<なにわパラダイス② ケが昇華した至高の懐石> 稀代の社会学者・柳田国男氏が見出した日本人の世界観にハレとケがある。ハレの語源は「晴れ」であり「晴れの舞台」等の言い回しに使う非日常の特別なコト。これに対し日常をケと区別した。これは戦国時代にイエズス会が刊行した『日葡辞書』にも記載されている日本人の古くからの概念である。 「特別なハレの料理にしたらあきまへん。日常を感じるからこそ、お客様が来てはります」 贅を尽くした食材の料理は一度来たら一丁上がりで何度も来たくならない、と大将は語る。 日常の食材を吟味し手間暇を掛けて仕込み、極限までに旨味を引き出す。ケの食材しか使わない日常の料理を「もめんマジック」で昇華させるから唸る料理で感動の連続!ヤバ過ぎ、です。 今年は年一度の「もめん詣で」の日が海外出張と重なり断念しておりました。そこに救世主、和泉の不良中年仲間の招きで御相伴に〜先ずは和泉の要人に大感謝!この要人、今年から急激に忙しくなって、なかなか逢えず終いだったんでお互いの話に花が咲きます。ぬる燗で一献しているうちにユックリと「もめんマジック」が始まりました。最初の雲子から、ヤバイヤバイ!トゥルと口に入ったと思ったら旨味満載の餡と雲子の濃厚クリームがマリアージュ。柑橘の爽やかがテンションを引き上げ、のっけから玉乱〜〜ん!海老芋、刺身と出てくる料理の素材に特別なものが無いのに極上の美味しさで何度も脳内麻薬が爆裂し右脳を震撼、気持ち良くフラフラです。 真骨頂は大根の炊きもん。見た目は、ただの大根の煮物。これが口に含んだ瞬間に広がる旨味パラダイス!海や山の全ての旨味がオーケストラで飛び込んできます。 「見えないところに手間暇とお金かけてますねん。謎解きしたらつまらんでしょ〜」と笑って答える大将。まさに「あっか〜ん!」失神ものの料理で完全昇天。堕ちましたぁ〜〜 気をとりなおしてクライマックスの牡丹鍋と白御飯。この白御飯こそ失禁もののシロモノ。アツアツのバカ美味!奥に見え隠れしている普通の家庭用のジャーで炊いているとは思えない玉乱加減。いやあ、最高ですね!ご馳走様でした。 日常の素材を使った日常の料理。その「ケ」を極限まで高めることで「ハレ」に確変させた唯一無二の懐石。あかん店です。 至高の懐石を食べるなら、是非 #予約困難 #懐石 #ミナミの名店