千葉県佐倉の超名店&人気イノベーティブ。 伺ってみて、シェフのものすごさがよくわかった。 全体的に北欧を彷彿とさせるイノベーティブで、花を使った美しく可憐なプレゼンテーションや、虫を使うところ、野山の幸(なんとシェフ自ら採ってくる)を多用するところなど、コペンハーゲンのNomaやGeraniumの感動とシンクロする部分が多かった。 とはいっても、その作品は唯一無二の逸品☆発想豊かなシェフが、どんなものをご覧になってもアイディアの糧とし、熟慮と度重なる実験、いろんな生産者の方々からのいろんな素材や、一般人からすると到底おいしい料理にはならなそうな素材(カメムシなど)にも可能性を見出す、そんなすごみが伝わってきて、ものすごく感動した。 シェフが各料理の細かな説明を最初にしてくださるのだが、その説明を伺うだけでも感嘆続き。 しかも、どの料理もこだわりぬいて、ものすごい手間暇をかけた逸品続きで、わき役はいなく、超一級のスター選手が次々と現れる感じ。 全体的にガストロパックを多用していて、素材の臭みをぬき、素材の骨など普通は捨ててしまう部分から旨味を抽出して入れることで、素材の旨味は非常に濃いながら、クセなどのない「スギ料理」に仕上がる。なので、いろんなものが出てきたが、全体的にはどの料理も同じような方向を向いていたようにも思う。 骨など通常捨ててしまう部位などもあますことなく大切に使われていて、さらに、それが素材の旨味を濃厚にするなどの役立ち方をしているのも、特徴的。 今回私は頼まなかったのだが、同席した方がノンアルペアリングを頼んでいた。 ほぼ全部の料理に、料理と同じくらい工夫を凝らしたジュースがついてくる。 料理だけでも斬新すぎて、一品一品の情報量がものすごいのに、ペアリングするとそれが倍になる。私だったら、美術館ですごい作品を見続けたときのように、飽和してしまいそう^^ プレゼンテスギ、日本のみならず世界的にももっと知名度が高ければ、間違いなくWorld Best Restaurantにランクインすると思う。その点では、立地が不利に出ているのかもしれない。 シェフは海外で働いたことはないが、World Best Restaurantに関してはかなり研究なさっているようす。だからこその、独自性高いながらも、イノベーティブのトレンドもしっかりおさえている料理の数々。 料理のペースはとても早く次々に出てくる。シェフはおひとりで料理を切り盛りなさっているらしいが、一品一品丁寧に説明してくださるのもシェフ。いったいどうやって時間を作っているのだろう。 とはいっても品数もすごいので、ランチは4時間弱の長丁場だった。 郊外のレストランならではの贅沢な時間の使い方。 この内容でお会計18000円弱。東京のレストランと比べるとコスパも驚異的。 シェフの親切で温かくて腰の低いお人柄も素晴らしく、超一流の人ってこうなんだろうなと改めて思った。 アート作品としてもすばらしいメニューが配られる。モダンアートは観る人がそれぞれの解釈を楽しむのと同様、どんな料理が出てくるのか、わくわくする謎のメニュー。料理の順番すら謎^^