Hirotaka Kawasaki

Hirotaka KawasakiさんのMy best 2022

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東京都

ハンバーグ

Hirotaka Kawasaki

【肉のデパートで、パコリタンダブル大盛りを】 パコリタン、この五文字を思い浮かべるたびに、 生唾ゴクリ。あのジャンクの鑑といえる素晴らしい 一品は、破壊力抜群、いちどあの味が頭にのぼると さいご。他の食べ物じゃ、替えが効かず、舌が疼く。 ここ数年、元日の昼、年明け初の メシは決まってここ、肉のデパート“肉の万世”だ。 秋葉原に総本山をもち、ステーキにハンバーグ、 しゃぶしゃぶ、すき焼きと、なんでもごされ。 年中無休、元日も十一時から開店。 寒風吹きすさぶ中、身を縮こまらせながら、 目白通りをえっちら歩き、豊玉陸橋をこえると 見えるのがあの“万”と書かれた赤い提灯。 さっそく店内に入り、いつものように窓際の席へ。 注文は *生ビール(400円) *厚切り牛タン塩焼き 小鉄板(1848円) この牛タン、これがまた、ちゃんと美味いんだ。 サクッとした歯切りの良いタンは、肉々しさがあり 噛む旨さがあり、鉄板焼きの野菜もシャキシャキ。 これをつまみ、ビールを追加! ビールを呑みながら、本命を頼まなくちゃね。 *ダブルパーコーナポリタン(1419円) +ナポリタン大盛り(132円) しばし、待っていると蝶ネクタイ姿の店員さんが 物々しく運んできたのが、パコリタン! ふふ、こっちはパーコーダブル、しかもナポリタン 大盛りで、これにライスと豚汁がつく、完璧な布陣だ。 もちっとしたアルデンテ無視のスパゲティに、 カリッカリ、サクッとした衣に、ジュワッと脂身が 甘く、豚肉の旨味がぎっしりつまったパーコー、 このジャンクな旨さを助長する、ピーマンと玉葱の 素朴な具材に、グッとくる。 スパゲティを巻き巻き、これを頬張り、ライスを ガシガシ食らい、豚汁をクイッと呑んで、追いビール。 嗚呼、元日から、ジャンク魂、炸裂だ… 庶民の味方、肉の万世でつつくパーコーナポリタンは どこまでも哀愁を誘う、国民食の貫禄充分な逸品だ。 #練馬 #パコリタン #パーコーダブル、ナポリタン大盛り #国民食

Hirotaka Kawasaki

【生姜焼き、炙り焼豚で呑み、生姜醤油ラーメンを】 練馬に安ざわ家が帰ってきた。 昨年、練馬店で腕をふるっていた方が急遽店を辞め、 ここ練馬店は閉め、年末に昼限定からリスタートし、 夜も店をあけるようになった。年末にもお邪魔したが 年始の夜の部に、腰を据えて訪れた。 ここ練馬店は現在、職人を募集しているが、 決まるまでの間、オーナーの奥様が厨房にたち、 ラーメンやカレー、生姜焼きをだしている。 その奥様に新年の挨拶をし、振る舞い酒をいただき、 お通しのメンマをつつき、この日の算段をたてる。 白板メニューには魅力的なものがならび、ビールを 呑みながら、あれこれつつき、しめはラーメンだ。 *ハートランド瓶(600円) *生姜焼き単品(650円) *炙りチャーシュー(300円) キンキンに冷えたハートランドでむかえる肉祭り。 生姜焼きは、風味が豊かな国産の生姜をたっぷりと すりおろしていて、これにからむ豚バラは柔らかく ふんわりとした食感で、醤油ダレの濃密さもあり、 酒がスイスイすすむ味付けだ。 そして、炙りチャーシュー。 肉厚なチャーシューは直前に炙られ、噛みしめると 柔らかさの中に噛みごたえもあり、香ばしさが口中に ひろがる。ここらで瓶ビールがなくなったが、まだ 酒は欲しい。奥様に以前、缶で提供していたレモン サワーについて訊くと、再開とともにそれは中止し 金宮で供されると。これは頼まずにはいられない。 *有機レモンサワー(400円) 独特の甘さもあり、ガツンとパンチのある味。 まさに金宮の味で、これを呑みながら、残った炙り チャーシューをつつき、ふうと一息。 肉を食らい、酒を呑むと、俄然、腹が空いてくる。 *生姜醤油ラーメン(800円) しばし待っていると、湯気立った丼が目の前に。 「チャーシュー、サービスで厚くしちゃいました!」 さんざん肉を食べたあとでも、やっぱり嬉しい。 まずはスープをズズッと一口。嗚呼、やっぱり美味い… 生姜に醤油ダレ、鶏ガラでしょうか、どっしりとした ボディで、ふっくらとした細麺を啜るたびに滋味深い スープをからめとり、生姜の風味が五臓六腑にしみわたる。 肉厚な焼豚に、ほうれん草、ナルト、海苔の素朴な 具材を合いの手に酒を呑み、またスープと麺に戻りを 繰り返し、丼は空っぽに。 やっぱり、安ざわ家は美味くて、居心地がいい。 寒さも盛りを迎えるこれから、生姜がたっぷりと 効いた、新潟長岡の生姜醤油ラーメンで体の芯から 温まるのはいかがでしょうか。 #練馬 #生姜焼き #炙りチャーシュー #生姜醤油ラーメン #金宮 #ハートランド

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東京都

イタリア料理

Hirotaka Kawasaki

【帆立、牡蠣のソテーに、濃厚、雲丹パスタ】 過日、しばし遡り、年明けのトンシオーネ。 年始の顔見せを口実に、昼の開店前に電話をすると カウンター席に予約なし。これ幸いと、急ぎ目的地へ。 あいも変わらず、風通しのよい店内の空気に、 掃除が行き届いた、清潔なカウンターに、美しい厨房。 何をいただこうか、あれこれ、この日仕入れてある 食材を訊き、調理の方法を相談し、腹は決まった。 まずは、帆立。 北海道の昆布森。バターで素揚げにしたもので、 大ぶり、肉厚な帆立のサクッとした歯の入りに、 繊維質はきめ細かく、バターの香ばしさと相まって 口中至福。また、下に敷かれた炊き具合が抜群の レンズ豆、燻製された生ハムといい、以前にも増し 合わせの妙が一段と高みにのぼった感がある。 ついで、牡蠣のソテー。 これは気仙沼のもの。軽く振られた粉で、表面は ほんのり焼き色が入り、中はふっくら、縮こまりは まったくなく、こちらもバターの風味たっぷりだ。 百合根のピューレと合わせると、より一層、味の 重なり、奥行きがでて、牡蠣の滋味がまた、映える。 そして、しめのパスタは雲丹だ。 雲丹のカルボナーラ、“雲丹ボナーラ” 頓所さん曰く「今日の雲丹は…」 極上物とはいえない雲丹だからこそ出来た、この 雲丹ボナーラ。魚の出汁と雲丹、クリームを混ぜ 合わせたものなんですが、これがまた、なんとも 呑兵衛にズバッとはまる、ねっとりと濃厚な味だ。 白ワイン、それじゃ足りなく、日本酒を呼び、 またパスタを呼んでは酒を呼びと、止まることなき ひとり雲丹ボナーラ祭りに、大興奮。 霞のようにジャンクさを残しながら、上品さの内に とどまる、トンシオーネの底力に改めて、慄いた。 #桜台 #愛するイタリアン #帆立 #牡蠣 #雲丹パスタ

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東京都

居酒屋

Hirotaka Kawasaki

【ずわい蟹の甲羅盛りに、ロースカツ】 過日、年明け、まだ寒さも深く、 底冷えの頃の“酒膳 かしわ屋” 暮れなずみ、かじかむ手を擦り合わせ、 暖簾をくぐり、引き戸をカラカラ。 コの字のカウンター席の端、いつもの席へ。 暖色の灯りに薄暗い店内、陰影に照らされる 木のカウンターは、煤けたような趣きがあるが よく拭きこまれ、風情がある。ここに座ると 嗚呼、帰ってきたなあという感が深くなる。 まずはビールで喉をうるおし、この日の 品書きを見わたし、注文したのは *まぐろ、イカの刺身 *アナゴとあん肝 *ずわい蟹の甲羅盛り *ロースカツ まぐろはヅケ、赤み自体の味は濃く、漬けられた ことで醤油の風味もよく、イカはねっとり、噛む ほどに旨味が繊維質からジワジワ沁みだしてくる。 ついで、アナゴ。 ふっくら煮られたアナゴを、海苔、あん肝、大葉に のせ、海苔で巻いていただく。コクのあるあん肝と アナゴが口でほどけ、大葉の青みのある香りもよく いそぎ燗酒、日本酒がまた、しぜんとすすむ。 ずわい蟹の甲羅盛り、これにもヤラレた… 甲羅にところ狭しと盛られたずわい蟹の美味さは 言わずもがな。しっとりとした身に、噛むほどに 溢れる蟹の滋味にうっとり、酒がとまらない。 そして、極めつけがロースカツ。 専門店もびっくり、遥か上の高みにある美味さだ。 塩をちらっとまぶしてかぶりつくと、衣はサクッと 香ばしく軽い。赤身は豚の味が濃密で、脂身は甘く かといって後に残らず、品のいい脂の香りだけが 鼻から抜けてくる。 やっぱり“かしわ屋”に敵うところなし。 夏もいいが、冬の食材の味覚にまさるものはなく 牡蠣に白子、あん肝、おでん、書き連ねていると 俄然、かしわ屋気分。いや待て、蕗のとうなど春も また捨てがたい… まあ、ここはいつ行っても、美味いっていうお話です。 #練馬 #酒場 #燗酒 #ずわい蟹 #穴子 #鮪 #ロースカツ

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東京都

居酒屋

Hirotaka Kawasaki

【絶品の豚汁と牡蠣フライ】 練馬で定食がもっとも美味しい店はここだと思う。 豊島園駅から北にのぼり、庭の湯をすこし 越えた通り沿いに、店をかまえる和食屋“十兵衛” この界隈の知人にかねてより勧められていた店で、 夜は時間を短縮して営業をしているが、まずはいちど 昼に寄せてもらおうと、散歩がてら、ぶらり。 開店時間になると、ご年配の品の良い女将さんが でてこられ、暖簾を表にかけ中に招きいれてくれた。 店内はひろく、テーブル席が四つほど、ほかには カウンター席もあり、席の間隔もひろく、仕切りも 置いており、感染対策にも力を入れている。 奥のテーブル席に腰をおろし、品書きとにらめっこ。 日替わりの昼定食は、牡蠣フライ、五目ちらしに 鯖の塩焼き、牛バラ、鳥の唐揚げ。なんとも悩ましい ラインナップだが、えいっ!と選んだのは *瓶ビール(750円) *牡蠣フライ定食(1450円) 750円という中瓶の価格は高く感じたが、江戸切子の 小ぶりなグラスに突き出しが添えられた。菜の花の 胡麻和えだ。菜の花の味もよく、これならむしろ安い。 ビールを呑み、突き出しをつついていると 女将さんがお盆を運んできてくれる。 牡蠣フライに、艶々とした白米、ひじきの煮物に 漬物、昆布の佃煮、そして、豚汁。 まず熱々の牡蠣フライにかぶりつくと、衣はサクッと、 牡蠣はこぶりのものを重ねており、滋味深い磯の香りが 口中、鼻にひろがる。タルタルは玉子の風味たっぷり、 マヨネーズは控えめだ。 ご飯は柔らかめだが、ふっくら。 噛むと、やさしい甘みがじわじわと感じられる。 ひじきも味のふくみよく、昆布の佃煮、漬物を つつき、牡蠣フライ、米に戻り、ビールをくいっと。 そして、豚汁。 これが、また美味しかった。味噌の柔らかい風味に  出汁の旨味、具材の歯ざわりもよく根菜もたっぷり。 香ばしい匂いが楔となっており、ごま油でしょうか。 よく知っている豚汁の懐かしさにひと味たされ、この 豚汁だけで酒が呑めてしまうような深い味わいだ。 牡蠣フライの衣は時間がたってもへたれず、サクサク。 スパサラをつつきビールを呑みほすと、電話で持ち帰 りの注文が次々と入って、厨房も活気づいてきた。 ひとつの盆のなかにひろがる小宇宙を思い返し その町に住む条件として、美味しい定食を食べられる 店があることも大事なことだと、あらためて感じる。 #豊島園 #練馬一の定食 #牡蠣フライ #豚汁 #テイクアウト可 #火曜・水曜定休

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東京都

ラーメン

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【祝九周年 豚骨魚介醤油は更なる高みに】 今日は“RAMEN GOTTSU”の周年、九周年だ。 高田馬場の“渡なべ”に通った日々も懐かしく、かの 店で修行をした、店主齋藤さんの味に、どっぷりと ひたること早九年。 スタッフの退職など足かせもあり、取り組んでいた 新たなラーメン、周年限定ラーメンの提供も難しく ことしはいつもの味で、密やかに周年日を迎えた。 店先に着くと先客はなく、意気揚々と先頭に。 時間をおうごとにぽつりぽつりと客は集まって、 開店時間には十人ほどに。 十一時になり一番のりで店内にはいり、券売機で *味玉ラーメン(950円) しばし齋藤さんと四方山話に花を咲かせていると ほどなく着丼。出来上がった一杯は、なにか海苔の 立ち方といい、佇まいが一層、凛とした感がある。 スープをズズッとレンゲで一口。 鰹のフレッシュで角のない酸味に、鶏のどっしりと したコク、そこに厚みのある豚骨の旨味が、後から 追ってくる。そして、魚介と動物の濃密なエキスを まとめあげる生醤油のやわらかい風味。 中細の麺は、いぜんよりふっくらとした舌ざわり、 歯ざわりで気持ちがよく、啜りもなめらか、実に美味い。 しっとりとした鶏むねチャーシューに、薫香溢れる ローストポーク、いやな甘さのない味玉に、肉厚で シャキッとした拍子木メンマ、磯の香りのよい海苔に 柚子ペースト、九条葱の爽やかさがアクセント。 一気呵成に麺を啜り、具材をつつき、丼が空になる 直前に、替え玉コール! *替え玉(150円) あいもかわらず、この替え玉が安すぎる。 パキッとした細麺にミンチ、フライドオニオン、 これを残った汁にドボンと投入、これをたっぷりと 混ぜ、ズズッと啜ると、脳内ジャンク一色だ! ミンチとガーリックのガツンとした旨味がスープに とけこみ、先のラーメンよりも、ジャンク飯の色が 濃くなり、ノンアルの時世を恨むこと間違いなし。 ふぅ… 美味かった… 「何か気づきません?」 『ん?』 「スープと麺少し変えたんですよ」 麺は粉の配合をかえ、醤油も割合を。そして、 スープもライトな口当たり、かつコクも追求という より万人向けの味にシフトチェンジしながら、従来の ファンの期待も全く裏切らない秀逸な一杯。 限定は試みも面白く、客寄せパンダの側面もあるが デフォの一杯の純度を高める、改めて原点に立ちかえる 一杯を周年に味わえ、感無量。 ふっくらとした麺を一気に啜るたび、あの濃密な 旨味をからめとり、脳内トランス。ジャンクさと 上品さが同居する、至高の一杯に素面で酔いしれる。 #練馬 #豚骨魚介醤油の最高峰 #祝九周年 #スープ、麺をリニューアル #替え玉もまた珠玉

Hirotaka Kawasaki

【生姜焼きに、平打ちの牛すじカレー油そばを】 酒の提供も再開され、ひさしぶりに“安ざわ家”へ。 新潟長岡の生姜醤油ラーメンに、生姜焼き、 牛すじカレーなど、魅惑的な品書きがならぶ当店で 以前から心惹かれていた品をいただこうと、店先に 着いたのは夜の六時半。 引き戸をあけると、店主の奥様といつもの アルバイトの子が笑顔でお出迎え。四方山話をし、 先客もいないので、奥のテーブル席に座らせて いただき、まずはやっぱり酒とアテだ。 *ハートランド瓶(600円) *生姜焼き単品(650円) 質感のある大樹のエンボスでおなじみ、ハートランドの 瓶に触れ、これをコップにクックっと注ぎ、のどを潤し お通しのメンマをつついていると、生姜焼きのご登場。 箸でたっぷりと肉をよそい、大口あけて頬張ると やわらかな豚のバラ肉に、高知産の生姜の風味が ガツン、醤油ダレもしっかりと豚肉となじんでいる。 これをつつきビールを呑み、キャベツの千切りに 汁をまぶして頬張り、また肉に戻りビールで流す。 これを平らげるころに、本命をコール。 *平打ち麺のやみつきカレー油そば(900円) ここらで金宮をつかったレモンサワーを頼み、 残しておいたメンマをつつき、真打の到来をまつ。 しばし待っていると、麺を茹であげた粉の香りが 漂い、丼になみなみカレーが盛られた器が目の前に。 (まったく、麺が見えない…) 丼の底から、やおら麺を持ち上げカレーとたっぷり 混ぜ合わていると、カレーと絡んだ麺の重さが箸を 持つ手に、ズシリと重量感をもって迫ってくる。 麺量は茹で前で250から300gの間で、茹でた後は 400から450gでしょうか。さっそく麺を持ち上げ ズズッと吸い込むと、コクのあるカレーがたっぷり からんだ平打ち麺はもっちり、食べごたえ充分だ。 箸で混ぜ合わせ、麺を持ち上げるたびに、湯気から カレーの香ばしく、スパイシーな匂いがグッと立ち のぼり、平打ち麺を啜るたび、もったりとしたこの カレーがからみ、脳内ジャンク一色。 脳髄まで一直線にかけあがる背徳的な美味さよ! 肉厚なチャーシューをつつき、麺を啜り、レモン サワーをグビっと呑り、ふぅと一息。 やっぱり“安ざわ家”はおもしろい。 正統派な生姜醤油ラーメンや生姜焼きにくわえ、 “やみつきカレー油そば”といったジャンクさ溢れる やんちゃな一杯で、漢魂を激しく揺さぶってくる。 #練馬 #長岡生姜醤油ラーメン #生姜焼き #やみつき牛すじカレー油そば #ハートランド #金宮

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東京都

イタリア料理

Hirotaka Kawasaki

【大間の鮪に、雲丹のパスタ、からすみパスタ】 春の訪れを味わおうとイル・トンシオーネへ。 夜の開店時間に予約をし訪れると、表の看板には 本日予約のみの営業と記されている。中に入ると カウンターは一組のみの準備。この時世、何とも ありがたい配慮だ。 泡で乾杯し、この日入った食材を訊き、調理法を 相談し流れを決め、いざ、今宵の頓所劇場の幕開けだ。 トップバッターはホワイトアスパラ。 湯がいた、身の太いホワイトアスパラの上から カルボナーラソース、これはチーズをスクランブル エッグ状にしたもので、これがふんだんにかけられている。 ホワイトアスパラはみずみずしく、シャキッとした 歯ざわりで、味は淡白によりますが、カルボナーラ ソースのチーズ、胡椒、ベーコンと合わさると、一転、 濃密な味わいに。これと、白ワインを楽しんでいると、 次の料理が運ばれる。 鮪のソテー、しかも、大間産。 皮目は炙られ香ばしく、透き通った桜色の鮪は、 しっとりとして、噛むほどに赤身の香り、穏やかな 酸味が広がる。合わせるのは日本酒、水鳥記。 ひと口ごとに嘆息がもれる。 ここらはパスタ、しめものだ。 まずはカラスミのパスタ。 スパゲティにたっぷりとからませたカラスミ、さらに 上からスライスしたカラスミをふんだんに。さっそく ひと口いただくと、まずカラスミの粒感をしっかりと 感じ、香りがふわっと口から鼻にぬける。惜しみつつ、 ひと口ごと丁寧にカラスミの香り、味を愉しんだ。 頓所さん曰わく、新たな試みのようで、金目鯛の 出汁にバターを加えたものとスパゲティをあえたと。 バターのコクで濃密さをくわえながら、金目鯛の 出汁のおかげか、さいごのひと口まで飽きること なく、スイスイと食べすすめられる軽さがある。 そして、さいごは雲丹のパスタ。 雲丹は上物で、クリームで食べさせるものではなく ど直球。雲丹のもったりとした濃密なコクと磯の 香りがからんだスパゲティは、まさに酒のアテ。 食材のもつ魅力を、引き出すことはもちろん、 新たな解釈を食べ手にあたえてくれる料理との 邂逅はなんど訪れても色褪せず、クラシックとモダンは 表裏一体だと、あらためて、そう想わせてくれる。 #桜台 #イタリアン #大間の本鮪 #カラスミ #雲丹