お取寄せお節料理のホームラン王である。冷凍で送られてくる料理に期待はしていなかったが、完全に裏切られた。もっと大きいのを頼めば良かったと正月早々に大後悔しているのである。 冷凍向きの素材を選んでいるのではない、お節の材料は決まっているのである。海老には海老の、黒豆には黒豆の食感がある。どれもこれも、損なわれていないのである。損なわれていないどころか、きちんと美味いのである。恐るべし千里山荘。来年も発注します。 以下、ご参考まで: 私、米国暖房冷凍空調学会(American Society of Heating, Refrigerating and Air-Conditioning Engineers)の会員でした。たまたま、学会の会報雑誌に冷凍食品の歴史に関する特集記事があって、その物語をよく覚えているのであります。 エスキモー(イヌイット)が余った魚をイグルー(雪ドームの家)の屋根に載せて、冷凍させているところを目撃して事業化を思いついたニューヨーク生まれの男が、試行錯誤の末に冷凍食品の製造に成功した。冷凍の機械は既に発明されていたが、量産や商業化に耐える品質の製品を作るのは難しかったのである。 当時は既にアイスクリームの流通網があったのでそれに載せて、試験販売しようとした矢先にあの1929年の大恐慌が起こった。そこから十年間の雌伏の期間を過ごさなければならなかったという物語があるのだ。 何はともあれ、冷凍庫に食材を突っ込めば冷凍食品になるのではないのである。千里山荘もこのレベルのお節料理を作るのにどれだけの年月と費用を掛けたのだろうか。 詳しくはここで、 https://en.wikipedia.org/wiki/Clarence_Birdseye なお、この米国の学会は会費さえ払えば大抵の人なら入会できます。