夏に続いて2回目の訪問です。今回は秋の味覚。松茸、鮪、そして稀少な鰻もいただけたりして、なんと懐の深い店なんでしょうか! 前回伺って大間産鮪の脳天をいただいている時です。店主の小川さんより、大間の鮪が一番美味いのは秋!それも世界一美味い。何故なら大間の鮪は秋になると秋刀魚を食べるからだ、ということを聞いて、友人に即予約してもらい、その日がやっと来たのでした。 夜乃部はメニューがありません。お酒については、最初のみビールを指定しましたが、日本酒については小川さんセレクトのものが順次出てきます。 まずはサッポロ赤星(ラガービール)で乾杯!(この後は日本酒へ移行。詳細は後述。) 今回の料理は… ・富山産白海老 白麹和え これは前回も出たので定番なのでしょう。それだけに安定の美味さ! ・青森大間産鮪 頬肉のヅケ え?脳天じゃないの?とプチ疑心暗鬼になりましたが、そんなことは言えるはずもなく。しかし、秋の大間産の鮪なので頬でも間違いない。 ・しめ鯖 日常的には鮪よりも鯖の方が好きなので、これは嬉しい。締め具合もいい塩梅。 ・三陸産黒鮑の煮鮑 スペイン産クリード(チーズ)添え 黒鮑でも柔らかく仕上がっている。この日の朝に店主がこれに合わせるチーズを数十種類食べて厳選したのがクリード。口にした時は控えめな印象だけれど、後から酸味や甘味が残る。鮑の滋味と合わせても単独で食べても美味かった。 ・青森大間産鮪の脳天 真打ち登場(この時点では)!これを食ベに来たのだ!脂もしつこくなく蕩けていく。まさに絶品!! ・松坂牛のタタキ 調理前の塊を見せていただきましたが、美しい赤身!この時はどんな料理に生まれ変わるのか教えてもらっていませんでした。そして出てきたのはタタキ。僕はタタキとかローストビーフって、パサパサしていてあまり好きではないのです。が、これは違いました。絶妙な火の入り具合でジューシー。旨味も凝縮!これは美味い!自分史上、美味いタタキ/ローストビーフの店は2軒目。 ・鰯の煮付け 小川さん曰く、今年の秋刀魚は出来が悪くて1尾も仕入れなかったとか。その代役がこの鰯!丸々太っており、その大きさは2kg箱に9尾とのこと。その肉付きに加えてこの照り!食欲が増していきます。見た目どおりの豊かな味わい! ・秋田産焼き松茸 切られていない松茸を食べるのは生涯初めて。それも国産!これだけでも来てよかった!えも言われぬ香りが口いっぱいに広がって鼻に抜けていく。もう言葉は要らないでしょうw ・和歌山産青鰻の白焼き 一般的な鰻は肌が黄色がかっていますが、こちらは青みがかって、幻の鰻と呼ばれているそうです。一般的な鰻のように川や湖沼ではなくプランクトンの豊富な汽水域(川と海の境目)に住み、そのプランクトンを食べるシャコを餌にしているのだとか。漁獲量が少なく、築地にも年間で10尾ほどしか入ってこないそう。都内の老舗鰻店ではうな重が一万円以上するらしいです。そのうちの1尾を食べられるなんて。もちろん初めて。身は肉厚で、しかも白焼きなのでしっかりとした歯応え。噛むほどに旨味が溢れて美味かったです! ・三重産蛤の鳴海蒸し 千葉の鳴海(なるか)という地酒で蒸した酒蒸し。身の旨味と酒の旨味が重なるのだから、酒蒸しって美味いですね。これももちろん美味かったのですが… ・稲庭うどん とうとう締めになってしまいました。麺にはバチ(棒に掛けて乾燥させる時に棒に当たって平たくなる部分)が入っていて、普通の箇所との食感の違いが面白い。そして、つゆは先ほどの酒蒸しで出た蛤出汁のみを使用。蛤の旨味は身よりも、身から出た体液(エキス)の方にあると聞きます。この淡麗な味には主張が少ない稲庭うどんがぴったり。美味い訳です! ・シューマイ 前回同様、当店名物のシューマイはデザートとして。甘いものを食べない僕としては大歓迎!しかし、このシューマイ、とっても甘いのです。これに前回教えてもらった、イギリスのリーぺリンウスターソースをかけて。これが甘味を引き締めて美味いのです! この日飲んだ日本酒は… ・福井弥平商店 萩乃露 特別純米 十水仕込 雨垂れ石を穿つ 珍しいネーミングなので、ググってみたところ、十水仕込って江戸時代から伝わる仕込方法だそう。そして雨垂れの意味は…詳しくはリンク先をどうぞw http://www.haginotsuyu.co.jp/amadare ・葛城酒造 百楽門 純米吟醸 ・西堀酒造 西堀 純米 槽がけひやおろし この酒は指定の酒店でしか入手できないのだとか。 ・山﨑 山﨑醸(かもし) 純米吟醸酒 と、ちょっと控えめでした。 それにしても、やはりこの日も大満足で