Kayo Kadono

Kayo KadonoさんのMy best 2022

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1

大阪府

日本料理

Kayo Kadono

緑地公園駅から千里山を歩いて柏屋に向かう。それぞれの家主の趣向が反映されていると思しきさまざまな一軒家が並ぶ。このあたりは高級住宅街と聞いたが、外観からはよくわからず、閑静な昔からの住宅街という印象。メインの高級住宅街から外れているのかも。 柏屋に着く。威風堂々としたオーラある建築。もともと旅館だったが、飲食店に変更するにあたって建て直し、築40年弱だそう。もっと年季が入っているのかと思った。 素敵なお庭を通り抜け、お茶室に案内される。地上から1メートルくらいの小上がりになっていて、1メートル角くらいの小窓みたいなか入口から入る。テンション上がる♪ とても居心地の良い数寄屋造りの茶室。日常から隔離された別世界。 革張りの椅子。クッションが程よい硬さで優しく包み込まれる感じ。 そしてサービス。すばらしい和のおもてなしを受ける。サービスの方がおっしゃることが和の風流な教養に満ちていて、知らない世界を垣間見る。 たまには、1年に1回くらいは、こういうところで風流に過ごす時間を大切にしたい。 実際に来てみて、ルレエシャトーの意味がよくわかったし、日本にある他の和食のお店や旅館のルレエシャトー加盟店にもぜひ行ってみたいと思った。 上質な和紙に刷られた献立表と季節のご挨拶の手紙を受け取る。 献立は1ヶ月ごとに変わるそう。4月の終わりに伺い、端午の節句にちなんだ料理が多かった。一番安価な平日ランチコースで2万円弱。 季節のご挨拶の手紙も、これまた風流で素晴らしく、しみじみとした感動を深める。 さらにすばらしいのが、料理自体も、どの料理をとってもとてもおいしかったこと。さすが三ツ星レストラン。 このくらいおいしい料理をいただけるお店、東京にも多くはないがいくつかあると思う。ただ、たいていの場合カウンターか簡素な個室、こんな優雅な時間を過ごし、極上レトリートになるような場所とは違う(もちろんカウンターはカウンターで料理人の方とお話できたりすばらしいけれど)。そして値段は柏屋さんの平日ランチの倍とられる(ディナーしか営業していないので)。

2

東京都

懐石料理

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あのしのはらご出身の方々(島袋料理長など)と滋賀の招福樓を任されていた北川大将の 和食店が9/1に開店し、9/4に伺う機会に恵まれた。 開店前に銀座大石、鮨なんば、鮨龍次郎、すし 喜邑、天ぷら成生さんでも修行なさったそうで、店頭は彼ら含むそうそうたる方々からの胡蝶蘭であふれ、さらに彼ら直伝の技が昇華された料理を楽しむことができた。 日曜だったこともあり、なんとあの篠原大将がいらっしゃっていて、うれしすぎる驚き。 素材や料理について詳しく解説してくださったり、名店の女将の方々をはるかにしのぐ、すばらしい気づき&きめ細かなサービスでもてなしたりしてくださった。さすが、超一流の方は何をやっても一流。 コースは全体的に、ふしぶしでしのはらさんと同様の料理が出てきたり、しのはらイズムを忠実に受け継いでいると思わせる構成だった。 といっても、しのはらの劣化コピーではなく、さらに銀座大石、鮨なんば、鮨龍次郎、天ぷら成生さんの技術を合わせて、コースの幅を広げている。 しのはらさんと同様、どの料理も素晴らしい素材を活かしていて、ものすごくおいしい。 今後は北川大将や島袋料理長の独自色が出てくるのか、今の路線で行くのか。いずれにしても楽しみすぎる。 開店4日でこの完成度☆しのはらさんと同様、あっという間に超予約困難な人気店になること確信。 篠原大将は後継の育成にも力をいれてらっしゃることを知った。今後は石かわグループのように、多店舗展開していくのだろうか。だとしたら、そして行くことができるとしたら、一ファンとしてとても幸せ。 30800円のお決まりコース。美しい和紙に詳しく書かれた御献立をくださった。 しのはらと同様、サービス料なし。しのはらの常連さんいわく、女将のようなサービスのプロがいないので、サービス料はとらない方針だそう。実際、サービスは女将よりずっとすばらしいのに。

3

長野県

イタリア料理

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軽井沢からローカル線で2駅、信濃追分にある、ディナーは1日一組限定(たしか、たまに開催なさっているランチは2組まで?ディナーと同メニュー)、超予約困難で実質常連さんにご招待いただくしかない。私が伺った時も、2023年はすでに7月4日しか空きがなく、そこにつれて行ってくださった常連さんがさっそく再訪の予約を入れ、2023年は満席。 こちらで供されるのは、私が最も好きなジャンルである、北欧フュージョン、発酵料理という事前情報で非常の楽しみにしていた。 鈴木シェフはコペンハーゲンのKadeauにいらっしゃったとのこと。Nomaには、なんと私が訪問できた2019年9月にのみいらっしゃったそうで、お会いしていたかもしれない。 実際行ってみて。北欧フュージョンならではの斬新さ、発酵、絶品料理、複雑でジュースペアリングといったポイントは当然のようにクリアなさっていた。 特に感動だったのがあのNoma顔負けの多種の食材を一皿に組み込み、しかもその組み合わせが思いもよらぬもの、しかも見事にマリアージュしていて絶品料理に仕上がっていること。 そして、説明を伺って初めてわかる、ありえない手間暇のかけよう。 たぐいまれな天才が、唯一無二の食材の組み合わせ、調理方法をひらめき、試行錯誤し、おそらくトライアンドエラーを繰り返し、そして出来上がったかなりの手間暇のかかる料理法で仕上げた至極の作品を楽しむことができる。 もはや北欧フュージョンと素人がくくるのは失礼な高度なレベルで、オリジナリティを確立なさっている。 一皿一皿、複数の発見や感動があった☆ かなり手間がかかるので1日一組が限界とおっしゃるシェフの言葉も納得。 シェフは明朗な方でもあり、ものすごい早口で一つ一つの料理をご自身自ら説明してくださる。料理の奥深さについてもいろいろと教えてくださって、面白かった。長野県ご出身だそう。 お決まりコース+ジュースペアリング+炭酸水でお会計34000円くらい。交通費度外視したらありえないコスパ。 もし東京にあったらと思う一方、この地にあるからこその価値(NAZに来るためにここまで来たっていうテンションの上がりっぷりと、素晴らしい地元の食材)もある。

4

東京都

寿司

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尚充さんといえば、圧巻のうにのディスプレーで有名な超人気店。 うにが大好きな私にとって、相当行ってみたい鮨店だった。 常連さんしか予約できず、幻のお店とあきらめていたが、親切な常連さんにお声がけいただき、訪問できる日がまさかくるとは! 特につまみ、何気ない食材も、大将こだわりの極上素材なのと、素晴らしい仕事の効果でものすごいおいしさに。 握りは全般的に、小ぶりで赤酢をしっかり効かせたシャリとネタが唾液の効果で化学反応起こすおいしさ。 レビューでみなさまご記載の通り、今年は赤潮でうにが壊滅とのことで、希少で値段も跳ね上がっている。そんなこんなで、うにの種類こそ少なかったものの、他にも素晴らしいものがたくさんあり、むしろ他の食材でも尚充さんは素晴らしいんだってことを十二分に楽しめたように思う。 今回うにの食べ比べは2種のみだったが、素晴らしい体験だった。万が一機会があれば、もっといろんな種類のうにの食べ比べをぜひ体験したい。   ヴィトンのディスプレーでも有名なこちら。たしかに店内には、芸能人などからのプレゼントとのネタケース、特注のフェイスシールド、容器、小物など、あらゆるところにヴィトンのロゴ、そしてところどころエルメス。 話を聞いていた時にはぎらぎらした感じがして、自分の好みとは違うと思っていた。 でも実際行ってみると、大将のお人柄のせいか、ぎらぎら感や嫌味な感じはなく、むしろたくさんのブランド品に囲まれてテンション上がってしまうから不思議^^ お決まりコース+緑茶で33000円。内容鑑みるととても良心的。

5

東京都

寿司

Kayo Kadono

前回ランチ、絶品寿司の数々と劇場的な楽しさにすっかり魅せられたこちら。 ディナーで再訪する機会に恵まれた。テイストはそのままに、値段が違うこともあり、ランチと比べて、種類数、ネタの格ともに格段にパワーアップした由うさんで、贅沢すぎるディナーを堪能した。 気になったのが、前回訪問時と比べ、大将かなりお疲れのようすだった。前回かなり過労という話を聞いていたこともあり、大丈夫だろうかと心配になった。 お決まりコースにいくつか追加+ノンアルコールペアリング。 ノンアルコールペアリングは上質なお茶のラインナップ。高級ブランド台湾茶のオンパレードで、私には聞きなれないものばかり。澄んだおいしさ。お寿司とのマリアージュは私には特にわからなかった。系列店の鮨在の秀逸ノンアルコールペアリングと同系統。

6

東京都

焼き鳥

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ずっと行きたいと温めていて、いつか電話予約にトライしようと思っていた名店。とても顔の広い常連さんに新年早々連れて行っていただく機会に恵まれた。大感謝☆ お決まりコース7700円。 魅惑的なものばかり並ぶメニュー。見ているだけでテンション上がる。 仕入れの状況でほぼ毎日メニューは変わるそう。 それにしてもこの満足度でこの値段はすごい。 今まで訪れた鶏料理店の中でだんとつ一番の感動。すっきり洗練された鶏の魅力を再発見☆ 特にじっくり丁寧に作られた感満載のスープが超絶においしかった。 後半ちょこちょこ登場した焼鳥串は、実際にしたたるほどジューシー、それでいて淡白な柄素材の旨みしっかり。無駄がそぎ落とされ洗練された味わい。 ジューシーで脂の多い鶏を使っているとのこと。ただ、脂っこさは皆無。 田中さんご家族で運営されている。大将が料理全般、弟さんが焼き場。 家庭的で温かな雰囲気。特に大将のお母さんがその雰囲気づくりに重要な役割を果たしている。特に熱心に話しかけるわけでもなく、佇まいのみでその雰囲気を作るのだからすごい。そしてもう80歳を超えていると伺いさらに驚く。私もそんな風に年を重ねたいとロールモデルになるような方。 超予約困難店にもかかわらず、しっかり席の間隔をとってくださっている。オミクロンの影響もあり、今後キャンセルが出ても追加の予約は募集せず、空席にする方針だそう。店の売上や予約したいお客より、実際に来るお客さんを大事にする姿勢。

7

大阪府

フランス料理

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だいぶ前大阪の食通の方(たしかラべのソムリエの方)にトゥールモンドをご推薦いただき、ずっと行きたいと思っていた。その後シェフがad hocに移られ、行きたいレストランがad hocに変わってからしばらく経ち、ついに訪問。 打ちっぱなしのコンクリート、センスあふれるナチュラルテイストのインテリア。いるだけでテンションが上がる空間。この時点では、サステイナブルをもテーマにした博多のフレンチ、Restaurant Solaを思い出していた。 飲み物のメニュー。斬新な組み合わせの意欲的なノンアルコールカクテルも並んでいる☆ノンアルペアリング5500円はこれらを少量ずつ、それぞれの料理の合うものを出してくださるとのことだった。迷ったけど初めてのレストランだったので、この中から1つ、一番無難だが一番おいしそうなものをチョイスしてしまった。 お決まりコース。創作的な絶品料理が続く。大体どの料理もサーブされたとたん、香りを楽しむ、主にソース。 3品目の料理の色々な野菜を組み合わせた美しいプレゼンテーションを拝見してようやく気付いた。フレンチだと思い込んで来たけど、このレストランは実は、ノルディックでは。 と思ってシェフの経歴を調べてみたら、完全にフレンチ畑の方で、ノルディックの要素なし。 ソムリエの方に伺ったら、シェフはノルディックがとても好きで、このテイストになったとのこと。 思い返せばこのインテリアも意欲的なノンアルペアリングもノルディックそのもの。その後もノルディックらしい料理が続いた。 こうして、内装、料理(味とフュージョンとしての面白さ、美しさも含めすべて)ともに素晴らしいのみならず、サービスも素晴らしかった。 まず素晴らしいのが、料理人の方がサーブも担当なさっていること。なので、料理についてとても詳しいし、ひとつひとつの料理への情熱も伝わってくる。 ホールにいらして唯一料理をしていないと思しきソムリエの方も詳しく、みんなでワンチームになっている一体感。 そんなプラスのエネルギーがこちらにも伝わってくるし、みなさまトークも面白い、さすが大阪。 お決まりコースにノンアルコールカクテル1杯でお会計1万円ちょっと。 この値段でこの体験ができるのは素晴らしい。

8

東京都

牛料理

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石かわ。大将お休みの火曜日、石かわの料理人の江藤さんが店主となって、同じ箱で「豊後もん江とう」という店になる。江藤店主ご出身の大分の食材、大分の郷土料理がベースのコースが提供される。 石かわグループならではの、なじみの食材やメニューをありえないおいしさに昇華させる魔術は健在のまま、大分色が独自の個性として光っている。しかも大分のさまざまなブランド食材が出てきて、初めてのものばかりでとても興味深かった。 石かわさんと箱が同じなので、サービスも変わらず。料理について尋ねればくわしく教えてくださる。 素晴らしい体験☆機会があればぜひ再訪したい。

9

静岡県

うなぎ

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浜松の超名店勢麟からスピンオフした鰻のお店。浜松という土地柄、遠方からの勢麟のお客様から「明日は鰻を食べたいので、お店を紹介して」というリクエストをよく受ける。なので鰻のお店を作ってしまった、というのがこちらだそう^^ 大将は夜は勢麟の2番手として活躍なさっている、なんと若干20歳過ぎの塚本さん、という前評判で、若くして活躍なさっていることに驚いていた。実際お店に行ってみて、清廉という言葉がぴったりのイケメンに迎え入れられ、さらに驚く。この後、驚きは大きな感動とともにさらに大きくなる。 大将おすすめの白焼きとかば焼きのセット6500円をいただいた。 こだわりぬいた絶品だったのみならず、とても研究熱心な方で、いろいろなことを教えてくださって、鰻の世界の奥深さを知れたのも、とても面白かった。 それでいて、鰻を扱い始めて1年半程度とお聞きし、恐れ入る。 労働時間18時間、かつ常に真摯に仕事に向き合っている。身を削って努力する天才。 勢麟グループは、今後グループとして少しずつ店舗を増やしていく様子。麟さんも、今は大将おひとりで切り盛りされているが、1名鰻職人の方の採用が決まり、今後はOMAKASEで予約を管理し、コース展開するとのこと。大将はもともと、千葉のお寿司屋さんで修行なさっていたそうで、勢麟グループでお寿司のお店を作って展開なさる計画があるそう。 当初5年以内に東京に移転する計画もあったが、食材は界隈のものを使ってらっしゃるので、移動の間に鮮度が落ちるなどさまざまな問題が発生するのでやめたそう。 グループ全店、今後どう活躍の場を広げていくのか楽しみすぎるし、死ぬまでに全店伺ってみたい。 万が一機会に恵まれたら、勢麟さんのみのためにでも、浜松に行きたくなった。 ★9白焼 おいしすぎてびっくり。私にとって過去最高の白焼き。 天然のようなしっかりした弾力ありながら、ねっとりした脂もしっかり。 お好みで、塩、わさび、山椒。 塩はゲラント酸。甘めでまろやかな塩なので、白焼きとの相性最高☆少々つけると旨みが昇華する。日本の塩は強すぎるので、あえてゲラント産のにしているとのこと。すごく納得。 使用するうなぎ、大将が食べ比べた結果愛知産一色うなぎ一本とのこと。 サイズは3P(330グラム、1キロの袋に3匹入っている)。これ以上大きくなると人間でいう悪い体臭が出てきてしまうそうで、1番おいしい大きさとのこと。

10

埼玉県

フランス料理

Kayo Kadono

東川口にある古民家レストラン。 電話予約したとき、シェフのご対応がとても温かくきめ細かく、いい予感がしていた。 敷地内にレストランの建物、すぐ隣に自家製農園があり、いろいろな野菜が栽培されている。この日も多種類の自家製農園の野菜が出された。夜なので暗くてほとんど見えなかったが、ランチではダイニングからお庭を望むような形で眺めることができ、圧巻だそう。 機会があれば、ぜひランチで再訪したい。 中に入り、建物自体の装飾とインテリアに感動する。とてもセンスがよく洗練されているので、てっきりレストラン用にリノベーションしたのかと思っていた。シェフからお話を伺うと、なんと、シェフの義理のおじいさんが住んでいらっしゃった家で、店内随所で見かけるセンス抜群の装飾は義理のおじいさんの賜物。植木屋さんだったそうで、そう言われて帰りに外壁をみたら、植木型のかわいいブロックが積まれていた^^ おしゃれで感動するし、60年前のデザインという重みもあるし、落ち着く。このセンスの良い建物に、木目調のインテリア、そして和食だと、ともすると鄙び感出るところ、フレンチでまとめている。そしてそのフレンチも、美しいだけでなく、全体的にナチュラルテイストの温かいプレゼンテーションでまとめている。 デザートのときにシェフが出てきてくださって、そんなこんな、いろんなお話を伺うことができた。 まだ20代ながらすごい経歴の持ち主。19歳からフランス&スペイン、23歳でパリの三ツ星アルページュのスーシェフ、その後コペンハーゲンの三ツ星ゼラニウムもしくはイギリスの名店(名前失念)にスカウトされるものの、帰国。 そんなすごい方ながらとても穏やかで親切。超一流の人ってこうだよなと改めて思う。 東川口までわざわざ来たっていう小旅行感がさらに感動を高めているようにも思う。そんなお店の雰囲気作りも、ヨーロッパのトップで経験を積んだシェフならではのセンスなのかも。 さらに特筆すべきがソフトドリンクのラインナップのすばらしさ。 コペンハーゲンのレストランでは、思いもよらない組み合わせ、しかもそれが絶品☆というところが多く、ソフトドリンクが大きな楽しみのひとつだった。 KAMのラインナップもまさにそんな感じ。今回は一杯しかいただかなかったが、味にも発想にも感激☆次回は、ノンアルペアリングを必ずオーダーしようと思った。 お決まりコース+ソフトドリンク1杯(1000円ちょっと)でお会計14000円ちょっとと、今時稀有な良心的な値付け。