滋賀県北部・余呉にある悶絶級の世界的オーベルジュ。 この日は複数の要人とのお約束がございました。今回同席の要人、全員食に造詣が極めて深く、またご一緒させて戴いて大変に楽しい聖人揃い、平素華のないシケシケとした生活を日々送っている一介の乙参の私にお声掛け賜り天にまで昇ってしまいそうでございました… しかも今回お誘い賜りましたお店は地産地消のジビエと熟成の凄店で予約も相当に困難、以前から突き指しそうな程に行きたいを押しまくっていたコチラ…日本、いや世界屈指の名店と申し上げても過言ではない徳山鮓さんでございます! 新幹線で米原まで、その後在来線・北陸本線に乗り換えて琵琶湖北端の町・余呉へ向かいます。新幹線・在来線車内でも既にビールを飲み散らかし、既に猛烈なお馬鹿さん状態でございます… 余呉駅には徳山鮓さんから送迎のお車が!感動しつつ車に揺られること数分、お店に到着でございます!正に大自然の中の1軒宿、日頃薄汚れた私の身体が既に浄化されていく様な気さえ致します…深呼吸しつつ何時もの様にお店の外観を激写した後に入店と相成りました… お任せのコースでお料理を頂戴致します。まずは先付的に餅米と生姜餡を合わせた鰻をお給仕していただきました。余呉湖で捕れた天然の鰻、旨味がハンパございません!上質な脂分と引き締まった鰻の身の美味しさが地元産の餅米と実に優しくマッチ、更に丁寧に出汁を取られた生姜餡が全体を引き締めて素晴らしいお品に昇華しています…これは美味い… 鹿肉を香茸と共に頂戴致します。これまた地元で捕れた臭みなど一切感じない旨味の塊の鹿肉を超入手困難・松茸を超える幻のキノコといわれるその名の通り香り満点の香茸と合わされた素晴らし過ぎるお品、食する程に飲酒に対する欲求が高まって仕方がございません… チーズを巻いた鯖の熟鮓を2種類のトマトベースのソースで頂戴致します。熟鮓というとハードなお食事の印象が強うございますがコチラの熟鮓は正に芸術品、鯖そのものの旨味が上手に生かされた優しいお味に仕上がっております!日本食文化のレベルの高さを心から痛感致します…更には一つのソースには胃を練り込んである手の込み様、しかしこれがまた滅茶苦茶美味しゅうございます… ここで見るも贅沢なワンプレートをお給仕していただきます。猪をハムと生ハムで楽しむことができ、山葵漬と香茸がアクセントとして盛り込まれているお品…更には煎り胡麻と琵琶鱒の松風風・熊と猪と鹿のテリーヌまで頂戴できる正に地元のザ・ジビエ的なプレート…一口頂戴しては昂ぶった気持ちを抑えるために飲酒→また一口頂戴しては飲酒→…イケナイ無限ループに急速進行性に突入でございます! 香茸の餡で仕立てられた頭から尻尾までイケるこれでもかという程に卵が詰まった子持ち鮎と熊肉のしゃぶしゃぶ、鮒寿司を頂戴致します。赤と白の綺麗なコントラストの熊肉、これをキッチリと極まった出汁にくぐらせるとその身がきゅーっと小さくなりこれをおもむろにポイッと口に放り込みますと…んんんー、これは雲上のお味でございますぞ!ジビエ的な臭みは全くゼロ、熊の大変に美味しい脂分と滋味溢れる旨味がグッと凝縮された正に旨味爆弾、白眼昇天を堪えるのに必死でございました… このお店の名物の一つと言っても過言ではない鮒寿司、独自の技術で臭みも匂いもごく僅かに仕上がっており酸味・旨味・甘み・塩気が融合された究極のお食事と申し上げても過言ではございません!一同旨い旨いの連発で飲酒のピッチが上昇の一途を辿り、気が付けば以下の品々をシバき上げておりました… 七本槍・特別純米・減農薬栽培玉栄・限定醸造 七本槍・純米・紫霞の湖 七本槍・純米・低精白80% これらのお酒を何度もおかわりしつつ赤ワインまでシバき上げていますので車中のビールの鯨飲も相まって相当にフラフラして参りましたぞ…話す内容は同じことの繰り返し、徐々にその声も大きくなってきている様な気が…いかーん、このままでは入寂してしまう!何とか残された力を振り絞ってお会計後退店と相成りました… 実に素晴らしいお店でございます!極上の素材に乾坤一擲のお料理がなされた正に雲上のお料理…またお酒は地元栽培米を使用した地酒七本槍…究極の超贅沢な地産地消がここにはございます! 親しい友人と楽しく訪れるもよし、ハレの日的な意匠で訪れるもよし、勿論異性と㊙︎的に訪れても負ける気が致しません!お食事よし、お酒よし、居心地よしと母なる余呉の大地に抱かれる様な錯覚さえ覚えてしまいました…ここは間違いなくマイベストのお店でございます!…しかしながらこのような名店であるにも関わらず相変わらずのこの所業、嗚呼、堕ちてゆく… #日本食文化の究極 #もう何も言えねえ