【町寿司の鑑】 dancyuの「みんなの町鮨」でおなじみ。 練馬が誇る、町の寿司屋『菊寿司』 洗いざらしのような澄んだ空気がながれ、 清潔感にあふれる店内、大将と女将さんの 醸しだすゆるやかな雰囲気に、旨い寿司。 こんなに気持ちのいい店は滅多にない。 休日の夕方、予約をいれた時間にうかがい 扉をひらくと、お二人の温かい笑顔がお出迎え。 カウンター席に腰をおろし、まずは瓶ビール。 お通しの酢味噌の和えもの、雲丹がのせられた 湯葉をつつき、すぐに日本酒にきりかえる。 刺し盛りは控えめにお願いし、ねっとりと まとわりつくイカに、ぷりっとした歯応えの蛸、 脂身がさっとほぐれ、甘みを感じる中トロ。 どれも新鮮でみずみずしく、一口一口これを 丁寧にいただき呑む酒がまた旨い。 ついで、白子ぽん酢。 白子の表面に歯がはいると、ぷちっとやぶれ、 中はとろっとクリーミー。ポン酢も角がたたず まろやかで、舌でおしつぶすように味わう。 ここらで、穴子も炙ってもらう。 炙られ、皮目香ばしく、ふっくらとした穴子に 塩をまぶし、口にほおりこむと、おもわず目を つぶってしまう。 あれこれつまみ日本酒も進み、すっかり夢見心地。 そろそろ、握ってもらおう。 しめ具合のよい小肌に、もっちりとした鯛の 昆布締め、ねっとりとまとわりつき旨味の濃い 赤身、いってん、脂身が口でさっととろける 中トロ、そして、海苔の香りの高いトロたく。 赤酢のシャリは一粒一粒の空気の入りもよく 口でほどけ、ネタとすうっとなじむ。 嗚呼、至福… 温かく、ゆるんだ空気の中であれこれつつき 酒を呑み、寿司をつまむ。 これ以上、何を求められるだろうか。 #新江古田 #町の寿司屋