児玉直彦
腰越駅
ラーメン
鎌倉ラーメンのニュー・ウェーブ御三家、〆を飾るのは紅一点、新田直子さんの営む[中華そば トランポリン]さんの限定そば【しおそば】 江ノ電鎌倉~藤沢間10kmの内、500mだけトラムとなる区間がある。 そんな江ノ島~腰越駅間にある、カウンター7席のキュートなラーメン屋さん。(コロナ対策で、通常7席を5席に減らし、4名のみ店内に案内されている) ラーメン大好き新田さんは、どうしても美味しいラーメンを作ってみたくなった。その背中をお父様が押してくれ、ヨガ・インストラクターから転じて、2018年6月17日にようやくお店を構えた。その日は残念ながらお父様は天に召されてしまっており、感謝を込めての『父の日』だった。 又、鎌倉幕府を滅ぼしたのが新田義貞だったことから、店名は何気に浮かんだ"トランポリン"とした。(大半のお客様は、どんな深い意味があるのだろうかと考えてしまうが、鎌倉に最大限の優しい配慮をしてくれたのだった) さて、彼女の作るラーメンは、自分が食べて美味しく、味と素材に妥協がない。難を言えば、ラーメン屋修行をしておらず、丁寧な仕事だから少々時間がかかることと、美味しさを追及し、できるだけ価格を抑え、自家製と素材にこだわるのでチョッとコスト高かもしれない。裏を返せば、コストパフォーマンス抜群と言える一杯である。 オペレーションで、一番ユニークなのは、オーダー方式だ。 入口に、中華そば(¥820)・限定そば(¥870)・大盛(¥130)・味玉(¥138)・チャーシュー飯(¥330)の木札がその日の仕込み分が積まれており、食べたい札をピックアップし、入店するとその木札に従って支払いを済ませる。木札がなくなれば売る切れだ。(どうも、何気にかわいい味玉の注文が多い様だ(笑)) 今日は、SNSでチェック済みのようやく巡り会えた【限定そば】(しおそば)+【味玉】をオーダーすることに決めていた。尚、お父様の墓参も済ませたチョッと長い夏休み明けの初日でもあった。 この"限定そば"こそ、初訪問時に基本の"中華そば"の美味しさに触れると、どうしても出汁にこだわった限定の一杯も食べてみたくなってしまうのである。しかも、塩好きが、なかなかタイミングが合わず、ようやく口にすることができた人気メニュー(^-^) 11:05に到着。既に4名が案内され5名が列をなしていた。(行列嫌いがここだけは別。猛暑炎天下黙って順番を待つ) 注文が通れば、あとはひたすら待つのみ。 それはひたむきで美しく丁寧な作業であった。 既に、入口で木札を渡しオーダーが通っており、ご常連らしき女性と共に、店内に案内された。 程なく、透き通った黄金色のスープに自家製細麺、自家製チャーシュー、メンマ、小松菜、刻みネギに、味玉が盛られた純白の逆円錐形の陶器が供された。 先ずは、バイカル湖の透明度と言われるスープを味わう。ほのかに魚介系の味を漂わせ、一気に塩好きのハートをわしづかみにする味わい。 麺は細麺と平打ち麺が選べるが、スープが滑らかに絡みながら、味のコーティングをする様に流れ、程よい自分好みの味になる細麺を選んだ。 味玉を二分すると、きれいな黄身を真っ白な白身が包む姿。半分を口に運ぶと、しっかりとした味が施され、スープと麺ともシンクロした味わいを醸し出している。 大きなチャーシューは歯応えを確かに感じさせるや、とろける様な食感を楽しませてくれる。 メンマのシャキシャキ感と小松菜の旨みがアクセントとなり、ラーメン自体の味を引き締めている。 正に、優れたシナリオに従って創り上げられた至極の一杯と表現すればよいのであろうか。旨い‼️ [銀座 古川]の古川智久さん。[馳走 かねこ]の金子辰之さん、そして、[中華そば トランポリン]の新田直子さん。ラーメン好きが高じて、妥協のない創造性豊かな一杯を提供してくれている。鎌倉はだから楽しいグルメタウンなのである。 #鎌倉ニューウェーブラーメン #透き通った黄金色のスープ #行列が絶えない #鎌倉 #腰越 #江ノ電がトラムになる区間