恵比寿のオーセンティックフレンチ「アーティショー」の姉妹店「PLATE」を間借りし、ランチのみのコースを提供する「L'inconnu(ランコニュ)」。 夜はアラカルト料理を楽しめるワインバーの「PLATE」として、昼はフレンチコースを楽しめる「L'inconnu」としてワンオペでシェフが腕を振るう。 シェフの川床稔氏は地元や都内のレストランで修行を積んだ後に渡仏。 パリにてレストラン「Qui plume la lune」や「Maison Rostang」で研鑽を積み帰国。 恵比寿のイノベーティブレストラン「H (アッカ)」でスーシェフとして立ち上げから携わる。 恵比寿と広尾の中間地点にあり、どちらからも徒歩10分ほどの距離。 PLATEの店名が外壁にあり、入口手前にはL'inconnuのメニューが掲げられている。 扉を開けて足を踏み入れると物腰の柔らかなシェフがお出迎え。 カウンター席に案内される。 店内は厨房を見渡せるカウンターが6席、4人掛けテーブルのボックス席が1卓。 洗練され落ち着きを払った雰囲気が漂う空間。 コースはおまかせの1種類のみ。 国内外から厳選した旬の食材を取り入れたコース料理を提供。 メニューは季節のお任せコース全5皿。 なんと料金は驚きの5,500円(税・サ込)。 コースの内容は前菜2品,魚料理,肉料理,デセールにコーヒーor紅茶まで着いてくる。 ◆季節のおまかせコース 5,500円 ◆ワインペアリング 3杯 (泡・白・赤) 4,800円 ※ワインペアリングは杯数と泡,白,赤の組み合わせを選択可能。 コースは予約をしておきペアリングをその場でお願いする。 泡や白などの選択ができるのも嬉しいところ。 〇 Arnaud de Cheurlin Réserve Brut Champagne シャンパンで乾杯してコースのスタート。 提供時にシェフからの説明をいただきながら楽しむ。 ▪️3年牡蠣 グリンピース 新玉葱 ・三陸産牡蠣 ・つぶ貝 ・新玉ねぎのピューレ ・グリーンピース ・ハーブのオイル 濃厚クリーミーな3年牡蠣を甘く滑らかな新玉ねぎのピューレが優しく纏う。 つぶ貝の食感が程よいアクセント。 ハーブのオイルが爽やかに香る。 ▪️桜肉筍 ・熊本県馬刺し ・鹿児島たけのこ ・セルバチコ ・新生姜のソース ・山椒 表面を焼いてたたきのように仕上げた馬肉は、赤身肉の旨みが秀逸。 焼き上げた筍が香ばしい。 ピリリとした生姜のソースと山椒の香りが絶妙にマッチ。 〇 Olivier Leflaive Bourgogne 'Les Sétilles' 2020 魚料理の前に白ワインを。 ▪️桜鯛 蛍烏賊 ・徳島県桜鯛 ・ホタルイカ ・マッシュルーム ・椎茸 ・網脂 ・ミニアスパラ ・ヴルーテソース 網脂で包まれた桜鯛の中に蛍烏賊と椎茸の具材がたっぷりと。 ほろりと崩れる淡白な桜鯛に濃厚なヴルーテソースがよく絡む。 魚の出汁をしっかりと抽出したソースからは素晴らしい旨味が感じられる。 〇 Château Peyrabon Haut-Médoc 2017 そして3杯目は赤で肉を楽しむ。 ▪️仔羊 ・アイリッシュラム ・腰の部分の肉 ・骨から抽出したソース ・ジャガイモのミルフィーユ ・ハナビラタケ ・ズッキーニ ローストされた程よく羊の香る腰の部分のお肉はとてもジューシーで柔らか。 脂身で包み込み旨味をしっかりと閉じ込めている。 仔羊の骨から抽出したソースは至極当然ながら相性抜群。 このソースをハナビラタケにたっぷりと纏わせてソースの味わいを楽しむ。 ジャガイモのミルフィーユの食感が面白い。 ▪️とちあいか ピスタチオ ・とちあいか ・ピスタチオクリーム ・マスカルポーネのアイス ・スポンジ ・ガトー仕立て 下からスポンジらマスカルポーネ、ピスタチオクリーム、苺、ガトーまで美しく重ねられたアシェットデセール。 しっとりと柔らかなスポンジに、冷たいマスカルポーネとコクのあるピスタチオクリームが合わさり、甘さの際立つ酸味の爽やかな苺と、香ばしくカリッと焼き上げられたガトーが一体化感を生む。 〇 京都の紅茶 川床シェフのとても優しく程よい距離感のある接客で寛ぎながら料理を楽しむことができる。 クラシカルな要素も採り入れながら創作されるモダンフレンチ。 その料理は驚くべきクオリティの高さ。 料理はボリュームがありワインの量も多めで満足度が高い。 落ち着いた空間で手軽に楽しめるフレンチコース。 4名からの貸切やカウンターで小ぢんまりと楽しむなど様々なシーンで利用可能。 2ヶ月事にメニューの構成が変わるそう。 また季節が変わった頃にぜひ訪れたい。