@コペンハーゲン これまでけっこうな数の国で食べ歩きをしたと思う。東京のレストランは世界一だと思う一方、外国のレストランでは日本ではない斬新な体験ができることが多くて楽しい。 そんな中でも、コペンハーゲンでの経験は、過去の体験を凌駕する超斬新なものだった。 Noma. もはや食体験は超越していた。主に料理を通じて、彼らの表現する世界観を感じ取る、そんな芸術を体感するような感覚。また、彼らは常に新しいものを追究していて、実際Laboも存在する。大きなLaboの中に招かれて、我々はその実験成果を楽しんでいる、そんな気分にもなった。 さまざまな種類の野菜や果物が多用されていた。今まで味わったことがない種類のものも多かったし、味わったことのあるものも、この野菜がこうなるのか!こんなにおいしくなるのか、という形で出てきたりした。 それぞれの組み合わせもセンス抜群すぎる。特に感動したのがジュースペアリング。メニューを聞くと、全く思いつかない組み合わせ。実際いただくと予想をはるかに上回るおいしさ&調和。しかも料理ともみごとにマリアージュしてるので、料理のみ、ドリンクのみ、料理&ジュースのペアリング、と3種楽しめるメニューがほとんどだった。 コペンハーゲンではこんな感じで、ジュース軽視の概念を覆すさまざま絶品ジュースがいただけるところが多い。 季節柄いただいたのはベジタリアンのコース、インテリアもあいまって森の中のレストランで食事をしているような錯覚に陥った。野菜中心でも満足感は非常に高く、おなかもいっぱいになった。一方で食後感や翌日の調子はとても軽く、快適だった。 機会があれば、他の季節(魚とジビエ)のコースもぜひ味わってみたい。同じベジタリアンのコースでも、数年経ったらまったく別のものに進化しているのだろう。 17時予約。まだしっかり明るい。この時間の予約、昼~夜に徐々に移り変わっていく景色を楽しめて最高の時間帯だと思う。 まずは、ザンビア出身の男性に導かれて温室へ。さまざまな緑に囲まれながら、優雅にアペリティフを楽しむ。 そしてダイニングに向かうために広いお庭を歩く。田舎の野道を歩いているような自然な風景ながら、北欧のさまざまな美しい花々が可憐に咲き誇っていて実は計算されつくされているのだと思う。コペンハーゲンでは、こちらで見かけるような可憐な花が多種あり、それがレストランの料理にも多用されていた。 そしてメインダイニング。緑の植物&木目調の柱・壁で森リゾートのロッジにいるような感覚。高級感ある快適さながら、自然とともにリラックスできる。窓は一面ガラス張りで、自然感あふれる美しい庭が望め、さらにその先には工場の煙突(これもおしゃれで絵になっている。) オランダでも思ったけど、北欧エリアってインテリア、建物のセンスが抜群すぎる。歴史的な建物は美しくどこか素朴でかわいらしい。新しいガラス張りなどの建物(北欧では光を取り入れるのが重要なので、ガラス・鏡を多用したデザインになるそう)はエッジが効いていておしゃれ。しかも両方がみごとに調和している。 お客さんも他国の高級レストランにはないようなカジュアルな服装。 コペンハーゲンに住んでいる方いわく、コペンハーゲンのレストランは、高級レストランのかしこまった感じからのアンチテーゼとしてこのようなスタイルになったそう。個人的には、観光の服装そのままで行けるのでありがたい。 このこなれ感。相当センスがないと出せないと思う。 お会計は60000円弱。 私にとって、過去No.1のレストラン。