【京都遠征7軒目 西国一の肉割烹へ】 これぞ肉割烹。 京都、花街祇園にあって、日本一の 肉割烹と呼び声高き「にくの匠 三芳」 カウンター席を予約し、念願の地へ。 店構えも割烹屋の風格充分で、扉を開き 一歩足を踏み入れると、造作も品がよく 落ち着いた雰囲気に、心がおどる。 お品書きから、同行者の好みに従い、 和牛ステーキ 特選ヒレのコースを選ぶ。 この日いただいのは *新銀杏とおにくのお出し *タンの昆布締め *ラム芯のたたき *松茸とテールの椀 *剣先イカとおにくの飯蒸し *おにくのスモークとフォアグラのサラダ *秋茄子とおにくの冷やしあんかけ *サーロインのしゃぶしゃぶ *和牛ステーキ シャトーブリアン ヒレ *旬菜味噌汁 おにくの昆布巻き *ご飯とお漬物 *お抹茶のシャーベット 白州の薫り シャンパンで乾杯し、いざ肉宴を。 タンの昆布締めは美しいサーモンピンク。 脂身が多いのに、昆布の風味と、添えられた 細かく刻んだ塩昆布で、不思議とあっさり いただけ、薄造りでレアな食感に悶絶。 開幕から心をグッと鷲掴みにされる。 ラム芯のたたきは神戸牛。 きめ細かな歯ざわりで、しっとりし塩で いただけば、噛むほどに甘みとミルキーな 香りが鼻から漏れだし、頬がおちる旨さ。 松茸とテールの椀ものは、丁寧にひかれた 出汁にテールの旨味が溶けあい、かぶらと 肉厚な松茸に味が沁みわたり、一口ごとに 溜息がもれる。 この日もっとも驚いたのが、剣先イカと おにくの飯蒸し。これが旨いのなんの。 ねっとりとしたイカと常温のサーロイン、 キャビアの塩気が口の中で渾然として、 ゆっくりと溶けていくような旨さ。 この組み合わせの妙にも感動してしまう。 サーロインのしゃぶしゃぶもまた絶品。 肉厚なしめじと、さっと熱を通しただけの レアなサーロインが出汁を纏い、上質な 脂身がほどけ、あっさりとした味わいに。 そして、メインのシャトーブリアン、ヒレ。 美しい赤身で、肉厚で柔らかいものの、 心地よい噛みごたえもちゃんと残しており、 噛むほどにしっとりとした歯ざわりと甘みが 口中にあふれる。 ゆっくりと極上の肉を味わい、しめの ご飯をいただいたが、これが衝撃的な旨さ。 今まで食べた白米で一番旨かった。 艶やかでぴかぴかした米は、程よい甘さと もっちりとした食感が素晴らしく、つい お代わりをいただき、黄身の醤油漬けで 二杯目をゆっくりと噛みしめる。 肉はどれもが、新鮮さ、食感、甘味、 薫りが素晴らしく、火入れも絶妙。 豪奢にして繊細。濃厚ながらあっさりと した料理と旨いワイン、日本酒を愉しむ。 昨今、ちまたに溢れる肉割烹もどきとは まったく異なり、出汁の旨さ、素材の調理、 組み合わせと、和食の技術が下支えして、 初めて割烹といえると改めて実感した。 付け加えると、店の方の対応がまた実に 気持ちいい。若い方が多いんですが、 変に慣れたところがなくて、純朴な感じが して、応援したくなってしまう。 これもひとえに店主、伊藤さんのお人柄に よるところが大きいからでしょう。 ごちそうさまでした。 また季節を変えて伺います。