店の予約が奇跡的に取れたので新潟に来たとも言えますね。新潟随一の鮨屋、『兄弟寿し』さんへ。 古町裏通りの趣きのある雰囲気。 こちらはまず門構えから違います。 中に通して頂くとカウンター8席のみの特別な空間。期待が高まりますね。 まずは生ビールから。 聖籠町のギンナンを揚げたものからスタートします。お寿司もつまみと交互に出てくるので、新潟の純米酒もグラスで。 新潟のアラ、藁で炙った聖籠町の鰆、松浜の特大穴子、新潟の鱚と続きます。 佐渡の南蛮海老、普段南蛮海老を食べている佐渡産のどぐろ。こちらは南蛮海老のミソも添えて。 つぶ貝の串、あおさと梅の茶碗蒸しの後、新川漁港の車海老。火の通し方が本当に絶妙!こんな海老、初めていただきました。 新潟のカマス、新潟のカイワリ、新潟の真烏賊の後、北海道のムラサキ雲丹。 糸魚川の雌のハタハタ、鮪トロの漬けにイカの身とワタを添えたもの、新潟の釣りアジ、豊栄の「ヤキナス」という名の焼き茄子。 そして佐渡産毛蟹の手巻き寿司、あら汁。 〆の太巻きは胡桃入り。 これは新潟だけだそうです。 村上の紅茶と玉子で全て終了。 とりあえず出てきたものを列挙しましたが、口の中に入ると予想を遥かに超えたインパクト。一気に世界が拡がり、長い余韻が続きます。何故こんなに美味しいのでしょう。 例えは良くないかもしれませんが、独創的で綿密なアイディアと職人の仕事が入り、一貫一貫の完成度はフレンチの一品のよう。 フランス料理は味や風味を重ねて皿を完成させていくのだと思いますが、こちらはシンプルな中に知恵を結集して、無駄を削ぎながら旨さを凝縮させています。 この小さな一貫に、とてつもないエネルギーが注ぎ込まれているのでしょう。 仕入れるネタはもちろんのこと、包丁の入れ方、火の入れ方、温度、握り、全てが完璧だと思えました。 サービスも一流レストランを思わせる接客で、お客様を緊張させず和やかに接しながら、さりげない気配りと思いやりが感じられました。 私の少ない経験からではありますが、今まで伺った中で最高のお鮨屋であることは間違いありません。 下世話な話ですが、地元横浜の半分くらいの値段設定。全てにおいて夢のような時間でした。