南 たすく

南 たすくさんのMy best 2015

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東京都

牛丼

南 たすく

秋葉原、伝説の店「牛丼専門 サンボ」。 秋葉原の語部達は、かく語った。 【第一部 黎明期】 昭和54(1979)年創業。 その立地は、中央通りを挟み、神田青果市場(やっちゃば)と向かい合っていた。 10年後の平成元(1989)年、市場は大田区へ移転する。 (跡地は、「秋葉原UDX」が2006年3月9日にグランドオープンするまで不可触領域となった。) 一方、秋葉原は、1990年の「LAOXザ・コンピュータ館」オープンを契機に、家電の街からコンピュータの街へと変遷する。 そして、よりマニアックな客層を呼び込み、秋葉原戦士(≒おたく)の街へと変貌する。 ここに、伝説が生まれた。 市場で培われた「ムッシュ」と「マダム」の接客が、この店の味とボリュームを求める戦士達と激突するのである。 【第二部 伝説へ】 「サンボ」には、鉄の不文律があった。 ○荷物を空席に置くべからず。 ○携帯電話(通話・メール)、写真撮影をすべからず。(バイブレータを含む) ○音楽プレーヤー(イヤホン)は使用すべからず。 ○注文はお茶が出された時点で行うべし。(それより早くとも遅くとも不可) ○「つゆだく」「ねぎだく」「特盛り」という言葉を口にすべからず。 ○食後は即座に席を立つべし。 不文律は、その味とともに口伝され、多くの秋葉原戦士が戦いに臨んだ。 戦いは熾烈を極めた。 不文律を犯した朋友の屍を乗り越え、戦士達は「サンボ」へ向かった。 何故なら、そこで得られる至宝「牛丼」は、懐かしく温かさに満ち溢れたものであったからだ。 付記するなら、何も知らぬまま入店してしまった者の多くが、尊い犠牲となったことは言うまでもない。 戦いは2004年のBSE問題にまで波及し、大手チェーンからの供給が断たれる中、更に多くの戦士が「牛丼=ポーション」を求めてこの聖地へと向かった。 【第三部 そして現在】 「サンボ」は、2008年11月14日から、突然の長期休業となった。 同年12月20日から営業が再開される。 そして、「ムッシュ」及び「マダム」から、「ギャルソン」への世代交代が起こる。 鉄の不文律は消え去り、「牛丼」の写真撮影も可能となった。 私も彼の地を巡礼し、牛丼(並)470円+玉子50円+味噌汁50円をいただいた。 丼の上に分厚い層を成す、牛肉と玉ねぎ。 しかも玉ねぎより牛肉が圧倒的に多い。 玉子をかけていただくと、やさしさに満ちた、柔らかな至福に包まれる。 そして、「紅しょうが」も、美味しい。 着色されていない本来の色合い、そしてサクサクとした本来の食感と味わい。 味噌汁、味噌も、油揚げも、豆腐も、素材の旨さが正面に出た真っ当な味わい。 本当に、この価格で良いのかという思いにかられる。 まさに「牛丼専門」と掲げる通り、牛丼への愛情と真摯さに満ちている。 そして、お店の方々の対応にも優しさがあった。 それでも、秋葉原の語部達は伝える。 伝説の時代、その丼の盛りは、神々しいものであったと。 [完] ※自身の暴走を止め切れず、大仰な文体でお送りしています。 ※文中に登場する店舗や人物は架空のものであり、例え実在する店舗や類似する人物があったとしても~

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東京都

カフェ

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「純喫茶丘」は、昭和39(1964)年に発掘(←創業)された。 もともとは、丘の上にあった古代純喫茶文明の遺跡である。 長い年月の間に地層に埋もれていったため、地下1階と2階において発掘された。 同じ上野地域で続いて発見された「古城」[昭和38(1963)年発掘2015年7月2日訪問]や、「王城」[昭和45(1970)年発掘2015年7月9日訪問]とともに、上野3大遺跡と呼ばれている。 上野3大遺跡の発掘により、当時の学会において疑問視されていた古代純喫茶文明の存在が立証されることとなった。 上野3大遺跡の中で、「古城」だけが若干離れた場所にあり、遷都前の旧城であると考えられている。 「王城」は新都における王の居住区画であり、「丘」こそがまつりごとが行われる宮廷であった。 螺旋階段を伴う荘厳な遺構、光り輝く調度、そして各所に配置された遺物。 中でも、シャンデリアが美事。 地上から地下1階へ続く階段、地下1階中央、そして、地下1階から地下2階の吹き抜けに設置されたものは、ひときわ巨大なものとなっている。 このシャンデリアこそが、三遺跡に共通する遺構であり、古代純喫茶文明の存在を立証する決め手となった。 鮮やかなステンドグラス。 椅子はワイン色の革張りのソファ。 合板の小さな白いテーブル。 赤い絨毯。 --セピア色のゴージャス。 驚くことに、飲食を注文しさえすれば、誰でもこの貴重な遺構を観賞できる。 「パインパフェ」650円を注文した。 カットパインの二重円が、オーパーツを想起させる。 実際、使用方法すら判明していないオーパーツも多い。 従って、配された文物に不用意に触れることは禁物である。 入店したはずのお客の姿が掻き消えてしまったという報告が、跡を絶たない。 (スミマセン。またウソを書いてしまいました。) #古代純喫茶文明の上野三大遺跡 #純喫茶

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東京都

ラーメン

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昭和20(1945)年、終戦の年に創業した「栄屋ミルクホール」、「ラーメン」や「カレーライス」のお店です。 Rettyを始めて以来、自分にとってのテーマとなっていた二項目について、要となるお店です。 その二項目「看板建築」と「ミルクホール」について、少しだけ書かせてください。 看板建築とは、その関東大震災後、商店などに用いられた建築様式です。 軒を出さず、建物前面を平坦として、モルタルや銅板で仕上げて装飾をつけます。 その装飾が、看板のような平坦な壁を利用して、自由なデザインが試みられたため、看板建築と命名されました。 (看板がある建物のことではありません。) 2014年12月10日に訪問した「万定フルーツパーラー」には、Rettyによって出会えました。 モルタルによる看板建築を代表するような建物が、現役の店舗として愛されているということに感銘を覚えました。 そして、「栄屋ミルクホール」はというと、銅板による看板建築を代表するような現役店舗です。 一方、日本初の「ミルクホール」は1872(明治5)年に開店しました。 日本人の体質改善目的でミルクを飲むことを推奨していた明治時代に広まります。 学生を主な客層とし、手軽な軽食店として発展しました。 コーヒーの一般化とともにコーヒーを提供するミルクホールは、大正期に全盛を迎えます。 そこで、ショーケースに置いて提供さけたお菓子に「シベリヤ」(羊羹をカステラで挟んだもの)があります。 その後、関東大震災を期に喫茶店に取って代わられてますが、それでも昭和30(1955)年頃までは残っていたそうです。 2015年5月31日に訪問した「モカ」はミルクホールと看板に掲げていますが、創業は昭和39(1964)年頃と推定されます。 2015年6月5日に訪問した「ミルクホール若葉」は、それより8年前の昭和31(1956)年頃の創業と推定されます。 つまり、「栄屋ミルクホール」をはじめ、どのお店もミルクホール衰退期の開業となります。 さて、「栄屋ミルクホール」です。 店舗正面を飾る銅板は、建築当時は赤銅色に輝いていたことでしょう。 店舗の左にはショーケースが張り出しています。 いつもはここに「おにぎり(シャケ)」120円や、「いなり寿司」90円が置かれているのですが、今日は完売したようです。 (実際のことろは分かりませんが、)ここに「シベリヤ」が置かれている様子を想像してしまいます。 そして、ミルクホールを象徴する白い暖簾。 暖簾をくぐると、落ち着いた、そして懐かしい店内。 メラミンテーブルにパイプイスです。 このお店では、いつも「ラーメン カレーライス セット」950円をお願いしています。 単品だと、「ラーメン」620円、「カレーライス」650円です。 「ラーメン」は、勿論鶏ガラ醤油ベース。 肩ロースのチャーシューが美味しい。 そして、メンマ、ほうれん草にネギが載っています。 優しく確りとした細麺で、柔らか過ぎず、プッと噛み切れる感じが、何とも気持ちがいい。 ノスタルジックな味わいです。 「カレーライス」は、豚肉とタマネギ、そして真っ赤な福神漬け。 日本にカレー粉が出回ってきた当時、とろみをつけるために、小麦粉を加えたそうです。 まさに、その「小麦粉カレー」の懐かしい味わいです。 #看板建築 #ミルクホール巡礼

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埼玉県

そば(蕎麦)

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暖簾こそかかっているものの、本当に営業しているのか心配になるほどの佇まいです。 「限定一日十食100%そば」(つなぎ使わず「山の水」使用)850円と、「そばがき」740円をお願いしました。 まずは「そば」です。 太めに切られたその様を見ただけで、何かしら伝わってくるものがあります。 新潟産の天然塩が、小皿でついてきます。 「まず、何もつけないで一口。次に、塩で一口。その後は、ご自由に。」と案内されました。 案内通りに、噛みしめ、喉を通すと、そばの実そのものが持つ、素朴な味と香が伝わってきます。 つけ汁も薄味で、そばの風味を引き立てています。そのシンプルさ故に、葱や大根おろしの薬味として役割が明らかとなり、何より、山葵が格別なインパクトをもたらします。 これまで味わってきた「そば」とは違う何かです。 多くの調味料が奏でる現代の料理とは対極にあり、人によっては旨いと感じられないかもしれません。 次に、「そばがき」です。 所謂「そばがき」とは、まるで違うものが出てきました。 100%のそば粉をお湯で練るところまでは一緒なのでしょうが、その後が違います。 つみれ状にしてお湯に浮かべるのでなく、だんご状にして焦げ目がつくまで炙ってあり、皿に盛らて出て来ます。 これを、塩でいただくのです。 そばの香ばしさと、甘みが引き立ちます。 「そば」と同じで、そばの実が内包する味わいを引き出し、それのみを味合わせようとしています。 ご主人が、大成建設の社長や、イトーヨーカドーの創始者や、山本リンダもこれを食べたと仰っていました。 暫く前に、女将さんが倒れ、常連さんがかなり居なくなってしまったとのこと。 そばを追求する仙人めいたご主人、年季の入った「お献立」表、時に取り残されような店舗の様相、まだそこに存在しているうちに自分が辿り着けたことが、終始自分しか客がいなかったこともあり、大仰に言ってしまうと奇跡のように感じられました。(大袈裟ですみません。)

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東京都

天丼

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大正3(1914)年創業の老舗天ぷら屋です。 親子4人が8つの手で始めたことが店名の由来です。 佇まいが感動ものです。 天ぷらを揚げる4代目のご主人が、ガラス越しに見えています。 Rettyの「店舗詳細」を見ていただくと、このお店が平日のランチタイムしか開いていないことが分かります。 平成7年にテレビ東京のB級グルメ決定戦で、天丼の部「丼ぶり四天王」選ばれた時の賞状が飾られています。 この季節、引き戸は開け放たれています。 店頭の価格表を見て先に会計を済ませるシステムで、合い席前提です。 「天ぷら定食」1,750円もありますが、やはりここは「天丼」でしょう。 「天丼」は、中750円、上1,050円で、上をお願いしました。 盛り付けが、美しい。 海老天二つ、インゲン、その下には、丼を覆いつくすゲソのかき揚げ。 最近、神田界隈のいくつかの老舗で、天丼を味わっているのですが、どの店舗とも異なる感慨がありました。 勿論、天ダネも美味しいのですが、更に素晴らしいのは、ゴマ油で揚げた確りとした存在感のある衣と、そこにかかっている丼ツユの味わいです。 濃厚でありながらさっぱりとした甘み。 これは、徹底して庶民の側に立つ「B級」の旨さのように思えます。 特に、ゲソのかき揚げは、ぷりぷりのゲソ、弾力のある衣、そして秋田こまちの白飯が、 丼ツユでいっしょくたになって、口中で暴れます。 これはたまりません。 キャベツを1ヶ月塩漬けした自家製のお新香や、三つ葉とそうめんが入ったお吸い物も、個性があって本当に美味しい。

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茨城県

喫茶店

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石岡市の登録文化財、「喫茶店四季」。 昭和5(1930)年頃に建てられた貸店舗です。 木造2階建てで、大正から昭和戦前に流行した看板建築です。 軒を前に出さず、建物前面を平坦にして、モルタルや銅板で仕上げて装飾をします。 此方の建物は、ギリシャのコリント様式風の柱頭飾りや、屋根上にある煙突状の突起物が素晴らしい。 ネットで拝見して以来、看板建築好きとして、訪問したいと思い続けてきたお店です。 現在出すことのできるメニューは、かなり限られているようで、迷うことなく「アイスコーヒー」350円をお願いしました。 注文を受けてから、女将さんが氷を割ってグラスに入れておられるのが印象的でした。 女将さんの話によれば、このお店は、元々女将さんのご両親がやっておられ、その後をお兄さんが継がれたとのこと。 ご両親からお兄さんの時代は寿司屋で、女将さんは石岡駅前で喫茶店をやっておられたそうです。 そして、お兄さんからこの店を引き継がれて、喫茶店とし現在に至るそうです。 と、ここまでお聞きしたところで政治談義好きの老紳士が来店され、それ以上のことは伺えず終いでした。 #看板建築

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埼玉県

ラーメン

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Rettyの投稿を拝見する度、行きたいとの思いを強くしてきた「中華そば四つ葉」。 その思いを押し留めてきたものは、その立地の悪さのみ。 ところが、先日、いつも参考にさせていただいている方による、ついに行かれたとの投稿。 自分のなかの「行きたい」メーターが振り切れました。 今日は、日曜日。 行列ができることは、分かっていました。 分かっていたのに、色々あって、遠い道程を経て、店の前に到着したのは、12:00。 既に、行列は、折り返し5列に及び、50人を超える人々が並んでいます。 駐車場もいっぱいです。 此処まで来て引き返す選択は、ありません。 即座に、列に加わります。 何を食べようか考えます。 私が参考にさせていただいている方々は「四つ葉そば」750円か、「蛤そば」850円が多いようです。 初入店ですから、店名を冠したメニューにすべきでしょうか。 ところが、列が進んで、4列目への折り返しへ来たところで、列に隠れていた立て看板が現れます。 そこには、「食券を購入してからお並びください」の文字。 見えるところに置いといてよ! 私は、後ろの方に断りを入れ、食券を買いに行かせてもらいます。 此処まで苦労したら、もう後悔はしたくありません。 万全のメニューを選ぶべきです。 「特製四つ葉そば」950円と、「本日のにぎり」300円を選択しました。 「四つ葉」は2013年6月21日、オーナーの実家である「すし宝船」の敷地に、並んでオープンしました。 そのため、すしメニューも選択可能なのです。 3列目の達したあたりで、スタッフが食券を集めに来てくれます。 調理を先行させ、席に着くとすぐに注文内容が届くようにしてくれています。 更に、「すし宝船」の座席も使わせてもらっているようです。 そのため、回転は意外に早く、12:50頃 、店内に招き入れられました。 1分で1名を捌いていることになります。 先に、「本日のにぎり」である「ぶり」が出てきました。 300円とは思えない鮮度と味わい。 期待が、高まります。 そして、「特製四つ葉そば」。 低温調理されたチャーシューの色合いが、美しい。 大きく薄くカットされています。 「特製」により量が増し、ひだを成しながら山状に積み重ねられています。 そのまま食べても、スープに浸しても美味しい。 他に、鶏チャーシュー、三つ葉、海苔、穂先きメンマ、「特製」により追加された煮玉子。 玉子は、パリの三ツ星シェフも唸るという矢部養鶏場のものだそうです。 麺は、村上朝日製麺所謹製の特注細麺です。 比内地鶏をメインに複数の地鶏をブレンドしたスープ。 スープに使わている濃口醤油は、地元埼玉の醸造所である笛木醤油のものをメインにブレンドしています。 飲み干してしました。 どれをとっても美味しく、それらが合わさったときの至福感がたまりませんでした。

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2月3日に続き、再び「笹巻けぬきすし総本店」です。 まずは、前回のポイント。 江戸三鮨のうち、「毛抜鮓」だけが313年の歴史を経て現存していることを知り、訪問。 「ランチセット」1,050円をいただいところ、内容も充実し、上品な味。 しかしながら、こちらの真骨頂を味わいたく、「けぬきすし7ケ潮汁付」1,804円か、「けぬきすし5ケ潮汁付」1,298円をいただきたいと思い至った次第です。 そこで、連続投稿とはなりますが、本日「けぬきすし7ケ潮汁付」をいただいて来ました。 今日の「けぬきすし」は、白身の魚、おぼろ(魚をすりつぶして味を付けいり煮にしたもの)、白魚、海老、たまご、かんぴょう2ケでした。 潮汁と、そしてメニュー記載に無かったので驚いたのですが、カンパチの頭と蕪を煮つけたものが出てきました。 店主へのインタビューをネットで見つけました。 「けぬきすし」の魚類は塩漬けにした後、酸度の強い一番酢に漬けて一日しめ、更に、少し酸度の弱い二番酢に三~四日漬けるそうです。 「すし」に巻く熊笹は、裏がつるつるの種類だけで、一枚一枚水で洗うのだそうです。 酸味は、戦前に比べたらかなり抑えてあるとのこと。 それでも、酢に力強さがあります。それは、保存食としての強さであり、歴史を経てきたことの強さでもあるように思います。 最も感心したのは白魚で、大きめのものを煮てあり、魚としての確りとした味わいがありました。 店内に、水原秋櫻子の句が掲げてありました。 「毛ぬきすしかんだ祭りにきてさかす」

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埼玉県

バー

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この店には、驚かされました。 東浦和の住宅街を歩いていたら、唐突にキューブ状の建物が出現しました。 「Cafe&Bar SIESTA」、どうやら、お店のようです。 建物自体が、特別な雰囲気を纏っています。 開け放たれた正面扉の向こうは、空間を贅沢に切り取った中庭に続いています。 広く取られた窓の向こうにマスターがいます。 ガラス越しにマスターに指し示された、何の表示もない重厚な扉を開け、店内導かれます。 シエスタ(午睡)のまどろみの中から出現したかのような、洒脱な空間です。 カウンターは、国産ケヤキの一枚板。 カウンターに並んだ深い緑色をした重厚なレザーチェアは、国内メーカーに特注したもの。 奥のソファは、イギリスチェスターフィールドのアンティーク。 店内のランプは全てアメリカのアンティーク。 グラスはイギリスで、カップ類はイタリアのジノリ。 ジャズが流れています。 アンプはアメリカ、マッキントッシュの真空管。 スピーカーはイギリスのB&W。 メニューを、拝見しました。 通常サイズの「ケーキ+ドリンクセット」900円も美味しそうです。 しかし、それ以上に惹かれたのは、プチケーキのセットで、2個セットだと850円、3個セットだと950円です。 これをお願いました。 プチケーキは、8種類の中から選びます。 写真の左から、栗のムース、フランボワーズのムース、そしてマンゴームースを選びました。 一つの皿に、生クリームやオレンジとともにデコレートされています。 ドリンクは、アイスラテをお願いしました。 ケーキそれぞれが、素材感のある濃厚な味わいとなっていて、それが楽しい。 カフェラテは、注文を受けたのちにマシンで淹れたものです。 まさか、今日この場所で、こんなにも満ち足りた午後のひと時を過ごせるとは、思ってもみませんでした。

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東京都

コーヒー専門店

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「GLITCH COFFEE & ROASTERS」は、2015年4月10日にオープンしたばかり。 1972(昭和47)年に建築されたビルの1階で、敢て天井等のコンクリートをむき出しにし、床面の趣きに年代が感じられます。 思い切りシンプルな内外装で、正面のガラスに入った文字以外、看板すらありません。 店舗の左側は、テイクアウトの窓口となっており、右奥にはドイツ・プロバット社の焙煎機が据えられています。 オーナーは、バリスタ世界チャンピオンの「Paul Bassett」氏に10年間師事し、その店舗をオープン時から支えてきたチーフバリスタ兼ヘッドロースターだそうです。 コーヒー豆国際鑑定士の資格や、エアロプレス日本チャンピオンなどのタイトルを保持しています。 「today's sandwich」480円、「cinnamon roll」330円、そして「cold brew」320円をお願いしました。 フードは、九段下のベーカリーショップFACTORYのものだそうです。 「cinnamon rollを、温めますか?」と聞かれ、お願いしました。 すると、内包している複雑な味わいが、温かみとともに伝わってきました。 「cold brew」は、水だしのアイスコーヒーで、本日は「ETHIOPIA YIRGACHEFFEE NATURAL」とのこと。 「ナチュラル製法の本来のストロベリーのような味わいです」と説明がありました。 まず、グラス内の色合いの美しさ。(済みません。この色合いに惹かれて写真撮影前に思わず一口飲んでしまいました。) そして、この美味しさをどう伝えたらいいのか。 フルーティーで、爽やかで、……言葉にするのがもどかしい。 サードウェーブ、スペシャルティコーヒー、ライトロースト、……そういったキーワードで括りきれない何か。 これは、初めて体験する味わいです。