一番近いとされる雑色駅から徒歩10分程度の住宅街のど真ん中に、ワインとイタリアンで人気のお店があります。予約の困難さはかつての品川の人気焼き鳥店以上というハードルの高さから行きたいと思いつつも行けずじまいだったのですが、なんと予約できた方からの有難いお誘いがあり連れて行っていただきました。貴重な機会をいただき、本当に感謝です‼︎ こちらはワインを飲まない方はお断り、というワインレストランであるため、集まった面々は皆さんワインにはちょっとこだわりのある方でワイン談義も面白くなりそう(^ ^) このお店は料理やシェフの写真は撮影掲載OKですがメニューは撮影NGなのです。理由はメニューブックを見てわかりました。メニューブックそれ自体がシェフの料理に込めた想いを綴った物語になっているのです。一つの料理に一つの物語、まるで短編集を集めた本のようになっていて、料理を選ぼうにもまず文章を読んでしまうので、とにかく時間がかかることσ(^_^;) なので、料理選びはこちらの経験者にお任せすることにしました。 早速泡から開始、前菜として自家製オリーブを個数でオーダーします。この国産オリーブの大きさと身の厚み、漬け方ともに今まで食べたことのないクオリティ、オリーブはフルーツであることを実感しました。一粒60円だそうですが、なんかお値段おかしくない?というくらい価値のあるものだと思います。もう二品前菜として生ハムとクロスティーニをいただきます。ベジョータの最上級の生ハムは軽く温められた皿で供され、脂がトロリと緩くなって素晴らしい香りを放っている最高のタイミングでいただきました。生ハムは下手をすると固まった脂でワックス臭い供され方をするお店もありますが、この気遣いは食材に対する最大級の賛辞の現れではないでしょうか? レバーペーストのクロスティーニは出来立ての温かい柔らかめのものでフレンチのものとは異なる柔らかさとテイスト、奥が深いです。 ワインはロゼのスパークリングに変更、料理はエビ焼きと自家製サルシッチャです。マダガスカル産のエビを頭と尻尾を取ってガーリックオイルでソテー、頭と尾はカリカリに素揚げして煎餅のように楽しみます。サルシッチャは皮はパリッと中はハーブの香りと肉汁がほと走るソーセージの醍醐味を味わえます。添えてあるサラミも激ウマ‼︎ ワインを白に変え、冬の名物の牡蠣グラタンです。なんとストウブの角皿でフルサイズの分量に驚きました。岡山産の大粒の牡蠣は七分まで加熱した後オーブンで焼き上げられたとのこと、中の汁を保ったままベシャメルソースで外側を固められた牡蠣はあくまでもふっくらジューシー、ショートパスタとの絡みも素晴らしく、これは名物てあること間違いなし‼︎ もう1本白ワインで真鯛のカルパッチョをいただきました。カルパッチョはまさかの身厚なカットで5切れもあります‼︎ どこぞのランチの刺身定食のメインよりも食べ応えのある真鯛はしっかり熟成されて旨味凝縮、作るときには手を氷で冷やしながら0〜3度の温度で作るシェフ渾身の一品でした。 ここで満を持しての赤ワイン、料理はトリッパとイカと帆立のイカ墨リゾットです。トロトロで口の中で溶けるほど柔らかいトリッパは臭みとエグ味は皆無、無限に食べられそうです。イカ墨のリゾットは低温加熱な感じの仕上がりの大粒な帆立が4個、さらにヤリイカと思われる柔らかい肉感のイカがゴロゴロ入ったもので、イカ墨の風味と独特な甘さが帆立の旨みと甘みが絶妙のハーモニーとなっていました。 デザートは幹事がお持ち帰り前提で大きなティラミスが用意されていました。大きな角皿いっぱいのティラミスは1年前に自家製のコーヒーリキュールを作るところから始め、軽い仕上がりの土台にリキュールを含ませ、ふんわりしたマスカルポーネに新鮮なココアパウダーで、全ての素材が突出せずに一体となったもの、これはこちらで食べるべき一品と感じました。 ワインは5000円から8000円の価格帯が多く、どのワインを選んでもハズレのない品揃えとしっかりした輸送と保管で、値段を超えたクオリティの高さを誇ります。料理も写真はティラミスを除いて全て1人分で量はかなり多く、食べきれない時は持ち帰りができます。イカ墨リゾットとティラミスをしっかりお持ち帰りするくらいの量もあり、 6人でワイン5本を開けて1名約13000円、コスパが良いという言葉を破壊し尽くすほどの衝撃的なお会計でした。 キッチンはシェフのワンオペなので、1日に最大6名グループを2組だけ、開始時間は前半と後半に分けています。シェフの料理にかける情熱、お客さんの喜ぶ顔が一番とおっしゃるシェフの素敵な笑顔とお話、4時間と長居をしてしまいましたが、まだまだ語りたい気持ちを抑えて店を後にしました。必ず自力で予約してまた行きます‼