円熟さが織りなす美味 @生田 お世話になること十余年。 シェフとマダムには家族や親族の成長、変化を見守ってもらっている。 当日はクリスマスディナー。 今年も家族と共に素晴らしい味わいとサービスを楽しませていただいた。 メニューはイタリアンのフルコースで、アンティパストとプリモは2種づつという充実した構成だ。 美しい見た目に技巧を凝らしたり、トリックで驚かせてくれたり。 そんな年もあったが、今回は違う。 最上質の素材を丁寧に調理した一つ一つの料理には円熟の美味を感じることができた。 [アンティパスト]冷前菜 ・ローストビーフのサラダ仕立て フレッシュなりんごと濃厚なゴルゴンゾーラソースの対比が印象的。 ローストビーフは素材の旨みを噛み締めて楽しみながら、味覚が覚醒する。 [アンティパスト]温前菜 ・ムツの薄炙り メニューの名前は忘れてしまったが、炙られた皮目の香ばしさとレアな身の甘みが素晴らしい。 まるで絵を描いたような美しさ。 茄子のカプナータとジェノベーゼソースと共に変化を楽しむ。 [プリモ]パスタ 香箱蟹のパスタが素晴らしかった。 クリスマスにこれ?と嬉しい驚き。 緑の皿に盛られた鮮やかなオレンジと赤の外子が雰囲気だ、なるほど。 丁寧に抽出された脚は品のある旨み。 コリコリとした外子の食感楽し。 それらをパスタと交互に味わう。 蟹と帆立だと思われる出汁で作られたソースには海鮮の贅沢さがギッシリ。 それが自家製のタリアテッレととてもよくバランスしていた。 既成概念にとらわれない発想に感心、感謝。 ◇ワイン 前半は白をグラスで。 後半は大好きなプリズナーをいただく。 これがセコンドの蝦夷鹿に良くあってご機嫌。 [プリモ]リゾット ・原木椎茸のリゾット [セコンド] ・蝦夷鹿のロースト ベリーソース [ドルチェ]