開いててよかった、河本! 暖簾も仕舞い込まれてるし、磨りガラスからは中の様子が窺えない。 ままよ、と引き戸を開けると、一斉に常連さん達の視線。女性のトントンさんと一緒だったから席を詰めてもらえたみたい。ラッキー‼︎ まずはここに来たら頼まなきゃのホッピー(400円)で乾杯。ますみさんの一挙手一投足に目が釘付け。ゼンマイ仕掛けのようなぎこちない動きなのにキンミヤを注ぐ手つきはさすがに堂に入ったもの。 このホッピーがまるで手品のように旨い! なんなのコレ? この一杯のために木場まで足を運ぶ価値がある。 煮込みをはじめ、ほとんどのツマミがソールドアウト。もろきゅう(200円)をもらうと、これが旨いんだよね。なんだかなぁ、素朴なものが旨いのがホントの旨いだよ。 オーダーする時、ちょっと耳の遠いますみさんに近くの常連さんが注文を復唱してくれたり、店の雰囲気がなんともサイコー。 しかもほとんどがピンの客だという。みんなますみさんと、お店と、ホッピーの魅力にヤられちゃった者同士の妙な連帯感がある。 ますみさんのハッハッハッってゆー独特な笑い声が超かあいい! おいらだけ酎ハイ(400円)をおかわり。常連さんがリレーでポッカレモンを回してくれる。 8時を回るとエンディングソングが目覚まし時計から流れ出した。 それを合図にみんな空いたジョッキや皿を流しに運ぶ。 そして、ひとりずつ、一組ずつ、店を去って行く。さっきまで楽しそうに語らってたお隣さんも店を出れば他人だ。この距離感がやけにすがすがしい。 いやぁ、こりゃまた来なくっちゃだわ! さいはての木場、8時終わりじゃなかなか来られないけどね。