池田歓

池田歓さんの My best 2020

シェアする

  • facebook
池田歓

ダクシン東日本橋店【本格的名店の南インドは激ウマ】2020カレー004軒004食目 2020.1.4 ●ローズミルク(ダクシンオリジナル) ¥630 ■ラッサム ¥600 ■カッタリカ・カラ・コヤンプ (南インド風なすカレー) ¥1,310 ■チェティナード・チキンカリー ¥1,300 ■レモンライス ¥1,200 ■ポロタ(パラタ) ¥550 ●チャイ 馬喰町の出口からすぐ背後に曲がったところにある。鄙びた現地風情の古い佇まいだ。ゾウやガネーシャの像がなければ、古い高級中国料理店だと言われても信じるような雰囲気。ただ実際は、馬喰町交差点からもうスバマイスの香りがプンプンするので、すぐにインド料理屋だと分かる。 正月4日の土曜営業ということもあって、ランチメニューはなし。ということで、冒頭の通りにメニューを組み立てた。一般のインド料理屋に比較して、全般に値段が1.5〜2倍するけっこうな高級店だ。お財布が心配であれば、平日のランチがおすすめだ。 とはいえ、一流点だけのことはある極上の美味しさを提供してくれる。 ●ローズミルク(ダクシンオリジナル) 甘いミルクに本当に薔薇の香りがする。うっかりおじさんが女子向けのドリンクを注文してしまった。決して自分好みではないけど、ローズ好きの女性にはいいだろうね。 ■ラッサム ¥600 実に美味い!これ以上のラッサムは経験がないかもしれないくらいに美味しい。酸味がキツくなくて飲みやすい。スパイス感がほどよくて複雑で深いのだけど、さっぱりしている。かなり辛いのだけど、一口飲むたびにもっと飲みたいとさじを持つ手が止まらない。極上のスターターだ。 ■カッタリカ・カラ・コヤンプ (南インド風なすカレー) ¥1,310 野菜の旨みが詰まった甘いカレーで、ナスが美味しいし、トマトの味がはっきり出ていて、ああおいしいと声に出てくるようなバランス感。 ■チェティナード・チキンカリー ¥1,300 いやもう一口食べた時点で脱帽だ。カレーを作るなら、最もお手本にしたい一品と言えるくらいに美味しくて滋味深い。なすとスパイスとタマリンド が絶妙に絡み合う。 ■レモンライス ¥1,200 香りが柔らかく、カリカリと砕ける豆の混ざった食感もよくて、そのまま食べても美味しい。レモンライスってこんなに美味しかったっけと思うほどに美味しい。 ■ポロタ(パラタ) ¥550 チャパティの生地をパイのように層状に焼いたパン。これが好きなんだ。 ●チャイ チャイの美味しい店は何を食べても美味しい。逆に何を食べても美味しい店はチャイも美味しい。ほっとする。 正月4日、今年初めて普通営業のカレー屋さんに行ったのがダクシン東日本橋店というのは実によい選択だった。やっぱりダクシンってカレーのお手本、インド料理のお手本と言いたいくらいに美味しいのだった。 めでたしめでたし #ゴーグル仮面 #ダクシン #南インド料理 #インド料理 #馬喰町 #浅草橋 #東日本橋 #ダクシン東日本橋店 

2

東京都

カレー

池田歓

Piwang ピワン【移転後初訪店、広くなったね】2020カレー064軒076食目 2020.2.21 ■2種盛りカレー ¥1200 ▷チキンカレー ▷日替わりカレー(ど海老カレー) ※ご飯少なめ (全乗せ) ▶︎しょうがのつくだ煮 ¥150 ▶︎今日の副菜 煮たまご¥150 ▶︎今日の副菜 にんじんのサラダ ¥150 ▶︎今日の副菜 新たまねぎとうずら卵のピクルス ¥150 移転後、はじめての訪店。開店の30分前に来たら、先客が1組。先にダンディゾンで買ってきた2つの小さなパンをかじりながら楽しみつつ、その時を待つ。 時間が来た。階段を降りて店内に入る。すごいね。広い!かつての3人組お断りの3人がけ横並び裏口退出のハーモニカ横丁とは随分と異なるのは当然なのだけど、想像よりも遥かに広い。他の店等との共同スペースになっているようだ。入口正面はこの日はお休みだったけれどカフェの様子だし、窓際はライブスペースのようだ。奥の厨房を覗くカウンターで注文と支払いを済ませて番号札をもらったら席に着く。満席になると、更に奥の一段上がったスペースにあるたくさんの椅子に腰かけて順番を待つ。1人では管理できないスタイルだけど、注文は以前のスタッフが1人、キッチンにもスタッフが1人つくからシェフは調理に集中できる。すごい様変わりだ。 広々したテーブルで待つと番号を呼ばれて自分の膳を取りに行く。スタッフとの接点が少しずつあるのがいいのかも。このシステムだから、食べ終わった時も膳を返しに行く。 定番のチキンカレー と日替りカレーがあるのは移転前と同じ。今日の日替りカレーは"ど海老カレー"。そして、付け合わせは全部注文した。 2種盛りカレーの真ん中の畦道のように盛ったライスで左右に分割するスタイルはおそらくピワンが元祖だと思う。少なくとも東京ではそうだろう。ピワンに出会って以降、この畦道タイプの2種盛りを見かけるとどれもピワンの真似に見えてしまう。ある店はそれに気がついて盛りつけを変えたようだ。これもピワンが超ド級に差別化できるだけの美味しさあればこそだ。東京のスパイスカレーでも元祖級の早い始まりだろう。東京でスパイスカレーに出会った頃は、まだピワンとカレーノトリコくらいしかその独自性あるカレーを見たことがなかった。 などと考えるうちに番号を呼ばれた。 2種盛りカレー!見るからに美しい。運びながら気がつくのだけど、いや初めて自分の手で席まで運ぶから、余計に気がつくのだけど、チキンカレー もど海老カレーもすごくシャバシャバだ。ある日シャバシャバカレーにであってから、その口当たりのよさと刺激の自由度に惚れ込んだ気がする。お!思えば2/25の晩のマツコでは連続カレー三兄弟がシャバシャバカレーの回だな。 ▷チキンカレー もう、これは惚れ込むしかないのだよ。一度ピワンに出会ってピワンの味を覚えたら、そうもうそれから5年くらい経ったけど、未だにそれ以上を見たことがない。喜びの凝縮だ。 ▷日替わりカレー(ど海老カレー) ど海老カレー、"ど"をつけるだけに、海老の旨味と香りがぎゅうぎゅうに詰まってこれ以上はエビになれませんという味わい。幸せの味だ。 ▶︎しょうがのつくだ煮 これがとてもここのカレーに合う。生姜のみを材料にした福神漬けといった味。みじん切りなのがカレーのどこに合わせてもいいね。 ゆっくりと楽しませてもらったなぁ。 めでたしめでたし #ゴーグル仮面 #ピワン #Piwang

3

東京都

カレー

池田歓

ベトガト【何度も躊躇した入口を突破した】2020カレー113軒226食目 2020.6.16 ■タカリセット ¥1,100 ▷ダルカレー 、▷マトンカレー、▷タルカリ、▷ライス、▷アチャル、▷サグ、▷グンドゥルックアチャル、▷ギー、▷ヨーグルト 、▷ラッシー 新大久保・大久保、すなわち東京都新宿区百人町という地域は、特段にネパール料理店が多くて、加えてムスリム系エスニックの人もとても多い。それで、イスラム横丁なんて一角があって入りにくい店などと誰かが言う店もあるのだけど、イスラム横丁は国内にいながら海外旅行気分を味わいにくる目的の人が普通にいるから、実はあまり入りにくい店はない(経験者にはね)。そんな人がたくさんいるからね。 それで、それよりももっとうんと入りにくい店が新大久保駅から徒歩3分くらいの南寄りにある。ベトガト!というネパール料理店。入口で気が萎えて帰ること3回経験した。それで数軒隣の店に入ったり、すぐそばのハラルショップで買い物したりと近くにも過ごし方はある。でも、この店ベトガトに入りたい。なんで、そんなに勇気が必要なのかと言ったら、扉の向こうの入口付近には人がいなくてハラルショップのような食材などが棚に並ぶのが見える。その奥にレストランがあるという情報があっても、この怪しげな入り口を突破できない。イスラム横丁にも似たような店でソルティカージャガルというのが有名だけど、そちらは有名店だけに入口は開けていて躊躇なく入れる。こちらベトガトは怖い…ああ、神様!勇気を下さい。 そう、前回は来てみたら、生演奏らしき民族音楽が聴こえてきて、まるで何かの儀式を行っているようで怖くて入れなかった。 この日は4回目。静かだ。入ってみよう。入っても無反応だ。さらに奥に入ってみる。思いの外、広くて人が行き交うのが見える。そう、人の気配があれば不安が払拭できる。 店員さんに1人ですと告げると席に案内されて驚いた。随分と広い店だ。部屋が二つに分かれていて狭い方に通されたけど、中はゆったりしている。 当然、店内に日本人はいない。でも、ネパール人のお客さんがたくさんいる。日本にはこんなにたくさんネパール人がいたのかと驚くくらいに賑やかにたくさんの客がいる。普通、ネパール料理痩せたとに入った時に日本人が自分だけというのは普通なのだけど、ここベトガトはネパール人客の多さに驚いた。 ダルバートが食べたくてきたと言うと、500円のダルバートもあるけど、タカリセットがおすすめだと言うので、それをお願いした。 タカリというのは、ネパールのタカリ族のことで、料理が特に上手な民族として有名だ。 出てきたタカリセットはずいぶんと豪華だった。マトンカレーとダル、ギー、ヨーグルトと汁物液物が並び、さらにタルカリと呼ばれる炒め煮の類やアチャールという漬物の類が数多く並ぶ。これは豪華なダルバートだ。 食べてみても、実にいい。ネパール料理のダルバートは特に好きなのだけど、こちらのダルバートはとても美味しい。ダルバートの美味しさというのは、ネパール料理独特の素朴な味わいなのだけど、その素朴さの中から強い旨みを発する。それが際立っている。 インドカレーとネパールカレーの両方をを自分で作ったことのある人には分かるのだけど、その手順が真逆と言ってもいいくらいに異なる。一般的なインドカレーはホールスパイスを炒めてニンニクしょうがを炒めたら玉ねぎを炒め、トマトを加えて水分が抜けたらパウダースパイスを混ぜることでマサラが出来上がるのだけど、この基本的手順は殆どの場合に共通する。しかし、ネパールカレーはニンニク生姜は最後に入って、ホールスパイスの香りを油に移すテンパリングをした油を最後に加えるあたりがけっこうスタンダードで様々な料理に共通する。インドとほぼ完全に逆だ。だから、味は素朴なのに、ニンニクしょうがが強く旨みを与えて香りも強い。 ターリーの上のいろんな料理を徐々に混ぜつつ最後には完全に混ぜて、最初とは異なる味わいを完成させていくのが、こうしたエスニック料理の楽しみ方。豪華なダルバートであるだけに、その変化と深みの楽しみが多彩にあって嬉しい。 実に美味しい一皿だった。 次回は躊躇なく入ることができるね。1人で入る勇気のない方、ご一緒しますよ! めでたしめでたし #ゴーグル仮面 #ベトガト #ダルバート #

4

埼玉県

インド料理

池田歓

カラチの空【やはりハリームは美味い】2020カレー115軒232食目 2020.6.21 □チキンビリヤニ ¥1,000 □ハリーム ¥1,000 金土日限定 ▷ナン 東北自動車道で出かけたので、行こうとしたら埼玉県横断くらい走るのは分かっていた。でも、帰り道の大泉JCTには向かわず三郷JCTに向かうべく途中で進路を変えた。だって、カラチの空って車でしか行かないようなところにあるんだもん。そうまでしても行きたいくらいに美味しいんだもん! そして、金土日限定のハリームと、チキンビリヤニを注文した。ハリームを注文すると店員さんからは有無を言わさずナンつけるねと言われるが、それに従う。毎度思う。ナンがおすすめなのだと。 ニハリが大好きなのだけど、ニハリを食べられるのは土曜日だけ。いずれ土曜日に来なくてはいけない。 ビリヤニがスカッと爽やかにキレのよいスパイス感でたまらない。 反対にハリームは、牛の原形を残さずほぐれ解けて、スプーンからのはみ出しは一見糸を引くようにすら見える。肉の旨味が究極まで引き出されている。美味しすぎる。 こういう現地人系のカレー屋さんにくると、ビリヤニにしろカレーにしろ、一皿3人前くらいの量が出される。頑張って食べるという手もあるのだけど、GKは遠慮せずにお店の方に持ち帰りにしてくださいという。そう、お店側はもともと持ち帰りを前提とする大量を出してくれるので、この店では、あるいは南インド料理店のビリヤニなんかは、遠慮せずに包んで下さいということをお勧めする。頑張って食べるのは体によくないし、持ち帰って、この極上のビリヤニとハリームを繰り返し楽しめるのだから、持ち帰ることは賢いとすら思うのである。 今日も大満足だ! めでたしめでたし #ゴーグル仮面 #カラチの空 #パキスタン料理 #ビリヤニ #ハリーム 

池田歓

美味これくしょん神田倶楽部【極意の限りを満喫】2020カレー268軒473食目 2020.11.30 ●白ワイン ■鴨のパテアンクルート 1/2切れ ¥500 ■きのこのポタージュと帆立のソテー〜焼きリゾット添え〜 S ¥600 ●赤ワイン ■チーズ盛り合わせ ■グリーンカレー ■カレールージュ トッピング付き ■デザート: バニラアイスonティラミス ●コーヒー 最高でした。 感動のあまり文章が長文化しすぎてしまいました。詳細に興味のある方は、ブログを参照下さい。 https://ameblo.jp/komedarian/entry-12641623472.html #神田カレー街食べ歩きスタンプラリー 103スタンプ目 #カレー #ゴーグル仮面

6

東京都

カレー

池田歓

カレーノトリコ【30倍は辛かった&トリコの時間割】2020カレー115軒233食目 2010.6.23 ■あいがけカレー ¥1,200 30辛 ▶︎ルー大盛 ¥200 ▶︎半熟卵 久しぶりのカレーノトリコ。今日は一つ行列の時間がどれくらいになるのかを記録に残してみようと思った。 ※今日のトリコの時間割:ご参考 11:13着、2巡目の行列3番目に並ぶ。開店時間11:00の1巡目を逃したので、店内にいる皆さんのフルタイムを待つことを覚悟した。前後をカップルに挟まれて緊張 11:36 前のカップルが入店。先頭に立つ。 11:44 1巡目最後の人が店を出た 11:45 着席。気難店主がメニューを確認してくれた。 11:49 いよいよカレーが出てきたっす! 12:08 完食、店を出た。 つまり、1巡目を逃して並ぶと、並んでから店を出るまで1時間弱だと見ればだいたいそこに収まる。 この数年間でよく噛んでよく味わう習慣が身についたので、2巡目の3人目に入店したのに、席を立ってのは2巡目の最後で…精神的には、実は後半はとても焦っていた(^◇^;)。頑張って食べるのだけど、次々と他の客が立ち上がって出て行って、気がつけば自分1人残して3巡目の客が入ってきた。カレーノトリコをゆっくりじっくり時間をかけて味わいたかったら、ランチタイム及びディナータイムの最後の客となるタイミングを狙っていくことだと思ったのだった。最後の客であれば、気難店主との会話も、もしかしたら楽しめるかもしれない。 今回は初めて30辛としたけど、20辛は特に辛くないけど30辛は、真面目に辛いと分かった。100辛を食べるカレーノトリコ常連の神田カレーマイスター愛称ボスの舌が鍛え抜かれたプロ級であることを理解したのだった。カレーノトリコの辛さは独特で、5倍、10倍、15倍、20倍と上げていっても、スパイシーさは強くなっても、これまで辛いとは思わなかった。でも、今回の30倍は本気で辛くて汗をいっぱいかいた。そんなこともあって、食べるのにもずいぶんと時間をかけてしまったもので、申し訳ないなぁと思いつつも、まだもっとゆっくり食べたい、すなわち美味しいからもっとこの味を楽しんでいたいと思っていたのだった。 でもなぁ、ああ、美味かった! こんなに美味しい時間をまだまだ堪能したい。 美味しかったからね、 めでたしめでたし ※次回はまた20辛にしよっと #ゴーグル仮面 #カレーノトリコ #ごちそうちよだ

7

埼玉県

カレー

池田歓

強い女【八高線沿線に名店級のスパイスカレーをみつけた】2020カレー259軒457食目 2020.11.21 ■あいがけカレー 無水チキン&ポークビンダルー ¥1,480 ▶︎本日限定和牛牛すじカレー 追加¥200 ●ざくろ酢ソーダ ¥500 とてもいい店で、とても美味しかったです。東京にあったら、間違いなく行列級の店です。 道の駅おがわまちの野菜直売所のポスターを見ていたら、なんと、無水チキンカレーやらポークビンダルーを出すような本格スパイスカレーと見えるカレー店のポスターを見つけた。まさか、埼玉県とは言え、こんな田舎町まで来てそんな店を見つけることになるなんて。 店名が「強い女」!カレー屋を始めるに至るまでに何かあったなと匂わせるタイトルが面白い。おいらの料理教室の女師匠も、某カレー屋の女店主も、女は恋に負けるとカレーに没頭できるのよ、などと冗談めかして力説するものだから、半ば本気にしていたりする。そこに来て、今日は「強い女」に巡り会ったのだから、カレーと対峙しながらよほどに強い女となるべく、カレーに人生を傾けているのだろうと察した。その気概を味わいたい。 あまりに気に入って、文章が長くなり過ぎましたので、文章の続きに興味のある方は、ブログを参照ください。 ブログURL https://ameblo.jp/komedarian/entry-12640300053.html #強い女 #カレー屋 #埼玉県 #小川町 #埼玉県小川町 #カレー #スパイスカレー

8

東京都

カレー

池田歓

野菜と創作curry 舞【コロナで始まったセンスの光るスパイス名品】2020カレー131軒271食目 2020.7.25 ■A.今週の限定カレー 水蛸と水茄子のおろしポン酢 冷やしカレー ¥1,200 ▶︎C.本日の気まぐれカレー 梅干しと大葉のさっぱりチキンカレー(本来¥1,000) 2種盛り追加¥300 ▷副菜  - 十七種野菜の炊き合わせ  - 青菜のクミン炒め  - 紫キャベツの発酵漬け  - 大根のアチャール  - トマトのアチャール  - キャベツのエチュベ(限定カレーのみ) ▷スープ 豆のスープ ▷デザート 自家製ヨーグルト フレッシュアプリコットのピュレぞえ ●人気自家製オリジナルチャイ ¥300 食後に追加 ずーっとカレー巡りをしていると、想像の域を超えた逸品やら優れた店やらにでくわすことがある。カレーというたった一つのキーワードで千軒を超える店を巡っても、まだこれでもかと。 立川は通勤沿線とは言わないけど中央線沿線で生活文化圏の中に入る。子供が小学生の頃は映画を見に行くと言えばいつも立川だった。食べログ上に登場しつつも情報の乏しいある店が気になっていた。「いつまでも、あると思うな親とカレー屋」というのが、カレーブロガーの師匠と思っているタコさんの名言で、なれば気になる店は早く行かなければならない。 (中略:興味ある方はブログ検索「ゴーグル仮面 × 野菜と創作 × 舞」参照) メニューを見ただけでも内容がいい。たくさんの副菜がつくあたり、かなり手が混んでいると見える。滅多に来れぬところゆえ、遠慮なしの2種を注文した。 Aの今週の限定カレーは、水蛸と水茄子のおろしポン酢 冷やしカレー という。ワクワクする。 Cの本日の気まぐれカレーは、梅干しと大葉のさっぱりチキンカレー。シェフの若いお兄さんは、創作でやらせて頂いてますというのだけど、チキンカレーを梅干しと大葉でサッパリさせるというのは、こんなに若い年頃で思いつくようなメニューとは思えない。けっこうな修行を経験してきたのだろう。 副菜もすごい。下記の6品がついてくる。  - 十七種野菜の炊き合わせ  - 青菜のクミン炒め  - 紫キャベツの発酵漬け  - 大根のアチャール  - トマトのアチャール  - キャベツのエチュベ(限定カレーのみ) そして、豆のスープと、デザートもつく。 出てきたプレートは実に美しくて、食べても優しいながらに、ピカリとひかるセンスを見せる。 何かが威張っていたりしないバランス感がある。これはすごいものに出会った。 水蛸と水茄子のおろしポン酢 冷やしカレー 水蛸と生の茄子がサッパリとした涼感を与える。 まるで老練な和食の板前の作るもののようだ。 梅干しと大葉のさっぱりチキンカレー 温かいカレーにもさっぱりとしたクセのない味わいを楽しませる。それでもしっかりとした刺激もある。 聞けば、大阪のダルバート食堂で働いた経験があるという。本当は今年の4月からバックパッカー旅行に行くつもりで準備していたのだけど、コロナ禍で、お婆ちゃんが営む小料理店が満足に営業できぬ事態となり、それをサポートしようと、お婆ちゃんの娘たるお母さんと、孫のシェフとでカレー屋を始めたところ。まだ3〜4ヶ月だ。立川のこの地域といい、カレー仲間たちのアンテナにも引っかかってこなかった。 このセンスのよさはダルバート食堂の本田遼シェフ直伝かと言えば、遼さんオーバースパイス嫌いを見習っていますという。控えめであるほどにセンスの光る料理たちだ。でも、恐らくこの小料理屋のお婆ちゃんの味で育った経験値が大きいのだろうと感じる。いずれ、お婆ちゃんの味も体験したいものだ。 お母さんは、コロナがなかったらカレー屋をやることもなかったのだから人生わからないものだと語る。お兄さんの年頃からすると、お母さんはGKと似たような年頃だろう。 お母さんが今不安なのはと語る。息子はチャレンジングで、カレーを始めてからというもの、まだ一度も同じメニューを作ったことがない。これがいつまで続けられるのかと。そんなことを吐いたシェフもどこかにいた。シェフは、そこまでやれるほどに勢いのある若さだ。 カレーは筆舌に尽くしがたい美味しさとバランスと、カレーのみならず副菜も細部まで様々な気を配っている様子がわかる。 デザートの自家製ヨーグルトも見逃せない。伸びるチーズみたいに粘りのあるヨーグルトだ。 (略) いい出会いだった。 めでたしめでたし

9

東京都

カレー

池田歓

かりい食堂【高円寺には隠れた名店候補が潜んでいる】2020カレー280軒497食 2020.12.17 ■スペシャルかりぃセット ¥1,500 ①カーリーチキンカリー ②直送野菜のマトンキーマビンダルー  バルサミコ酢と黒酢を使っている。 ③キャベツとチリメンジャコのチッチョリ ④ニンニク芽のポリヤル ⑤レンズ豆と万能ネギのマイルドなカリー ▶︎世界のお菓子:シェチェルブラ(アゼルバイジャン) ¥ ●コーヒー 高円寺って、カレーの街という目で見た時に、街全体の平均が偏差値60くらいあると感じる。名店、名店候補、唯一無二の個性的な店、他の街にはない独自の文化が根付いていて、個性的な街の文化と呼応するようなカレー屋でいっぱいだ。有名店や老舗あるいはチェーン店などがひしめき合うメジャーなカレーの町とはまったく異なるカレー文化が、この何年かの間に確実に根付いてきた。 だから、目についた店に入ってもはずれがない。いや、知る人ぞ知る噂のだったりもする。 それで、この日訪れたのは、かりい食堂。これも、そんな知る人ぞ知る名店候補なのではないかな。ずっと入れなかった。開業1周年なのだけど、ゴーグル仮面®︎GKが訪れると、いつも閉まっていた。月火がお休みなのでタイミングが合わなかったのかもしれない。 それでも、この日は夕方の歩行者天国となっている商店街を歩いてきたら、正面の店に灯がついていた。こりゃしめたぞ、営業中の佇まいを初めて拝むことができた。白い提灯にはゴチック体のCURRYの文字が浮かび上がっている。鄙びた風情があってお洒落だ。扉を開けて店に入った。 いいなぉ、居心地いいねぇ。 ご店主が注文とりにきたんだけど、ご店主声がいいね。優しい感じの落ち着いた声で、女性ファンも多いでしょ。 で、せっかくきたかりい食堂だから、遠慮なしに、スペシャルかりいセットを注文した。あえて、今回はライスの調節もなしで。だって、注文する前からがっつり行きたくなるくらいに美味しいカレーが想像できたものだからね。 しばらく待って、カレーの登場! スペシャルかりいセットは5つのパーツで構成される。 ①カーリーチキンカリー  一口目はここに手をつけた。最初からガツンとくるしっかりしたスパイス感。鶏の旨みを上手に引き出してコク深く仕上げている。 ②直送野菜のマトンキーマビンダルー  キーマにも、ビンダルーにも、けっこうこだわりのあるゴーグル仮面®︎GKなのだけど、これが激ウマの逸品だった。キーマは時間をかけるほど美味しくなるというのが、師匠のもんこ先生から教わったエッセンスなのだけど、その手間暇が味にぎゅーっと凝縮されて一発で理解できるほどに美味しい。さらに、このビンダルーの酸味のバランスが絶妙でバルサミコ酢と黒酢を使っているのだという。これが今日、到達すべきものだったみたいだ。 ③キャベツとチリメンジャコのチッチョリ ④ニンニク芽のポリヤル この二つが付け合わせなのだけど、二つの肉のカレーが強い個性を発揮しているので、また野菜の食感を与えることでも、優しいチッチョリとポリヤルの存在がプレート全体のバランスを演出している。にくいぞ! ⑤レンズ豆と万能ネギのマイルドなカリー これがメニュー名通りにマイルドで最高!先にも記したけど、肉のカレーがいずれも口当たりやスパイス感の強いカレーなので、このレンズ豆とネギのカレーのマイルドな旨みが猛烈に際立って美味しい。 素晴らしいセンスの塊の一皿!こちらのお店は、行列になって当然のレベルの仕上がりだと思うのだけど、何しろ高円寺という街全体のカレーレベルが高過ぎるので、今までまだ注目されてないのかもねぇ。GK的には、とても注目すべきカレー屋さんだと感じた。 カレーがあんまり美味しかったので、せっかくだから、コーヒーとおやつも注文した。こちらは、原宿の郷土菓子研究社のお菓子を提供していてシェチェルブラをチョイス。 シェチェルブラって、サクッとした口当たりのクッキーと揚げ菓子みたいな更にクリスピーな内部との二重構造のお菓子。カレーの後にさっくりとした軽い食感で、ご店主が丁寧に淹れてくださったコーヒーとの相性がとてもよかった。また、カレーの後のコーヒーって美味いよね。 何もかも楽しませてくれる"かりい食堂"なのだった。 おいしかったぁ! めでたしめでたし #ゴーグル仮面 #かりい食堂 #カレー #カレー屋 #スパイスカレー #高円寺

10

東京都

カレー

池田歓

サッパドゥレディ【年内にもう一度食べたかった】2020カレー284軒506食 2020.12.26 ■カレー3種 ¥1,500 ▷マドゥライチキンカレー ▷マトンコフタカレー ▷サンバル ▷れんこんのアチャール ▷マッシュルームとロビオンのトマトサラダ ●ラムチャイ ¥400 25日金曜日を自分の仕事納めとして、9連休の初日を迎えた。この日は家で年末にかかることをこなし、翌日のキャンプの準備をする日。 お昼になって考えた。この年末、自宅で1日を過ごす最後の日だ。地元界隈で年内にもう一も食べておきたいと思うカレー屋さんはどこだろう?ちなみに、ゴーグル仮面®︎GKの住う地元はかなりのカレー空白地帯なので、気楽に自転車で行ける範囲は地元だと思っている。そうでないと…地元にはカレー屋がない(笑)。 で、そうだ。8月下旬に一度訪れた店を思い出した。こじんまりとして洒落た可愛らしいカレー屋さんの極ウマのインドカレー。世に名だたるカレー料理人を続々と輩出するエリックサウスも経験されたという後店主の店。 そうだよ。Sappadu Ready サッパドゥレディに年内もう一度行きたいと思った。 思うとすぐ行動するのがゴーグル仮面®︎GK。買い物用の小さな自転車にまたがるとえっちらおっちらペダルを漕いだ。武蔵野大学を過ぎて仙川浄水沿いを走り、NTTのでっかい研究所を過ぎ、武蔵野市の市民プールを過ぎて漕いで漕いでたどり着いた。吉祥寺通り沿い、練馬区に入ってすぐくらい。 小さな佇まいの店の前に、先客2名が並んでいた。そろそろお昼時も終わりかなという時間帯。店内入ってカウンターの端に案内される。 お冷やを出され注文を取ると、お水のおかわりの入ったブリキのやかんを置いてくれる。水をおかわりしなくても、これが何やら嬉しい。シンプルな内装だけど、随所に細かい気配りの行き届いている様子に和む。 皿の上にバナナ葉を敷いてある種ミールズのように提供するスタイル。 バスマティライスの左右にマドゥライチキンカレーとマトンコフタカレーという二つの肉のカレーが盛り付けられ、サンバルがプリンカップみたいなカトリによそわれてくる。 マドゥライチキンのスパイス感と奥深い旨味に前回来た時も撃たれたのだけど今回も然り。 マトンコフタカレーの肉団子がまたよく噛んでじっくり楽しめる深みがある。 二つの付け合わせが素朴ながら気が利いている。レンコンのアチャールだなんて、自分にとってはツボ中のツボ。 マッシュルームとロビオンのトマトサラダも独特の味わいで、カレーの味わいに変化を与えてくれる。 美味しくて、食べ終わりたくなくて、ゆっくり食べるのだけど、それでも終わりはやってきた。余韻を楽しみたくて、ラムチャイをお願いした。 ラムチャイは、しっかりとラムを効かせていて、一口目に脳天までびびっと衝撃が走り、ラムと混ざり合うチャイの香りが鼻を抜ける。二口目からはその衝撃が癒しに変わっていくようだ。カレーの美味しいお店は、食後のチャイまでも気を抜かずに仕上げてくれる。 いやぁ、やっぱり来てよかったなぁ。 おいしかった。また、来年も来よう。 めでたしめでたし #ゴーグル仮面 #サッパドゥレディ #sappaduready #カレー #カレー屋 #吉祥寺