日本料理の名店で研鑽を詰んだ荻野氏が、旬の食材を最大限に活用し、季節感を重視した極上の日本料理を提供する。 店主の荻野聡士氏は京都の名店「嵐山吉兆」や「銀座小十」「銀座奥田」などの名店で修行を積み2020年東京赤坂に「赤坂おぎ乃」を独立開業。 開店以降コロナ禍を乗り越え、その卓越した技術と料理への情熱は美食家の心を捉え、今や予約の取れない人気店となっている。 今回、常連さんに有難くお誘い頂き初訪問。 白木のカウンターが眩い明るく清潔感のある7席のみの店内。 料理はおまかせコース一本。 荻野さんからの挨拶と料理の説明を受け、さらに期待が高まったところでコースがスタート。 ----------------------------- 6月のは「夏越しの祓」の伝統的儀式「茅の輪くぐり」を夏の始まりのテーマとして料理が始まる。 半年間の穢れを祓い清め、残り半年の無病息災を願いに込めて、小さな茅の輪から手を伸ばして盃を手にする。 ▪️赤紫蘇のジュース ・赤紫蘇の果汁を搾ったジュース 〇 プレミアムモルツ ▪️とうもろこしのすり流し ・愛媛の赤雲丹添え ・枝豆の屑豆腐 ▪️夏野菜の和え物 ・車海老添え ・出汁の中に山葵とすだち醤油 ・氷に見立てたトマトのゼリー ・熊本の赤茄子 ▪️お椀 ・毛蟹の真蒸 ・ずいき ・柚子の花と皮 ・鰹の一番だし 〇 磯自慢 純米吟醸 ▪️お造り ・いさき 神経締め熟成 ・1枚はそのまま、もう1枚は熱した鉄棒で香ばしさを出したもの ・アオリイカ ・包丁の切れ目を細かく入れ甘くねっとり ・すだち&塩,醤油 ▪️熊本天草 黄金鱧のおとし ・わさびと梅肉 ▪️平貝の貝柱 ・炭で香り付け ・煎りたての胡麻 ▪️和歌山那智神楽の本鮪 ・中トロと大トロ ・備長炭で香り付け ・自家製海苔の佃煮 ・細かく刻んだ長芋 ・黄身醤油 ▪️蒸し鮑そうめん ・鮑のすり流し ・超極細のそうめん神杉 ▪️八寸 ・筏に新緑があしらわれた水辺のイメージ ・フルーツトマトのお浸しとじゅん菜 ・能登のもずく酢はしっかりとした食感 ・蛸と小豆を甘辛く炊いたもの ・揚げたアボカドに豆腐のソースの白和え ・但馬牛ヒウチの焼きしゃぶとホワイトアスパラガスのソテー ・煮穴子と蓮根の餅 〇 今西 純米酒 備前雄町 ▪️シルクスイートの天ぷら ・焼き芋にしてから揚げたもの ▪️長野県天竜川の鮎 ・成魚の塩焼き ・胡瓜の甘酢漬け蓼の葉添え ・鮎のおしりを少し上げて焼くことで、頭は唐揚げ状、お腹は塩焼き、おしりは干物状になる様に焼き方を変えている ・手で持って3口で部位ごとの焼きの違いを楽しむ ・鮎の苦味と相性が良い黒ビール ▪️太刀魚の天ぷら ・炭火で炙った賀茂茄子 ・すじ青のり ・餡かけ ▪️鰻丼 ・炊きたて白ご飯 ・漬物 ・味噌汁 ▪️とうもろこしとキンキの炊き込みご飯 ・万願寺とうがらし ・キンキの脂でご飯をコーティング お代わりで鯛茶漬けやご飯のお供も沢山出してくれるがお腹が一杯で断念。 ▪️水無月胡麻豆腐 ・黒蜜 ・大納言を炊いたもの ▪️天使音(あまね)マスクメロン ・世界一美味しいと言われるマスクメロン ・ココナッツのシャーベット 季節感を取り入れて見事なまでに料理として具現化する。 伝統的な技法と季節の恵みが融合した料理は、単なる食事ではなく、芸術作品のように美しく、味覚だけでなく視覚や嗅覚など五感を刺激する。 日本料理の真髄。 開放的な調理場の臨場感を味わいながら季節を感じつつ料理を嗜み、最高の時間を過ごせる至福の場所。 季節ごとに何度でも訪れたくなる。